反響の大きさからいつの間にかシリーズになった「詐欺」の記事、もう少し続けたいと思います。    

ノンフリート等級のすえ置き事故が無くなった・・

  (1)自動車保険の無事故割引・無事故等級の制度

 まず、おさらいですが、個人で契約する自動車保険には1年毎(最近は2~3年の複数年契約も増えましたが)に無事故(保険を使わなかった場合)で割引等級が上がり、次年度の掛金が安くなります。逆に事故で保険を使えば3等級降格して、次年度掛金が上がります。等級は1~20等級で初年度は6等級からスタートします。保険料の自由化後も各社、ほとんど同じ仕組みです。

 このおなじみの制度ですが、5年前の改定で、事故で保険を使った場合、より割増の重い別の体系「デメリット等級」に移動するようになりました。つまり、無事故と事故有、二つの分類となったのですが、背景には保険料収入の増加を切望する保険会社が、事故で保険金を支払った契約者に対し、真っ先に負担を重くしたと考えられます。反対の声も各地で挙がったようですが、よくこの制度の認可が下りたものだと思います。

 本記事の主題は、いわゆる「すえ置き」事故の扱いが同時に制度変更されたことです。旧制度のすえ置き事故とは、下(2)に挙げる特定の事故の場合、修理で自動車の車両保険を使っても3等級降格せず、かと言って来年に無事故等級が上がることなく、前年と同等級に足踏みします。   (2)すえ置き事故のケース

・火災や爆発 ・盗難 ・騒じょうなどにともなう暴力行為や破損行為 ・窓ガラス破損(飛び石や飛来物、落下物による窓ガラスの破損のみ) ・落書きやいたずら ・台風、竜巻、洪水、高潮

 見ての通り、これらの事故は契約者に落ち度がなく、掛金を上げるのはフェアではないと考慮されてのルールと思います。それなりに、契約者の理解、好評を得ていたはずです。しかし、このルールはノンフリート等級の新制度で廃止され、等級はすえ置かれず、次年度は1等級降格の措置となりました。せっかくのフェアな制度だったのですが・・。  これも他物の衝突?

(3)すえ置き事故の措置が何故、無くなったのか

 保険会社の言い訳は常に「リザルトの悪化」です。つまり、支払保険金/掛金収入 の収支バランスである損害率の悪化を是正するための約款改定と説明されます。毎度、それで話が終わるものですが、私はその背景に注目しています。”すえ置き事故をすえ置けない”事情があるのです。前置きが長くなりましたが、ある詐欺の手口=疑わしい請求の増加から、保険会社がキレたのが実情ではないかと。   (4)すえ置き事故を利用した詐欺の手口

 一つは、フロントガラスの業社がグルのケースです。例えば、高速道路などで対向車の跳ね石がフロントガラスに当たって破損したとします。わずかなひびでも車検が通りませんし、危険ですから速やかに修理するものです。この場合、相手は不明なので警察の届出なしに、保険会社は「すえ置き」事故として修理費を支払います。車種にもよりますが、小型車のフロントガラスの付け替えは7~15万円程度でしょうか。高級車・外車はもっと高くなります。ガラス業社は自動車を工場に入れることなく、電話一本でガラス付け替えの出張修理に来ます。代金は保険会社に請求しますので、少し高めの部品代+工賃+出張費であってもなんとかいけそうです。わずか60分の手間でわりの良い売上となります。

 契約者は来年の掛金が上がる事はありませんが、無事故割引きの1等級UPを損することになります。しかし、ガラス業社からバックマージン1~2万円を受け取っていたとすれば・・・。何より、ガラスのひびを人為的につけたとしたら・・・。

 何故か、自営業者や法人含め車を数台所有している者に限って、しょっちゅう、跳ね石による被害を受けます。まるで、順番にガラス交換しているようです。契約者とガラス業社はWinWin、保険会社は忸怩たる気分でしょう。いたずらや盗難による被害の場合は、原則、警察への届出を要求されます。天災は時期が限られます。その点、跳ね石によるすえ置き事故を利用した詐欺は、ちょい悪感覚で誰でも簡単、いつでもどこでも気軽にできるのです。    結局、これら不届き者のせいで、自動車保険のフェアかつ好制度が失われたと思います。ちょい悪も皆が行えば、巨額の保険金ロスとなり、それは結局、契約者に跳ね返ってくるのです。    続きを読む »

 本日は国立病院で介護設備について打合せ。被害者さんを前に、病院職員さん、作業療法士、建築士の先生も交え、大変勉強になりました。交わされる介護機器の名前を一々確認した次第です。

