先日のプラトー骨折で膝関節の可動域制限が用廃レベル(8級=15°までしか曲がらない、もしくは健側(ケガをしていない方)に比べて10分の一以下しか曲がらない)の被害者さんを対応しました。骨折部は手術でプレート固定とし、リハビリを続けていました。幸い癒合状態も良く、9か月後に抜釘(金属を抜く)をし、症状固定を迎えました。しかし関節の可動域はある時期から回復せず、関節硬縮を起しています。
部位
主要運動
膝関節
屈曲
伸展
合計
正常値
先日のプラトー骨折で膝関節の可動域制限が用廃レベル(8級=15°までしか曲がらない、もしくは健側(ケガをしていない方)に比べて10分の一以下しか曲がらない)の被害者さんを対応しました。骨折部は手術でプレート固定とし、リハビリを続けていました。幸い癒合状態も良く、9か月後に抜釘(金属を抜く)をし、症状固定を迎えました。しかし関節の可動域はある時期から回復せず、関節硬縮を起しています。
部位
主要運動
膝関節
屈曲
伸展
合計
正常値
中断していましたが、再開します。
人身事故で95%を占める、後遺障害のない、どちらかと言えば軽傷事故。それでも多くの場合に争点となるのが、
① 治療の継続による治療費請求
② 休業損害の証明
③ 慰謝料の妥当性
前回は被害者が相手保険会社と交渉するケースを検証しました。それでは、この煩わし交渉を弁護士に依頼した場合をシミュレーションしてみましょう。
① 治療費
治療期間が3か月に及ぶ頃、相手保険会社が「そろそろいかがでしょうか?」と電話がかかってくるようになりました。まだ痛むと言って治療を伸ばしても担当者はだんだん強硬になってきました。そこで知人の紹介で弁護士の紹介を受け、相談したところ、「むち打ち」程度の軽傷では受任しないそうです。そこでホームページで交通事故に強いとある弁護士に相談しましたが、「後遺障害の等級が取れてからまた連絡を」との対応です。さらに検索してようやく数件目で受任してくれる弁護士事務所を見つけました。 その弁護士さんは治療の延長を交渉し、なんとかあと1か月の延長を取り付けました。代理人・弁護士のおかげで少しの間、一心地です。
② 休業損害
しかし休業損害の延長については弁護士もあきらめムードです。なぜなら、むち打ちで何か月も会社を休むなどそれ相当の医師の診断がなければ難しいと言われました。
もっとも問題となっていたのは休業日額です。自営業者で所得は実態より少な目に申告していますが、その申告書の数字から相手保険会社は譲りません。現状、1日=5700円の最低補償(自賠責)基準の算定額しかくれません。
弁護士は「売上-経費=所得」の計算を少し修正しました。売り上げから引かれている経費の項目で水道光熱費、損害保険料(自動車保険の掛け金、個人事業税)など、被害者本人が休業していても待ったなしにかかってしまう経費を所得に加算しました。これで相手保険会社の5700円から7000円にアップしました。これ以上の金額は総勘定元帳などを作成して交渉することになります。弁護士は税理士にお金をかけてまで立証書類を作成する増額効果が少ないこと、倫理的には申告書を基とすべきことから、これ以上は断念するようにとのことです。
③ 慰謝料
〇 自賠責保険の慰謝料計算 通院1日4200円、3か月間:2日に1回ペースで通院 ⇒ 378000円
〇 任意保険の3か月慰謝料は 上と同じ頻度で通って ⇒ 378000円
〇 赤い本基準のでは 同条件で ⇒ 530000円
(別表Ⅱ⇒むち打ちはここでみます)
慰謝料はズバリ以下の表をみて検討してみましょう。
傷害部分の慰謝料比較(単位 万円)
傷害部分慰謝料
治療期間
続きを読む »
昨日の例の他、弁護士の仕事について等級認定後の賠償交渉によって獲得した金額のみを成果とし、「自賠責保険の金額を成功報酬の対象計算から控除して下さい」とする保険会社が少なくないようです。実例から説明します。(やはり仮名)
大島先生率いるAKB法律事務所は本格的に交通事故業務に力を入れています。
