学生時代は勉強嫌いで、60分も机に座っていること自体、苦痛でした。

 そのツケが回ったのか、現在、毎月のように首都圏各地でセミナー、研修会を実施しています。学生時代と違いは、講義する側になったことでしょうか。本日も、地元である越谷市で1時間ほどお時間を頂き、「人身傷害・約款、各社の違いと対策」をテーマとしました。

 本HPでも、平成24年2月最高裁判決以後の各社の約款改定に注目し、適時、取り上げてきました。現在、保険会社の、あるいは人身傷害の迷走は一応、答えを定めた感があります。各社の約款は大きく3グループに分かれたと言ってよいでしょう。その3グループの約款にもそれぞれ問題点があり、それに対する対策を間違えれば、被害者さんは大変な損となってしまいます。   (A)平成24年2月最高裁判決を受け入れ、人身傷害の請求の時期に関わらず裁判基準を認める、整合性を持ったAグループ。⇒ 過去記事 (SJNK、朝日、セコム、セゾン、ソニー、そんぽ24)

 ただし、裁判せねばダメなのか・・

   (B)頑固に保険会社基準を押し通そうとする、困ったBグループ。

  “人身傷害のゾンビ約款”と呼んでいます。⇒ 過去記事 (東海日動、日新、イーデザイン、共栄、JA、全労災)

続きを読む »

 浜松出張は今年に入って2度目でしょうか。     高次脳機能障害の案件ですが、東海地区でも高名なDr.に面談しました。初めてお会いするDr.ですが、さすがの一言です。わずかの会話で課題克服、5分で話が終わりました。後は必要な資料と診断書類を提出するだけです。

 高次脳機能障害を熟知している医師との打合せに、冗長な面談など必要ありません。患者さんの診断に付き添い、必要な情報を伝え、的確な回答と協力を得るだけ、つまり、話が早いのです。 すべての高次脳機能障害・患者が、このような専門医に巡り会うことが出来ればよいのですが・・。    6月は、高次脳機能障害の申請が早くも3件ありましたが、それぞれに苦労がありました。本件は主治医のおかげで、医証回収については問題ないようです。しかし、本件は相手が無保険です。裁判基準での全額回収まで、連携弁護士と緻密なミッションが続きます。     

続きを読む »

 8月末の弁護士研修会のゲスト講師の先生も決まり、近日にはご案内できると思います。毎年参加されている弁護士先生はもちろん、新たに参加される先生にも、自信をもってお勧めできる内容を準備しております。

 また、今月からの交通事故セミナーも茨城を皮切りに、7月は千葉、静岡、山梨、神奈川と続きます。    それにしても、各地の法律事務所さん共通の感触ですが、交通事故の相談・依頼が全体的に落ち込んでいるとのことです。盛況、もしくは変化なしとの事務所はなく、一様に地盤沈下の様相です。原因は交通事故の数自体が年々低下の傾向で、尚且つ、この数年で弁護士の参入が出揃い、競争の激化から交通事故被害者が分散した結果と言えます。突出して1人勝ちしている事務所はないようです。

 これは数年前から予想していたことで、特別驚くことではありません。どの産業でも繰り返すルーティンです。その中で、大予算をかけたネットでの宣伝攻勢が可能な大型法人事務所の優位は続くでしょう。より苦境を強いられるのは中間層、弁護士10人前後の法人事務所ではないでしょうか。弁護士3人までの小人数事務所は受任数がそもそも少なく、大きな減収は無いと思います。宣伝予算では、リスティング広告の費用が年々上昇、予算を吊り上げようにも、資金力には限界がありますので、体力の無い事務所からこのチキンレースを降りていくでしょう。

 すると、最後にはやはり、交通事故分野での回収力、リピート力がものを言います。中小事務所にとって試されるのことは・・迅速に良い解決を図り、高収益を上げ、尚且つ、顧客満足力から紹介の連鎖を呼ぶことです。つまり、事務所の実力がじわじわと影響してくるはずです。目先の利益のみ追いかけ、効率化だけを追求する手法は、宣伝力=資金力のある大手しかできません。その点、判例に載るような仕事をこなし、丁寧に顧客対応を続け、依頼者の満足を満たしている事務所は生き残ると思います。対して、大手のような予算も無く、後発で交通事故に乗り出したものの、ノウハウに乏しく、解決まで時間がかかり、大した結果も得られず、顧客からのクレームも多く、紹介などほとんどない、さらにリスティングの予算も限界の事務所・・これでは、早晩、撤退でしょう。