 最新の設備を見学できた事は有意義でしたが、家庭用の器具も日進月歩のようで、各メーカーから多種多様の器具が発売されているそうです。覚え易い器具を一つ紹介します。これは寝たきりや身体麻痺の方が、ベットからの寝起きに使うリフト、通称「つるべぇ」です。NHK大河ドラマ「西郷どん」岩倉具視役の怪演が話題の笑福亭 鶴瓶 師匠を彷彿とさせますが、介護関係の方にはお馴染みの器具です。

 同様のリフト器具は複数のメーカーから発売していますが、この通称がむしろ通っています。トイレ・お風呂用、玄関用、天状吊り下げ型や自走式もあるようです。  

 (株式会社モトリーさまHPより)

   

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 あたり屋は主に人身事故に関する詐欺ですが、事故を装う詐欺の手口は様々です。長くこの業界におりますと、定番的な手口には必ず遭遇します。保険会社・代理店時代の2例を紹介したいと思います。  

○ 追突事故で腕時計が割れた!

 使い古された手口ですが、いまだに腕時計被害を訴えて相談会にやってくる者がおります・・・ネットを通じて詐欺方法が広く流布されているのだと思います。

 歩行中や自転車搭乗中、自動車に跳ねられて転倒した場合、腕時計の破損はありうると思います。しかし、自動車同士の衝突、それも軽微な追突事故で腕時計が割れることなど、あるのでしょうか? 

 実際、自動車の修理費20万円位の事故で、相手方が1週間後にもなって、割れた腕時計を持って保険会社にやってきました。ローレックスの代金80万円の請求です。保険会社担当は、「またかよ」と心で呟き、支払いを拒絶します。「事故の衝撃で腕時計をハンドルに打ちつけた」など、不自然極まりない説明です。さらに、事故直後に破損に気付かないわけはありません。「何日かしてから気付いた」などと言いますが、その間、1回も時刻を見なかったのでしょうか。ちなみに、割れたバッタもんのローレックスは東京・上野のアメ横で売っています。何の為に割れたまま売っているのか?・・。→ その調達に要した1週間かもしれません。  その後、すったもんだを繰り返して、諦めさせることが通例です。私の場合、本件事故は過失20:80でしたので、時計の修理代金の一部をみる代わりに、過失割合を有利に、加えて代車代を含めた賠償金を対案にして、相手保険会社に飲ませました。すっきりしない解決ですが、お客様第一は果たしたと思います。

 昔はヤクザ者や半グレなどが頻繁に使った手口ですが、今や堅気の衆がチョイ悪感覚で詐欺を行うことが多いのです。保険会社や警察に一層の対策が望まれますが、根本的には道徳の問題ではないかと思ってしまいます。  

○ 家が3回燃えた

 世の中には不幸な人がいるもので、今まで住んだ家が3度も全焼したそうです。当時、担当していたお客様の事故連絡を受けて、現場に駆けつけました。

 3回も不審な出火で全焼?そんなわけありません。やはりというか、焼け跡の実調に外部の損害調査会社の方がきまして、一通り見回った後に私に一言、「この人、3回目だ」と。

 このお客様、保険会社の窓口に自動車保険の車両入替手続きに来店、その手続きについて、たまたま支社に居合わせた私に振られたものです。それを契機に、後に自動車保険、火災保険の契約に繋がりました。火災保険の契約の際には、家財の貴重品について細かく設定しました。貴金属や書画・骨董品は「明記物件」として、予め保険契約の際に申告し、証券に記載します。やけに宝石類が多く、細かい人だなぁと思いつつも、基本通り丁寧に保険契約したつもりです。この時に(怪しいと)気付くべきでした。それから3ヶ月後の火事でした。

 火災後、調査レポートを受け取った保険会社は、頑なに支払いを留保しました。有責(支払う)とも無責任(支払わない)とも明言せず、ただひたすら「調査中です」との回答です。その間、保険会社側は私に繰り返し契約の経緯を聴取してきました。今思うと、「代理店もグル」のケースもあるので、わずかに疑われていたのかもしれません。(代理店さんは気をつけた方が良いです。いざとなったら、保険会社は代理店ごと切捨てることもあります)

 そしてさらに3ヶ月、業を煮やした仮被害者さん(としておく)は、私を事務所と言うか倉庫に呼びつけ、物騒な若い衆数名でぐるりと囲みながら、「何故、火災保険金を払わないのか」と尋問です。当然ですが、一営業マンに支払いの権限などありません。私も「保険会社は調査中とのことです」としか答えられません。逆に、こちらからも「何故、過去2回も火災がありながら、黙っていたのですか!」と怒りの追及です。対して、「お前はどっちの味方だ!」とキレまくる始末。なんとか(「支払います」との)言質を取ろうとしているのでしょうか、不毛な恫喝が繰り返されます。このようなやり取りが2時間、世間では「監禁」と言うそうですが。

