認定が大分溜まってきましたので、いくつかUPしたいと思います。14級でも様々な認定ケースがあります。

 リスフラン関節は足の土踏まず辺りにあります。足の5本指につながる中足骨と足根骨の関節部を指し、5本の骨が立体的にアーチを形成、このアーチが全体重を支えるクッションになります。完全脱臼でリスフラン靱帯が断裂すれば、手術で固定する必要があります。でないと、激痛で歩けません。    リスフラン関節は、受傷者・相談者のわりに、受任が少なかった印象ですが、このたび14級例が加わりました。手術に至らないレベルであっても、疼痛の残存で14級9号は確保したいところです。

比較的、治りは良かったです  

14級9号:リスフラン関節脱臼骨折(50代女性・神奈川県)

【事案】

バイク運転中、対向車線からの右折自動車の衝突を受ける。手指の骨折・脱臼の他、リスフラン関節脱臼骨折となった。

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③ 足関節脱臼(骨折)について

 脛骨、腓骨と距骨との間の関節が事故により脱臼してしまうことがあります。

 脱臼の際に、骨折してしまうこともあります。また、骨折だけではなく、周囲の靱帯損傷をしてしまうこともあります。単なる脱臼であれば、徒手整復で外れた関節をはめることで治療できます。仮に徒手整復を実施しても関節が不安定な場合は、手術が必要となる場合もあります。しかし、他方で骨折もしている場合、わずかでも骨片が関節内に残存してしまうことがあります。わずかに骨片が残存しているようであれば、そのまま放置して経過観察することがありますが、上記徒手整復をした際に、関節内に骨片が残存してしまった事例がありました。

 その事例の相談者は靱帯、神経、骨の癒合はどれも問題ないにもかかわらず、関節が曲がらないままでした。どの医師もお手上げでしたが、最後に足の専門医に診て頂き、骨・関節内の異物除去術、腱剥離術を実施しました。症状固定時に脱臼した関節の可動域が制限されていても、単なる脱臼であった場合、自賠責調査事務所や保険会社はそれだけで関節が曲がらなくなるとは通常考えません。脱臼した上に骨折や靱帯断裂等があって、関節を曲げる運動に支障が出ていることが証明されてはじめて関節可動域での等級の土台に乗ります。

 例:骨折後の癒合不良、癒合しても変形癒合して関節を曲げる際に骨同士で引っかかること、靱帯損傷で足の運動に支障が出てしまうこと、神経断裂により、自分で体を動かせない事等。

 なお、脱臼後、痛みが事故当初から発症し、症状固定時まで症状が継続していれば14級9号が、さらに脱臼骨折等で骨片や変形癒合等が残存している場合であれば12級13号が認定される可能性があります。

 

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 足指はまだ、審査中の1件が残っていますが、シリーズはここまでにしましょう。本件も自賠責の併合・相当の判定ルール上、大変に勉強になるケースです。

 指シリーズは全般的に内容が地味です。ところが、実はメディカルコーディネーターの実力が試される部位なのです。肩や膝の関節と違い、指は関節が多く、計測に大変な時間と手間がかかります。医師も一番、計測が嫌だと思います。もっとも少なからず、計測は理学療法士に一任することになりますが、理学療法士さんにとっても、指の計測の頻度は少なく、面倒な作業でしょう。一方、診断側だけではなく、審査側である自賠責・調査事務所も、毎度、診断書の記載不足=「計測が不足していますので追加計測を!」にうんざりだと思います。

 ここでのポイントは、「全て計測する必要はない」と言うことです。無駄な計測作業を割愛する、しかし、自賠責が要求する計測は漏らさない・・・これこそ、私達の経験と技術が集約される場面なのです。双方の負担を減らし、間違いの無い等級認定に導くには、知識はもちろん、医師と円滑に折衝できる人間力も必要です。これができる事務所は極めて少ないと思います。

もう、指はすべてうちに任せて!

