【事案】

信号のない横断歩道を横断中、右折してきた原付バイクに衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約2ヶ月の入院を余儀なくされた。直後から手首の痛み、不具合に悩まされる。   【問題点】

相手方に任意保険の付帯がなく、加害者との交渉は難航した。毎度のごとく、無保険の相手では自賠責しか頼ることができなかった。また、手首の可動域制限の数値が12級になるかどうかギリギリのラインであった。   【立証ポイント】

本件は抜釘せずに症状固定とした。後遺障害診断では、医師に怒られながら計測に立ち会い、なんとか12級の数値に落とし込むことができた。

また、最終のレントゲンで尺骨茎状突起が癒合せずに遊離骨片となっていることを見つけたため、医師に追記を依頼し、偽関節での合わせ技で併合11級を獲得する方針で申請をかけた。1ヶ月で結果が返ってきたが、尺骨茎状突起の偽関節は認められず、可動域制限のみの認定であった。

尺骨茎状突起骨折の偽関節・・過去、長管骨の変形で12級8号が数件認められていることから、偽関節を主張して再び申請を行ったが、「遊離骨片となっていることは認めるが、骨端部のほとんどを欠損したものとは捉えられない」という理由で認定はされなかった。「偽関節」か「遊離骨片か」・・・根元からそっくり折れなきゃダメ?、骨片の大きさ? 担当者の独断? 認否を分かつ基準が不明瞭に感じた。   認定例 👉 12級8号:尺骨茎状突起骨折(20代男性・東京都)   この認定を覆すことは厳しいと判断し、12級6号で手続きを進めていくことにはなった。モヤモヤが残る案件となった。

(令和5年2月)

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【事案】

バイクで直進中、対抗右折車に衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約3ヶ月の入院を余儀なくされた。以後、手首の痛み、手関節と肘関節の不具合に悩まされる。   【問題点】

ひどい骨折であったため、癒合のペースが悪く、抜釘の話も順調に進まなかった。本件は手関節と肘の回内運動に可動域制限が残ったが、治療期間が長引けば長引くほど中途半端に改善してくことが予想されたため、症状固定時期を見定める必要があった。   【立証ポイント】

長期間のサポートによって癒合状態や可動域を把握できていたため、ご本人の意向に沿って抜釘後の症状固定(それでも可動域制限が認定されると判断したため)とした。

後遺障害診断時の可動域計測は無事に終わり、手関節は12級認定を確信したが、回内・回外については原則、合計値で判断されるので、回内だけの制限で認定されるかどうか・・この点に注目した。弊所の危惧した通り、手関節については12級6号認定だったが、回内・回外については非該当であった。

本申請にて回内・回外は合計の数値で判断され、単体では判断されないことが分かった。しかしながら、ケガによっては回内・回外のどちらかのみに可動動域制限が起こることもあり得る。その場合、この認定基準は不利に働くと思う。

※ 併合の為、分離しています。

(令和4年6月)  

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【事案】

バイクで交差点を直進中、対抗自動車が右折急転回してきた為、衝突してバイクから投げ出された。診断名は、クモ膜下出血、硬膜下血腫、脊髄損傷、顔面骨折、肋骨骨折、血気胸、大腿骨転子部骨折、脛骨・腓骨骨折、さらに右上腕神経引き抜き損傷となった。

脊髄損傷は最終的に右半身に麻痺を残すことになった。それ以上に右上腕の神経損傷から、右上肢の可動は完全に失われた。   【問題点】

脊髄損傷による四肢麻痺と区別して、別途に等級認定を引き出す必要がある。なぜなら、神経系統の障害と、この右上肢の機能障害を併合させることができる。

【立証ポイント】

右上肢の完全麻痺・・そのように診断書に書くだけでは足りない。まず、神経伝導速度検査を実施して、完全麻痺の数値を確保した。症状固定時には、肩関節、肘関節、手関節、そして指一本一本まで丁寧に計測して頂き、専用の用紙に記載頂いた。他に専用三角巾による固定の姿を撮って添付した。