 そのようなプロセスを見るまでもなく、行政書士は真っ先に撤退組になりました。実際、ここ数年前の交通事故バブルに乗っかった行政書士は次々にネットから消えています。消えていなくとも、HPの更新もせずに放置状態ばかりです。ほとんど、ネットでの依頼はないのでしょう。遠因ですが、賠償交渉に手を染め、弁護士との業際問題から撤退せざるを得なかった書士が多かったことが根底にあります。行政書士の資格を取っただけで、なんら交通事故の知識もないのですから仕方ありません。職分である「事実証明」に叶う仕事、例えば医療調査や後遺障害の立証を果たす能力・経験を伸ばすことができた書士は、国内でほんの数人レベルと思います。多くは、医学書を買い集めて満足、実務はもっぱら交通事故110番の本をガイドブックにしているだけです。したがって、赤本片手に賠償金の計算をするだけで金になる、対保険会社、対紛争センター向けの賠償交渉に手を染めます。

 結果として、弁護士から信任を得られず、利用価値もなく・・協業でなく競業の状態に陥ったのです。そして、弁護士の本格的な大量参入の結果、行き場所が無くなりました。交通事故業界で一定の地位を築けなかったことは、非常に残念です。

 適者生存の法則・・ダーウィン 「体の大きな、強い動物が生き残ったのではない。環境に適応した動物が生き残ったのだ。」

 この業界も同じく、適者の生き残りを迫っています。 弊所の業務もニッチな分野であるがゆえ、今までも秋葉でなければできない仕事が目白押しでした。少なからずニーズがある限り、命脈を保つと確信しています。そして、ニッチ分野であるかもしれない、交通事故・後遺障害の立証は、実は交通事故解決において最重要項目であることが、いずれ一定の認識を得ると期待しています。

 日々コツコツ、求めに応じた業務を重ね、有為な人材を採用・教育し、常に研鑽を積む姿勢は不変でいたいものです。

 事務所のハイビスカスは毎日のように開花を繰り返しています。開いては散り・・生き物に新陳代謝はつき物です   

続きを読む »

 頭部のケガや脳内出血があれば、高次脳機能障害を疑います。当然に家族が症状を訴えますので、高次脳の立証が主作業となります。しかし、本件は高次脳機能障害が主役とならず、その他の障害の立証に作業が集中しました。額の骨折で陥没がみられましたが、微妙でしたので、外からの写真と内部からのCT画像を比較できるよう、ビジュアル的な手法を用いました。なんといっても、7級がかかっていますので力が入ります。それに比べ、やや易怒性がみられる程度で、家族もさほど深刻としていない本件の高次脳認定は、結果的に併合等級一つ上げる効果となりました。

高次脳の案件もバリバリやっています!

9級10号:高次脳機能障害(70代女性・静岡県)

【事案】

自転車で走行中、道路を横断しようとしたところ、右方からの自動車と衝突、受傷した。全身を強打し、顔面骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折となった。

【問題点】

高齢から治療は長期化したが、高次脳機能障害をスルーするほど、他の症状がより重く、数が多い。

あえて、高次脳機能障害を挙げれば易怒性か。面談時は穏やかにお話しができたが、家族の話では事故後、怒りやすくなったことを確認した。病院同行にて主治医に話を聞くが、易怒性などの情動障害については、日常生活上、問題ないレベルと診られていた。

【立証ポイント】

高次脳機能障害がメインの障害とならない珍しいケースである。上記主治医とは別に、リハビリ先の別の病院の主治医に後遺障害診断書を書いて頂くことになった。高齢者であるため、神経心理学検査は限られ、ミニメンタルステート検査等のみとなり、易怒性など検査上数値として現れにくい点については、いつも通り日常生活状況報告書で説明した。結果、高次脳機能障害は微妙ながら9級10号の評価となった。

本件では、前額部陥没骨折の7級12号が主訴となり、これまたレアな障害である外傷性横隔膜ヘルニアの14級9号を追いかける作業に終始した。これらを併せて、最終的に併合6級とした。  

続きを読む »

 高次脳機能障害では、毎回、難しいご依頼が続いていますが、本件も記録と記憶に残る立証作業となりました。    当たり前ですが、後遺障害とは、「ケガが治らず、症状が残存したもの」を対象としています。そして、それは現在、生きているか否かは関係ありません。しかし、死亡後は本人の診察も検査も出来ないわけですから、生前の記録しか頼れません。その点、本件ですが、自賠責は書面審査を原則としていますので、十分勝算ありと踏みました。    それでも、雲を掴むようなもどかしさの中、1年間、家族と共に奮闘しました。審査側も推認の部分が大きかったと思いますが、自賠責の好意的な調査・判断には感謝しています。

   タイムマシンと言えば、デロリアン(お台場ヴィーナスフォート)