9級相当:足指欠損・機能障害(40代男性・東京都)

【事案】

バイク運転中、交差点で自動車と出会い頭衝突、足を受傷。足関節開放骨折に加え、足指すべての指がやられた。それぞれの症状は以下の通り。

・母指(親指)→ 硬直、可動域制限

・示指(人さし指)→ 硬直、可動域制限

・中指 → 壊死、欠損

・環指(薬指)→ 壊死、欠損

・小指 → 変形、可動域制限 続きを読む »

 秋葉事務所では、足の難治性骨折の案件を常時、お預かりしています。

 とくに、感染症にさらされた被害者さんは、菌が暴れだす度にデブリ洗浄(手術で骨を洗う、と言うより削る)を行うので、骨癒合はやり直し、数ヶ月後に遠のきます。その間、治療費や休業損害の確保、労災適用や健保治療切り替え、専門医への誘致など、作業は多肢にわたります。重傷骨折者の皆さんこそ、その面倒をみれる事務所にご依頼いただきたい。まさに、被害者さんと二人三脚、折れた脚と共に歩むことになります。

 しかし、実際は、「等級が出るまで待っています」との事務所が圧倒的多数なのです。場当たり的なアドバイスはあるでしょうが、基本的に何もしないで待っているだけです。症状固定日まで無為無策では、予後の回復はもちろん、後遺障害等級、賠償金に深刻な禍根を残すことになります。重傷者の皆様、事務所選びは是非、慎重にお願いします。  本件も厳しい戦いが続きます。

9級相当:距骨粉砕骨折、母趾基節骨骨折(40代男性・埼玉県)

【事案】

2輪車で直進道路で走行していたところ、左後方から合流してきた自動車と衝突、受傷した。直後、救急搬送され、距骨粉砕骨折(足関節脱臼骨折)、母趾基節骨骨折、と診断された。

【問題点】

加害者は任意保険に入っていなかった為、労災で治療費を確保することになった。骨折した箇所を創外固定したが、術後に感染症を発症する。デブリドマン洗浄し、抗生剤治療を実施、骨折箇所の癒合を待ちつつ、リハビリを続けることになった。

さらに、運が悪いことに、本件は労災の規定上、術後150日経過のリハビリ治療費は支給中止と決定された。感染症の為、骨の癒合が遅れた理由から、主治医に治療の継続を労災に伝えて頂くが、労災はそれでもリハビリ代を出さなかった。

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   かつて、安西先生は言った・・・名作バスケ漫画、スラムダンクからの名言です。全国の体育会男子の胸を熱くしたこの言葉、学校を卒業して社会人になっても、様々な場面で蘇ります。

 秋葉事務所は、「後遺障害は認められるでしょうか?」と質問する相談者様に、あいまいな回答をせず「ダメなものはダメ」と断言するようにしています。認定が取れない仕事など、被害者さんに無駄な時間と費用を浪費させるだけです。なにより、期待を持たせる事自体、罪なことです。常日頃から、クールに認定率100%を目指すことがプロの仕事と思っています。それでも、本件はあきらめたくなかった。

 交通事故の解決において、警察・病院・保険会社の関与があまりにもシステム化して、被害者の症状・訴えに誰も耳をかたむけない。依頼者様の熱意もさることながら、そのような体制に抵抗したかったのです。クールな事務所も、時に熱血になってしまうのです。

  (私、佐藤は)野球部出身です。9回裏サヨナラ逆転タイムリーを打ちました!  

