【事案】

自動車搭乗中、右折待ちのため、交差点内で停止していたところ、後続車の追突を受けた。その衝撃によって、前方の電柱とミラーに玉突き衝突した。直後から全身の痛みに悩まされる。

【問題点】

MRI画像上、外形の圧壊がはっきりと出ており、11級認定は堅かった。問題は、その後、尿漏れと頻尿を発症したことである。

【立証ポイント】

本件の場合、排尿障害の立証作業に終始専念することに。しかし、ウロダイナミクス検査の結果、14級以上の等級がつかないと判断したため、後遺障害診断を断念した。診断名のみを整形外科の医師に追記いただいたが、やはり、排尿障害は非該当であった。これで終えてしまうことに葛藤はあったが、専門医に検査をしていただいたことにより、病態が明確になり、その後の治療に生かさる結果にはなった。ご本人様は満足しているようだったので、そこだけが救いか。

圧迫骨折については、症状固定前にMRI検査で圧壊を立証し、40日程度で11級7号認定となった。

自賠責のルールに乗っからないがために、正当な賠償評価を得られないという、悔いの残る案件であった。

(平成29年8月)