 

死亡・非該当⇒別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(80代男性・東京都)

  【事案】

自転車で道路を横断中、自動車と衝突、救急搬送された。診断名は、頭蓋骨陥没骨折、脳挫傷、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。脳出血は止まり、安定をみせるも嚥下障害があり、胃ろう(胃から管を通して栄養接収する)造設となる。

その後、体力の回復に従い、ひどいせん妄(脳のダメージで興奮状態となり、暴れや暴言)を発症した。

続きを読む »

 多くの弁護士事務所が苦慮していること・・それは、受傷直後の重傷者から依頼があった場合、その長い治療期間から、賠償交渉に至るまで待つ事ではないでしょうか。

 それが2年3年ともなれば、その間、多忙な弁護士先生が定期的にフォローしていくことは、実に大変だと思います。場当たり的なアドバイスでは、治療中の様々な局面での手伝いが及ばず、後遺障害の申請作業では、何度も病院同行できるのか心配です。

 その点、受傷直後に相談を受けた本件弁護士事務所は、迷わず秋葉に預けて下さいました。その結果は以下の通りです。秋葉事務所とのコンビで、解決まで理想的な進行となります。

任せて!

3級3号:高次脳機能障害(30代女性・千葉県)

【事案】

通勤帰宅中、原付バイクで交差点を直進のところ、対抗右折自動車と衝突した。脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下出血の診断で、救急搬送後、開頭手術で命を取り留めた。

その後、記憶障害、言語障害、注意機能障害、開口や嚥下にも異常があり、味覚・嗅覚の喪失も確認できた。また、てんかん発作もあり、長期のリハビリとてんかんへの警戒が続いた。

【問題点】

受傷一ヵ月後から、弁護士経由で受任となった。急性期治療が済めば、高次脳機能障害の評価ができる適切な病院を選び、リハビリと各種検査を進める必要がある。

また、てんかんの危険があるため、早期の症状固定は躊躇われた。続きを読む »

 高次脳の認定が続々届いています。ここで、今年上半期の4件を紹介します。  

 いずれの依頼者さんも長いお付き合いになっています

   高次脳機能障害の評価・リハビリが出来る病院は限られています。地域ごとに拠点病院が存在しますが、そこに運よく担ぎ込まれる患者はいません。その拠点病院の役割は主にリハビリなので、急性期の治療、手術は地域の大きな病院となります。頭部や脳への受傷となれば、救急車も脳神経外科のある大病院に向かいます。

 しかし、その後、高次脳機能障害の立証を進める上で、急性期の病院が最大の障壁となることが往々にして起こります。急性期治療の目的は、命を助けることです。その後は回復期リハビリに移行します。仮に、半身麻痺や言語障害があれば、どんな医師での障害の存在を認識します。しかし、高次脳機能障害で起こる記憶障害や性格変化など、家族以外にははっきりわかりません。また、一連の症状は急性期治療を担当する医師のフィールド外であり、軽視されがちです。

 本件も主たる治療先の診断能力と無理解から大ピンチに陥りました。とりわけ、高齢者の障害立証は迷走します。等級は当たり前に認定されるわけではないのです。  

別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(70代男性・神奈川県)

【事案】

デパートの屋上駐車場内を歩行中、前方不注意の自動車の衝突を受け、頭部を受傷した。主な診断名は、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。救急搬送後、脳出血への対処から地元で有名な大学病院に急ぎ転院した。

続きを読む »

 事務所の窓際に赤い夏の花。    たった一輪で事務所が南国気分です。これから次々と開くでしょう。   

 今朝は急ぎの事務が立て込んで・・記事だしできず、すみません。今週も事務所一同、頑張ります!   

続きを読む »

 昨日は、まさかのカストロ&チェ・ゲバラで締めくくりました。     毎回、オチを意識していますが、真面目なテーマではなかなか難しいものです。     さて、チェ・ゲバラは昭和の、いえ、20世紀の偉人ですが、かたい話題が続いたので・・世代間のギャップを感じる一ネタを。     事務所の若手でも、さすがにチェ・ゲバラを知っています。    しかし、世界史に疎い女子に、「この人、誰か知ってる?」と聞いてみました。

 すると、すかさず、  

 「缶コーヒーの人ですよね」

     

 それは、BOSSですやん!