併合14級:手関節・足関節捻挫(70代女性・千葉県)

【事案】

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近時の認定経験から   ② 距骨骨折について

 距骨とは、かかとの骨(踵骨)と、足のすねの脛骨、腓骨との間にある足首の骨です。この距骨を中心に足首(足関節)を曲げますので、歩行や背伸び等の運動でスムーズに足を動かすために重要な役割を持ちます。  距骨を骨折した場合、少し骨が欠けたような骨折だと、ギプス固定して、骨の癒合を待つ場合があります。軽い骨折の場合、症状固定時期に痛みやしびれなどの神経症状が残存している場合、14級9号が認定される可能性があります。他方で、骨折がひどい場合にはプレートやネジで固定して癒合を待つ場合があります。

 このような重い骨折の場合、事故前の距骨と比較して、多少変形や偽関節が生じてしまうことがあります。また、距骨は筋肉などとつながっておらず、血流が他の骨に比べて非常に悪く、骨折がひどい場合は壊死する恐れもあります。

 距骨の変形や偽関節、壊死等によって、足首の動きが悪くなることがあります。また、プレートやネジで固定した際に、ひっかかって足首の動きが悪くなってしまうことがあります。症状固定時期に足首の動きが悪くなってしまっていた場合、可動域制限で等級が認定される可能性があります。但し、それはリハビリ等の治療努力をした場合で、それでも可動域制限が残存した場合に限ります。(骨折状況によってはリハビリそのものが無理な方もいらっしゃいますので、治療内容はケースバイケースです。)

※ 過去の相談者の中には可動域制限で等級が認められる話を聞いて、リハビリをさぼろうとする人がいましたが、リハビリをさぼって出来上がった可動域制限は単なる筋拘縮によるものにすぎず、器質的損傷による可動域制限とは認められません。どのようなことがあっても治療をさぼるようなことは絶対にしないで下さい。急性期の治療が後の後遺症を左右します。

 仮に、可動域制限が残らず、治療が良好に進めた場合は、画像所見が認められ、かつ痛み等の神経症状のみが残存した場合、12級13号が認定される可能性があります。  

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足関節の障害を勉強します

① 等級について

 交通事故で、足首を捻挫等で痛めた場合、骨折した場合、靱帯損傷した場合等足首を怪我することがあります。特にバイクや自転車、歩行中の事故でひどく症状が残存することが多いです。

 治療やリハビリを開始し、目安として事故から半年(骨折した場合は骨の癒合も確認できていることが前提です)経過後が症状固定時期です。

 痛みやしびれなどの神経症状が残存した場合、自賠責保険上の後遺障害等級としては、14級9号か12級13号が認定される可能性があります。14級と12級との差は、事故直後及び症状固定時期の各画像所見の有無によります。癒合完了後、変形や転位などの所見が明確であれば、12級13号が認定される可能性が高まります。

 これら痛みやしびれなどの神経症状だけではなく、怪我の重さや部位によっては、可動域制限が生じることがあります。足首(足関節)の可動域制限が残存した場合、自賠責保険上の後遺障害等級としては、12級7号、10級11号、8級7号、のいずれかが認定される可能性があります。

 足首(足関節)の可動域の正常値は、底屈が45°、背屈が20°で、合計65°です。

① 合計約50°以下になった場合は12級7号が認定される可能性があります。

② 合計約35°以下になった場合は10級11号が認定される可能性があります。

③ 合計約10°以下になった場合は8級7号が認定される可能性があります。    基本的に他動値で等級を判断することになりますが、外傷内容によっては自動値で判断することもあります。例えば、神経麻痺により、自動ができなくなった場合などがあげられます。  

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 年末年始にかけて認定ラッシュとなりましたので、溜め込まないうちに、いくつか紹介・UPします。年初から骨折画像を観続けの毎日です。お医者さん、放射線技師の次に医療画像を観ている仕事と思います。本年も勉強を怠らず、泥臭くとも努力と根性で行きたいと思います。 

 誰しも後遺症を残さぬよう、治療に全力を尽くします。そして、治りが良ければ、どうしても後遺障害申請に気が回りません。障害など残さず治す事が一番ですが、治療と平行して賠償問題にも気をかける必要があります。症状がはっきりしているうちに、すみやかに申請をすべきなのです。

