早朝、事務所を出て病院同行で小田原へ。しかし東京駅から新幹線で35分、眠る間もなく到着です。

 3年前、肩腱板損傷の案件で何度も訪れたので懐かしさひとしおです。箱根は目の前、海も近くて小旅行気分ですが、お昼には帰途につきました。

 2014093008540000北条 早雲こと伊勢 新九郎盛時

 明日は茨城県、古河城! 関八州を縦横無尽です!  

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 先日、ある弁護士先生から「秋葉さんは異議申立をしない方針ですよね?」と聞かれました。

 確かに平素から、「原則、異議申立はお引き受けしません」と消極的にしております。しかしながら現在、異議申立ては5件ほどお預かりしております。捨て置けない案件については限定的に受任しています。

 まず、異議申し立ては簡単ではありません。自賠責保険の統計では平成21~23年の3年間で上位等級に認められたのはわずか7%ほどです。100件の異議申立のうち成就したのはたった7件、93件は無駄骨なのです。それだけ最初の審査で認定された等級には重みがあるのです。そのような数字をみると、ホームページで積極的に異議申立を受任している先生には頭が下がる思いです。まして高確率の成功数字を出している先生はマンガ的に超人です。

 異議申立の相談を受けた場合、最初に十分検討します。可能性が低ければ、きっぱり諦めていただく説明を行います。そしてあまりにも気の毒な件についてのみ受任した結果、極めて限定的な受任数になってしまうということです。これが実情です。ちなみに私の異議申立の成就率は昨年43%です。どんなに厳密に引受け判断をしても半分に満たないのです。

   理想は早めに相談いただき、正しいレールに乗って解決を図ることです。きちんと治療し、しかるべき検査を受け、間違いのない診断書にたどり着けば、異議申立の苦労はいりません。残念ながら少なからずの被害者さんが正しい解決のレールから脱線しているのです。それを正すのは受傷初期からのアドバイスです。私が相談会の開催や相談者の誘致に力を入れているのは、早期のアドバイスやお手伝いによって「異議申立撲滅」を目指しているからです。

 先日、14級を11級に引き上げることに成功しました。逆にどうしても非該当を14級に上げることができなかった案件が2件もありました。解決までの時間を無駄にさせてしまった。そして何より、がっかりする顔を2度も見たくはないのです。

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 今日は朝から年金事務所で障害年金の申請書記載について相談、午後からは青色申告会で帳簿記載の実習でした。

 税金関係は税理士に依頼すべきで本業に専念すべきと思います。帳簿も経理に一任すれば楽でしょう。しかし、仕事柄、休業損害や税金の質問をいただくことがあります。やはり「帳簿、税金は専門外です」などとは言いたくありません。知識の隙はない方がよいです。

 常日頃、交通事故の知識は法律、保険、医療の三本柱を挙げていますが、保険一つを取っても自賠責保険、任意保険、健康保険(国保、社保)、労災、障害年金、生保、共済、障害者手帳・・実にたくさんの項目があります。交通事故相談を受ける身としてはそれらに対し横断的な知識が求められます。それぞれの専門家はいますが、すべてを横断的に調整できる知識量をもった者は非常に少ないと感じます。

 そのような事から合理性を顧みず、記帳や申告など自分でできる程度にはしておきたいのです。

coffee_break  

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 交通事故による人身被害件数は年々減っていますが、自転車による加害事故はやや増加しています。相談会でもよく相談が寄せられます。相手が自転車の場合、相手に個人賠償責任保険の加入があるかが一番のポイントと思っています。今日は基本事項についておさらいしましょう。  

〇 個人賠償責任保険とは、個人が日常生活で他人(第三者)に対してケガをさせたり、モノを壊してしまったりした場合に損害賠償責任が生じた際に適用される保険です。賠償金の交渉については、保険会社による示談代行付きの保険が一般的となりました。