  

続きを読む »

 人生でお世話になりたくない2大先生とは? それは、医師と弁護士ではないでしょうか。    病気やケガとなれば、医師に頼ることになります。また、揉め事となれば、弁護士先生に相談、場合によっては代理人になっていただくことになります。病気も揉め事も、それが深刻であればあるほど、起きてほしくないことです。2大先生には、できれば一生お世話になりたくないものです。

 依頼者にとって深刻なことは、2大先生は共に専門分野、得意分野、そして能力差があるので、それぞれの専門家を慎重に探さなければならないことです。幸い医師は、内科・外科の各科、眼科・歯科など専門院に分かれていますので、最初のドアノック先は決まっていると言えます。例外的に、救急車で搬送された場合、患者に選択の余地がありません。もっとも、救急処置の後に、評判や症例実績、医師との相性で転院するなど、患者には自ら判断・選択する自律性が必要です。その前に、医師間のルールで、より専門性のある院や医師に紹介することがあります。患者の生命・健康がかかっているので、当然なことでしょう。

 その点、弁護士は看板に受任可能分野を表記するも、なかなか素人には解り辛く、依頼者はとりあえず弁護士なら何でもできると思いがちです。当たり前ですが、弁護士にも専門分野、得意分野があり、”何でもできる事務所は、何も出来ない事務所と同じである”とすら、言われます。どのような仕事にも、専門特化したプロと器用貧乏が存在するものです。その点、弁護士さんも医師と同じく、より専門の先生への紹介を常として頂きたいと思います。

 また、医師も弁護士も、当たり前ですが、能力差があります。ヤブ医者とはよく言いますが、ヤブ弁護士も当然に存在します。不案内な依頼がきても、他へ紹介せず、何でも抱え込み、挙句の果てに間違った方向へ・・弁護士過誤ともとれる事例を何度も目にしてきました。罪深いことですが、素人目には判断できないと思います。依頼者さんはできれば、複数の事務所を尋ね、専門性、能力、相性を吟味する必要があると言えます。

優秀2割、ダメ2割、どっちつかずが6割?

   さて、メディカルコーディネーターは、日夜、この2大先生の間を行き来しています。頑固な医師に検査を拒まれ、診断書の記載もおざなり・・困り果てた被害者さんに代わって、保険審査に必要な書類を完備させるべく奔走しています。そして、連携弁護士に有用な証拠をせっせと引き継ぎます。交通事故の場合、最も重要な証拠が、自賠責保険の後遺障害等級と思っています。

 その後遺障害認定について、被害者さんから助けを求める声が毎日のように事務所に届きます。より良い治療環境や検査可能な病院へ誘致し、医師と粘り強く折衝、後遺障害○級の”のし”をつけて、弁護士に引継いでいます。このように、弁護士を縁の下から強力にバックアップ、時には尻を蹴飛ばしながら、被害者救済の仕事を貫徹していきたいものです。    2大先生を結びつける・・まさに、私達の仕事です。  

 ちなみに、キューバ革命を成功に導いた2人、そもそもの職業は何でしょう?    昨年、亡くなったフィデル・カストロは弁護士、チェ・ゲバラは医師です。

続きを読む »

 排尿障害が一時的なものであれば、専門医への受診によって、ある程度の改善が見込めます。ただし、中高年の病的疾患の場合は完治は難しく、長期な通院を必要とします。

 交通事故外傷で、膀胱や尿路に損傷があった場合は手術での改善を検討します。やはり、やっかいなのは神経因性のもので、完全に治す(根治療法)より、症状の抑制が中心(対処療法)の傾向です。   【1】閉尿の処置  出ないものは出さなければなりません。   ① 導尿 ⇒ おなじみのカテーテル

 カテーテルを”おしっこの度に”挿入するものを「導尿」といい、カテーテルを”挿入したまま”を「持続導尿」といいます。カテーテルはこの2種に加え、長さに差のある男性用、女性用があります。

  ② 尿路拡張 ⇒ 糸状ブジー

 尿道狭窄(文字通り尿路が狭くなった)の場合は、尿道よりブジーを挿入して尿道の拡張をはかります。ブジーは、管腔を探ったり、拡張したりする棒状、管状のものです。拡張する場合は細いものから順次太いものへと変更していきます。

 尿道狭窄の拡張は、一般に金属ブジーを用いますが、狭窄が著しい場合は、糸状ブジーを挿入して順次拡張します。

 読んでいるだけで痛そうですが、カテーテルも挿入時に使うローションがあり、特に麻酔効果のあるキシロカインゼリーが代表です。   ③ 服薬 

 神経因性膀胱では、エブランチル、ウブレチドの服用を考慮します。

・エブランチルはα1受容体遮断作用により、末梢血管を拡げ、血圧を下げます。その結果、前立腺・尿道の平滑筋収縮を抑え、尿道を拡げることにより、尿を出しやすくします。

・ウブレチドは、筋肉を収縮させるアセチルコリンという神経伝達物質を増やします。膀胱の収縮を助け、排尿をスムーズにします。    ★ 尿路拡張術など、観血的手術を伴うものは、また、別の機会に解説します。   

