月1回整形外科で診察、リハビリは整骨院(接骨院)

 この治療計画でも神経症状が医師から明確に診断され、症状の一貫性があれば、14級9号が認められます。しかし、私の経験では外傷性頚部症候群・頚椎捻挫・むち打ち患者の90%が、画像所見は年齢変性のもので、腱反射や各検査上、神経学的所見も明確にでません。したがって、この計画は14級9号の認定を目指すなら、止めた方が良いと断言しています。

 症状が長引いているなら、整形外科でのリハビリを強く推奨します。整骨院・接骨院でのリハビリは施術と呼ばれます。通院「実績」としては非常に軽く見られます。なぜなら、それら院は”商売上か、施術の必要上か”わかりませんが、「痛かったら毎日来なさい」と患者を誘致するからです。対して、整形外科は建前でも医師の判断・指示でリハビリを重ねた「実績」となります。治療の妥当性・・ここに、大きな差があるのです。

 困ったことに最近は整骨院・接骨院と連携している弁護士・行政書士が提携先の院に被害者を誘致、後遺障害の認定をダメにしている?ことです。もちろん、後遺障害認定を視野に入れず、整骨院・接骨院での完治を目指すなら良いと思います。しかし、「後遺障害診断書を書いてもらうための整形外科・月1診察」つまり、「治らなかった場合を想定しての、アリバイ作りの整形外科・月1回診察」、これはもう、自賠責側もしっかり把握している、あざとい計画なのです。

 最近もこの計画をある事務所から勧められて、非該当となった被害者さまの相談を受けました。通院すべてを整形外科にしていれば、14級が認められたと思います。いくつかの事務所は間違った誘導によって、罪な事をしているのかもしれません。
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併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で右側から無理な割り込み車に衝突される。直後から頚部痛・手のしびれ、腰部痛・足の痺れの神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けたのが受傷4ヶ月後だったが、受傷直後から整形外科(月数回)より整骨院(月の半数以上)に偏重して通院していた。
また、通勤事故ではあるが、車での出勤を会社には黙っていたために労災の適用ができない。さらに、MRI撮影をしておらず、症状固定の6ヶ月を目前にしていた。

【立証ポイント】

この不利な局面を覆させなければならない。まず、整形外科(月半数以上)と整骨院(月数回・最終月は無)の通院回数を真逆にした。また、休みが取りづらい環境ということで、丸一日空けてもらい、紹介状の入手、MRI検査を全てその日に終わらせた。その後、医師に具体的な自覚症状や細かい検査結果・画像所見を記載頂き、14級9号となった。