後遺障害の仕事をしていて、つくづく感じることがあります。

 

 (ブライトさんの声で読み上げて!)

 
 被害者さんが訴える痛みや不調、それが優位な後遺障害等級に直結しないことです。
 
 
 確かに、ご本人にとって一番辛い部位であっても、それ程評価されない障害もあります。本例でいえば、「肩甲骨の亀裂骨折の疑い」です。確かに症状が残っているのでしょうが、画像上、骨折線が判然としません。この部位で、症状の一貫性を整えて申請しても、14級9号が関の山です。

 対して、本件被害者さんには、胸椎と腰椎に圧迫骨折がありました。圧壊の程度も深刻ではなく、医師も保存療法か、せいぜい初期にコルセット着用としていたものです。被害者さんも、痛みが軽減したのか、受傷初期の骨折をすっかり忘れていました。

 腰椎圧迫骨折こそ、本件、後遺障害の主役なのです。一番痛い肩を主張・申請して定かではない14級を得るより、圧迫骨折の11級を取れば賠償金は5倍に増大します。それに気づいた佐藤は方針変更、病院を説得して11級を勝ち取りました。

 
 後遺障害も、「当たらなければどうということはない」 のです
 

11級7号:胸椎・腰椎圧迫骨折(80代女性・東京都)

【事案】

青信号で横断歩道上を歩行中、右折車に衝突される。直後から全身の痛みに悩まされる。

【問題点】

相談に来られた時点では、治療費が打ち切られた日からちょうど1年後であった。当人たちは肩甲骨に亀裂骨折が入っていると主張、打ち切り後に通った近所の整形外科の治療費を求めてほしいというご相談であった。

保険会社から資料を取り寄せてみると、肩甲骨骨折の明確な記載はなかったが、なんと胸椎と腰椎の圧迫骨折が判明した。

【立証ポイント】

直ちに元の病院に診察予約を入れたが、当時の主治医は転勤しており、1年以上も前の後遺症など、診断自体を断らわれた。

粘り強く事情を説明し、なんとか押し切り整形外科部長の診察を予約、診断書の記載をお願いした。1年以上前の打切り日を症状固定日にしてもらい、後遺障害診断書の作成に漕ぎつけた。

苦労の甲斐あって、審査期間2ヶ月で11級7号認定となった。とくに腰椎の圧壊が11級に評価された。当初は、非該当か14級9号かの議論だったので、依頼者夫妻は大喜びであった。
 
 
 
 まったく関係ないことですが、
  北の将軍の妹さんがキシリア・ザビに見えるのは私だけでしょうか?