 その後、相手が保険金請求訴訟をしてきてもビクともしない情報を集めたのか、保険会社の態度は毅然としたものでした。そして3ヶ月、仮被害者さん事務所に行くと、引越して跡形もなくなっていました。何も言わずに去った・・この辺では顔を知られすぎたのでしょうか、新しい職場?を求めて他地域に移ったようです。

 この仮被害者さんの奥さん・ご家族、経営する会社の従業員(若い衆)のすべてにお会いしたわけですが、誰もが自ら放火した保険金詐欺と薄々わかっていたはずです。それでも、沈黙をもって、詐欺的請求を容認する人間模様をみた感があります。詐欺を行う人間の性質を鑑みるに、どうも、「偽装事故でも証拠さえなければ、本当の被害事故である」と定義する、確固たる信念を持っているように感じます。犯罪心理学的には、「行為障害者」の類でしょうか。道徳的な内省など皆無、「自分さえ良ければ他人は関係ない」利己主義の突き抜けた状態です。    いずれにしても、このような小悪党、職業的な犯罪集団の存在が、保険金の損害率を不当に悪化させ、善良な請求に対しても疑いをもつ=保険会社の支払姿勢を硬化させる原因となります。このような輩に弁護士はじめ、関係する業者は絶対に肩入れはできません。「社会全体をもって締め出す」、このような共通認識が必要かと思います。  

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 あたり屋とは、以下の説明の通り、事故を装ってお金をせしめようと画策、それをほとんど生業としている人です。偽装事故による詐欺は様々ですが、、ここでは名前のごとく、体を張って損害を請求する「あたり屋」の手口と末路についてお話ししましょう。   ○ あたり屋とは? (wikipediaから引用)

端的な説明としては、よくまとまっていますので、まず、確認してみましょう。

概要

当たり屋は故意に交通事故を起こし、人身事故における治療費や慰謝料、物損事故における修理費、またはこれらの事故の示談金や保険金などを請求するものである。事故による精神的動揺に漬け込んで行われる犯罪である。

犯人と共謀した者が第三者を装って出現し示談を勧誘する事例もある。

保険金を目的とする場合は保険金詐欺に該当するが、交通事故を起こした原因が過失であるか故意であるかの証明は、場合によっては非常に困難になるため、警察による保険金詐欺の捜査や、保険会社の調査部門による保険調査も、非常に慎重に行われるのが通例である。  

事例

物損事故に見せかけるもの

車(自転車も含む)や人体に当たって、眼鏡やスマートフォン、腕時計などの持ち物を落として破損したなどと、物品の弁償や修理代の支払いを迫る。また、駐車場などで軽く車を接触させ、修理代を要求するものもある。

 割れたローレックス(多分バッタ物ですが)が代表です。

イタリア北部などではドアやサイドミラーへの接触事故を装った当たり屋の事例が報告されている。   続きを読む »

 本日は、懇意にしている弁護士先生と一緒に会食でした。    接待に使うような高級なお店は久しぶりです。うなぎをメインにすえたコースですが、珍しい料理の連続に味はもちろん視覚的にも楽しませて頂きました。

 とくに、桜チップを使ったカツオの燻製は目の前で板さんがいぶします。お皿にフラスコを被せ、中にスモークが満たされていく様は必見です。

 メインのひつまぶしもとても美味しかった。たまには贅沢も良いものです。

 

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ファミバイについておさらいです

 ファミリーバイク特約とは、自動車にかけている保険に、被保険者やその同居家族が125CC以下のバイク(以下スクーター等)を搭乗中に事故をした場合にも適用できるようにする特約です。

 例えば、一家に一台、自動車はありますが、普段の買い物等で奥様が、または学生のお子さんが通勤等で、それぞれスクーター等を利用することがあります。このような場合、本来、バイクを運転する場合、そのバイクに保険をかけるものですが、一台一台保険をかけていると、その分保険料金がかかることになり、負担が大きくなっていきます。

 また、専業主婦や学生の場合、独自の収入がない可能性があり、すべてに保険をかけるのは現実的ではありません。

 そこで、自動車にかけている保険にファミリーバイク特約を付帯しておくことで、仮に、上記家族がスクーター等に乗ったときに事故に遭ったとしても、自動車保険で対応できるようになります。

 

 このファミリーバイク特約は2種類あります。一つは、自損型といい、もう一つは人身型と、それぞれ一般的に呼びます。

 前者の自損型とは、スクーター等に搭乗中で、相手方がいない自爆事故や、相手方に過失がまったくない事故(こちらが過失100%の加害者)で相手方の保険で補償が受けられない場合の、いわゆる自損事故の場合に定額の保険金を出して頂けるものです。