【2】頻尿・尿失禁の処置    ① 抗コリン剤の服用  定番薬はこれ

 頻尿、過活動膀胱には、対処薬があります。抗コリン剤は、副交感神経を亢進させる(アセチルコリン)の作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬です。

 アセチルコリンという物質は副交感神経を刺激⇒筋肉の緊張⇒膀胱の収縮⇒排尿を促す、これらの運動を活発にさせる作用があります。コリン剤はこのアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)があるので、消化管の過活動=頻尿を抑えることになります。  これは、前述の閉尿のウブレチドと逆の作用になります。

 頻尿のお薬は他に、バップフォー、デトルシトール、ベシケアがあります。   ② 物理的な対処  多い日も安心?

 尿失禁への対処はオムツ、尿パッドがあります。それぞれ、市販のものがあります。症状が酷ければ抗コリン剤の服用ですが、それでも漏れてしまう場合はパッドで対処するしかありません。

 続きを読む »

 「おしっこがでないからここ(病院)にきたんでしょ?」

 ・・・(今更、でないことを検査してどうするの?)    毎度おなじみ、医師の対応です。交通事故受傷で排尿障害となった場合、例えば、おしっこが出なくなった証拠を突きつけなければ、障害等級の認定はありません。医師は患者の「おしっこがでない」ことに疑いを持たず、治療にあたります。しかし、自賠責保険・調査事務所は「客観的な検査結果」がなければ信じません、つまり障害の判定ができないのです。ここに、臨床判断と賠償請求の壁が存在するのです。

 もっとも、検査の設備があり、30年前の知識のままのおじいちゃん医師でなければ、速やかに排尿検査を実施します。大学病院の泌尿器科となれば、尿流量検査はじめ、一連の設備があります。ただし、ウロダイナミクスを完備している病院は極めて少なく、検査誘致はメディカルコーディネーターの活躍場の一つとなります。    排尿障害の検証、2段階目は各種検査を紹介します。検査にて障害の実態を明らかにする事は治療の第一歩であり、障害審査、しいては賠償請求の証拠として必要なのです。   【1】尿の成分検査

 尿中の蛋白、血液、糖などの有無とその量を調べます。通常は中間尿(はじめの尿を取らずに、途中からコップに取り、途中までの尿を入れる)を採取します。結果は30分後に成分表が作成されます。  内蔵機能の病的疾患の検査ですので、交通事故外傷とは離れますが、腎損傷などの場合はその初期検査には有用と思います。腎臓機能の障害はさらに、GFR検査(※)に移ります。

※ GFR =糸球体濾過値(しきゅうたいろかち)  腎臓の能力、どれだけの老廃物をこしとって尿へ排泄することができるのか? つまり、腎臓の能力は、GFR値で判断されています。 この値が低いほど、腎臓の働きが悪いということになります。腎機能の障害については、また別の機会に解説します。

  【2】尿流量検査(ウロフロメトリー)

 専用トイレで排尿し、検査機器が自動的に尿流のカーブを描く検査です。10分程度できますので、閉尿・頻尿・尿失禁、どの場面でもまず実施すべき検査です。この検査で、尿の勢い・排尿量・排尿時間などが明らかになります。このデータから、排尿障害の種別・状態が客観的に把握できますので、排尿検査の出発点となります。  検査前には十分に水分を取って、検査までトイレは我慢となります。   ← 測定用の専用便座   【3】残尿測定

続きを読む »

       脊髄損傷では多くの場合、排尿障害を発症します。

 脊髄損傷以外の原因ですと、骨盤骨折など下腹部への直接のダメージがあれば、膀胱や尿路への物理的な損傷、末梢神経性・膀胱の神経障害(排尿括約筋不全など)が考えられます。また、病的疾患として前立腺肥大、さらに心因性での発症もあります。

 医学的な難しい解説はほどほどに、実例や簡易なイメージから説明します。これから、排尿障害が自賠責や労災の後遺障害として認定を受けるまでを、4段階で追っていきましょう。   【1】排尿障害の種類  一般的に、以下、3種でしょうか    ① 閉尿 ・・・ 尿がでない、でずらい、尿が途切れる、尿意が乏しい

② 頻尿 ・・・ 尿の回数が頻繁になる、尿意がありすぎる

③ 尿失禁・・・ 尿意がすると我慢できない、くしゃみ程度で漏れる、知らずに漏れてしまう    経験上、頻尿の多くは尿失禁を伴います。高齢者は外傷に関係なく、頻尿・尿失禁に悩まされている方が多いようです。当然に既往症の影響を検討します。また、むち打ち等、外傷性頚部症候群で排尿障害となった被害者さんの場合、「なぜ、むち打ちでおしっこに異常が?」からの出発となり、因果関係や病的疾患との区分けに大変な苦労を強いられます。    【2】尿失禁の種類  ここで、尿失禁について、さらに3分類します。    ① 持続性尿失禁

  ...