(例) ・ベランダで植木鉢を落として通行人に激突させてしまった場合。 ・買い物途中に、誤って商品を落として破壊してしまった場合。 ・子どもが遊んでいて誤って友達をケガさせた場合。 ・ペットが通行人にケガをさせた場合。 ・アパートの水漏れ事故で階下の部屋に損害を与えた場合。 ・自転車走行中、人や自転車・自動車に衝突してケガ、損害を与えた場合 等々 3170969

★ あくまで、日常生活での事故を対象としているものですので、業務中の事故等は対象外で、例えば、自転車による加害事故でも蕎麦屋の出前中の事故は施設賠償保険の適用とされます。  

〇 個人賠償責任保険は、通常、他の保険の特約となっています。

 何故なら、単体での販売であると、保険会社が元を取れず採算が合わなくなるからです。掛金は最高1000万円の補償でも年間1200円程度なのです。    ご自身の火災保険、自動車保険、傷害保険等の特約の有無をチェックして下さい。尚、個人賠償責任保険特約付きの自動車保険を解約すると、自動車保険と同時に、個人賠償責任保険もなくなることになります。解約の際には注意が必要です。  

〇 この保険の(一般的な)対象者は、単純に言うと、契約者本人とその家族です。

 家族の例として、契約者の夫や妻、子、その他の同居している親族(三世代で住んでいる祖父祖母等)、生計を一つにする別居の未婚の子 ※(仕送りを受けて一人暮らし中の学生さん等)、等々があげられます。このことから、家族の一人が加入するだけで、そのほかの家族も大体カバーできてしまうことが多いのです。

 したがって、家族中の保険に特約として加入されていないか探す必要があります。見落としがちなのは年会費を伴うようなクレジットカードです。これにもひっそり1000万程度が加入されているケースがあります。  

※ 別居の未婚の子・・・この別居の未婚の子とは、通学のために別居に下宿している子などが代表例です。しかし、学生に限らず、独身の40歳OL一人暮らしも範囲に入ります。このOLさんが東京で交通事故でケガをして、なんと!九州の実家の親の保険が使えるケースが有り得るのです。

 「別居の未婚の子」に年齢制限はありません。婚姻歴無のみが条件です。一度結婚し、離婚して独身になってもダメです。ですので18歳で結婚し、19歳で離婚バツ1となった人は、未成年であっても「別居の未婚の子」から外れます。なんか腑に落ちませんが、保険約款が民法の「成年擬制」の条項に準じているためと思われます。

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 可動域制限の正確な計測は当たり前のことではありません。私の経験では医師の計測でも2件に1件は間違っています。それが等級認定上、大きな影響がなければ良いのですが、洒落にならない誤計測もしょっちゅうあるのです。相談会に参加されたことにより、運命が変わった被害者さんの例をご覧下さい。

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【事案】

自動車で直進中、T字路で左方からの自動車の衝突を受け、路外に逸脱、建物に衝突・停止した。その際、右足距骨、尾てい骨、胸骨を骨折した。

【問題点】

受傷10か月後に症状固定し、後遺障害診断書の記載は完了していた。提出の直前に相談会のチラシを見て、「無料だから、念のため相談しよう」と甲府相談会の会場にいらした。 事故状況、症状から足関節の可動域制限を予想したが、肝心の後遺障害診断書は固く封をされていた。これは「開けて見せて頂けますか」と思い切って提案すべき。相談者さんは迷っていたが、了解を得て確認したところ、やはり誤計測だった。ケガをした方の足関節はわずか5°の制限差しかない。このままでは良くて12級13号、最悪14級9号となってしまう。

【立証ポイント】

受任後、早速、主治医に面談した。再計測を促し、特に健側(ケガしていない方)の数値を大幅に修正頂いた。明らかな誤計測を指摘しては主治医のプライドを傷つける。上手くとりなすことがメディカルコーディネーターの腕の見せ所である。 また事故車両の写真を添付し、日常の困窮点を文章にまとめた。10級ともなれば丁寧に状況・症状を説明しておきたいところ。