思惑通り、四肢麻痺とは別に機能障害で5級6号を確保、神経系統の5級と併せ(3つ繰り上げ!)併合2級に押し上げた。    ※ 併合により分離しています   (令和1年12月)  

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【事案】

自転車で走行中、対抗自転車とすれ違いに接触、転倒したもの。以来、左中指の痛みと上肢のしびれが続いた。

【問題点】

相手自転車に個人賠償責任保険の加入があったが、過失はせいぜい50:50との考えから賠償には消極的であった。

症状についても、健保で治療を続けたが改善が進まなかった。相談を受けて、神経伝導速度検査をするようアドバイスしたが、神経損傷等はみられなかった。   【立証ポイント】

骨折や神経損傷など、症状を裏付ける診断名がなくとも、症状の一貫性から14級9号に標準を合わせた。相手は個人賠償責任保険なので、その賠償社の自社認定に付すことになる。病院同行を行い、診断書類を完備させた。次いで、連携弁護士に集めた書類を託し相手保険会社に諮ったところ、14級が認定された賠償提示となった。

後は過失割合と逸失利益の交渉が課題。当方弁護士は、相手自転車の右側通行等から30:70まで相手の譲歩を引き出した。逸失利益は5年間が相場ながら、中学生であるところ18歳高校卒業を想定せざるを得ず、賃金センサスの1年となった。これは、正当な賠償計算であり、当方弁護士と相手損保も容易に合意となった。   (令和4年12月)  

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【事案】

通勤で自転車走行中、駐車中の自動車のドアが突然開いて衝突、受傷したもの。尺骨の先端、茎状突起に骨折があった。その後、実家に帰省、現地の整形外科で治療をして、診断書も書いてもらった。

👈 参考写真   【問題点】

東京に戻り、引き続き治療ができる整形外科を探すことになった。保険会社に事情を説明し、治療費の支払いを依頼するも、「すでに症状固定とされていますから・・・。」と支払い拒否???、仕方なく労災を適用して治療を継続した。

このような経緯で、事故から2ヶ月半後に弊社に相談にいらした。机に広げられた書類を見ると、なんともう後遺障害診断書が作成されていた。尺骨茎状突起が偽関節化しているため、医師が「おそらく癒合しないだろう」と、好意的判断で診断書を記載してくれたよう。つまり、帰省先の整形外科で症状固定されていた。   【立証ポイント】

まず、以前お世話になった整形外科にお連れした。その院長から「一度、手の専門医に診てもらった方がいい。」と紹介状を作成して頂いた。次いで、紹介先の専門医からは「TFCC損傷の疑い」があるとの事で、定期的に受診し、痛みが治まらないようであれば、手術も検討すべきとの結論に至った。

以後、リハビリとケナコルト注射によって痛みは軽減したが、尺骨の偽関節については不変であったため、改めて後遺障害診断書を記載頂き、保険会社が言う「症状固定日」を更新した。無論、帰省先の整形外科にも、手紙で新たに症状固定日が設定されたことと、旧?症状固定日の修正を依頼し、隙の無い申請書類を完成させた。

症状固定日が二つとは、後の賠償問題に関わる。更新することで後顧を絶ち、自賠責へ申請した。約2ヶ月の審査を経て、狙い通り12級8号を得た。弊所が介入することなく、事故からわずか50日後に症状固定とされた後遺障害診断書を提出していた場合、結果はどのようになっていただろう?

(令和4年8月)      

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【事案】

スノーボード中、後方より衝突を受けて転倒、手首を骨折。診断名は左橈骨遠位端骨折、処置はプレート固定術とした。

加害者は外国人であったが、スキー・スノーボード保険(個人賠償責任保険が付保)の加入あり、保険会社への請求の目途が立った。

その後、骨癒合は進み、可動域制限などの障害を残さず治癒と思われたが、手首の小指側にグラグラ感が残った。

【問題点】

最大の問題は、毎度のことだがTFCC損傷が見逃されそうになったことである。リハビリ中に理学療法士が一早くTFCC損傷を疑った。自身がスポーツで痛めた経験があったからだそう。ところが、肝心の主治医は「骨をくっつけることが仕事」とばかりに、TFCCには無関心であった。最初に相談を受けた弊所でも手首を触って剥離型(はくり)の同症状と確信、MRI検査を要請するも、主治医の許可が得られず、かえって機嫌をそこねてしまったよう。検査の紹介状すら記載頂けなかった。   TFCC損傷とは? 👉 交通事故でTFCC損傷をした場合の後遺症・等級の獲得まで   【立証ポイント】

