(3)尾骨骨折(びこつこっせつ)

① 病態

 仙骨の下についている骨で、しっぽの名残であり、尾てい骨ともいわれています。交通事故では、自転車、バイクでお尻から転倒したときに骨折することが多いのですが、尾骨は、退化した3~5つの尾椎が一塊となって存在しており、つなぎ目があることと、事故前から屈曲変形していることもあり、XPでは骨折と判断することが困難なことがあります。確定診断には、CT、MRI撮影が必要です。

 経験上、事故前にすでに軽い脱臼状態、変形や転位(折れて分離)しているなど、既往症もいくつか目にしました。産婦人科医に聞くと、経産婦で出産時に曲がったまま、それが残る例もあるそうです。
 
② 症状

 尾てい骨部分に激烈な痛みがあり、歩くことや座ることで痛みが増強する。長時間、座っていると尾てい骨の痛みが強くなってくる。尾てい骨に痛みがあり、下肢にしびれがあり、歩きにくさを生じている。それでも、深刻な後遺症は稀で、後遺障害として認定されること少ないと思います。
 
③ 治療

 治療は、通常は保存的に安静加療が行われています。
 
④ 後遺障害のポイント

 シリーズの最後にまとめて解説しています。
 
 ⇒ 骨盤骨折 ④ 後遺障害