『これからの交通事故は等級認定前から受任して、しっかり等級認定からお手伝いすること、初期対応することです。これこそ被害者救済であり、「等級が認定されてからまた来てください」などと言う旧来の事務所の姿勢ではダメです!』 大島弁護士はこのような交通事故対応を掲げて、受傷直後から被害者に寄り添い、物損の解決、休業損害の請求、労災の手続きなど手続きはもちろん、病院同行を繰り返した末に後遺障害・被害者請求を行いました。そして12級を獲得、その後は紛争センターに持ち込み、あっさり赤本満額で解決を果たしました。 依頼者は想像以上の高額の賠償額でびっくりです。何より大島先生は受傷直後から色々な手続きをしてくれた上、病院にまで一緒に来てくれ、一生懸命、等級の認定に尽くしてくれたので大満足です。
大島弁護士は最後に弁特社(被害者側の保険会社)に弁護士費用特約を請求しました。後遺障害12級(自賠責で先に224万円獲得)に加えて最終受取額が700万円です。合計924万円に対して成功報酬を計算、1656000円の請求額です。
しかし弁特社の担当者の支払い回答は・・・
担当者:「大島先生、自賠責の224万は報酬計算から引いて下さいよ」
大島弁護士:「えっ?うちは受傷直後から等級認定も含めて仕事をしているのですよ」
担当者:「いえ、等級認定は医師が書いた診断書を出すだけなので先生の仕事ではないですよね?」
大島弁護士:「失礼な!本件は病院同行して、検査先に誘致して、陳述書を添えて・・・大変な作業で乾坤一擲、12級認定を勝ち取ったのですよ!」
担当者:「それなら事前認定(相手保険会社に認定業務を任す)すればよかったのではないですか」
大島弁護士:「キーッ!」
等級認定後の受任ならば当然として、確かに等級認定作業を「事前認定」つまり加害者側保険会社に任せれば、その事務所は立証作業を放棄しているのですから報酬計算に自賠責保険金額を含めないことは正当な考えです。しかし本件のように等級認定に関する立証作業と書類集積作業が代理人の腕の見せ所であり、むしろ賠償交渉より大変な作業となることもあります。
後遺障害は被害者請求を基本とし、交通事故の初期対応を売りとしているAKB事務所のような弁護士事務所も増えてきました。さらに私のように「後遺障害の立証作業が事故解決の勝負どころ」と捉えている業者も存在します。「後遺障害の立証など無用、何もしなくても自然に等級が決まる」など、保険会社のあまりにも建前的、独善的な発想と思います。もちろん立証作業の効果薄い案件(足の切断のように見たままの障害)は除きますが。
このように、なんとしても保険金支払いを削減したい保険会社と法律家の弁護士費用特約をめぐる争いは続きます。いい加減な仕事で多額の弁護士費用を請求する弁護士、行政書士が大勢存在するのが問題の根底です。それらの困った先生が存在する以上、保険会社の意地悪な支払い対応はなくなりません。真面目な大島先生の苦労は絶えないのです。
弁護士費用特約は交通事故で代理人を雇う場合、被害者にとって重宝する特約です。しかし普及率は上昇するも使用率は低く、まだ一般的な印象は受けません。しかも保険会社の支払い基準は不明瞭で、各社、各担当者、案件ごとにまったく統一的な運用が成されていません。また、依頼を受けた弁護士・行政書士が費用を依頼者からではなく、直接、保険会社に請求することから、保険会社ともめることが多いようです。
さて、最近の払い渋り、いえ、支払額提示で面白い対応をした保険会社をある弁護士先生から聞きました。今回はそれを紹介します。(仮名とします)
AKB法律事務所の前田先生は被害者の後遺障害の申請を代理し、被害者請求にて等級獲得後、賠償交渉を経て解決させました。最終的な賠償獲得額は1500万円です。ここから着手金と成功報酬を合わせて252万円(旧日弁連基準報酬)を保険会社に報酬を請求したところ、請求額全額に応じられないとの返答です。その保険会社の計算とは・・・
担当者:「本件の場合、弊社の契約に付帯していただいている人身傷害特約に先に請求して下されば700万円を支払うことができました。したがって弊社の特約を使わずに相手から獲得した賠償額は実質800万円と考えます。よって800万円に対する報酬を旧日弁連基準で計算します・・・
800万円×(5%+10%)+9万円+18万円= 147万円 をお支払いします。
前田弁護士:「えーっ! 頑張って後遺障害認定業務も行ったのですよ!」
