労災の申請や書類の記載について、詳しく書かれている書籍は少ないものです。この手の相談は被害者さんだけではなく、弁護士や社労士さんからも少なくありません。社労士さんによると、専用ソフトでサクサク申請書を作り、申請慣れしている先生は一部で、驚くことにほとんど申請業務をしないそうです。専門と思われる社労士先生でさえ面倒なようです。

 理由は、労災事故は労基と病院が絡み、とくに病院の窓口ルールが病院ごとに違うものですから、ややこしい事に巻き込まれる印象を持ちます。とくに、交通事故など第3者行為の場合、保険会社や加害者がそれに加わるものですから・・社会保険の知識だけではなく、各方面への横断的な知識とそれをさばいていく交渉力・推進力が必要です。もし、その膨大な手間に対して、見合った費用や報酬が入れば報われますが、顧問先企業から支払われる顧問料だけなら、進んではやりたくないでしょう。中には顧問契約に「労災申請業務は除く」とし、一切やらない先生もおりました。

 これは構造的な問題でもあります。そもそも、社労士先生に顧問料を払うのは企業(社長さん)であって、ケガをした従業員さんではありません。すると、社長さんが「こいつ(ケガをした従業員)は大事な社員だから面倒見てくれ」とでも言わない限り、助ける責任はないことになります。これも労災請求の闇の部分かもしれません。

 構造的な問題と各ジャンルにまたがる業務の煩雑さから、誰も手を差し伸べず、被害者さんが独力で進めているケースが多くなります。労災申請、第2の壁と思います。
 
労災の申請書類の基本的な流れは、

 各請求書に、本人(あるいは代理者)記載、 署名・印

会社の証明・印

病院の証明・印(治療費に関するもの以外は病院を経ません)

労基に提出となります。
 
 書類はすべて厚労省HPからダウンロードできます ⇒ https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html
 

 
 交通事故は通勤中が最も多いことになりますが、営業の移動中や運送中の交通事故もあります。それは業務中ですから、業務災害となります。これら、会社とは無関係の加害者が存在する災害の場合、通勤災害、業務災害共に、「第3者行為届」が必要となります。基本的な申請書類の前に説明します。

 

① 第3者行為災害届

 会社やその業務と無関係な人によってケガをさせられた場合、本来、その加害者から補償を受けるべきです。それでも、労災の支給を受ける場合、その補償分を支払った労災は加害者に対し、「本来、労災が支払う筋のものではないから、支払った分を返して」と言える立場になります。この請求行為を広く「求償」と呼びます。

 その求償を行使する為に、第3者による災害であることの説明と、被害者さんに一筆取っておく必要があります。それらの書類一式が「第3者行為届」です。

 事故状況はもちろん、加害者と自分の任意・自賠責保険内容の記載はじめ、事故状況や診療内容まで4枚(↓の添付はその1ページ目)に及び、その他地図の記載など、初めて書く被害者にとって最も面倒なものです。

「第三者行為災害届」提出時に添付する書類一覧表


 
 慣れない被害者さんによると、およそ半日~数日かけて記載するようです。この書類の記載・収集に最も慣れているのは、社労士でも弁護士でもなく、保険会社担当者かと思います。もちろん、秋葉事務所は日常業務の一つです。