私は最初に被害者さんの後遺障害の予断、つまり想定等級を定めてから着手、必要な検査計画を立てます。多くの場合、読み通り(ニヤリ!)となりますが、あいにく検査結果にでないこともあります。

 もちろん、それは回復が進んだことでもあるので、喜ばしいことかもしれません。しかし障害は僅かであっても残存しているのです。これが等級の認定を得なければ、事故後の賠償・補償上、存在しないもの=0 とされるのです。

・わずかに残った可動域制限

・検査数値に出ない排尿障害

・画像所見となる時期を逸したMRI

・中途半端に回復した視力、聴力・・・

・何度も手術をして薄くなった線状痕

      

 回復への努力をしたことは当然賞賛すべきことです。しかしケガの痛みに苦しみ、数度の手術に耐え、血の出るようなリハビリに取り組み、結果として補償面で振るわない結果となってしまう・・・実に悔しい思いです。

 一定期間は治療・リハビリに専念し、回復を目指します。そして症状の回復度合いが一定、もしくは一進一退となる時期を見定めて症状固定とし、後は賠償問題に取り組むべきです。長期にわたり回復努力を続け、中途半端な障害を残してしまうと、障害の基準以下となって等級が認定しづらくなるのです。これは賠償金目当ての「早期治療打切り」を言っているのではありません。症状固定日を正しく策定すべきと主張しているのです。

 私たちは回復と補償についてバランスの良い解決ロードをひきたいのです。そのためにできるだけ早期の相談を強く訴えます。

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 昨日、ノルウェーから交通事故相談のメールが入りました。なんでノルウェーから???差出人は「ノルウェーの森です」とあります。誰だ?ノルウェーに知人はいません。おっかなびっくり開いてみました。メールの文字は日本語のフォントとなっています。読んでいく内にようやく思い出しました。

 10年前、ロシアの旅先で会った日本人です。数日一緒につるんだバックパッカー仲間の森君でした。なんでもオスロで交通事故に遭い、日本のサイトを検索していたらこのHPにたどり着いたようです。相変わらず定職に就かず世界中を回っているようです。しかしよくみつけましたねぇ。  質問内容は、事故相手が無保険らしいのですが、日本の強制保険みたいなものはないのか?ということです。「そんなの知るか!」と思いましたが、一応調べて回答しました。

 なんと最初に自動車の強制保険加入を義務付けたのはノルウェーです。さすが福祉大国というべきでしょうか。100年前の1912年には自賠責保険加入が強制化されています。その他ヨーロッパで自賠責保険が次々と制度化され、デンマークやスウェーデンの北欧諸国、そして西欧のイギリス・ドイツが続きました。現在東欧を除きヨーロッパのほとんどがほぼ制度化されているようです。(ちなみにアメリカは最低補償金額を任意保険で加入するよう義務づけられています。)補償内容は対人だけではなく対物も設定されているようです。日本の被害者請求に類似する請求も可能のようです。  幸い軽傷のでした。後は現地で調べてもらいたいとこです。オスロの日本大使館に相談すればなんとかなると思います。  

 10年前、私はウラジオストックの広場でほんの一日ですがギター弾き語りをしていました ・・・ビートルズの「ノルウェーの森」を歌うと、知り合ったばかりの森君は「じゃ北欧にでも行ってみるか・・・」ウオッカ片手につぶやいていたっけ。本当に行ったのだな。

 

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 脚の骨折、腕の骨折、骨折の形態も、横骨折、斜骨折、粉砕骨折、剥離骨折、亀裂骨折、挫滅骨折、いろいろ経験してきましたが、四肢すべて骨折は初めてです。右上肢は上腕骨幹部骨折、左上肢は橈骨遠位端、右下肢は大腿骨骨幹部、左下肢は近位端、そして年齢は80代。これではもう歩けません。痛みはもちろん日常生活の不自由は深刻です。年齢から回復は望むべくもなく、このまま衰弱していく・・・そのような危惧を家族も医師も抱いていたはずです。

 受傷から一年が過ぎ、症状固定を迎えました。歩行不能ですが車イスでなんとか自力移動できます。そして両腕は事故前の筋力が戻りました。年齢からすると驚異的な回復です。関節可動域制限も残りましたが、12級レベルまで戻っています。事故に遭うまで農家の畑仕事は現役でした。平素維持した体力はもちろん、若いころから我慢強く、80超えてもなお精神力を保っています。