担当者:「いえ、頑張ってもらわなくても弊社の人身傷害特約を使っていただければ、700万まではお支払できたのです。それを敢えて被害者請求を行ったので、弊社としては700万円を超えた額である800万円を対象として計算します。」
前田弁護士:「そりゃないよ~」
この担当者の払い渋り、いえ、報酬計算には思わず「座布団一枚!」、一休さんのとんちを見るようです。このような鮮やかな(へ)理屈を持ち出す保険会社、さすがとしか言いようがありません。
しかし本例の場合、契約者(代理人 弁護士)の意向は、あえて人身傷害特約を請求せずに相手に賠償請求をすることです。契約者の代理人が行った一連の作業とその成果を尊重しない保険会社の姿勢はやはり問題があると言えます。これを弁護士費用特約のスタンダードな報酬計算とすれば、金融庁だけではなく契約者からも非難は避けられないと思います。
本日の病院同行は軸椎の椎弓骨折の被害者さんです。事故から2年、受傷後2本のスクリューで椎弓固定術を施し、昨年末、抜釘しました。本人のリハビリ努力の成果で可動域も回復傾向です。 本件の問題は未だ医師の経過観察が続き、症状固定していないため、補償問題が進まないことです。早速、医師面談で骨の癒合状態、経過の説明を受けました。癒合も完了し、特に異常はないとのこと。画像も見せて頂きましたが変形・転位もなく、可動域制限の回復も頷けます。
医師は「次は11月の診断にしましょう、予約日はいつにしますか?」と言いました。
すでに被害者さんと症状固定と後遺障害診断へ進めることを打ち合わせ済です。
私は「症状固定と判断できる状態であれば、補償問題に進みたいので、先生いかがでしょうか?患者さんも早く解決へ舵を切りたい意向です」と意見具申しました。
医師は患者の意向を尊重し、後遺障害診断書の記載を快諾いただけました。
おそらく一番ほっとしているのは相手保険会社の担当者さんでしょう。
症状固定日は患者の状態を見て判断するのが第一ですが、予後の観察を慎重にするあまり、いたずらに解決を伸ばすのは決してよい判断とは言えません。
メディカルコーディネーターの仕事は結果として相手の保険会社さんに感謝されることもあります。
前日より続きます。
人身事故で95%を占める、後遺障害のない、どちらかと言えば軽傷事故。それでも多くの場合に争点となるのが、
① 治療の継続による治療費請求
② 休業損害の証明
③ 慰謝料の妥当性 でしょうか。
通院交通費や雑費は実際にかかった額を明示するだけで、非常識な額を請求しないことが前提となるので割愛します。また物損にまつわる争点はテーマを違えますので、別の機会に。
まず弁護士に依頼する前に自力交渉を検討してみましょう。
① 治療費
骨折のない打撲・捻挫では受傷直後に鎮痛消炎処置を施し、あとは保存療法、疼痛緩和処置です。したがって靭帯や軟骨の損傷、神経症状(による痛み、しびれ、その他)が起きない限り3か月を超える治療期間を保険会社に認めさせるのは困難でしょう。「まだ痛い」と訴えても最悪、治療費打切りが待っています。自力交渉では自身の訴える「痛い」ではなく、疼痛が長期化する他覚的所見、つまり医師の診断を示す必要があります。しかしむち打ちや腰椎捻挫の場合は明確な所見がないことの方が多いものです。交渉むなしく保険会社が治療費を切り上げた場合、健康保険を使って治療継続することが現実的と思います。
それでも長々と通院を続ければ弁護士対応が待っています。やはり治療が長引いている証拠がなければ、無駄な抵抗は止めるべきです。もちろん打ち切り後の治療費を自分で負担すれば問題ありません。相手に出してもらう以上、何かと軋轢が生じるのです。
② 休業損害
源泉徴収票で証明されるサラリーマン、公務員の休業損害は明確です。実際の休業日の請求の場合、交渉の余地は薄いと言えます。問題は自営業者です。実際の収入より過少申告となっている方が少なくありません。所得税の申告書が一級の証明書です。その数字が収入の根拠とされます。これは自らが招いたことなので仕方ありません。しかし実態収入を総勘定元帳、賃金台帳、入金口座の通帳などで明らかにすることができないわけではありません。これらを誠実に提示し、保険会社担当者に訴えるしかありません。やはり苦しい交渉となります。
