朝5時からレジュメをまとめ、午前のうちに東京駅を出発、現地で代理店さんと打合せ後、相談者さま1名を経て、セミナー突入。今回は久々に人身傷害の約款22社比較。
ここ数年は約款改定のペースが速く、ほとんど不定期に変化があります。今回も老眼の進行も顧みず、22社の約款に目を通しました。やはりと言うか、1年前の内容から変わっている会社がありました。約款をテーマにした講義では、このようなチェックは欠かせません。油断のならない作業となります。その変化については、非常にマニアックですので、またの機会に解説したいと思います。
とくに時間を割いた会社はAIGです。今年からAIUと富士火災が合併しましたが、自動車保険の約款は概ね富士火災を踏襲しています。とくに、人身傷害の支払基準上、人傷先行のケースは、三井住友、あいおいニッセイ同和に同じく、「過失分限定払い」となっています。また、賠償先行のケースでは、相手から賠償金を獲得後、自己の過失分を自身加入の人身傷害保険に請求する場合、その損害総額の算定に当たって、裁判上の判決・和解で決まった額であれば、それを損害総額とみなす、損J日興タイプの約款を組み込んでいます。悪い事と良い事を併用していますが、最終的にもめた場合、契約者との協議、それでもダメなら自社との裁判ですから、居直り約款の域を出ていません。だいだい、明確な基準を示すべき約款が、「自社基準が嫌なら話し合いで決めましょう、それでもだめなら訴えて」・・・おかしな話です。約款ですから、単に基準を示すだけで良いのに、もめることを予定したような書きよう・・・なにか後ろめたさを自覚しているのでしょうか。
今後も適時、約款チェックを続けていかねばなりません。事故が起きてから加入していた保険にがっかりさせられる・・これだけ約款が複雑になれば、契約前のパンフレットや代理店さんの説明が追いつきませんので、仕方のない現象かもしれません。それでも、交通事故のプロを自称する以上、常に約款ウォッチャーでなければなりません。

どの業種に言えますが、宣伝文句と実力は別です。クリーニング屋さん、大工さんも、その技術や対応に差があるように、残念ながらこの原則は弁護士や病院にも当てはまるのです。私達は、その双方に毎日のように出入りしているのでわかるのです。マーフィーの法則にも「優秀2割、ダメ2割、どっちつかずが6割」などと・・。
ご参加の皆様、暑い中ありがとうございました。




交通事故外傷・後遺障害は総論的なテーマで、秋葉が45分受け持ちました。続いて、弁護士は実際の解決事例を基に解説、賠償論の実際に踏み込みました。その後の質疑応答ですが、交通事故に限らず話題が発展、セクハラ問題の示談金の相場など、弁護士から具体的な数字が挙げられました。下世話ですみませんが、「お尻を触ってなんぼで示談」ってな具合です。
市町村・自治体や弁護士会の無料相談を除けば、東京で14年も毎月開催している、民間による無料相談会は大変貴重なものです。最後の駆込み寺足りうる覚悟を持って開催しています。それでも、万策尽きて「あきらめましょう」との対応になってしまう。「何でもっと早く相談に来てくれなかったのか」・・非常に悔しい思いを噛み締めています。







