損額の全額を訴訟基準で得るために弁護先生がとっている3策を続けましょう。

20090608  

2、訴訟するしかない

 以下、3パターンで痛い目にあったことがある弁護士さんがとる方法です。最初から依頼者(被害者)に過失が見込まれるなら、損害の全額を訴訟基準で確保するために訴訟をするしかない、という結論になります。
  

zonbi-jinshou1、賠償先行し、交渉にて解決しました。次に過失分の回収を人傷社に請求した結果、「訴外交渉なので弊社の基準(人傷基準)で過失分を払います。」とされた。これが一番多いケースでしょう。

 
2zonbi-jinshou、人傷先行した場合、「人身傷害保険金を支払う前に承諾書を書いて下さい」と人傷社から承諾書に署名・調印を求められます。その文中に「弊社が求償する金額は、弊社算定基準で計算します」とあれば、うかつに調印できません。これは人傷基準差額説の意味なので、賠償社との間で決まった総額は裁判、交渉に関わりなく、ごっそり回収されます。承諾書に印しなければ払ってくれない?これは困ります。

  
zonbi-jinshou3、また、新しい約款により「裁判で決まった総額なら認めますが、交渉・斡旋での解決の場合の求償額は弊社算定基準 となります」と求償で主張されそうです。これは承諾書に書かなくても約款のみの解釈でOKです。

 
20140508_7 このような難題が予想されるので、「あーっ面倒だっ!とにかく相手と裁判します!」となります。
 
 もちろん、事件の内容が訴訟に適していればどんどん裁判すべきでしょう。しかし、訴訟に馴染まない少額の訴額、むち打ち14級のように性質上、素因減額が見込まれる訴え、依頼者の(裁判は避けたいという)意向、これらを排して裁判強硬はいかにも不毛です。裁判は時間もかかりますし、裁判をせずとも同水準の賠償金を交渉や紛争センターで獲得できる事件、もしくは力量を持った弁護士もいるのです。

 人身傷害から過失分を訴訟基準で回収するために仕方なく裁判? 絶対におかしいです。

 これが究極の方法ですが・・・なんとかなりませんかねぇ。