結果として10級11号が認定された。引き継いだ弁護士は1500万円ほどを獲得。あの日あの時、封を開けなかったら、150万円の解決もあり得た。このように交通事故賠償の肝は後遺障害等級であり、骨折の場合は可動域制限の正確な計測が最大の勝負どころなのです。  

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【事案】

自動車で直進中、T字路で左方からの自動車の衝突を受け、路外に逸脱、建物に衝突・停止した。その際、右足距骨、尾てい骨、胸骨を骨折した。

受傷10か月後に症状固定し、後遺障害診断書の記載は完了していた。提出の直前に相談会のチラシを見て、「無料だから、念のため相談しよう」と会場にいらした。

【問題点】

事故状況、症状から足関節の可動域制限を予想した。しかし肝心の後遺障害診断書は固く封をされていたので、「開けて見せて頂けますか」と思い切って提案した。相談者さんは迷っていたが、了解を得て確認したところ、やはり誤計測だった。ケガをした方の足関節はわずか5°の制限差しかない。このままでは良くて12級13号、最悪14級9号となってしまう。

【立証ポイント】

受任後、早速、主治医に面談した。再計測を促し、特に健側(ケガしていない方)の数値を大幅に修正頂いた。明らかな誤計測を指摘しては主治医のプライドを傷つける。上手くとりなすことがメディカルコーディネーターの腕の見せ所である。 また事故車両の写真を添付し、日常の困窮点を文章にまとめた。10級ともなれば丁寧に状況・症状を説明しておきたいところ。

結果として10級11号が認定された。引き継いだ弁護士は1500万円ほどを獲得。あの日あの時、封を開けなかったら、150万円での解決もあり得た。このように交通事故賠償の解決の肝は後遺障害等級であり、骨折の場合は可動域制限の正確な計測が最大の勝負どころなのです。

(平成25年10月)  

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【事案】

バイクで直進中、T字路で対向自動車が急に右折、衝突したもの。初期診断名は左足関節脱臼骨折、左脛骨天蓋骨折、右橈骨遠位端骨折、モンテジア骨折、外傷性肝損傷、腹腔内出血、びまん性脳損傷(脳の障害はなし)・・以上、左脚と右腕に障害必至の重傷である。

【問題点】

足関節の治療が最も困難を極めた。足関節内顆と外顆にインプラントを埋め込み、スクリュー固定する。その後、可動域確保のために関節鏡下手術で滑膜切除を行う。しかし整復後も足関節の激痛収まらず、体重を支えられない。主治医は最後の手段として、腓骨から骨採取し、足関節の固定術を施行。この固定術によって足関節の可動域は永遠に失わることになった。被害者は可動域を犠牲にする選択をしたのである。

【立証ポイント】

手術を数度、伴ったおかげでCR、CT、MRIすべて画像検査が揃っていた。足関節は完全固定の為、5°の可動が限界で用廃決定。残るは腓骨の採取(変形)で12級、開放創と手術痕による醜状痕を写真撮影して14級を計算、以上を漏らさず後遺障害診断書に記載いただいた。8級に併合を加えて7級とするためである。

本件は病院同行を通して、局面に応じて被害者にとって最適な選択となるように相談を重ね、見守り続ける作業となった。

※併合の為分離しています。

(平成26年5月)  

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 もう少し、下肢の実績を続けましょう。今度は重症例です。    実は重傷なほど後遺障害の立証は易しくなります。それは手術を通じて、一通りの画像検査が実施されているからです。  一方、手術にはリスクがつきもので、患者はそのリスクと効果を比較検討することになります。この部分でメディカルコーディネーターも一緒に考えます。結果として完全治癒すれば問題ありません。しかし、治療手段は必ずしも一つではなく、万全ではありません。何を犠牲にしてどこを治すか?、このような決断が必要な時があります。  