専門医でないと話にならない。抜釘後の最終診断で秋葉が病院同行し、医師に紹介状を依頼した。「はい、これで終り」とぶっきらぼうな対応ながら、手関節専門医への紹介状だけは頂けた。続いて専門医を受診、ようやく診断名が確定することになった。処置は手術か保存かの選択となったが、コロナ下もあって当面は後者の選択とした。

手関節のグラグラ感を関節の「動揺性」として、機能障害の立証に舵を切る。専門医の診断書・画像、装具を着用した写真、異常可動する尺骨部を動画撮影、これらを弁護士を通じて相手保険会社に提出、加害者側損保の自社認定ながら、手関節の機能障害12級が認められた。

加害者が帰国してしまった面倒があったものの、交渉で十分な賠償金を確保したと弁護士から報告が届く。本件は主治医の無理解で苦戦を強いられたが、弊社による専門医への誘致が弁護士の戦いを容易にしたと言える。

(令和4年4月)  

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【事案】

信号のない交差点を原付バイクで走行中、右方より一時停止せずに進入してきた自動車に衝突され、負傷した。ドクターヘリも出動したが、救急車にて総合病院に運ばれた。   【問題点】

既に後遺障害診断書が完成した段階でのご相談であったが、後遺障害診断書上、指の可動域は「用廃」の13級6号を逃す中途半端な回復値に。せめて「痛み」による神経症状は・・自覚症状欄にまったく記載がなかった。

このままでは何の等級もつかない。本件は受傷直後にPIP関節が脱臼しており、骨片は癒合も症状固定時にはDIP関節が軽度の屈曲拘縮(※)を起こしていた。残る画像はレントゲンが数枚のみ。実際、ご本人は健側と比べても腫れが引いておらず難儀していた。

※ 曲げることはできるが、伸ばすことはできない(曲がったまま)   【立証ポイント】

拘縮の原因を精査するため、治療先に同行し、専門医への紹介状を取り付けた。専門外来を受診し、CTを撮影したところ、脱臼後の整復が真っすぐになっておらず、靭帯の損傷・動揺性が指摘された。しかし、健側も多少の動揺性があるため、元々の体質も影響している可能性が高いらしく、手術を望まないのであれば、MRI検査まで必要はないとの見解となった。

その日撮影した画像とともに、具体的な困窮点を別紙にまとめて自覚症状を補強し、速やかに被害者請求を実施したところ、最低限の14級9号(神経症状)には届いた。

本件は症状固定時期が遅すぎたことや、すぐに専門医の意見を仰がなかったことが上位等級を取り漏らす結果になった。指の障害に経験豊富な弊所が早期から準備すれば、「13級:1手の小指の用を廃したもの」、あるいは「14級7号:1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」を狙う案件であった。

事故後、周囲に相談も有効な策は得られず・・相談の遅れが惜しい。被害者にとって「専門家を見抜く目」が求められる時代となった。   ※ 併合の為、分離しています

(令和4年3月)  

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【事案】

歩行中、立体駐車場に入庫しようと右折してきた車に衝突され受傷した。以来、全身に渡る骨折で苦しむことに。   【問題点】

リハビリ病院に依頼したとされる後遺障害診断書が既に完成していたが、可動域の記載がなかったため、計測の依頼をしに行かなければならなかった。

【立証ポイント】

面談にて可動域を確認すると、12級レベルの制限が残存していたため、病院と介護施設での日程調整を図り、理学療法士さんに計測をしていただいた。

両手関節に受傷、両方、可動域制限が残存していたため、医師に「左右差ではなく、日整会の基準値と比較してほしい。」と記載していただき、無事に両手関節それぞれ12級6号認定となった。このような賠償上のことなど治療者は知りません。

