【事案】

歩行中、信号のない道路を横断中、原付バイクから衝突される。全身の痛みに留まらず、手指のしびれ等、神経症状を発症していた。
 

手指のしびれは頚椎由来から「中心性頚髄損傷」と診断された

【問題点】

入院先へ訪問すると、「頚髄損傷」の診断名はあるものの、上肢の麻痺までの重篤な症状は見受けられなかった。また、後日、MRI画像等を確認しても、頚髄に高輝度所見が見当たらなかった。

【立証ポイント】

退院後、諸症状は軽減も、手指のしびれ等、神経症状は続いた。後遺障害診断書では、自覚症状欄に「疼痛や可動域制限、手の痺れ等」の記載に留めた。申請後、自賠責も初期診断名を気にしてか、頚髄損傷に関する医療照会が入った。自賠責は、頚部神経症状と脊髄損傷の境界線で程度を検討したよう。

この自賠責の慎重な姿勢から審査に時間を要したが、妥当に14級号認定となった。今後、弁護士が賠償交渉する上で、脊柱の変形と醜状痕だけでは、逸失利益が見込めない可能性もあったため、価値のある14級9号となるであろう。

(令和3年3月)

※ 併合の為、分離しています