続きを読む »

 先日、「ご依頼者様からのお叱り」とのタイトルで記事を書きました。

 弁護士事務所の多くは、賠償交渉以外の事務、とりわけ後遺障害の経験が手薄であることを訴えました。HPでは派手に「後遺障害に強い!」と謳っていますが、実際は宣伝通りに思えません。なぜなら、セカンドオピニオンがあまりにも多すぎるからです。このHPでも、毎度、愚痴っています。

 被害者の多くは、事故の初期に弁護士に契約したとても、等級認定までの諸手続きを被害者自身がやらなくてはならず、”弁護士は賠償交渉の段階まで待っている”ことが常態です。これを事務所開設前から数年に渡って問題視してきました。私は「弁護士が賠償交渉以外の事務をしないのなら、秋葉がやりましょう!」との意気から、事務所を開設したとすら言えます。現在まで、およそ16事務所、延べ40人の弁護士先生と仕事をしてきました。その数では、わずかな抵抗でしょうか、被害者さんの環境は不変に思います。改めて、問題点を整理してみます。         被害者さんは、人身事故にあって、法律事務所のドアを叩くのですが・・以下、二分します。     1、弁護士費用特約がなければ、受任留保。「等級が取れてから、また来て」

 弁護士費用特約がなければ、昔ながらの「等級が取れてからまた来て下さい」との対応になります。しかし、被害者さんは事故直後から、様々な問題に直面します。事故直後に、警察・保険会社・病院窓口での折衝があります。続いて、公的保険の併用の場合、健保の第三者行為届け、または、労災の申請手続きが続きます。さらに、その他保険請求、転院やリハビリ計画の相談、検査の手配、最後に後遺障害診断書の依頼など、やることがたくさんあります。この間、精神的に最もキツであろう相手保険会社との交渉が続きます。

 各局面で弁護士に相談するも・・契約するのかどうか煮え切らない態度です。これでは、相談者はその事務所へ二度と戻らないでしょう。    2、弁護士費用特約があれば、即、契約も「等級が取れるまで、のらりくらり」

 どの事務所も、弁護士費用特約のある場合はすかさず受任してくれます。なぜなら、等級がどうなろうと、保険会社から着手金を確保できるからです。しかし、ここから事務所の実力や経営方針によって、被害者さんの運命は左右されます。健保や労災については、「それぞれの役所窓口で聞いて下さい(弁護士事務所がわかるわけないでしょ!)」、「早く、医師に診断書を書いてもらって下さい(医療には面倒なのでタッチしません)」との生ぬるい対応に終始します。着手金さえ入れば・・冷めてしまったのでしょうか。

 例によって電話をしても担当弁護士がつかまらず、事務員対応でなんら解決しません。稀に弁護士がつかまっても、場当たり的なアドバイスで、ほとんどの手続きは依頼者任せ、等級がでるまで待っています。仮にこれらの事務が弁護士先生にとって専門外であっても、依頼者さんの失望は免れないでしょう。このような場合、多くの依頼者さんは他の事務所に走るのです。  

 これがセカンドオピニオン激増の理由です。弊所としても、もっと弁護士先生の理解・協力を広めることが必要であると痛感しています。    弁護士&行政書士、この連携業務の受益者は、結局、被害者さんに他なりません。多くの弁護士先生に連携を呼びかけるのは、利益追求からの動機ではなく、求める声に応える仕事がしたいからです。  

続きを読む »

 本日の事務所会議はディナーを兼ねて近隣のフレンチ店にて。    気軽に利用できるフレンチは有難いです。ビールではなく、スパークリングワインから乾杯です。フレンチは高級なレストランばかりですが、さすが銀座界隈、普段着で入れる小粋なお店もあります。店内は女子率高し!平日は周辺のOLさんが集中します。

 旬の野菜を前菜に、スープは冷製コーンポタージュが一際甘く、メインは鴨と牛に分かれました。合わせるワインはスパイシーなグルナッシュ、デザートは3種のアイスクリームなど。  

 何を優雅なっ!とお叱りを受けそうですが、各自、18時まで必死のパッチで業務を追い込みました。残業を排除し、決められた時間内でノルマを達成することは本当に難しい。それでも挑戦し続けなければなりません。なぜなら、人生そのものが限られた時間だからです。事務所前の旧電通本社ビルを見上げてそう思いました。  