③ 慰謝料
続きを読む »
人身事故と言っても後遺障害が残るような大ケガは少ないもので、損保協会のデータは以下の通りです。
後遺障害となった方 およそ 6万人
亡くなった方 およそ 4700人
近年の死亡者数の減少は好ましい傾向です。ではケガについてですが、私は後遺障害に特化した仕事をしていますので、いつも後遺障害のことばかり、年がら年中、重傷者と対峙しています。しかし統計のように現実には後遺障害を残すような方は、交通事故でケガを負った被害者の5%ほどなのです。やはり重傷は少ないようです。
今日から取りあげるのは後遺障害のない軽傷被害者(便宜的に軽傷とします)の解決についてです。
まず軽傷者を「打撲・捻挫の診断名で、後遺症とならずに治った」と定義します。ここでは後遺症があるのに後遺障害等級が認められずに解決した被害者は除きます。
相手に任意保険会社があれば、その一括払い(保険会社が病院に直接、治療費支払い)で治るまで治療費を負担し、その後は傷害慰謝料や休業損害などを支払って解決となります。ここで問題になるのは治療内容の妥当性、休業損害金額の適否、慰謝料の金額でしょうか。これらの金額について、95%ほど(保険会社資料)が保険会社と被害者との直接交渉で示談となります。もちろん、「ある病院での治療費が認められない!」、「休業損害が実際より少ない!」、「慰謝料が少ない!」などの争点はありますが、保険会社は提出書類にもとづいて常識的な判断・数字を提示をすることが多いので、交渉してもなかなか思い通りの金額は取れません。
この軽傷者のほとんどが通院3か月で治療費の打ち切りを迫られます。「まだ痛い、通院を続けたい」と言っても打撲・捻挫では説得力がありませんし、事実、多くの被害者は治っているはずです。
休業損害の金額も提出した源泉徴収票や所得税申告書などの証明書から算出します。ここで所得を過少申告していた自営業者は少々痛い目にあいます。実際の所得で請求できないことが、おなじみの争点と言えます。
慰謝料についても3か月以内の通院ではどの保険会社も自賠責保険の基準である、1日=4200円の計算とほぼ同じ金額を提示してきます。
そしてこれらの争点について、被害者はそもそも請求金額が少ないことから法的手段や調停などの斡旋機関を利用することなく、「まぁ、しぶしぶ従って」示談といったところでしょうか。
では、ここで弁護士など業者の力を使って解決を図るケースを検討してみたいと思います。
つづく
熱を下げたり、痛みをやわらげるお薬です。風邪をひくと処方されます。成分はアセトアミノフェンです。
続きを読む »
相談会会場前で鉄道祭り(だったかな?)をやっていました。大宮と言えば鉄道の街です。長らく電車の基地・整備施設がありました。
今回の相談会の所感ですが、「依頼者のニーズ」について。
交通事故被害者、相談者は何を求めて相談のドアをノックするのでしょう?もちろん、事故の解決に他なりませんが、やはりその目的にも具体的な要望があります。ここで話を難しくするのが、その要望を具体的に説明できない、そして自らもその要望に気付いていないケースです。
昨日の例では、医師との折衝を苦手とする被害者さんでした。それなりに重傷であるため保険会社の打ち切りは急がされませんでしたが、しばらくして示談金の提示となりまた。慌てて医師に後遺障害診断を依頼しようにも、長い治療期間を要したため、医師が交替していたり、医師が患者にできるだけの治療を終え、治ったとの認識になっていたり・・つまり患者への興味が薄れてしまったのです。
全国の仲間から実績投稿があがってきています。交通事故外傷で最大勢力であるむち打ち・頚椎捻挫・腰椎捻挫での14級9号認定は数が多すぎて投稿を控えざるをえません。それでもレアな障害、先鋭的な取り組みなど、弁護士他士業の皆様からも好評をいただいおります。また、最近の行政書士HPを見ると似たような実績ページが増えたようで、もし影響を与えたとしたら光栄なことです。なにより被害者の皆様にご自身の解決に向けて役に立つ情報となり、ダイナミックな現場の空気を感じて頂けれたら幸いです。
では本日の投稿を!
