本件は、第12胸椎と第1腰椎にそれぞれ圧壊です。同部位、2椎体圧迫骨折の好発例です。

 今回のテーマは骨折様態の分析ではなく、医師の性格について。
 
 すべての医師が、とは言いませんが、その日の診断によって、言うことが変わるお医者さんによく出くわします。患者側からすれば、「大丈夫かな、この先生?」と言いたいところです。前回の診断で「次回、検査ね」と言っておきながら、今日の診断では「検査は必要ない」と(えっ?)。

 逆に、診断書を「この件では書く必要ない」と断られた件でも、翌月、もう一度お願いしたら、「いいですよ(書きます)」となったり。これは、医師の性格を読んで、しれっと再チャレンジした結果です(私たちも慣れたものです)。

 医師に限らず、どの職業にも気分屋さんはいるものです。また、毎日、何十人の患者さんを診ているのですから、忘れてしまったことや、経過上、多少の方針変更は仕方ないと思います。こちらは誠意をもって、必要な検査の実施と正しい診断書の記載を丁寧にお願いするのみです。

 
 振り回される? いえ、上手に付き合っていくものです
 

11級7号:胸椎・腰椎圧迫骨折(60代男性・茨城県)

【事案】

自動車搭乗中、対向車の居眠り運転により正面衝突された。直後から全身の痛みに悩まされる。

【問題点】

MRI画像上、外形の圧壊がはっきりと出ており、11級認定は堅かった。しかしながら、休業損害等で保険会社とやりやった結果、早期の段階で弁護士対応とされていた。

【立証ポイント】

症状と癒合状態を鑑み、8ヶ月での症状固定とした。しかし、「圧迫骨折ではうまくいっても14級しか取れない。また現代の医学では、MRIで骨癒合は分からないので、撮る必要があるのか?」という主治医・・・どうにかなだめ、MRI検査に進め、後遺障害診断書の記載へ誘導した。

ここに至ってやる気がでたのか、「作文力が大事だ」と力説しはじめた医師に記載箇所を説明し、ノリノリで仕上げていただいた。MRI画像の打出しも添付し、40日程度で11級7号認定となった。