【事案】

バイクで直進中、T字路で対向自動車が急に右折、衝突したもの。初期診断名は左足関節脱臼骨折、左脛骨天蓋骨折、右橈骨遠位端骨折、モンテジア骨折、外傷性肝損傷、腹腔内出血、びまん性脳損傷(脳の障害はなし)・・以上、左脚と右腕に障害必至の重傷である。

【問題点】

足関節の治療が最も困難を極めた。足関節内顆と外顆にインプラントを埋め込み、スクリュー固定する。その後、可動域確保のために関節鏡下手術で滑膜切除を行う。しかし整復後も足関節の激痛収まらず、体重を支えられない。主治医は最後の手段として、腓骨から骨採取し、足関節の固定術を施行。この固定術によって足関節の可動域は永遠に失わることになった。被害者は可動域を犠牲にする選択をしたのである。

【立証ポイント】

手術を数度、伴ったおかげでCR、CT、MRIすべて画像検査が揃っていた。足関節は完全固定の為、5°の可動が限界で用廃決定。残るは腓骨の採取(変形)で12級、開放創と手術痕による醜状痕を写真撮影して14級を計算、以上を漏らさず後遺障害診断書に記載いただいた。8級に併合を加えて7級とするためである。

本件は病院同行を通して、局面に応じて被害者にとって最適な選択となるように相談を重ね、見守り続ける作業となった。  

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東武線のポスターでもお馴染み、鹿又川の川沿い露天風呂を誇る明賀屋さんをレポートします。宇都宮での病院同行を終え、慣れないレンタカーで八方ヶ原ルートを走破し、夕闇迫る宿へ到着しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA翌朝、お目当ての露天風呂を目指し、およそ80段の階段を下りました。(こりゃ帰りが大変だ)

渓流沿いまで降りる階段と言えば、那須の雲海閣、福島・土湯の不動湯温泉(残念ながら昨年、火事で焼失)が印象的です。こちらもなかなかの風情でした。

そして、写真の通り、渓流と一体となったような湯船が眼前に。塩原の有名どころはほぼ制覇したつもりですが、ここだけが未湯だったのです。

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 先日から栃木の病院3件です。日帰りの距離ですが、さすがに夏休み返上のツケがきたのか体調不良、夏の疲れがどっと圧し掛かっています。無理せずに塩原温泉に逗留、プチ湯治とします。

 お待たせしている皆様には申し訳ないですが、体を壊す前のメンテナンスをどうかご容赦下さい。事務所は私が不在ですが通常通り営業しております。

 後日、恒例の立ち寄り湯をレポートします。

sionoyu  

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 続いて、可動域制限の理由を追求・立証した好取組を。

 本例で言えることは、障害を診断する医師の視点と障害を審査・認定する審査側の視点は一致していないということです。医師は直接、患者を診ていますので、「曲がらなくなった」ことを実際に触診して確認しています。もしそれが演技ならば見抜きます。しかし審査側は書面審査が原則です。「曲がらなくなった」ことが頷けるような受傷時の骨折形態と、症状固定時期の癒合状態を画像で確認します。癒合不良、変形、転位、関節面の不正等から可動域制限の有無を判断しているのです。したがって、医師にとってわかりきっていることであっても、審査側に「曲がらなくなった」理由・原因を画像検査とその診断内容にて丁寧に示さねばならないのです。  

【事案】

自動車で信号待ち停車中、後続車に追突された。強い衝撃で前車に玉突き衝突、前後の自動車に挟まれた状態で救護された。ダッシュボード下に伸ばした下肢に縦方向に衝撃を受け、右の脛の真ん中部分(脛骨骨幹部)を骨折した。

【問題点】

本件で被害者が訴える症状はすねの骨折によって足首の曲がりが悪くなってしまったことである。医師は受傷機転、骨折状態から足関節への影響を認めている。しかし本事故で足関節部に直接の損傷はなく、診断名もない。足関節の可動域制限の理由が見出せないのである。自賠責に可動域制限を否定される危惧を抱いた。