【事案】
今年の病院同行ペースは昨年の250軒/1年に比べ、30%ペースを落としています。それだけ書類作成業務、事務に影響が深刻だからです。事務と言ってもそれほどのボリュームはありません。神経を使うのは弁護士事務所からの診断書・画像分析業務です。とくに電話帳サイズで来ると悲鳴ものです。もちろんこれは誰にでもできる仕事ではなく、また秋葉の技量を期待しての依頼なので人任せにできません。
これは病院同行にも言えます。ただ病院に診断書を持参するだけの仕事ならわざわざ同行の必要はありません。検査の依頼、紹介状の依頼、可動域の計測など、診断書の記載内容に踏み込む場合、知識・経験と臨機応変な対応、そしてなにより医師と交渉し、信頼される人間力が要求されます。後遺障害診断は交通事故解決の最初の勝負どころです。被害者の運命がかかっています。事務員に書類を持たせて派遣するような軽率な仕事はできないのです。
秋葉さんも人を雇えば?と言われますが、即戦力となるような人材の確保は相当に困難です。行政書士を採用しても、交通事故業務と全く無関係な資格なので一からの指導になります。新人さんの戦力化には長い時間がかかるのです。それでも人を雇って業務拡大すればとたんに仕事の質が落ちます。なぜなら知識・経験の不足のため、マニュアルに頼った仕事にならざるをえないからです。「マニュアル」は「臨機応変」と対極の行動です。わずかの研修を終えた程度の初心者に病院同行や診断書分析、画像読影など任せられません。やはり産業化に向かない職種と思っています。
交通事故分野で代書業務などほんのわずかです。外に出て関係各所に話を付けくるて行動力・調整力そして人間力が求められます。
私は被害者側の仕事をしています。損保出身ですが現在は一切損保会社と取引はありません。では損保会社は絶対的に利益相反する敵でしょうか。いえ、場合によってはお互い協力することもあり、稀に共同戦線もありえます。
昨日の案件は相手損保が一括対応(治療費支払い)を打ち切ったため、自身が契約している人身傷害特約へ請求を行っている被害者の件です。ケガと既往症の関係が不明瞭で、かなり迷走しています。このようなもつれた糸を解きほぐし、解決へのレールをひく仕事が必要です。かなり大変な作業ですので、損保担当者の協力があれば大助かりです。昨日はそのようなことから人身傷害の担当者に来訪いただき、打合わせを行いました。
このような時に心配されるのは、依頼者を置き去りにした損保&士業の癒着構造です。依頼者に背信となるような保険会社との折衝は絶対にいけません。 普通 被害者側:士業vs加害者側:保険会社 の構図がメインです。しかし過失に争いがある事故では、相手損保にできるだけ求償したい人身傷害の保険会社と、これから賠償に取り組む弁護士&立証作業に入る私の利害が一致することが起きます。あたかも「呉越同舟」のようです。
もちろん前提となるのはコンプライアンスを順守していること、正当な立証作業を行っている行政書士であることの評価・評判です。保険会社からある種の信頼が必要なのです。私見では損保会社の多くは、交通事故業務を行っている行政書士を「小ズルい存在」、もしくは「代書屋ごとき」と思って良い評価をしていません。この業界、少なくとも「いまいましいが、一目置いている」存在にはなりたいものです。
さて、交通事故は複雑です。本件のように敵対関係の構図ではない利害関係が生じる時に限っては、協力関係も辞さないのです。もっとも平素、保険会社の顧問・協力弁護士が被害者側から依頼を受けた場合、関係損保に対して敵対する受任はできないでしょう。私も損保ジャパン代理店時代は対損保ジャパンの案件は敬遠しました。世の中が資本主義である以上、商売の取引関係は無視できません。やはり信頼できるのは損保から仕事をもらっていない弁護士と思います。そして保険会社は敵でもあり、時として味方でもある不思議な存在と思います。

医療調査、障害立証を業とする私の仕事は「交通事故被害者の救済」を信条としております。しかし相談にいらっしゃるすべての被害者を助けるわけにはいきません。交通事故・相談者の中には一定数の詐病者、心因性被害者が含まれるからです。
各地の相談会では、「この被害者はおかしい」と判断せざるを得ない場面があります。そして、受任してはいけない被害者を見抜かなければなりません。しかし、これがなかなかに難しい。交通事故の経験豊富な弁護士でさえ騙されることがあります。どうやって見抜くのか?そこで少し古い話題ですが、興味深い記事を目にしましたので引用します。話題の二人について学者の難しい分析より、マジシャンであるマギー司郎さんの意見に大いに共感しました。