   若い人は治りがいいなぁ  

14級9号:脛骨骨折(20代女性・群馬県)

【事案】

自動車の後進を誘導中、誘導していた車と駐車場の柵に挟まれたため、すねを骨折した。直後から強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

相手保険会社から示談の案内=傷害慰謝料の提示があったことを機に、相談会に参加された。

髄内釘で固定後、骨癒合促進のため超音波治療を続けた。その効果から変形や機能障害も残さず、回復は良好であった。相談時には既に1年半以上経過しており、最終診察は8か月前も前だった。    続きを読む »

 障害など残らず、治ることに越した事はありません。これは絶対的に正しい。

 しかし、受傷以来、本人の苦痛と回復努力を拭うものは、慰謝料や逸失利益に他なりません。本件の受傷様態は両脚に12級が狙える、つまり、弊所としては併合11級を想定します。早期に症状固定、受傷から計画的に進めてきたら・・どちらかの脚が12級に届いたかもしれません。等級が1段階上がっただけで、賠償金は400万円の伸びしろが計算できます。それでも、14級に留まる位の回復は喜ばしいことです。    頑張りましたが・・やや複雑な心境です  

併合14級(14級9号:左脛骨高原骨折・14級9号:右脛骨解放骨折)(40代女性・埼玉県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、左脛骨近位端・外果部骨折と右脛骨開放骨折となった。

【問題点】

相談時には既に1年が経過しており、感染症もなく、手術後の回復も良好であった。本来であれば右膝は可動域制限が想定される部位であるが、可動域は回復した。さらに、左脚も骨の変形・短縮もなく、膝、足首ともに可動域制限を逃す数値まで改善しており、それぞれ14級しか認定されないだろうと想定された。 続きを読む »

 今年も高齢者さまのご依頼が続きました。体力やおケガの状態により、頻繁に通院ができないケースが多く、立証作業も困難を極めます。事務所で座っている場合ではありません。本件も現場主義をモットーする弊所の機動力が発揮されました。 これが私達の仕事です!

併合11級(12級6号:上腕骨遠位端骨折・12級相当:下腿皮膚剥奪創)(90代女性・神奈川県)

【事案】

信号のない横断歩道を歩行中、左方から来た原動機付自転車に衝突され受傷、肘を骨折したもの。その他、下肢に皮膚のはがれた痕が広範囲に残存していた。

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 自賠責の後遺障害認定には、相当・併合・加重といった独特のルールがあります。これらの解説は、交通事故を扱う弁護士・行政書士のHPで簡単に調べられますので割愛しますが、実際のケースで設計図が書ける専門家は果たして何人いるでしょうか。

 本件は複数の障害が重なった結果、相当と併合のルールが駆使されました。私達は申請前から既に等級を計算しています。ある意味、後遺障害の立証とは最終的な障害等級=目標地点を定め、それに必要な医証を集める作業です。この感覚を身に着けるには経験を重ねるしかありません。重傷の被害者さんが、「とりあえず(何級になるか解らないが)申請してみましょう」・・などと言った、頼りない専門家さんに任せないよう祈っています。 4年間の密着が続きました

併合5級:大腿骨・脛骨骨折 腓骨神経麻痺(50代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで走行中、左折自動車の巻き込みで衝突・受傷、左右両脚の骨折となった。とくに左脚は膝上の大腿骨顆上部と脛骨近位端を粉砕骨折しており、癒合も長期化した。プレート固定+人工骨の埋没など、数度の手術を経たが、大腿骨の変形と短縮は当然に残存した。膝の靱帯も損傷、腓骨神経麻痺も併発し、足関節と足指の可動域も用廃状態、醜状痕も広範囲に残った。事務所開設以来、切断肢を除けば下肢の最重傷例となった。