【立証ポイント】

脛骨の骨折により足関節の関節裂隙に狭小化があるのでは?この仮説のもと、左右下肢を揃えてXP撮影をすることを主治医に進言した。しかし主治医は「ケガをしていない脚も撮るの?」と拒否の姿勢だった。そこで「左右の関節裂隙の比較が足関節可動域制限立証の勝負どころである」と熱心に説明し、検査の意味・必要性について理解を得る事ができた。

そのXP画像は・・・脛骨の癒合は良好であるが、左右を比べるとケガをした方の足関節にわずかな狭小化が確認できた。

結果として12級7号を確保、足関節の可動域制限は立証された。このように医師の理解・協力を引き出せば間違い(の認定結果)は起きない。メディカルコーディネーターの面目躍如といったところ。

 

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 最近の実績投稿ではすっかり下肢がおろそかになっていました。今日から数日、下肢の好取組例をUPします。

 まず今日は基本に忠実な立証作業を行ったプラトー骨折です。プラトー骨折(高原骨折)は下肢の骨折の好発部位で、前十字・後十字・内外側副の靭帯損傷、半月版損傷も併発しやすく、診断漏れがないか注意が必要です。なぜなら可動域に制限があっても、骨融合の状態が良好ならば「曲がらなくなったこと」を疑われてしまいます。この場合、骨折だけではなく、周辺靭帯や半月板の損傷を加えた複合損傷として可動域制限の理由を補強する必要があります。

 漫然と骨折の診断名が書かれた診断書を提出・・これでは危ないのです。

 

【事案】

二輪車で走行中、交差点で対抗右折車と衝突。脛骨近位端骨折(プラトー骨折)となる。   【問題点】

kansetu_21リハビリの成果で膝関節・屈曲は100°まで回復。患側(けがをした膝)=100°と健側(けがをしていない方の膝)=130°の比較では12級7号ギリギリの数値である。丁寧にROM計測する必要がある。 さらに脛骨の癒合状態は良好である。関節面の不正も見当たらない。この状態での可動域制限にはやや不安が残る。  

【立証ポイント】

膝の靭帯と半月板の精査すべく、MRI検査を追加した。読影の結果、前十字靭帯の損傷が判明、診断名に加わった。半月板は無事だった。

症状固定日には膝関節の計測に立会。うつ伏せでの計測を依頼し、100°の数値を確認した。

本件はプラトー骨折対応の基本と言うべき作業である。

 

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【事案】

自動車で信号待ち停車中、後続車に追突された。強い衝撃で前車に玉突き衝突、前後の自動車に挟まれた状態で救護された。ダッシュボード下に伸ばした下肢に縦方向に衝撃を受け、右の脛の真ん中部分(脛骨骨幹部)を骨折した。

【問題点】

本件で被害者が訴える症状は、すねの骨折によって足首の曲がりが悪くなってしまったことである。医師は受傷機転、骨折状態から足関節への影響を認めている。しかし本事故で足関節部に直接の損傷はなく、診断名もない。足関節の可動域制限の理由が見出せないのである。自賠責に可動域制限を否定される危惧を抱いた。

【立証ポイント】

脛骨の骨折により足関節の関節裂隙に狭小化があるのでは?この仮説のもと、左右下肢を揃えてXP撮影をすることを主治医に進言した。しかし主治医は「ケガをしていない脚も撮るの?」と拒否の姿勢だった。そこで「左右の関節裂隙の比較が足関節可動域制限立証の勝負どころである」と熱心に説明し、検査の意味・必要性について理解を得る事ができた。

そのXP画像は・・・脛骨の癒合は良好であるが、左右を比べるとケガをした方の足関節にわずかな狭小化が確認できた。

結果として12級7号を確保、足関節の可動域制限は立証された。このように医師の理解・協力を引き出せば間違い(の認定結果)は起きない。メディカルコーディネーターの面目躍如といったところ。

(平成25年10月)  