※ 併合の為、分離しています

(令和3年10月)  

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【事案】

バイクで幹線道路を直進中、右折してきた車に衝突される。救急搬送され、目視(左手首は開放骨折)・XP・CTにて骨折が判明、ただちに手術となり、およそ2ヶ月の入院と長いリハビリ通院を余儀なくされた。 【問題点】

治療期間に体調悪化や新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、症状固定まで4年以上も費やしてしまった。可動域制限の中途半端な回復が心配であった。   【立証ポイント】

本来であれば抜釘する案件ではあるが、経過や状況を鑑み症状固定とした。最後のリハビリから約2年経っており、両手関節とも拘縮が進んでいた。つまり、リハビリをサボったと疑われる可能性もあったが、ケガがあまりにも重篤であったせいか、両手関節とも難なく10級10号が認定(併合9級)となった。

(令和3年11月)

※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

市場の構内を歩行中、後方よりフォークリフトの衝突を受け受傷したもの。転倒の際についた肘は肘頭骨折、車輪でひかれた右足は足甲部に圧挫創と醜状痕、小指側の中足骨の骨折と足の親指(母趾)の骨折となった。

【問題点】

本件は上図のようなキルシュナー鋼線ではなく、折れ方から金属ピンで固定した。癒合は良好で、幸い可動域制限なく回復となった。また、線状の手術痕が残った。   【立証ポイント】

回復よくも、痛みや不具合は残存した。診断名と自覚症状の記載だけで14級9号がついた。

※ 併合の為、分離しています

(令和3年9月)

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【事案】

自転車で横断歩道を渡り始めたときに、信号無視の自動車に衝突された。直後から全身の痛み等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

事前認定とはいえ、骨折案件で整形外科にしっかりと通院していたにもかかわらず非該当であった。精査してみると、画像を見落としたのか骨折について否定されており、常時痛ではないという点(他覚的所見欄に「運動時痛」との記載)が原因のよう。

また、MRI検査を実施していないにもかかわらず「足関節靭帯損傷」という診断がされており、医師のレベルの低さという点から、全体的に診断内容に信頼がなかったのかもしれない。

【立証ポイント】

症状の一貫性、常時痛を主張すべく、主治医に診断書を依頼しに同行したが、診察・診断書記載を拒否された。なんでも「保険会社若しくは調査事務所から回答書が届いた場合にのみ対応している。」という理由であった。

そこで、本件の骨折を発見した医師(当時とは違う病院に転勤していた)を追いかけ、相談したところ、快く協力してくださることとなった。しかし、またしても後日になって病院事務員から(理由の説明なく)「診断書を作成することはできない」との連絡があり、新たな医証を入手することができなかった。

医師の協力が得られない中、剥離骨折部を目を皿に探して骨折箇所の打出しを作成、これに受傷直後の生々しい写真打出しを新たに提出、更に自覚症状や日常の困窮点を細かく記載し補強した。

審査に半年を要したが、なんとか14級9号認定を得た。医師の判断はさておき、被害者の主張が認められた。

(令和3年8月)  

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【事案】

原付バイクで走行中、前方車に隠れていた対向車が突然出てきたため、避けきれず衝突し、負傷した。直後から全身の痛み、神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から1年以上が経過しており、可動域制限は12級の数値を若干上回っていたが、そもそも舟状骨は可動域に制限を及ぼさないため、癒合状態を見極めた上で、痛みの残存=14級狙いの方針とした。

  【立証ポイント】

すぐに病院同行し、症状固定の話を進め、CT撮影をしていただいた。体内に金属が残ったままであるが、抜かない方針であると説明されたため、安心して後遺障害診断を実施した。完成した後遺障害診断書の自覚症状欄には「手関節を時々、軽度認める。」という訳の分からない記載があったため、修正を依頼、無事に14級が認定されうる自覚症状の記載とした。