「5月10日『東京新聞』 虚と実のあいだ」 より
「…テレビ、舞台は心が映るレントゲン」って弟子たちには言っているんです。身振り手振り口ぶりを通して自分自身が全部出てしまう。佐村河内さんの謝罪会見を見たけれど、隠し事をしているように感じたなあ。一方、小保方さんはうそを言っているようには見えなかった。何か思い込み、考え違いが根っこにあったのかもしれないね。…」
すっと得心しました。私は話題の二人の記者会見に、交通事故被害者の観察と類似性を感じました。ここでは、二人を詐病者や心因性と断罪する文意ではありません。マギー師匠の観察に同じく、この2人の記者会見から被害者を見抜く・見分けるコツがあるように思ったのです。言い換えると確信犯と盲信者の違い、でしょうか。
詐病者は何らかの目的をもって、それはもちろん保険金・賠償金ですが、嘘の傷病、重い症状を装います。これは犯罪者なので、絶対に排除しなければなりません。また、心因性被害者も困ったもので、悪気はないにせよ自身を重大なケガと思い込み、本当にどんどん悪くなっていきます。信じる者にはどんな説明もお手上げです。これも事故の保険・賠償金の対象から遠ざけなければなりません。一概に言い切るには乱暴ですが敢えて言いますと、詐病者は男性に圧倒的に多く、心因性被害者は圧倒的に女性に多いようです。 保険会社は常に疑いの目をもって被害者に対峙しています。私たちは、保険会社のように簡単に疑うことはできません。本当に助けるべき被害者だったら・・罪なことになるからです。
新人の補助者、期の若い弁護士と一緒に仕事する機会が多い中、なかなか難しいのですが、見抜く目を感覚的に教えていくしかありません。被害者をよく観察することが基本としながら私もよく迷っています。
相談会で多い相談の一つに、「後遺障害の審査で「非該当」の通知を受け、納得がいかない」があります。
理由は様々ですが、そもそも後遺障害の基準に達していないケースが多いようです。しかし中には障害等級がつくようなケガ・自覚症状を示しながら、必要な検査を行っていないものが少なくありません。
症状固定時になって初めて「匂いがしない」、「腱損傷がある」、「実は骨折していた」など、なんで受傷してから今まで気づかなかったのよ!と医師を責めたくなる診断書を目にします。しかし医師に必要な検査を依頼し、自らの治療はもちろん、障害の立証をするのは被害者自身です。ダメな医師なら早々に見切りをつける決断も必要なのです。しかしこれは初めての事故、初めてのケガ・症状では少々酷な話でもあります。いつも早めの相談を呼びかけているのはそのためです。
最近の例では、腱損傷を診断名に書きながらXP(レントゲン)しか撮っていないケースがありました。XP、CTは基本的に骨しか見えません。骨折の診断のための検査です。筋肉、軟骨の類はMRIでないと写りません。したがって診断名に「腱損傷」とあってもそれが写っている証拠(MRI)がなければ、なんの判断もできないのです。これでは却下(非該当)で当然です。
つまり勝負以前に「土俵に上がっていない」のです。こんな無駄な試合で悔しい思いをしてほしくないのです。
淡いブルーの照明にプカプカ熱帯魚が漂っています。ここはバブル時代の生き残りともいえる水槽のあるバー、今や都内でも絶滅種のお店です。魚をみながら飲もうということでしたが、ここは打ち合わせに来るようなところではないです。
趣向を凝らした店内はいたるところに水槽があって水族館のよう。通路にも水路が走っていて、水のせせらぎに癒されます。
落ち着いた雰囲気で仕事より釣り話が中心となりました。しかしこの3年ほど、趣味に割く時間はなく竿を出すことは皆無。これは少々危険なことです。人間は同じことばかり繰り返していると脳細胞の活動が低下するそうです。つまり柔軟な発想やひらめきが起きなくなる可能性があります。日々の業務をルーチン化することも大事ですが、常に変化による刺激を与えて脳を元気にしなければなりません。
やはり仕事を離れた行動も必要です。もう少し時間を上手に使い、仕事以外の時間を確保したいところです。
本日は地域でNo.1の法人代理店さんにお伺いしました。週1の店内会議にて講師を務め、研修のお手伝いをしてきました。
テーマは「むち打ちと後遺障害」です。通常、損保代理店さんは顧客様の事故に際しファーストコンタクトを受けることになります。契約している自動車による加害事故ならば、最初に事故受付を行い、SC(サービスセンター=事故支払部門)に伝達します。そして後の対応は対人担当者・対物担当者が担い、代理店は事故解決の進行を見守るだけです。しかし顧客様が被害事故(人身事故)に遭ったらどのようなアクション、サービスが望まれるでしょうか?