 感嘆すべきおばあちゃんです。対してむち打ちで1年もだらだら通院し、仕事に復帰しない若者もいます。被害者の務めはなにより回復努力と日常生活への復帰です。治療をする医師や補償問題に取り組む私達はそのお手伝いをしているに過ぎません。被害者には事故に負けずに頑張って欲しいのです。

                      

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 土日の相談会、出張が続きますと平日にお休みを頂くことになります。  ぼちぼち忘年会の日程も固まりました。今年も実働あと1か月あまりですが、少し休憩です。

松屋通りはホワイトカラーに切り替わりました。

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 清々しい天気でした。山梨遠征はいつも好天に恵まれています。

 さて本日の内容は、中学生の骨端線損傷の異議申立についてです。既に事前認定で「非該当」なっております。自賠責保険の回答は「骨折等、器質的損傷がない・・」ことを理由に、疼痛と可動域制限を否定しています。しかし事故後1年以上も症状が収まりません。おそらく自賠は「成長痛」によるものと判断しているようです。  では成長痛を少し調べてみましょう。

成長痛 

 12歳未満の小児に多く、4人に一人の頻度で起きると言われています。特に原因なく夜間、両下肢に痛みが生じ、翌日になると痛みが軽快して障害などは全くなく普通に歩けるようになります。。痛みの出現は両側で、大腿、膝、下腿など下肢に多く出現します。時に前腕、頭部などの痛みを伴ないますが、下肢の痛みと同時に出現します。  成長痛の特徴として、筋肉、関節、骨などには異常を一切認めません。仮に異常があれば別の疾患となりますので、鑑別疾患を疑う必要があります。仮に異常があれば捻挫、打撲、骨折など別の疾患を考える必要があります。  治療は保存療法です。傷病ではないのでそのままにするしかありません。疼痛の緩和のために投薬やマッサージも有効ですが、中学校を卒業するまでにほとんどが消失します。

 このように成長期の子供さんにとっては「既往症」なのでしょう。しかし本件の場合は受傷した右脛骨・腓骨の遠位端、つまり右足首のみに疼痛が出現しています。両足ではないのです。単なる成長痛で諦めるわけにはいきません。なんらかの器質的損傷があったのかもしれません。これについて骨端線の観察、関節裂隙の左右比較を主治医に主張し、原因究明のため両足のXP 、ヘリカルCT検査を快諾して頂けました。これから専門医の読影を乞い、画像の解明作業です。

 

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 今日はくたくたで仕事になりません。なんとか急ぎの事務だけはこなしておきたいところです。

 2連日の相談会ですが、やはりむち打ちが半数を占めています。むち打ち以外の傷病名を列挙しますと・・・

 頬骨骨折と嗅覚障害、TFCC損傷、骨盤(恥骨・坐骨)骨折、高次脳機能障害、顔面神経麻痺・・・顔、頭のケガが多かったように思います。頭部や顔面のケガは視覚、聴覚、嗅覚、味覚に障害を残す可能性があります。これらは異変があっても見逃されやすい症状です。それは脳神経外科、整形外科、形成外科、耳鼻科と受診科が複数にわたり、相互の情報伝達が潤滑でなければ患者の訴えが届かないことがあるからです。整形外科医:「匂いがしない?それは耳鼻科で診てもらって」・・・極端な言い方ですが整形外科医は骨折の癒合にしか興味がありません。また他の専門分野に言及することに慎重です。患者がうまく医師に症状を伝え、他の科に受診するときにしっかり「匂いがしません」、「嗅覚の検査を」と話を向けねばなりません。

 いつだって自らを治す責任は被害者にあります。また障害の立証(挙証)責任も被害者にあるのです。被害者だからと言って安穏とはしていられませんよ。

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 本日の病院同行は荒川区。メトロ日比谷線で三ノ輪駅で地上に、そこから4号線を200m歩き、レトロな商店街を抜けると都電荒川線の小さい駅です。チンチン♪と鐘が鳴り、電車は狭い住宅街を走り抜けます。

 このような風情ある路線を残した東京都はすばらしいです。高校生の時によく乗った電車は当時と変わりなく、木目調の車内も健在です。ただし切符ではなくスイカ、パスモにはなっていました。

特に三ノ輪~東尾久間は下町風情が残っています。

 

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 今日の日誌は2日遅れの記載です。週末は以前ライブに来ていただいたお客さんの結婚式に招待されました。

 結婚式への出席は久々です。そして余興の歌を依頼されました。幸いバンド仲間も数人出席しておりましたので久々に小ライブが可能でした。曲もしっかりリクエストされております。「Nothing’s gonna stop us now(愛は止まらない)」。結婚するお二人共に小~中学生の時に初めて観た洋画が「マネキン」で、この曲はそのテーマソングです。数年前にライブで演奏した時、大変喜んでくれたことを記憶しています。

 皆忙しく、冠婚葬祭でもないと集まることができない世代です。懐かしい顔ぶれが揃う、そのような意味でも結婚式はいいものです。暖かい気持ちに包まれました!