約2ヶ月の審査を経て14級号認定となった。

(令和3年8月)

※ 併合の為、分離しています  

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【事案】

信号の無い十字路にて優先道路を走行中、一時停止無視の車に側面衝突され横転したもの。その際、左上肢がサイドガラスを突き破り、車体と路面に挟まれる形で左腕はズタズタ、前腕から手指にかけて広範囲に裂傷・挫滅となり、デブロービング損傷となった。内部は、長母指、深指、浅指の各屈筋腱、長掌筋が断裂し、正中神経も挫滅、各関節の機能障害必至の状態となった。

  【問題点】

皮膚移植、腱移植、正中神経切除等、各手術を行った。結果的に肘関節の可動だけわずかに残して、左上肢の関節はほとんど用廃に。

等級を余すところなく抑え込むこと、症状固定のタイミングを計ること、いずれも依頼者さん・主治医双方との意思疎通が鍵となる。   【立証ポイント】

機能障害を余すところなく立証するために、何度も病院同行を重ねた。初回面談では、予約・面談料が必要と言われ、怒られ、会ってすら頂けなかったが、誠意を伝え続けた結果、医師との信頼関係が造成され、コミュニケーションも潤滑になっていった。

6か月後、依頼者様・医師と相談の結果、症状固定を早期に設定した。

・合計16関節に及ぶ可動域測定は根気のいる作業、正確に、丁寧に、専用用紙を使用して計測を促した。

・可動域制限の原因である各筋の断裂、正中神経の損傷、それぞれの状態と処置・術式を後遺障害診断書に記載頂いた。   申請の結果、自動値の数値から判定、手関節8級6号+肘関節12級6号+手指7級7号、機能障害は各関節ごとに併合していく算定方式で6級相当に(計算上5級相当となるが、上肢全廃5級6号におよばす6級相当)。

依頼者さんと主治医に真摯に向き合ってきた結果、目標等級を確保した。

(令和3年6月)  

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【事案】

交差点にて横断道路を歩行中、前方不注意の右折車に衝突を受ける。転倒した際、小指を脱臼し負傷。事故から 6ヵ月目、相手保険から打切り打診があった段階での相談となった。

【問題点】

受傷した小指は、可動域制限あるも、13級6号「1手のこ指の用を廃したもの」に届かない数値だった。残るは靭帯損傷か神経症状の残存か・・選択は厳しくなった。

【立証ポイント】

左小指の軟部組織状態を精査する為、急遽主治医にMRIの紹介状を貰うよう手配。MRI撮影後、本人から画像のコピーを速達で送って頂き確認。軟部組織に異常が無いと判断し、症状固定の日取りを調整した。

無事、医師面談も終わり、上出来な診断書が完成した。過去撮影したレントゲン画像もコピーをして頂き、補強できる医証が無いか確認したところ、受傷初期の画像に遊離骨片(脱臼の際に折れた骨のかけら)のような影が映っていた。

症状固定後の現在、骨片が残存しているか不明、何よりレントゲンの費用は自己負担になる。依頼者さんの時間とお金を使わせて良いのか悩みに悩んだ末、一か八かレントゲンを追加依頼した。

結果は、骨片は残っていた。医師もMRI上問題なかったため見落としていたとの事。後遺障害診断書へ骨片の残存を追記して頂き、自賠責へ申請した。

これが決め手となり、14級6号「1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの」の認定となった。わずか3㎜の骨のかけらであるが、基準通りの”指骨の欠損”に導くことができた。   (令和3年3月)  

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【事案】

停車後、降車の際に転倒し、手をついて手首を骨折したもの。

【問題点】

骨折後にわずか変形癒合があり、手首の動きがギリギリ12級の数値を示していた。ただし今回は相手がいない事故なので、相手保険会社や自賠責は使えない。相手がいる事故であれば自信をもって12級を狙いに行くのだが、相手のいない事故で自身の保険会社に請求する上で、強交渉は遠慮がち。