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【事案】

二輪車で走行中、交差点で対抗右折車と衝突。脛骨近位端骨折(プラトー骨折)となる。

【問題点】

リハビリの成果で膝関節・屈曲は100°まで回復。患側(けがをした膝)=100°と健側(けがをしていない方の膝)=130°の比較では12級7号ギリギリの数値である。丁寧にROM計測する必要がある。さらに骨折部の癒合状態は良好である。関節面の不正も見当たらない。この状態での可動域制限にはやや不安が残る。

【立証ポイント】

膝の靭帯と半月板の精査すべく、MRI検査を追加した。読影の結果、前十字靭帯の損傷が判明、診断名に加わった。半月板は無事だった。

症状固定日には膝関節の計測に立会。うつ伏せでの計測を依頼し、100°の数値を確認した。

本件はプラトー骨折対応の基本と言うべき作業である。

(平成25年4月)  

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 自賠責保険の後遺障害認定基準は「器質的損傷」が大前提です。つまり「骨が折れた」「靭帯が切れた」「軟骨が潰れた」ような明らかな損壊が人体組織になければなりません。もちろん「非器質性障害」の認定の余地がないわけではなく、代表的なのはPTSDや精神障害です。これは専門医の一貫した治療、診断にて立証する必要があります。

 しかし本例は「むち打ちで匂いがしなくなった?」、つまり頚椎捻挫の他に診断名がなく、そこに明確な器質的損傷がありません。証拠がないのに自分だけが「事故で匂いがしなくなった」と訴えている状態なのです。

 結果として被害者と私の二人三脚かつ長期にわたる立証努力から、なんとか自賠責に信用していただくことに成功しました。しかしこれはあくまで例外、毎回立証できるとは限らないレアケースと思って下さい。 

 

12級相当:嗅覚障害(60代男性・長野県)

【事案】

 高速道路で渋滞中、後続車に追突された。直後、脳震盪を起すも、自走して目的地に向かった。翌日から通院開始する。単なるむち打ちでは説明がつかない頭痛、目のかすみ、不眠、健忘症が生じた。  そして数日後、匂いがしなくなったことに気付く。

【問題点】

 頚椎捻挫を契機に様々な不定愁訴(なんだか調子悪い)が生じることは珍しくない。しかし本件は「むち打ちで嗅覚が失われた?」ことを立証しなければならない。器質的損傷がない嗅覚障害である。これは我々の仕事の中で最も難しいミッションの一つと言える。

【立証ポイント】

T&t 整形外科だけでは話にならない。複数の科で丁寧に検証していくことなる。まず基本通り、耳鼻科でT&Tオルファクトメーター検査、アリナミンPテストを実施して「嗅覚脱失」を明らかにする。しかし嗅覚脱失の原因に踏み込まなければ非該当が待っている。

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【事案】

高速道路で渋滞中、後続車に追突された。直後、脳震盪を起すも、自走して目的地に向かった。翌日から通院開始する。単なるむち打ちでは説明がつかない頭痛、目のかすみ、不眠、健忘症が生じた。

そして数日後、匂いがしなくなったことに気付く。

【問題点】

頚椎捻挫を契機に様々な不定愁訴(なんだか調子悪い)が生じることは珍しくない。しかし本件は「むち打ちで嗅覚が失われた?」ことを立証しなければならない。器質的損傷がない嗅覚障害である。これは我々の仕事の中で最も難しいミッションの一つと言える。

【立証ポイント】

整形外科だけでは話にならない。複数の科で丁寧に検証していくことなる。まず基本通り、耳鼻科でT&Tオルファクトメーター検査、アリナミンPテストを実施して「嗅覚脱失」を明らかにする。しかし嗅覚脱失の原因に踏み込まなければ非該当が待っている。 c_n_26

続いて脳神経外科を受診し、CT、MRI、スペクト等あらゆる画像検査を実施する。やはり目立った所見はでない。そこで方向を変えて高次脳機能障害の評価で有名な医師を受診し、MRI(T2スター)等の画像検査、数種の神経心理学検査を実施する。高次脳機能障害の発露の一環、つまり脳外傷に起因する感覚器障害であるかについて専門医の意見を乞う為である。