 これに対し、後者の人身型とは、上記自損事故以外の事故も対象になり、自動車保険でかけられている人身傷害補償特約が内蔵され、その保険金の範囲内で実際にかかった治療費等の費用分の保険金を出して頂けるものです。

 また、スクーター等で事故して相手方(加害者やその任意保険会社)と治療費や後遺障害で争った場合、自動車保険に弁護士費用特約が適用されており、かつ、ファミリーバイク特約も付帯していれば、弁護士費用特約も利用できます。

 スクーター等の購入を考えている方は、ご自宅に自動車があれば是非ご検討ください。そして、もし可能であれば、人身型をおすすめしたいと思います。  

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 本日は、かつての古巣とも呼ぶべき、所属していた保険会社の代理店で研修でした。この代理店所属の損保マンはかつての仲間です。3度目となる今回もホームの雰囲気でした。 テーマは、後遺障害の総論でしたが、最も主張したいことについて、アジってきました。この業務日誌にも書きたいと思います。    この日誌のタイトルに至った経緯ですが、以前、地方の代理店さんから、「秋葉は保険金の支払いを増大させる、保険会社の敵」との烙印を押されたことに端を発します。確かに、保険会社基準での支払いに飽き足らず、そっとしておけばよいのに、後遺障害を掘り起こし、毎度、弁護士を介入させ、裁判基準で保険金をかっさらっていく・・・確かに、保険会社から見れば秋葉は極悪人です。

 しかし、賠償金(保険金)を得た被害者さんは法律上、正当な賠償金を得て解決しただけです。端から、一方的に保険会社を利するような保険会社基準の安い金額が当然として、会社の利益の為に被害者への支払いを抑制する姿勢こそ筋違い、すり替えないで欲しいと思います。まして、お客様を守る立場でもある代理店さんが、保険会社の利益を代弁するのかぁ~?と嫌な気分になります。(もちろん、代理店とて、保険会社の立場でお客さんを説得する場面もありますが、こんな代理店には契約したくないです。)

 そして、私が意図しているのは、決して「誰でも、何でもかんでも助ける」ことではありません。やはり、解決後、代理店さんや私達、弁護士に感謝してくれ、「万が一に備えて、もっと保険に入っておこう」という被害者さんを助けたいのです。 せっかく助けても「感謝しない」、そもそも「保険にあまり入らない」方達は、それほど躍起に助ける必要はないと思っています。まして、「詐病者(うそのケガ)」や大げさ、保険金詐欺の類は、保険会社とも協力して徹底的に排除すべきです。一方、保険会社の不当な払い渋りも同罪と思います。

 代理店の皆さんに毎度訴えていることは、「皆さんの顧客様でも、本当に気の毒な人、助けたい人だけを紹介して下さい」です。賠償志向が度を越している人、人柄や態度に問題のある人、あまり保険に入らない人は、保険会社との相対交渉=安い賠償金解決で十分だと思っています。 残念ながら、そのような方々はこちらが頑張ってもそれ程感謝しません。逆に「支払いが少ない!」と逆恨みすらしかねません。そして、そのような人こそ、解決後に代理店さんがより充実した補償内容の保険を勧めても、入るわけではないのです。まぁケチです。

 感謝して下さる被害者さんは、解決後、より補償の厚い保険に、さらに別口契約と、私達を紹介した代理店さんに報いてくれます。保険契約の動機の一つは、「保険の良さを知った時」と言われています。そのような皆様に惜しみなくじゃんじゃん保険金を払うべきです。それは、いずれ返ってくるものだからです。つまり、大きな視点に立てば、優良顧客への保険金の支払い=保険料収入の増大に繋がります。もし、払い過ぎでも、損害率の悪化は掛金や約款条件で調整されます。この調整が保険のシステムそのものだからです。ズルい請求と払い渋りが、このシステムを阻害するのです。    「Each for All, All for Each(1人は万人の為、万人は一人の為)」 これが、お馴染み保険の根源精神です。事故で保険に助けられた人こそ、より保険に入る、その掛金は次の被害者に生かされます。保険金は循環しているのです。秋葉の立場は、これを支払い面で促進している者です。

 本当の敵が見えてきませんでしょうか。     毎度、研修で吠えております!    