 結婚式の写真はUPできませんが、5年前の野外ライブの映像が残っています。

 この曲はデュエットです。映像の女性ボーカルはナウミ・カルバハル。スペイン マドリード出身で、来日の間1年ほど一緒に活動しました。

 真夏の酷暑の中、バテバテの2ステージ最後の曲でした。    映像→ http://www.youtube.com/watch?v=8f8pk4MxdaQ

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 少し肌寒くなりました。ようやくスーツはジャケット着用です。半袖がここまで続いたのは過去記憶にありません。仙台なのでより寒さを感じたのかもしれません。

 さてアポまでの時間、昼食を取るため病院内の食堂を目指しました。あいにくこの病院には食堂設備がありませんでした。駅前の病院なのですが、コンビニはおろか商店が見当たらないのどかな町なのです。そこで病院の周辺をぐるりと一周、たった一軒ですが喫茶&食事をみつけました。 さて何を食べようか・・・ メニューは以下の通りです。

 麺類はラーメンは331円、うどんが253円。ナポリタンが578円、カレーも420円、それぞれドリンク、サラダがが付きます。 定食類も600円くらい。学食のような安さです。

 値上げをしたようで新旧の値段が表示されていました。しかし1円単位の値段表示はちょっと珍しい。

 ここはせっかく仙台出張なので、店で一番高いものを頼みました。

 焼肉定食(上)。893円。

 (並)ではなく(上)です。お肉は牛ではなく豚のロース。胡椒とバターで焼き、焼き肉のたれで仕上げたよう。これはこれで素朴でうまかった。(上)なので肉も分厚くボリューム満点、スープもおいしかった。

 『孤独のグルメ』みたいでした。 

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 台風一過、良い天気になりました。東京では大島の被害が深刻です。ここ数日は風水害のアクセスが多くなるので、過去の記事からの焼き直しとなりますが、台風に対応する保険を解説します。

火災保険の風水害支払

 地震や津波、噴火は別途、地震保険に加入する必要があります。台風の被害も自然災害ですが、普通の火災保険でもカバーされます。住宅火災保険、普通火災保険、団地保険などでは風災は補償されますが水災の補償は付帯していません。「風災」「水害」共に補償しているのは住宅総合保険、店舗総合、住宅金融公庫特約火災保険、債権保全火災保険(ローンを組む時に強制的に加入された火災保険)などです。

1、「風災」

 台風、旋風、暴風、暴風雨などで被害を受けた建物等の被害が対象です。

※ 長らく被害額20万円を超えた場合に有責となり支払対象でしたが、損保ジャパン他、いくつかの損保会社は数年前からこの20万円条件を無くしています。雨樋や窓の破損があった方は証券を再確認してください。

2、「水害」は以下のどちからで支払われます。

(ア)保険金額(再調達価額)の30%以上の損害生じた場合、実損額。

(イ)床上浸水もしくは地盤面から45cmを超える浸水の場合、保険金額の5%。

例・・・建物を1000万円評価で契約した場合、(ア)修理費実額、(イ)50万円となります。

※ (ア)の実損額、(イ)の5%の部分は最近明記していない会社が多いです。恐らく災害規模に応じて流動的な運用部分かもしれません。

★ 土砂崩れは「水害」として対象となります。

自動車保険(車両保険)

 一般条件、エコノミー+A特約、共に台風での風災による被害(風で看板が飛んできてフロントガラスが割れた、ドアを開けた際にあおられドアが壊れた等々)、大雨や洪水の水没(修理費や清掃費)について保険金がおります。

  