いよいよ自賠責へ提出の際、事故直後の受傷機転について詳細な説明、写真を添付する。追突の衝撃はヘッドレストの軸がへしゃげて後方に飛んだ位の衝撃である。

これらの診断結果、検査結果、申述書から嗅覚障害12級相当の認定を導いた。脳障害については 当然、否定された。しかし長期にわたる治療、その過程で行った執念深い検査などが訴えの信ぴょう性を担保したと自負している。

(平成25年11月)  

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 今週はすでに都内豊島区、茨城県霞ヶ浦、埼玉県行田市に行ってきました。明日から神奈川県藤沢市、埼玉県杉戸町の病院同行が控えています。最近は陽気も涼しくなり、体力の消耗も少なくなってきました。

 病院同行がかさむと、事務所で文章作成する時間を確保するのが大変です。自賠責保険申請業務は書面作成が中心かもしれません。しかし医師の診断書の記載内容と検査データで勝負が決まります。医療の現場でしっかり医証を整えれば、不当な等級認定や異議申立の苦労など起きません。ある意味、審査側である調査事務所のためにもなる作業です。

 やはり現場主義は譲れないポリシーです。事務所で座っていて等級など取れないと思っています。

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 なぜ、保険会社は弁護士費用特約(以下、弁特)にあえて細かい条件を付けたり、制限を加えるのでしょうか?

 先日の研修会で弁護士先生から様々な情報が上がりました。やはり不道徳な請求が後を絶たないようです。保険会社は単に払い渋りの体質で意地悪をしているわけではありません。私は請求側が「弁特を荒らした」結果と思っています。

 シリーズのおまけに研修会で聞いた1例を紹介します。  

 ある大手法人弁護士事務所に所属のβ先生が物損事故の依頼を担当しました。請求額はわずかな修理費等です。少額の依頼でも弁特がある故、事務所は引き受けたようです。本来、獲得額と弁護士報酬の兼ね合いを考慮し、費用倒れに近い案件は引き受けません。弁特があるから受任しましょう、という姿勢です。

 本件の依頼者は熊本県です。そのβ先生は東京事務所に在籍ながら、熊本まで3回飛行機を使って宿泊し、その交通費、宿泊費などの経費及び、成功報酬はタイムチャージ(業務の処理時間で報酬を計算)で請求しました。報酬の総額で獲得額を超えたはずです。もし弁特がなかったら、依頼者はこの無駄使いのような依頼を頼まなかったはずです。

 このβ先生、きっと熊本旅行がしたかったのでしょう。本件は典型的な「弁特の濫用」例として、事務所名および弁護士名が損保間で実名でさらされています。現在、その事務所は損保各社から厳しい支払いチェックを受けています。自業自得ですが、その事務所で真面目にやっている弁護士や事務員は気の毒ですね。  

 弁特は言うまでもなく被害者にとって非常にありがたい補償です。大事にしなければなりません。保険会社の弁特払い渋り、厳格化を責めるより、法律家側の不道徳な請求を問題視すべきです。

 現状、弁特の請求に対し特に抵抗なく支払われている事務所と(保険会社側から支払いを少なくするための)弁護士対応とされている事務所に二分しているようです。   kurokawa私も黒川温泉に行きたいわい!