【立証ポイント】

まずは手首の状態を確認する為3DCTを撮影、次に本人の診察時に病院へ同行し、レントゲン記録や治療記録等も確認した結果、14級を確実に抑えつつ、12級も狙える内容にする方針を固める。2回目の病院同行前にその3DCTの打出しを作成した。その打ち出しを主治医に提示したものの、変形癒合の判断までは難色を示す。あくまでも本人は治療結果に満足をしている意思を伝え、対保険請求としての意見を求めなんとか記入頂けた。

その他、診断書に12級妥当となる情報をカルテから引っ張って記入頂いた結果、12級の判断を頂いた。

ちなみに、人身傷害の保険金提示では、毎度のことだが逸失利益の少額示など、支払い渋り、否、厳しい査定が続いた。納得のいかないご家族の粘り強い交渉から、70万円近く増額となった。場合によりますが、人身傷害保険も交渉次第なのです。

 

(令和2年11月)  

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【事案】

原付バイクにて一時停止中、左方から早回り右折してきた車に衝突され受傷した。直後から右手のしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

手術を受けたものの、症状が改善しないとのご相談を受けた。詳細を伺うと、既に事前認定にて14級9号が認定されており、その結果に納得していないご様子であった。後遺障害診断書、診断書・診療報酬明細書を確認すると、可動域も12級の数値を逃しており、手術の内容も関節滑膜切除術で、理屈上は改善しているはず。12級への異議申立が通る可能性はほとんど無かった。

【立証ポイント】

よくよく事故の詳細を伺うと、通勤災害であることが分かった。自賠責は難しいが、労災で12級認定を獲得する方針で進めることとなった。

基本、12級にするためには、画像所見から立証が必要なので、画像鑑定を依頼し、鑑定書とともに自賠責に申立てたが、結果は想定通り14級9号のままであった。

その後、労災にも全ての資料を提出し、労災顧問医の面談に臨んだところ、治癒日(自賠責の症状固定日に合わせたため、面談よりも1年以上前)よりも手関節は拘縮しており、可動域の数値は左右差3/4となった。労災では、現状の数値と診断書上の数値、どちらを採用するのか結果を待っていたところ、面談時の可動域制限を認めた12級6号認定となった。通常、症状固定日よりも数値が悪くなることはほとんどないが、本件では、自賠責の後遺障害診断時に、痛みをこらえて可動域計測に応じたため、正しい数値の計測ができなかった事情が存在する。 弊所の経験則だと、TFCC損傷では圧倒的に「自賠責で14級、労災で12級」という実績が多い。顧問医の診断から、現在の症状を査定する労災に対し、ケガとの因果関係が厳しく問われる自賠責では、12級認定の性質からして違う。

(令和3年2月)  

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【事案】

信号のない交差点の出合い頭、一時停止無視の車に側面衝突される。被害車両は横転し、右腕が車の下敷きになり受傷。利き腕に腱断裂を伴う、広範囲のデグロービング損傷により、用廃レベルの状態に。

【問題点】

相談に来て頂きお身体を見た時には、事故から約9カ月経過していた。その為、どのような検査・治療・リハビリが行われていたかは不明な状態であった。

【立証ポイント】

前腕屈筋腱の断裂・前腕挫滅創後の癒着が酷く肘関節・手関節・手指の可動域に著しい障害がみられた。直ぐに病院へ同行し、医師面談により本人の身体状況・治療経過を確認、数度にわたる屈筋腱再建術をした結果の機能障害と判明した。

医師には健側患側併せて24もの関節の計測を依頼し、事前に計測した数値ともほぼ一致したことを確認。診断書別紙に細かく計測値を記入頂く。屈筋健再建術の行った旨等も詳しく後遺症診断書に記載頂き、切断肢・機能全廃を除いた(上肢の機能障害上限の)6級を認めて頂けた。内訳は以下の通り。

手指の機能障害7級7号(全廃)+手関節の機能障害10級10号+肘関節の機能障害12級6号

※ 併合の為、分離しています

(令和2年10月)  