【問題点】

骨癒合を果たせないまま転院を重ね、手術とリハビリの連続から、症状固定まで実に6年2ヶ月を要した。相手保険会社はその間、何度も治療費打ち切りを切り出してきた。秋葉は治療費を健保へ切替え、何度も医療調査に立会い、保険会社調査員の理解を促した。それでも、打ち切り攻勢は続き、連携弁護士が担当者と交渉を重ねてきたが、それも限界と判断し、症状固定とした。

【立証ポイント】

まず、本人、弁護士との3者打合せで、障害等級の設計図を書いた。 続きを読む »

 関節可動域制限で後遺障害認定を得るには、「曲がらなくなった」理由について、画像上で「物理的に曲がらなくなったこと」を明らかにしなければなりません。

 つまり、骨折では癒合後、変形(出っ張りや凹み)、転位(ずれてくっついた)など、関節内の不整が残存したことを証拠とします。その他、靱帯の損傷、軟骨の欠損が挙げられますが、これらは手術で整復することが一般的です。しかし、骨癒合が得られず、固定した状態が長期化すれば、関節拘縮(廃用性拘縮)といって関節が固まって曲がりが悪くなります。この場合、予後のリハビリで改善させます。

 本件は骨癒合を果すも、関節拘縮が進行し、もはや改善不能の状態にまでなってしまいました。足関節の機能障害としては最も重い8級(ほとんど動かない)レベル、さらに足指も拘縮して曲がりません。この事実をすんなり障害認定してくれれば良いのですが、自賠責は前述の通り画像上、物理的な原因を条件に考えています。原因不明のままでは、通常、等級認定はありません。ケガは治らないわ、障害認定もないわ・・これではやられ損です。厳しい条件ながら、山本が立証を成功させました。これは地味に高難度の仕事です。

 自賠責が信じてくれて良かったです  

併合7級:足関節脱臼骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

オートバイで直進道路を走行していたところ、対向車線から右折進入してきた相手方自動車と衝突、受傷した。直後救急搬送され、足関節脱臼骨折と診断される。

【問題点】

脱臼骨折した箇所の癒合を待ちつつ、リハビリを続けていたが、足関節の可動域が一向に改善しなかった。また、直接、受傷していないはずの足指(親指から小指)も曲がりが悪い。弊所で受任後、腓骨神経麻痺を疑い、主治医に神経伝導速度検査ができる病院を紹介して頂き、検査を実施したが神経の異状はなかった。

全病院が原因不明ないしは手術を実施すれば何かわかるかも?という観測が出るのみで、抜本的な治療法がないまま時間が過ぎた。そこで、遠方になるが専門医に診て頂くため、後任の主治医にその病院を紹介して頂くこととなった。専門医の診察後、再手術することになったが、足関節、足指のいずれの可動域の回復はいまいちであった。このままでは「リハビリをさぼったもの」とみなされ、自賠責は往々に機能障害を認めない。

【立証ポイント】

ここで症状固定を決断した。しかし、足関節の可動域はもちろん、特に足趾の可動域も制限される原因が、足関節脱臼骨折に伴うものであるだろうという医師の診察のみであり、明白な所見がないことに変わりない。そこで、これまでの治療の経緯を詳しく説明するため、診断書上把握しきれない全容を文章をまとめた。リハビリ等治療努力をしてきたことを訴え、また、これまで撮影してきたMRI画像、CT画像、神経伝導速度検査等のすべての検査内容(所見に関係なく)をすべてそろえて被害者請求した。

その結果、可動域制限は治療努力に反して残存したものであり、かつ、事故との因果関係も認められた。内訳は足関節は用廃で8級7号、足指は母指の用廃で12級12号、双方が併合し、7級が認定された。 ...