続きを読む »

 今月に入って重傷案件の認定通知が続々と届いています。併合2級、別表Ⅰの2級が2件と、高額賠償が見込まれる等級認定が3つ続きました。 今日の記事は弁護士事務所様向けの意見でしょうか。     いずれも高次脳機能障害で、数年に渡り秋葉が弁護士事務所からお預かりした案件です。比較的、受傷初期から弁護士事務所に相談にいらした場合、治療・リハビリが続きますので、症状固定までは長い期間を要します。特に高次脳機能障害で、てんかん発作の危険がある場合はしばらく見守ることになります。また、治療期間中、別の傷病の発生や諸々の問題が生じれば、後遺障害申請は遅れます。その間のフォローについて、受任した事務所に万全の対応が望まれます。

 例えば、病院同行で医師との関係構築、検査のできる病院への誘致、健保や労災手続き、障害者手帳の申請、適時の打合せが続きます・・これら事務を担い、解決まで寄り添っていくことについて、受任した事務所に確かな技術と対応力が求められます。その点、今月の3件は、「等級認定まで秋葉に任せよう」と弁護士事務所から信任頂いた成果です。

 弁護士先生からの期待にお応えした結果ですが、何より、被害者さんにとって、受傷初期から寄り添い、解決まで引率するガイドの存在が最大の救済かもしれません。事実、ここ数年の相談者さんの20%は既に弁護士事務所に契約していながら、何かと不安があっての相談です。話を聞けば、その依頼先のほとんどが「等級が認定されるまで待っています」の姿勢で、契約はしたものの、特に動いてくれるわけでは無く、等級申請まで被害者側がすべて自力でやらなければならない状態でした。これでは、被害者さんの窮状を救う事はできません。

 何より、これ(放置)で正しい等級認定は大丈夫なのでしょうか?

 ならば、せめて、その分野を専門とする秋葉事務所に預けてくれればいいのに・・と切に思います。そのような意味で、弁護士との連携業務は、被害者救済という大前提を達成できるスキームと思っています。今月認定となった3件の被害者さんとご家族の安堵の顔が、それを証明していると思います。

 これから賠償交渉、場合によっては裁判になりますが、完全解決までの折り返し地点です。    前半の勝負は決めました。 連携弁護士の皆様、後は任せた!   

続きを読む »

佐藤も困った・・    先日、依頼者から「たった今、労災の面談に行ってきたのですが、顧問医の先生が手術した方がいいかもしれないから、一度診てもらってから労災の後遺障害申請をすべきではないか?と言われました。」と連絡がありました。つまり、労災・顧問医の後遺障害診断となるはずが、医師の判断で順延されてしまいました。後日、労災の担当者に電話をして確認したところ、担当者もこのような経験はなく、顧問医の独断であることが判明しました。

 顧問医の先生は依頼者の状態があまりにも悪い為、今後の身体のためを想って助言してくださったのでしょう。しかし、今回は交通事故の業務災害であるため、相手(加害者・保険会社)がいるのです。既に症状固定し、弁護士が賠償交渉を進めている中、「一度診てもらい、然るべき治療を行ってから再度面接に来てください。」と言われましても…。もちろん、顧問医の判断は間違っていないと思います。それが、医師の見解であり、推奨やアドバイスに留まれば問題ありません。しかし、申請者が将来の手術の可能性を理解した上で、後遺症申請を望んでいるにも関わらず、再度治療を行ってから出直しを命ずるのはどうでしょうか。この行動により被害者、保険会社、弁護士、労災の担当者、事故に関わる関係者の全てが困ってしまうのです。

 このような場合、各基準監督署には顧問医が1人?しかいないため、その顧問医の意見を無視して手続きを進めることはできないようです。このままでは手続きが宙ぶらりんのまま、事故を解決することが出来ません。そこで、担当者から上司に話を通していただきました。特例で別の基準監督署で面談を行い、手続きを進めてはどうか?と提案をしてくださり、手配も進めてくださいました。    日ごろから病院に同行し、医師の診察や検査、診断書の内容等に苦労している弊所ですが、保険会社や労災の担当者もまた然りと痛感しました。    ”診断権”をもつ権力者であり、医師という天才たちと一緒に仕事をすることがどれだけ難しいか、改めて思い知った今日この頃でした。  

続きを読む »