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 先日に続き、弁護士費用特約(以下、「弁特」と略)もう一つの追加条項をみてみましょう。東京海上日動さんを例にとりましたが、今後、他社も類似条項を追加すると予想します。  

行政書士への報酬は明確に制限

 これまで弁護士費用等補償特約(日常生活)で補償していた「行政書士または司法書士による保険会社に提出する損害賠償請求のための書類作成費用」については補償の対象外とし、自動車に関する補償をご契約いただいている場合に限り、自動付帯される法律相談費用補償特約(上限10万円)で補償することとします。  

<解説>    行政書士に対して制限が加わると予想したことが現実となりました ⇒ 過去記事 

   ご存知の取り、弁特は発売後すぐに支払い対象を司法書士、行政書士に拡大しました(国内社に多く、外資・通販の多くは非対象)。しかし代理権を持たない、もしくは制限のある両資格について何をどこまで支払えるか?特に行政書士については、保険会社担当者又はセンター長の裁量により対応・解釈がバラバラでした。これは仕方のないことです。そもそも弁護士・行政書士間の業務範囲そのものに議論があるのです。これでは保険会社も迷いますよね。

 以前、損保ジャパンの担当者に行政書士に対する弁特の支払い範囲を訊ねたところ、「法律相談費用(10万円)までは担当者の判断で割と寛容ですが、本費用は要検討でしょうか・・」と歯切れ悪く答えました。特約の明文化を待たず、今までも多くの行政書士が10万円制限を受けていたようです。

 対して弁護士の報酬に対しては保険会社と弁護士会が申し合わせをしたLAC基準が存在します。また、LACを通さなくても多くは旧日弁連基準を相場としてきたようです。このような申し合わせを行政書士会から働きかけるのは困難と思います。まず先に業務範囲の線引きを弁護士会としなければなりませんが、そのような積極的な動きは皆無です。やはり交通事故における行政書士のスタンスはその権限からあくまで補助的です。

 しかし保険会社の示す制限について私は好意的に受け止めています。なぜなら、先日の「非常識弁護士」以上にめちゃくちゃな報酬請求をしている行政書士の話を多く耳にするからです。報酬自由の原則があるにせよ、自賠責保険の請求書の代書だけで弁護士並の報酬を設定している先生が多いのです。やはり報酬に見合った仕事、依頼者が納得する仕事が求められます。そして「弁特があるから契約を」=依頼者さまはお金がかからないのだからとりあえず契約をしましょう・・このような契約勧誘は不健全ではないでしょうか。  

 弊所の依頼者さまは弁特加入の有無、さらに弁特からの支払い額如何で依頼を躊躇しません。すべての依頼は病院同行や検査誘致、診断書・画像分析等、専門性を評価いただいた結果です。資格云々を評価しているわけではありません。弁護士事務所からの依頼についても同様で、常に技術的に高度な調査業務が期待されています。そこには弁特の有無など考慮している場合ではない被害者の窮状があるからです。   20140508  20140508_3続きを読む »

 今年の秋、10月から各損保会社は自動車保険の約款改定を行います。昨年のノンフリート等級改定に比べれば細かな改定ですが、以前から要望が高かった弁護士費用特約もその対象です。以下、東京海上日動さんの内容を抜粋します。支払い内容についてより具体的な条項が加わった印象です。  

弁護士費用等補償特約(日常生活)の改定

   弁護士費用を算定する場合において、一般的にはその費用算定の対象に含まれない以下a.b.の額に対する費用は、弁護士費用等補償特約(日常生活)の補償の対象外とします。  

a.保険金の受取人が損害賠償請求を行った額のうち、補償を受けられる方の過失により減額された額  

b.損害賠償の額のうち、既に保険金の受取人が受領済みの額  

 c_y_184 

<解説>

 a.の内容は「依頼者側の過失割合により減額された賠償金分は報酬計算の対象金額ではないですよ」とのことです。報酬とは相手から勝ち取った金額からのボーナスですから、常識的にa.の通りですよね。  また、仮に自身が契約している人身傷害特約に「過失減額された分を請求・補てんしたとしても、この補てん額は弁護士の交渉で獲得した金額ではない」と念を押されそうです。

 b.の内容は、「依頼者側がすでに相手の保険会社から受け取ったお金や、自身が加入している人身傷害特約から受け取った保険金は報酬計算の対象から引いて下さい」との意味です。これらは弁護士の介入に関わらず支払いが受けられたお金なので、弁護士の仕事の成果ではなく当然に差し引くことになります。

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