おそらく「相手に任意保険が付いる ⇒ 保険会社の対人担当に任せておけばいい」「過失がでても人身傷害に入っているから大丈夫」「搭乗者傷害保険を忘れず支払おう」 … この程度に留まっていると思います。もちろん物損事故や人身事故でも通院3か月以内、数回の通院ですむような軽傷であればこのような対応で問題は無いと思います。しかし後遺障害が残るような、また後遺障害が見込まれるケガとなると、相手保険会社に任せっきりでは少々心配です。なぜなら後遺障害による被害は一番軽い14級でも300万を超える高額賠償となる可能性があります。
このような場合、代理店さんが後遺障害を予想し、積極的に後遺障害認定のお手伝いをすべきと提案しました
現在、国内損保は吸収合併を重ね、大手3社のシェアは増大の一途です。結果として同じ保険会社同士の事故も増えるでしょう。そうなると支払いの増大を防ぎたい保険会社は後遺障害の認定に寛容、協力的なわけがありません。お互いぬるい交渉となる可能性が高く、そのような保険会社同士の解決、つまりSC任せでは後遺障害を見逃します。やはり被害者となった顧客様を守るのは一に代理店さんであると思います。
非常にたくさんの質問を頂き、予定時間をオーバーする盛況な研修となりました。きっとこれを契機に救済される被害者さんもいるでしょう。繰り返しますが代理店が被害者のファーストコンタクト先です。代理店さんは高い交渉力と調整力、そして軽快なフットワークで地域密着を実現しています。俄然、奮起に期待しているのです!
骨折案件の引継ぎです。本件は受傷直後から弁護士事務所に相談が入ったのち、紹介を受け担当してきました。ほぼ一年間お預かりし、14級9号を認定を付けてお返ししました。後遺障害が認められたということは、当然ですが痛みや違和感等が残存し、完全に治ったわけではありません。後は弁護士の交渉で金銭解決するしかありません。解決までもう一息です。
短い日誌ながら本件からの教訓を、
骨折など器質的損傷があったケガでは、仮に骨の癒合が果たされ、予後も順調であっても、高い確率で不具合が残るものです。
諦めずに丁寧に立証すれば後遺障害14級9号が認定されます。 かつて骨折しているのに等級が取れなかったことはたったの1件しかありません。
神奈川県は隔月開催で相談会を実施しております。昨日は8名の相談者さまがいらっしゃいました。やはり継続は力なり、徐々に参加人数のみならず、特に内容の濃い相談者が増えてきました。今回はむち打ち被害者は一名のみ、他は骨折、脳損傷の方でした。傷病名と相談内容は以下の通り。
1、大腿骨遠位端骨折 ⇒ 膝関節可動域制限の立証。まずは画像検査の追加
2、アキレス腱不全断裂 ⇒ 「非該当」に対する異議申立。画像検査とROM測定のやり直し
3、高次脳機能障害 ⇒ 立証計画の策定。次回はご家族と一緒に打合わせ
4、高次脳機能障害 ⇒ 脳損傷の画像を確認。痴呆との区別、検査の必要性について
5、大腿骨遠位端顆上骨折 ⇒ 成長障害の懸念と短縮障害について。症状固定時期の検討
6、プラトー骨折 ⇒ 後遺障害診断書の重要性と書き方。過失割合
7、頚椎捻挫 ⇒ 今後の治療、休業損害および対保険会社対応について
8、高次脳機能障害 ⇒ リハビリ施設への転院と今後の立証計画。弁護士の選び方
このうち6件について弁護士の受任が確定的であり、うち5件はメディカルコーディネーター(MC)の出番と判断しました。やはり本当に専門家の助けが必要な被害者は無料相談では収まりません。弁護士、MCと次々にパートナーシップが形成されます。