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 脳外傷後、ケガの回復が進むにつれ、記憶・知能や言語の障害、注意機能・遂行能力の低下、性格変化や易疲労性、感情失禁などの情動障害・・様々な症状が目立ってきます。もちろん、体力は徐々に戻ってきますので、3級ほどの重度障害者とて、健康面では健常者とほとんど変わらないものです。

 しかし、本件は易疲労性がひどく、相当に深刻な状態が続きました。精神・肉体的共に、非常に疲れやすくなり、食は細く、活動も少なく、寝てばかり、頭痛もあり、体力はどんどん落ちていく一方なのです。主治医含め、あらゆる医師も打つ手なしなのです。立証面でも、諸々の神経心理学検査はほとんど実行できません。

 ここまで極端なケースは弊所でも未経験でした。高次脳機能障害の症状は典型例に漏れて、まれに独特の症状を示すことがあります。多くの脳外科医も述懐していますが、脳神経外科の分野はまだまだ未解明のことが多いようです。

とにかく、障害認定を急ぎ、解決に向けて進めました。  

3級3号:高次脳機能障害(70代女性・静岡県)

【事案】

自転車で交差点を横断の際、バイクと出会い頭衝突・転倒し、頭部を強打した。意識不明のまま救急搬送され、診断名は急性硬膜下血腫、くも膜下出血となった。緊急開頭手術で側頭葉の血腫を除去、命は取り留めた。 続きを読む »

 自賠責保険は一般的な民事の考え方とは異なる、自賠法の規定に連なる独自の認定基準を持っています。それでも、後の裁判で自賠責の認定結果は重視され、ほとんど勝負を決します。とくに、併合・相当・加重のルールは、複雑な損害賠償論を整理する役割を果たします。本件では、事故前の認知症と事故による脳損傷による精神障害を、どのように切り分けるのか?が問われました。

 秋葉事務所では、高齢者の高次脳機能障害を多数扱っており、今までも自賠責のルールを駆使、数々の成果を残してきました。本件はそのハイライトと呼ぶべき、自賠責保険解決です。実際、裁判で(認知症か事故外傷かを)争っても、裁判官はその判断に苦慮します。弁護士も、限られた医証で勝ち負け定かではない裁判など、リスクが高すぎます。しかし、自賠責保険に精通していれば、その請求のみ(って、以下の通り簡単じゃないですが)で完全解決を果たすことが出来るのです。

 なんとなく申請して、偶然、結果を出したわけではわりません。本件のような解決を計画的に出来る事務所は、全国で数少ない、むしろ秋葉だけではないかと自負するところです。 

なにより、ご家族の安堵と喜びが報酬です  

別表Ⅰ 1級1号・加重障害:高次脳機能障害(80代女性・静岡県)

  【事案】

交差点で歩行横断中、自動車に跳ねられた。目撃証言によると、自動車側が青信号らしい。すると、過失割合は歩行者側に大きく、基本7割の厳しい状況。ケガは、上肢・下肢の骨折に加え、頭部外傷から高次脳機能障害と思われた。続きを読む »

 やはり、若年層の骨折の癒合は早い。

 本件のような、足関節の脱臼骨折、まして開放性骨折の場合、10級以上の後遺障害を残す事は珍しくありません。もし、高齢者だったら、歩行に支障をきたすほど絶望的に完全回復は困難です。被害者は当然に完全回復を目指し、リハビリ努力すべきです。しかし、一方で損害賠償のことも考慮すべきです。毎度の主張ですが、ダラダラと無駄にリハビリを続けるではなく、適切な時期に症状固定しなければなりません。とくに、関節可動域の数値は一定の基準値を越えると、等級がつきません。中途半端な回復で等級を逃すなど、悔やんでも悔やみきれません。審査側も一定の回復訓練の末、骨折様態と癒合状況から程度を計りますので、明瞭な数値を望んでいるはずです。

 時期を逃さず障害審査に進めて早期解決・・これも、被害者の務めではないでしょうか。

 本件もやや焦りました

12級7号:足関節開放脱臼骨折(20代男性・神奈川県)

【事案】

オートバイ運転中、交差点を直進中に左方から自動車が進入し衝突、受傷した。救急搬送され、足関節開放性脱臼骨折の診断となる。その後、プレート固定術を施行。

(参考画像)

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 中国地方の大雨に始まり、相次ぐ台風上陸、そして、北海道地震・・・南北に長い日本列島は災害の連続です。

 大規模災害での損保の動きは、ダイナミックです。被災したお客様の事故報告を待っているなど、悠長ではありません。被災地を損保社員はもちろん、代理店や外部の調査員総出で回ります。

 今から27年前の台風19号の被害の時、私は保険会社社員でしたが、3日間、水害地域を回りました。長靴を履いてはいましたが、スーツ2着は泥だらけになりました。市役所で明治時代の古地図を入手、今は住宅地ですが、かつての低地や元湿地の地域を優先して回りました。そこには、泥にまみれた家財を片付けながら途方にくれた被災者がおりました。印鑑など省略、保険金請求用紙にサインを促すと、「保険がでるの!」と安堵の顔に・・。ある程度の査定権限を与えれていましたから、迅速な保険金の支払いができました。少なからず、被災者さまからその時のご縁で、ご契約をたくさん頂いたものです。

