かなりレアな傷病名ながら、なぜか交通事故業界で有名なTFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷、毎年1~2件は受任しています。    最近の解説 👉 交通事故でTFCC損傷をした場合の後遺症・等級の獲得まで    損傷の状態・程度は様々ですが、手術適用は慎重な判断となります。とくに不全断裂や部分剥離の状態は、専門医は手術を見送る判断をします。逆に不慣れなドクターの執刀ですと、術後ほとんど改善しなかった・・これは珍しいことではありません。

 まして、現在のコロナ禍の中、手術やリハビリ通院の危険が加算します。そのような葛藤・迷いの中、手術を先送りした場合、どのようなデメリットが生じるのか? これが本件の病院同行の目的でした。

 本例は手関節の尺骨からTFCCがほぼ完全に剥離し、尺骨遠位が前後にグラグラ動いてしまう状態です。当然に手関節の安定性は低下、手首に力が入らず、時折痛みやしびれを伴います。今後の為に、剥離部分を縫合する手術が望まれます。専門医によると、このままでは尺骨と橈骨の離開が進むか、双方が手関節の可動時に回転してぶつかり、変形をきたす可能性があるそうです。やはり、本例は手術適用のケースだと思います。

 しかし、コロナ下、ご家族に基礎疾患者がおり、手術と予後の長期通院は反対なのです。そこで、先に述べた悪化を防ぐ上で、専用サポーターの登場です。  

早速、装着しました

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【事案】

路地裏を歩行中、左折してきた車に巻き込まれた。加害者は気が動転したのか、さらに後進したため、合計2回轢かれてしまった。主に、左鎖骨、肋骨、両恥座骨、足関節、中足骨をそれぞれ骨折した。

【問題点】

事故以来、精神的に不安定であり、逐一連絡できず業務に支障あり。症状固定についても予定が立たなかった。

【立証ポイント】

事故から2年後に後遺障害診断を受けることが決まった。癒合状態と関節裂隙(関節のすきま)を左右すべく、医師に両足を揃えたレントゲン撮影を依頼した。

また、可動域計測に立ち会ったが、医師の計測方法が日整会方式ではなく、屈伸運動時の姿勢で計測していたため、日整会の計測方法を促し再計測をお願いするも、計測方法を変えていただくことはできなかった。 それでも、患側が健側の1/2の数値であったため、その計測値を後遺障害診断書に落とし込むことに成功した。他の障害もあったため、審査に5ヶ月要したが、無事に10級の認定を受けることができた。

(令和3年3月)

※併合の為、分離しています  

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【事案】

道路を横断中、自動車の衝突を受けたもの。骨折箇所は、上肢は左上腕骨骨幹部、下肢の脛骨・腓骨は骨幹部、右肋骨、左骨盤、右足趾は母指・基節骨、第2~5中足骨。加えて頭部・顔面の打撲。

【問題点】

足趾(足指)を除いては、骨折箇所が関節に直接影響を及ぼさない所ばかり。上肢・下肢は骨幹部で、予後の癒合は良好。また、肋骨と骨盤(恥座骨)も癒合さえすれば、深刻な障害は残らない。しかし、高齢者である。上肢は肩関節、下肢は足関節の拘縮が進み、可動域制限が残存した。

高齢者にこれだけの骨折があれば、もはや、歩行は不能となる。事実、リハビリを重ねても車イス脱却とならなかった。

最初の相談時、これらの可動域制限は、自賠責の認定基準から認定されない可能性が大であることを説明、足趾など認定されるところを確実に抑えること、高齢故の2次的な障害は後の賠償交渉に委ねること・・高齢者の交通事故解決の現実を予告しての受任となった。

【立証ポイント】

高齢者の後遺障害は日本一を名乗りたい位、様々な実績を重ねてきた弊所、本件もその挑戦の一つとなった。   医師面談を重ね、主治医の信頼と協力を得た。症状固定の際も立ち会い、二次的な拘縮であろうと肩関節、足関節、そして認定が見込める足趾一本一本を主治医に丁寧に計測頂いた。

特別な資料として、リハビリ記録を入手し、要介護認定の申請・認定資料の開示を実施、それら資料からリハビリ努力と介護の実態を訴えた。また、ご家族と協力して、障害の実態を訴える文章を作成、万全の申請を敢行した。これは、後の賠償交渉を見据えての書類収集とも言える。    認定は早々と届いた。足趾は、「1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの」=11級9号に。しかし、肩と足首の可動域は、”関節に直接の骨折がない”ことから認めず、予想通りの認定結果に。介護状態も、事故外傷と直接因果関係がないので、まったくのスルー。

本件のように、二次的な関節拘縮=リハビリ不足は被害者の責任・・これを高齢者に当てはめるなど、老若男女均一の認定基準である自賠責の欠点と言える。本件に限らず、弁護士と共に「正当な後遺障害」の評価を追及・追求・追究していきたい。

(令和2年2月)

※ 併合の為、分離しています  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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