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 醜状痕の判定も人の印象に左右されるものです。自賠責や労災では瘢痕(あざ)、陥没痕(へこみ)、線状痕(キズ)などから、それぞれ鶏卵大、10円硬貨代、○cmと基準を設けています。  ⇒ 醜状痕の基準

 しかし、キズの様態は様々です。醜状の「みにくさ」という印象も人によって違います。色の薄さ、形状、そこまで細かく基準化できません。医師の診断書の計測・記載内容はもちろん、写真や面接での確認も含め、最後は人が判断するしかありません。調査事務所での面接は必ず2人が担当し、医師の計測が間違いないかを確認します。本件は切り傷であり、線状痕での判定(つまり、瘢痕ではないので非該当)を覚悟していましたが、瘢痕に当てはめてくれたようです。自賠責の、実情を汲んだ柔軟な姿勢を評価したいと思います。

 相談会での宣言通り、切り傷で14級を立証しました! 

  

14級5号:下肢醜状痕(40代男性・千葉県)

【事案】

250ccバイクに搭乗中、左方向から来た車の衝突を受ける。転倒し、膝をざっくり切った。救急搬送され、50針以上の縫合となった。

【問題点】

主な治療先が整骨院であった。既に治療終了とされていた総合病院の主治医に診断書を打診するも、「後遺症はない」と断られていた。また、下肢の醜状痕は瘢痕の面積で判断されるが、裂傷の線状痕であるため、認定基準外か・・。  続きを読む »

 近時の認定例を紹介します。いずれも、自賠責の認定基準上、微妙な障害です。例えば、捻挫・打撲などは炎症が収まれば、通常、後遺症はありません。それでも、神経症状の括りで14級9号が認定されることがあります。訴えの信憑性は受傷機転や治療経過、症状の一貫性など、検討材料は限られますが、結局、自賠責調査事務所の職員がこれらの要素から判断します。つまり、画像上、明確な器質的損傷が乏しい場合や、明らかな検査結果のない症状は、最終的に「審査員の印象」に左右されると言えます。

 骨挫傷は骨の表面の挫傷なので、レントゲンでの確認は難しく、MRIが必要です。骨折とは言いがたく、医師の診断も分かれます。そして、挫傷痕も月日と共に薄れますので、後遺障害認定もケースbyケースとなります。やはり、できるだけの資料を集めて、訴えを丁寧に主張することが第一です。後は審査員の判断に委ねます。  

この手の立証はうちの事務所の得意とするところです

  

14級9号:足関節骨挫傷(30代男性・東京都)

【事案】

歩行中、後方で自動車同士が衝突し、弾かれた自動車の巻添いとなり受傷する。直後から右脚の痛みに悩まされる。

【問題点】

交通事故業界で有名な整形外科に遠方から通院しており、医師からも半年で症状固定を言い渡される。全ての病院での診断名があやふやであり、画像所見も特に異常はなかった。毎度、骨挫傷は医師によって評価が分かれる。 続きを読む »

 弊所は後遺障害専門事務所の看板を掲げていますが、被害者さんに障害など残らない方が良いに決まっています。適切な治療とリハビリによって、後遺症を最小限にする努力が最優先です。

 しかし、骨折を伴うようなケガであれば、残念ながら何らかの障害が残るものです。本件の骨折部位は、お馴染みの脛骨近位端です。プラトー骨折、高原骨折などとも呼ばれています。この部位の骨折は関節に直に影響しますので、可動域制限が残り易いと言えます。しかし、本件では適切な治療の進行を見守り、膝の関節は可動域の回復を果たしました。それでも、正座など極端な屈曲は厳しく、痛みも残存しています。これをしっかり神経症状の12級、ないしは14級に押さえ込む必要があります。

 同部位の案件を何件も受任し、変形性膝関節症の合併を含めた、10級11号、12級(7号、13号)、13級8号、14級9号と、あらゆるケースの認定を経験していますので、容易に等級を想定・確保することができます。何と言っても、受傷初期からのご相談でしたので、余裕を持ってご対応させて頂きました。後遺障害の申請業務は、「さて、申請の結果、何級でしょう?」のような、くじを引くようなものではありません。受傷時から計画的に治療を進め、無理のない回復を達成後、想定等級に収めるものです。   経験と実績の賜物です  