 災害に際してレンジャーや自衛隊、消防隊、地元の消防団、続くボランティアの皆さんの活躍はテレビ・新聞で知るところになります。保険金を迅速に支払うべく奔走する損保マンの活躍は人知れず・・地味ながら、これも災害救助の一つの役割と思います。ニュースによると、この夏の災害続きで、損保も人手が足りなく、OBもかりだされるようです。安全第一で頑張って欲しいものです。

損保大手、北海道地震で人員確保にOB活用へ

    北海道地震を受け、損害保険大手は建物などの被害状況を調査する人員確保のため、OBやOGを活用する検討に入った。台風21号の被災者対応で多くの社員を関西に派遣し、迅速な保険金支払いに向けた人繰りが逼迫(ひっぱく)しているため。復旧に向け、金融各社は支援体制の整備を急いでいる。

 東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社は現地に対策部署を設置、各社数十人から数百人の人員を確保して顧客対応にあたる。

 生命保険会社では、住友生命保険が札幌市のコールセンターや保険金支払いの事務部門が停電や交通機関のまひで業務が行えない状態にあるため、機能を大阪府などに移管した。

 3メガ銀やりそな銀行は、被災者に自宅復旧のための貸出金利引き下げや通帳や印鑑なしでの預金引き出し、企業向け融資の金利優遇などの支援を行う。

(産経ビジネス様 記事より引用)  

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「本当に世の中の文字は小さくて読めなーい!」       > (`D´#)

   かつて、これほどブチキレた渡辺 謙さんをみたことがあったでしょうか。昨日の講義では、私もつい吠えてしまいました。    おなじみのハズキルーペCMですが、私もハズキルーペの愛用者の1人です。ここ数年、ついに眼の調節能力が低下、つまり、老眼が進行中です。新聞は読めるので、老眼の眼鏡をかけるほどではありませんが、小さい字は読みづらくなりました。

 ⇒ 調節機能障害のおさらい

 私の老眼が進行した理由は、ズバリ、保険約款のせいです。事務所開業以来、各社の約款を読み込む作業を続けてきたからです。昨日の研修も人身傷害約款がテーマでした。数年前から約款は電子化し、紙面を追うことが減りましたが、それでも長時間23社のWeb約款を観ていれば・・・。

 毎回、レジュメが完成する頃には目がしょぼしょぼです。そこで、「すごいぜ、ハズキルーペ」となったのです。

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 損保代理店時代、毎月、支社の代理店会がありました。会社が音頭をとっての会議ですので・・本当に面倒で退屈、渋々列席したものです。

 昨日は、懇意にしている代理店さまのお引き合いで、某県の代理店会に参加しました。会議の中、1時間を頂き、弁護士と共に講義をさせていただきました。テーマは人身傷害、各社の最新約款比較を行いました。

 代理店さま方の厳しい意見、それを受け止める支社長と社員、キャンペーンの表彰・・全てが懐かしく、往時を思い出しました。あれほど面倒だった会議ですが、外に出てみると、地域の社員と代理店が集まる機会は貴重であり、仕事は常に相互のコミュニケーションが大事であることを再確認した次第です。

 懇親会も参加させていただき、代理店さま、社員さまと大いに語らい、楽しいひと時となりました。いずれ機会が巡れば、当地の皆様と一緒に仕事をすることもあるかと思います。

 K社長はじめ代理店の皆様、H支社長と社員の皆様、昨日はありがとうございました。

  支社裏の駐車場には、なんと湧き水が!

 

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 事務所のスタッフさんは3人とも平成生まれ、彼らも来年には、早くも前時代生まれとなります。

 昭和生まれなど、もはや歴史上の人物です。物の解釈や流行など、世代間のギャップを感じることもしばしば・・しかし、世代を超えた共通項の発見に驚愕することもあります。

 例えば、タイトルのドリフネタ。解説はいらないと思いますが、一応。 「8時だよ全員集合」のコントで、志村(あえて敬称略)の後ろに幽霊が現れます。この番組は信じられないことに、ほんとんど毎週、劇場を生放送していました。劇場ですから観客がおりまして、観客席から観れば、志村の後ろの様子がわかります。そこで、志村からは死角になる幽霊ですが、観客の子供達が「志村、後ろ!後ろ!」と教え叫ぶのです。しかし、志村が振り返ると、幽霊は隠れてしまいます。これを数度繰り返す、劇場一体型のコント成立です。

