本日は埼玉の病院同行、春日部ですが気温が36°まで上昇、埼玉も暑いです。その後打ち合わせで高崎、翌日は相談会で長野入り、少し涼しいと予想します。今日の整形外科医は神経学に造詣が深く、説明がとてもわかり易いGood Dr.でした。
 整形外科医の良し悪しは神経学的所見を診るか否かでわかれるような気がします。
  

 むち打ちや腰椎捻挫で痛み、とくにしびれが半年以上長引く被害者がいます。通常、打撲捻挫の類であれば消炎鎮痛処置を施し、3か月ほどで治ります。しかし単なる筋肉、靭帯の炎症では済まず、頚部や腰部の神経に刺激が加わったことによって、神経因性の疼痛、しびれが長引くケースとなります。これは交通事故の後遺障害において最大勢力である、「局部に神経症状を残すもの」に該当する可能性があります。
 しかし神経症状を示す診断なければ保険会社は単なる打撲・捻挫と判断します。そして3か月以上も通っていれば「捻挫でなんでそんなに長く通っているのよ!」と怒り心頭に達します。しかし神経症状を示す診断や画像、検査数値があれば一定の理解を得ることができます。つまり医師が長引く症状を打撲・捻挫の類と診断するか、神経症状と診断するかにかかっているわけです。

 年間100人以上の医師と面談していると、医師の診断、特に整形外科の医師の判断のバラつきを感じます。以下典型的な2タイプの医師が存在します。

 

<町で1軒のおじいちゃん医師 A>

  「レントゲンで骨折はなかったよ。捻挫だねぇ。湿布を出しておきましょう。痛かったらロキソニンを飲んで」と診断し、「リハビリで牽引をやってみる?」、そして指先のしびれを訴えても、毎回「様子をみましょう」。こうしてだらだら月日が経ちます。
 その後保険会社から打切り打診があると、「痛みは心因性だから、痛いと感じるから治らないんだよ」など意味不明の言葉を残し症状固定とします。

 

<有名医大で学んだ若手医師 B>

 「(レントゲンで)頚椎の隙間が狭いので頚部の神経に圧迫があるかもしれません」と説明し、腱反射、ホフマン・トレムナー、知覚検査を行います。腰部であればSLRなどで神経症状を有無、程度を調べます。そして早期にMRI検査を行い、神経の圧迫部を確認します。急性期の頭痛、めまい、耳鳴りがあれば神経科の受診を勧め、神経ブロックを施します。理学療法も症状に合った内容を試し、効果のあるものを理学療法士と相談し進めていきます。牽引やカラー固定などは敬遠します。処方薬も「手指に末梢神経障害がありますのでリリカを出しましょう。」と神経性の疼痛に対処します。 保険会社から症状の照会があれば、「頚部C6/7左神経孔に椎間板圧迫」など具体的な説明を記載します。つまり打撲・捻挫ではない、神経症状による痛み、しびれの診断が成されるのです。

 

 結果としてA医師にかかれば早期に治療費を打ち切られ、後遺障害は認定されません。B医師にかかれば一定期間の治療費は確保され、後遺障害の認定も受けやすくなります。
 
 被害者の運命を変える医師・・・被害者には「医師選び」が必要です。厳しい言い方をすれば最適な環境で治すことも患者の自己責任です。自分は被害者だから・・・甘えは通用しないのです。