12級13号:脛骨プラトー骨折(50代女性・東京都)

【事案】

交差点で横断歩道を歩行横断中、信号無視の自動車の衝突を受ける。脛骨、肋骨を骨折し、脛骨はプレート固定術とした。

【問題点】

受傷直後からご相談を頂いた。骨癒合の進展に伴い、近隣の整形外科へのリハビリ通院に移行する。膝のプレートは抜釘はしない方針へ。これら、治療・リハビリの経過を寄り添って進める。したがって、特段の問題は起きない。

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膝シリーズ復活!  最近も重傷例を担当しました。実戦に勝る経験則はありません!    前回までのシリーズ ⇒ 膝の怪我について①    以前述べたように、靱帯の損傷がひどい場合、手術としては、靭帯修復術や再建術、人工関節置換術をすることがあります。

 人工関節置換術とは、関節を金属・セラミック・ポリエチレン等でできた人工関節に入れ替える手術です。この手術は関節の疼痛を緩和・消失、または関節を曲げられるように、あるいは関節の動揺性をなくすこと等を目標としています。なお、人工関節置換術がなされた後、疼痛が消失する代わりに、多くの人は正座ができなくなります。

 交通事故で関節を損傷し、人工関節置換術を実施した後に症状固定した場合の等級としては、以下の通りです。   続きを読む »

 頚椎捻挫が認定されると、おまけに腰椎捻挫・認定もついてきます。これはお馴染みのパターン。しかし、本件は足首の捻挫までもが認定されました。このような大サービス?は初です。

 まるで、「今なら3個つけて、お値段据え置き!」通販番組のノリです。調査事務所の運用基準は非公表ですが、「ついでの認定」は聞いてみたいことの一つです。

今なら3個・・1個でもいいのに

14級9号:足関節捻挫(30代女性・茨城県)

【事案】

自動車に搭乗中、優先道路を直進中、信号のない交差点で右方から来た自動車に衝突される。直後から頚腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談時には治療費を打ち切られており、接骨院を併用していたため、通院回数もそれほど多くはなかった。

【立証ポイント】

初期から診断名のあった足関節のことは無視して、頚椎・腰椎に絞って後遺障害申請を行った。もちろん、足関節のMRI検査などするはずもない。頚椎捻挫での14級は狙い通りだが、ついでの腰椎認定はおろか、なぜか足関節まで14級が認定されている。足関節捻挫のみの診断名で申請すれば、すぐに非該当の回答が返ってくるのだが・・。

頚椎・腰椎の捻挫以外の部位で、捻挫の認定は立証が難しく、毎度苦労するものです。しかし、本件はここぞとばかりに14級をくっつけてくるあたり、なにか狙いがあるでしょうか? 調査事務所の担当者に意見を伺いたいものです。 続きを読む »

20120117  下腿骨は脛骨と腓骨の2本の長管骨です。これも大腿骨に同じく、きれいにポキッと折れた場合は、わりと問題なく癒合します。しかし、骨折箇所が膝関節と足関節に接近すればするほど、後遺症は必至となります。手術での整復が完璧であっても、関節部の完全回復は難しいようです。下記実例が示すように、日本一を名乗って良いくらい、あらゆるパターンの下腿、足、足指のケガが網羅されていますが、その多くは関節部です。

 また、折れた骨が皮膚を突き破ってしまう、いわゆる開放骨折は感染症の危険にさらされます。MRSAなどに感染すると、骨折面の骨を洗うというより、ゴリゴリ削らなければなりません。これで、癒合が相当に遅れてしまうのです。難治性骨折となった患者さんは、感染症に対応できる病院、イリザロフ法などが可能な病院に転院しなければなりません。だらだらと何ら対策せず、骨癒合を待つだけの病院にいてはいけません。下肢の障害では何度もその悲劇をみてきました。早めのご相談をお願いします。まず、最善の治療を選択すべきです。障害等級は低いに越した事はありません。  