 このおよそ40年前のコントですが、なんと、平成生まれの皆さんもご存知なのです。一体、どこで知ったのでしょうか?恐らく、テレビの回顧企画で目にしたのでしょう。それにしても、「俺たちひょうきん族」さえ飛び越えて、ドリフネタの普遍性に今更ながら驚くばかりです。

 普遍性などと表現しないまでも、お約束、定番ネタを創造した者、その影響力はすさまじいものがあります。もし、一連のギャグを特許申請すれば、それだけで年間数百~数千万万円の価値ではないでしょうか。 日常の使用例として、この応用が事務所内でも頻繁に発生しています。例えば、電気給湯器の調子が悪く、スタッフさんから「先生、業者に連絡しますか?」と聞かれました。内心、”いざ、業者が見に来ると、調子よくなるんだよなぁ”、”そして、業者が帰るとまた調子悪くなる”。完全に故障していない機械は始末悪いもので、得てしてこのような面倒に陥ります。これを「志村、後ろ!後ろ!」現象と説明しました。平成生まれも妙に納得する事象説明となります。    このように、ドリフを起源とした表現や慣用句は多くみられます。これも、二時代を超越した、昭和が残した遺産の一つではないかと思います。    

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 休業補償に関する証明書類の取得ため、仙台まで病院同行。

 本件、重傷の被害者さんは、受傷まもなく保険会社から紹介された保険会社の顧問弁護士に依頼しました。しかし、病院の転院先選定やリハビリ計画・検査計画に対しても具体的な方策はなく、「まだ症状固定は先なので・・」と様子見です。生活の糧となる休業補償の確保すらせず、さすがに依頼者から見放されました。

 法律の専門家である弁護士先生とて、万能の神でもスーパーマンでもありません。賠償交渉はできても、すべての事務に精通しているわけではありません。まして、地元仙台の病院情報すら、東京の秋葉より劣ります。通常、整形外科ならまだしも、その他の専門科を把握している事務所は稀です。

 それなら、抱え込まずに、弊所に委託してくれれば・・恐らく解任はされなかったでしょう。

 (この先生、解任によって、少なくとも三百万円の報酬を失ったと思います。)

 こんな便利な事務所があるのに、まだ利用価値が弁護士業界に浸透していません。

   雨の仙台駅。 東北地方は局地的大雨の被害があったそうです。

 

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 前回の①②を通して、秋葉事務所の結論を述べます。

 それが、9年前の事務所開設から一貫して主張・実践してきた、「連携」です。

 受傷から解決まで、交通事故業務全てを完璧に対応できる事務所はないと思っています。そして、賠償交渉の場面のない交通事故解決もほとんど存在しませんので、絶対に弁護士は必要です。したがって、交通事故の諸事務を、被害者側の調査機関(あるいは行政書士)と弁護士が連携して業務にあたれば、被害者救済業務は完成します。  

4、受傷から解決まで、連携業務一覧表(完成)

 上図のように、担う業務を法律に照らして分担・整理すれば、弁護士との業際問題は起きません。なにより、被害者の皆さんは安心してストレスなく治療に専念できます。諸事務を行政書士(もはや行政書士でなくても良いのですが)が二人三脚で進め、交渉ごとは弁護士が対応、解決まで隙の無い両輪体制になるからです。

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 交通事故の解決には、弁護士の賠償交渉に留まらず、色々な作業があることを示しました。また、すべての弁護士が宣伝文句通りに助けてくれない現実も説明しました。    それでは、弁護士がやってくれないのなら、誰がやってくれるのでしょう?    最近、めっきり少なくなった交通事故・行政書士、一時の流行は過ぎ去った感があります。10年前は交通事故を積極的に受任する弁護士は少なく、保険会社の顧問・協力弁護士が細々と保険会社から紹介を受けている程度、まして、ネット広告を出す弁護士は(広告規制の為ですが)皆無でした。もちろん、交通事故被害者からの相談・依頼はありますが、交通事故はあくまで死亡や重度障害のレベルでの受任であって、むち打ちなどの軽傷は謝絶が普通でした。

 このような環境下、隙間産業的に勃興したのが交通事故・行政書士でした。ビジネスとしての狙いは良いのですが、避けられないのは”業際問題”です。行政書士は代理権もなく、弁護士に比べてできる事が制限されています。それを示す表があります。

弁護士 行政書士

 書類作成

○ △(保険会社に対する請求書を作成。なお裁判所に提出する書類の作成は不可)

 示談交渉

○ ×

 調停

○ ×

 訴訟

○ ×

   この表は、交通事故・弁護士向けに販売されているHPのコンテンツです(HPの内容を自作せず、雛形を買っている先生のHPに同じように掲載されていますのでよく目に付きます)。それはさておき、まったくもって記載の通り、弁護士と行政書士を比べては話になりません。そもそも資格・専権業務が違うのですから当たり前です。ただし、私達の整理した表は、もっと細かく交通事故の作業を整理しています。それが、下の図です。  

3、行政書士ができる業務の範囲

 このとおり、交通事故業務はもっと広範に渡り、先の表は、上図の4 賠償交渉 ...

