伸筋腱 脱臼(しんきんけんだっきゅう)

(1)病態
手を握って拳骨を作ったときの拳頭部分は、中手骨頭を覆うように伸筋腱が存在しています。この中手骨頭は丸い形をしており、矢状索と呼ばれる組織が、伸筋腱が中央部からずれることのないように支えています。
この矢状索が損傷すると、伸筋腱を中央部に保持できなくなり、拳骨を握ると、伸筋腱が中手骨頭の横にズレ落ちるのです。この状態を伸筋腱脱臼と呼んでいます。 (2)治療
治療は手術により、矢状索損傷部の縫合、もしくは伸筋腱の一部を用いて矢状索を再建する方法が実施されています。後述の後遺障害14級9号の実例では、指関節の可動に問題なく、ひどい痛みでもないケースでした。当然、オペはしません。保存療法のまま症状固定日を迎えました。脱臼といっても軽重があるようです。
指のオペができる病院・医師は限られます。脱臼が整復された後も、指の曲がりが改善しているか、硬直していないか、慎重に観察を続けます。異常があっても漫然と「様子をみましょう」とせず、専門医の診察を継続すべきと思います。どうも、「指ごとき」と軽く考える医師もいるように思います。
(3)後遺障害のポイント 指の曲がりが改善し、機能障害を回避できたとして、痛み・不具合などの症状の一貫性から14級9号を確保したいところです。 14級を確保した実例 👉 14級9号:手指 伸筋腱脱臼(40代女性・静岡県) 以下、序論 手指の機能障害をご参照下さい。 👉 続きを読む »



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今年、この症例にあたりました。
2輪車と自動車の交通事故で、2輪車搭乗の被害者さんが足部を受傷しました。青黒く腫れが生じ、痛みが続きました。レントゲンでは骨に異常はなく、しばらく消炎鎮痛処置を続けました。
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