 

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 大腿骨は太ももの骨です。経験上、ポキッときれいに折れた場合、癒合もよく、深刻な障害が残りません。やはり、深刻となるのは、股関節部、膝関節部の骨折です。人体の関節部は精密にできており、この部分に骨折が及べば、ほとんどのケースで何らかの障害を残します。また、骨折が無くとも膝の半月板や靱帯の損傷も厄介です。 c_g_l_7720150410_3  骨折後の変形から靱帯損傷、半月板損傷、膝関節の可動域制限あるいは動揺性・・秋葉事務所では、同部位ほとんどのケガが網羅されています。  

 

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 かつて、4肢骨折、つまり、腕と脚4本すべて骨折した被害者さんや、高次脳機能障害と骨折4箇所、内臓損傷に嗅覚味覚障害、醜状痕が重なった重傷者も担当してました。これらは実に4人分の立証作業になります。

 本件も残存する症状が多肢にわたり、両手首と右脚のケガがメインながら、被害者さんの転勤で治療先が大阪と東京に分かれ、医師の見解にもばらつきがあって、大変な作業となりました。山本の奔走で結果的に併合9級になりましたが、併合等級の計算上、14級をいくら加えても等級は上がりません。すると一見、無駄な努力に思われます。しかし、引き継いだ弁護士が賠償交渉をする上で、障害の部位数が多いことが慰謝料増額の交渉材料になりうるのです。

 何より、被害者の心情としては、被ったすべての障害をしっかり認めてほしいのです。   山本さんイラストsj山本は大阪と東京の病院を2往復!  等級を完璧に捉える姿勢は、もはや、後遺障害界のアーティストか?  

14級9号:前十字靭帯損傷、14級9号:距骨骨挫傷(40代男性・東京都)

【事案】

オートバイで交差点直進中、対抗右折自動車と衝突、その衝撃で左側路外に逸脱、転倒した。受傷から、両手首、左膝、右足首、臀部に強烈な痛みが生じる。

【問題点】

当初の診断名が右橈骨遠位端骨折、左手関節部挫傷・打撲となっていたが、その後すぐに自宅近くの病院に転院し、左手に関しては左有鈎骨骨折、左膝捻挫の各診断となった。ところが、その時点では前十字靭帯損傷、右距骨骨挫傷の診断名が記載されていなかった。事故から2カ月経過後、ようやく左前十字靭帯損傷、右距骨骨挫傷の診断名が確認できた。その後、PTSD、網膜裂孔等次々に診断が増えていくことになった。

相談会では、現在の症状の確認と手持ちのすべての画像を確認することから始まった。網膜裂孔についてはすでに後遺障害診断書にまとめられていたが、診断書や症状を確認して、PTSDと共に等級は認められない可能性を説明し、残りの両手首の疼痛・可動域制限、左膝の疼痛と不安定感、右足首の疼痛でそれぞれ等級を確保すべきと説明した。

また、転勤で地元を離れて東京に住むことになったため、手術・検査が可能な治療先の確保も急いだ。

【立証ポイント】

膝のMRIを確認したが明確に映っておらず、専門医に診て頂く必要があった。大阪まで病院同行したが、地元の主治医は下肢の治療についてはあまり関心を示さず、膝や足関節の専門医の紹介状は書いて頂けなかった。症状固定をする前にどうしても下肢について検査をする必要があったこと、また引越し先で本格的な治療をする必要があったことから、なんとしても紹介して頂く必要があった。そこで、主治医に以前リハビリのために紹介して頂いた東京の整形外科へ行き、下肢の治療の必要性を本人と共に伝え、膝についての専門医の紹介状を入手することができた。ひとまず膝について先に診察、検査を実施して頂くことに成功する。

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