毎月のように、弊所の依頼者様が労災の顧問医の診察を受けています。純粋な業務災害の依頼は少ないものですが、通勤災害は数多く、交通事故の解決に労災請求が被ってきます。そして、自賠責保険で後遺障害の認定を得ますが、前後して労災の障害給付の請求もすることになります。両者は9割がた同じ審査基準と言えますが、部位・症状によって違いがあります。これは、毎度のテーマでもありますが、最大の違いは、文章審査を原則とする自賠責に対し、労災は顧問医の診察があることです。    違いの一例 👉 労災は半袖、自賠責はノースリーブ、裁判はタンクトップ以上!?    よく違いが生じる障害 👉 実績投稿:TFCC損傷、自賠責と労災の違い    障害給付の申請を提出すると、担当者から顧問医の診察するよう要請が入ります。およそ月1~2回、各地の労基署の第〇曜日に顧問医がまとめて診察をしているようです。診察者が多い場合や、予定が合わないと翌月になりますので、その分審査が遅れます。この診察には弁護士でも同席できませんので、事前に症状を文章にしておき、持参します。もちろん、労災側に専用の用紙にて記載を求められることもあります。先に自賠責で妥当な等級がついている場合、その認定票や診断書・検査サマリーなどを提出することも多いものです。労基の職員によると、それらは審査書類に当たらないものの、それなりに参考になるそうです。

 さて、被災者さんが診察に臨む前に、諸々のアドバイスをしています。多くの場合、認定されるべき等級は固まっています。その等級に合致するよう、穏当に済めば良いと思います。ところが、顧問医によって、それが大きくぶれる経験もありました。たいていの顧問医は、労災の認定基準に照らして診断内容をまとめますが、やはり、診断権という権力を持った医師、勝手な診断を下すこともあるのです。労基の職員によると、はっきり言いませんが、”個性的すぎる”医師もいるそうです。そのような先生に当たってしまうと・・結果が読めません。医師の判断は、つまり、人間の判断ですので、医師の独自見解が入ってしまうことがあるのです。その点、画像審査を主眼とする自賠責保険の方が、ぶれを感じません。    被災者さんに最後のアドバイスとして、顧問医の当たり外れを説明することになります。文字通り、最後は「GOOD LUCK」を祈ることになります。    

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