 このようなことを言ったら、不遜かもしれませんが、秋葉事務所はある意味、プレ審査機関と思っています。

 弊所では、仕事をシンプルに以下、2分しています。

1、明らかに後遺症がある被害者さんを、正しい等級認定が受けられるように誘導する。

2、明らかに後遺症が乏しい被害者さんには、後遺障害は諦めるよう説明する。    だからこそ、正式な審査の前に、フィルターの役割を果たしていると自負しています。事実、申請前の等級予想では、80%を言い当てます。では、不確定な20%は・・・これが正に14級9号なのです。14級9号・神経症状の等級認定は、認定基準上、「医学的に、証明に至らずとも説明が可能」であれば認定されますので、具体的な基準・数値が明確ではありません。すると、審査担当者の印象で決まることもありえます。つまり、骨折などを伴った他の障害に比べ、認定or非該当の自由幅が広いのです。

 実際、モラルに問題のある申請者は、訴える症状も疑われますので非該当にされます。私が保険会社のSC(支払い部門)に研修で配属された頃、何度も自賠責調査事務所からの電話をとりました。自賠責の審査担当者が、申請者の訴える症状が信用に足りるか疑問に思った場合、任意保険の担当者へ「この被害者はどんな人?」と聞けば済みます。任意保険の担当者は受傷直後から数ヶ月間に渡り申請者をみてきたわけですから、善悪・人柄を把握しています。この電話一本で、ネガティブな情報が伝われば、往々に非該当が決まります。ここで何を言われるかわかりません。だから、常日頃から被害者さんに保険会社の担当者とケンカするな!と訴えているのです。    しかし、本例は解せません。なぜなら、申請8日後の結果では、書類の往復時間で終始するはずで、審査などしていないに等しい。これは、本件特有のネガティヴ情報が、誤って”問題のある申請者”として伝わったと推測します。いずれにしても、被害者さんも私達も大変な手間を強いられます。

 山本「異議申立は大変なんだから、よくみて下さいよ!(怒)」  

非該当⇒14級9号:頚椎捻挫(40代男性・東京都)

【事案】

自動車搭乗中、交差点で信号待ちの為、一時停止した直後、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛や腰痛の他、下肢の痺れ等の神経症状が続いた。 続きを読む »

 「疑惑の非該当」は、疑わしき事情がある場合に頻発します。

 本件では、治療過程が医師のせいで複雑になり、頼るべき船頭である弁護士までミスリード。これでは、審査側も印象的に非該当にしてしまうかもしれません。それでも、予断なく神経症状の有無と軽重、そして、一貫性をみてくれれば、難なく認定できるはずです。最初から秋葉事務所がリードすれば・・、悔やまれます。

 心因性から症状が長引く被害者さんを大勢目にしてきました。心因性の被害者さんの訴える症状は、事故外傷との直接因果関係から離れますので、相手方任意保険はもちろん、自賠責の審査上も厳しい判断となります。したがって、心因性が明らかであれば、等級認定が厳しいことを被害者さんに丁寧に説明します。しかし、本件は外傷による腰部の神経症状がはっきり読み取れました。この判断は弊所の経験則としか言いようがありません。

   しっかり、みてくれよ!  できれば初回申請で。   佐藤が連続で担当!

非該当⇒併合14級:頚椎捻挫・腰椎捻挫(20代男性・千葉県)

【事案】

自動車搭乗中、信号待ち停止中に後続車から追突を受ける。直後から頚腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛、めまい等、強烈な神経症状に悩まされる。他の法律事務所に契約中も無料相談でお会いした。経験上、かなり重篤なケースと判断した。

【問題点】

面談時に、画像所見や神経症状を分析をすると、頚部よりも腰部の方が重篤で等級が取り易いと判断した。しかし、現在の主治医は頚部に特化した病院として有名で、主治医も後遺障害診断書には頚部のみの記載しかしないと言う。

さらに、その病院に至るまでに転院を繰り返した結果、相手保険会社は心因性を疑い、治療費を打ち切っていた。本件被害者は弁護士に依頼するも、その弁護士までもが心因性の疑いを持ったようで、後遺症に消極的な姿勢。これでは四面楚歌である。

また、自賠責への後遺障害申請を強く求めたところ、その弁護士はなんと、裁判で14級を認定させると言う。当然、その弁護士にそのような実力も実績もない。弁護士費用特約があるから、勝ち負けは別としてお金にもなるし・・気軽に裁判なのだろう。

明らかに解決方針が間違っている。現弁護士を解任の上、秋葉事務所への依頼となった。やや混迷の状態からの申請で、治療経緯の不透明さや心身症の疑いが伝わったのかは不明だが、不自然にもたった20日間で「非該当」の通知が届いた。

【立証ポイント】

続きを読む »

お問い合せはお気軽に!

事務所メンバー

「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

代表者略歴を見る!

部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

今月の業務日誌

2025年5月
« 4月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

月別アーカイブ