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 先週の東京相談会は厳しい残暑にも関わらず、8名のご参加を頂きました。参加された皆様、大変お疲れ様でした。毎度のことですが、既に弁護士に相談中、又は契約中のご相談者様が3名もおりました。    いずれも、賠償交渉以前の段階で難儀していながら、弁護士の先生に相談しても埒が明かない、不安が解消できないことから、相談会に参加となりました。つまり、交通事故で困って専門家に依頼したものの、相談先の先生では何も解決できないのです。それは、弁護士が法律の専門家であり、決して交通事故の専門家ではないことを示しています。加えて、この現象は交通事故業界の構造的な問題と考えています。交通事故の解決に必要な作業として、当然に弁護士先生の賠償交渉は必要です。しかし、交通事故は賠償交渉のみですべてを解決できるものではありません。百万遍の言葉を重ねてもわかりづらいと思いますので、8年前に作成した図を使った説明を試みたいと思います。  

1、交通事故発生から解決までの作業一覧

 1 事故発生から5 解決まで、被害者に課せられる作業です。人身事故を対象としていますので、病院の役割も下段に整理しました。ケガの痛みや入通院の苦難を抱えて、これらの作業を被害者がたった一人でやらなければなりません。ご家族の助けがあるにせよ、初めての事故で混乱することばかりです。だから、相手保険会社の言いなりに進んでしまうのだと思います。なにせ、保険会社は治療費を病院に払ってくれますし、事故車も見に行ってくれますし、休業損害まで払ってくれるのです。被害者にとって、これらは当たり前の事かも知れませんが、本来、被害者自らがきちんと立証書類を突きつけて請求する作業です。電話での感じは悪いながら、大変便利な相手保険会社におんぶに抱っこ・・後の賠償交渉でそのツケ(安い示談金で解決)を払わされることになります。

 実は交通事故の80%以上は、相手保険会社に囲われた状態で解決です。もちろん、その全てがダメとは言いません。多くはそれも省力的・合理的な解決方法と思います。しかし、後遺症が残るような重傷者の方はそうは行かないはずです。

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 骨折しても、予後の経過がよく、骨癒合を果たし、ほとんど完治するケースもあります。医療の進歩も日進月歩、プレート固定術の技術も向上していますので、むしろ、変形や機能障害を残すことは減っています。それでも、骨折で人体に高エネルギーの衝撃を受けたわけですから、数年は痛みはもちろん、何らかの不具合は残るものです。

 問題は、臨床上、医師は「後遺症無く治った」と判断することです。医師もある程度の不具合は残っても、それは完治の範囲、後遺障害が認定されるとは思わないのです。そこで、私達のようなメディカルコーディネーターが病院に同行し、医師の理解を促す、つまり、後遺障害診断書の記載を求める作業となります。

 医師は一生懸命、治療努力をしてくれたのです。医師への感謝と尊敬を持ちつつ、後遺障害認定のお手伝いを乞う・・・これも、後遺障害立証の困難の一つです。

患者1人で医師と折衝するのは難しいものです

14級9号:橈骨遠位端骨折(50代女性・埼玉県)

【事案】

原動機付自転車で、信号のない交差点に進入したところ、左方から来た自動車に衝突され転倒、手首を骨折した。直後から手の痛みやしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。 続きを読む »

 なんだかんだ言っても、自賠責保険の等級認定は精度が高く、認定結果の多くはその論理的な判定基準に納得しています。

 一方、交通事故でも、加害車両がない自転車事故のように、自賠責保険の後遺障害審査にふす事ができないケースがあります。すると、対応する保険契約を探し、その自社認定に頼ることになります。自賠責保険は任意保険の会社と密接でありながら、第3者機関としての立場で審査します。比して、自社認定は保険金を支払う保険会社が独自審査するのですから、判定のブレはもちろん、一抹の不安があるわけです。

 本件の場合、自身加入の保険会社と加害者が加入する賠償保険(工事業者が工事中、第3者に損害を与えた場合に補償を行う請負賠償保険)双方に審査・請求を行いました。何故、そんなことをするのかは、以下の通りです。

保険請求のプロを自負しています

請負賠償12級13号:膝蓋骨骨折(50代男性・埼玉県)

【事案】

自転車に搭乗中、道路工事の工事中の標識がなかった為、工事現場に進入してしまい転倒、膝を強打、膝のお皿を骨折した。

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