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【事案】

自動車運転中、対向自動車が別の自動車と衝突、その反動でセンターラインを越えて衝突したもの。まったくのとばっちり事故。その衝突で、鎖骨、胸骨、肋骨、左橈尺骨、仙骨、腸骨を骨折、以後、長い治療とリハビリの日々となる。

【問題点】

折れ方から当然に手関節の可動域制限が残存した。しかし、症状固定時期に主治医に左手関節の計測をして頂いたところ、不正確な計測で機能障害の等級がつかないレベルに。

本件委任を受けた弁護士事務所は、医師面談に外注スタッフを2度にわたって派遣したが、いずれもこの主治医に再計測・修正を拒否された。もう1院のリハビリ先に出向くも、この主治医に遠慮したのか、どうしても診断書を書いてもらえない。2事務所のスタッフさん、まったく役に立たず。

 

万策尽きて、秋葉へ依頼となった。面倒な医師であろうと、何とかするのがプロたる所以。   【立証ポイント】

我流の計測をするこの主治医相手に2度にわたり食い下がる。掴みかからんばかりの勢いで、周囲の看護師も警備員を呼びそうに。でもこれはポーズ、恐らく意固地になって修正しないと踏んでいたので、逆にリハビリ先に計測を指示するように仕向けた。翌週、主治医の意を受けた体でリハビリ先で正確な計測を果たし、今度は12級の計測値が記録された診断書を完成させる。

その後、問題なく機能障害12級6号が認定された。またしても困難なミッションを完遂。

先のスタッフとの違いは・・・まず、医師面談の場数が違います。それと柔軟な思考、被害者救済にかける気合の差です。   ※併合の為、分離しています

(令和2年9月)    

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【事案】

バックしてきた車に衝突され転倒した際に、左手関節の豆状骨を骨折。

【問題点】

豆状骨には小指外転筋・尺側手根屈筋が付着している。この骨が骨折すると、小指の可動域、手関節の可動域が制限されることにもなりかねない。幸い可動域制限を残すほどの折れ方ではなかったため大事に至らなかったが、仕事柄デスクワークも多い上で、文字を書いたりマウスを操作する際は机に豆状骨が当たり、痛みが発生する事が多い。

【立証ポイント】

診断書には、「朝晩の痛み」と書かれてしまったが、より具体的に、日常生活上あらゆる場面で痛みを感じていることを別紙でまとめ、確実に14級9号の認定とした。

※ 併合の為、分離しています

(令和2年6月)  

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【事案】

バイク走行中、対抗自動車がセンターラインオーバーして衝突、そのまま逃走したもの。翌日、ひき逃げ犯として逮捕された。幸い任意保険の加入が確認され、治療費の確保は叶った。診断名は掲題に加え、肘関節の脱臼骨折。 右大腿骨の開放骨折は感染症を避けることができたものの、以後、膝関節の手術を繰り返すことになった。まず、骨癒合を優先し、完全に膝関節の可動を犠牲にプレート固定した。後にわずかの可動を得る為に受動術を施行、その結果、覚悟はしていたが膝関節に動揺性を帯びることなった。このように、出来るだけの回復を期してあらゆる治療法を検討、治療の目処がつくまで、つまり症状固定までおよそ4年を要した。

【問題点】

複数の障害が重なる重症例である。当然に下肢の治療が優先され、肘関節の尺骨はプレート固定術後、経過観察となった。リハビリは下肢が中心となったが、肘関節の回復も限界があり、可動域制限は避けられない。

ちなみに、尺骨骨折に伴って橈骨が脱臼したものは、「モンテジア骨折」と呼ばれます。   【立証ポイント】

関節部の脱臼骨折、しかも、プレート固定のままであれば12級レベルの機能障害は当然と言える。これも、忘れることなく可動域を計測、12級6号に収めた。

認定結果は、下肢の機能障害をまとめて6級相当に。これに下肢短縮障害10級8号と下肢醜状痕12級相当、肘関節12級6号が併合され、併合5級となった。

※ 併合の為、3部位に分離しています。

(平成31年2月)  

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