損保代理店時代、私も交通事故はじめお客さまの法律問題に際して、弁護士先生を紹介させて頂きました。その時の経験から、このシリーズの最後に語りたいと思います。

その先生方のほとんどは保険会社の紹介でした。保険会社には顧問弁護士と、常日頃、対被害者への代理人として協力弁護士が何人か控えておりました。普段は保険会社の利益を守るため、不当・過大な請求をしてくる被害者に対峙しています。逆に、被害者からの依頼が入れば、保険会社と戦うための事案も引き受けます。

数名の先生に交通事故の場面でも死亡事故や重傷事故でお世話になりました。裁判になったケース、交渉解決のケース、様々でした。どれも解決の報を聞いて安心しましたが、少なからず、すっきりとしなかったのです。いくつか理由を挙げます。

1、紹介した代理店である私に、経過報告が一切ない。こちらから問い合わせても弁護士はなかなかつかまらない。

2、依頼者であるお客様から、代理店に経過や進捗、見通しなどの問合せがくる。

3、依頼者さまに聞くと、「弁護士先生と連絡がつかない。折り返しの電話もない」とのこと。

4、紹介した代理店である私に、解決した旨の報告が一切ない。こちらから問い合わせてようやく解決したことが判明した。

ようするに、めったに連絡が取れないのです。尚且つ、折り返しの電話をくれない。依頼者に(できれば代理店にも)適時、説明がない。総じてコミュニケーション不全が起こっているのです。これらは多くの代理店さんから「ある!ある!」と共感しています。

これでは依頼者の不安は増すばかり、そして紹介者である代理店の顔が丸つぶれです。

果たして、このような殿様商売と言うか、だらしない対応が許されるほど、弁護士先生は偉いのでしょうか? いえ、そんあことありません。これはビジネスマンとしての常識が問われる問題です。当たり前のことを当たり前に励行している先生もたくさん存在しています。やはり、このような対応はおかしいのです。

もちろん、携帯電話で四六時中つかまなかければダメと言っているわけではありません。日中は裁判所はじめ方々に飛び回り、事務所に戻ってからも集中して文章作成をしている先生にとって、電話対応は限られた時間となります。多くの依頼者を抱えている先生ほど大変なのです。しかし、工夫をすれば最低限の連絡は取れるはず、怠慢と判断されても仕方ないでしょう。

多くの先生と一緒に仕事をした結果、文系最高峰の資格者であっても、礼儀やマナー、道徳心に問題のある、非常識な先生が存在することに気付きました。代理店時代のもやもや感はこれだったのです。

依頼者を不安に陥れるような先生は概して、交渉はじめ、事件処理もそれなりの成果しか期待できません。依頼者とのコンセンサスをはかり、紹介者を大事にする・・ビジネス上、当たり前のことすら出来ないのでは、能力や人間性の評価は推して知るべしです。

弁護士を選ぶ際、最後は人間性を問うべきと思います。以下×事項は参考になると思います。

× 言葉遣いや態度が横柄で上から目線・・威張っている人は、どの職業でも2流・3流です。

× 最初の面談で、解決方針の説明がない、説明が難しく理解できない、ただ「任せなさい」と一点張りの先生・・依頼を控えるべきでしょう。この先生は大抵、解決のノウハウ・経験に乏しいからです。さらに、ごまかし上手とも言えます。

× 目を見て話さない、パソコンを入力しながら話を聞く・・このような対応の先生の多くはコミュニケーション能力に問題があり、意思の疎通に苦労が待っています。

× あまりにも忙しくてアポが取れない、電話だけでの対応(面談しないでの契約は違法です)、弁護士の対応は一瞬で、後はほとんど事務所のスタッフが対応・・多くの場合、連絡がつかないタイプと認識して下さい。

× 連絡はメールのみ・・メールを多用する方が相互に合理的であることが多いのですが、徹底して電話を避ける姿勢もおかしなものです。依頼者の希望が”メールのみの連絡”ならアリでしょうが、会話をしないと上手く伝わらないことも多いはずです。経験上、このタイプの先生は合理的に過ぎて、依頼者の気持ちを上手く汲み取ってくれません。

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優秀20%、ダメ20%、どっちつかず60%・・どの職業にも当てはまるセオリーです

いかがでしょうか。これらの指摘は弁護士に限らず、普通に買い物をする場合に当てはまりますね。弁護士とは尊敬される職業でありますが、他の職業に同じく、「選ぶ」必要があるということです。

もめ事は人間同士が起こして、その解決を計るのもまた人間同士です。 依頼者と代理人、ぬくもりのない関係では上手く解決に向かわないと思います。これを、弁護士を選ぶ際の最後の助言としたいと思います。

 

最後にお時間がありましたら、こちらの記事もお読みください。

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弁護士を選ぶ際、一つ質問してください。

「先生、裁判基準満額が取れない場合はどうしますか?」

その答えは何でしたか?
記事→抜かない刀は怖くない