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 明日朝の病院同行は台風による交通機関の混乱はもちろん、危険が伴うので延期としました。ニュースでは10~20年に1度の巨大台風と聞きました。22年前の19号を思い出します。    当時、私は保険会社社員で埼玉県の志木・朝霞市を中心に洪水地域を3日かけて回りました。これは被災者から事故報告、火災保険の請求を待つより、ローラー作戦で被災した家を1軒1軒回って、保険金請求手続きをしてしまう方が早いからです。訪問し、まず被害状況を確認します。多くは床上浸水か否かをみます。総合保障タイプや住宅金融公庫特約火災保険の場合、床上浸水で保険金額の5%(上限100万円)の保険が支払われます。写真を取り、請求書に印もしくは署名だけ頂き、2~3日後には振り込みます。スーツ3着泥だらけとなりましたが、困っているときに迅速な事故対応、迅速な保険金支払いをした結果、非常に感謝されました。この時の支払いがご縁で新規契約を頂き、以来お付き合いが続いているお客様もおります。

 注意したのは火災保険未加入や総合タイプではないお客様です。つまり水災の保険金は払われません。隣は加入していたから払われるのにうちは”なし”・・・ご近所間で気まずくなる懸念がありました。そのために保険金支払い対象者には保険が入ることをなるべく伏せて頂きました。このような配慮を神戸、東北の震災同様、集中的な被災地において保険会社社員は心がけています。結果として保険金がでなくて怨嗟の声が上がる一方、感謝の言葉は聞こえなくなります。保険会社は損な役割だなぁと思いました。                        保険会社の払い渋りや不祥事、そして交通事故被害者・・・仕事柄、被害者からの保険会社に対する敵対意識を常に感じています。しかし物事は良悪の二元論で語られるものではありません。何事も光と陰があるもの、見る角度や光の当て方でまったく違うものに写ります。この台風での保険金支払い業務から「物事を一方からの隔たった見方をしない」事が身に付いたように思います。交通事故も加害者がいて被害者がいて、さらに保険会社や病院など様々な利害者が関与します。隔たった立場・視点に固執しては単なる子供のケンカです。交通事故業務はそれぞれの思惑を理解し、全体を見渡す視点と相手の主張を想定し対処する知恵が必要と思います。

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 何度も甲府に行きながら初の「躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)」訪問。現在は武田神社となっており、甲府では観光コース最初のポイントです。ここは武田信玄の居城として有名です。外堀や大手門が遺構として残っています。  本日の病院同行はすぐ近くの整形外科です。アポまでの時間がありましたのでようやく訪問がかないました。

 ← 外観図

 宝物殿で特別公開されていたのは「風林火山」の旗の実物です。

 武田と言えば「風林火山」、これは孫子の兵法からの引用で、「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」・・・疾(と)きこと風の如く、徐(しず )かなること林の如し、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」と読みます。用兵、軍隊運用の要、目指すべきスタイルでしょうか。自然の事象に例えて説明されています。

 さて、本日の医師もむち打ちや交通事故外傷について、例えを引用し説明していただきました。

 「なぜ交通事故の場合、痛みが長引くか?」について・・・  ”例えばジェットコースターに乗った時、車に追突される以上の衝撃を首に受けても、楽しい事をした場合の「痛い」なのでそれほど気にならないでしょ。でも被害を受けた事故では痛みをネガティブに捉えるので、脳が過剰に痛みを感じてしまう。またスキーに行った後、転倒や筋肉痛でひどい痛みにさらされても、心地よい思い出と共にある痛みだから、またすぐにスキーの出かけるよね。”

 わかり易い例えです。保険会社もデータから説明しています。「自損事故でケガをした場合と被害事故でケガをした場合を比べると、同程度のケガでも治療期間が1:5の比率、つまり被害事故の方が治癒まで5倍も長くかかる」とのことです。

 被害者意識・・・よくわかる気持ちですが、人間は感情、つまり脳の働きにより同じケガでも痛み・苦しみのメーターが違うのです。これは交通事故賠償で保険会社が被害者に厳しい目を向ける最大の理由です。むち打ちを「交通賠償病」とまで呼んでいます。被害者も自らが置かれている立場、向けられている目を理解し、冷静に対処していかなければならないのです。

 さすが甲州、風林火山から記事が書けました。

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 相談者は14名でしたが、追加の資料作成のためご来訪下さった依頼者さんや、事件が終了し、ご丁寧にもお礼にみえた依頼者さんなど盛りだくさんの一日でした。

 今年の2月からスタートした山梨相談会ですが、依頼者さんに続々と成果が届いています。  「このケガですと○級が認定されて、賠償金も1千万を超えますよ」と回答し、「えーっ!そんなにもらえるのですか!」と絶句していた素朴な被害者さん達にも、約束を違えることなく後遺障害が続々と認定されています。インターネットなどで情報過多と言われる今日ですが、交通事故の世界はまだまだ閉鎖社会、特に被害者さんの得る情報は量、質ともに実に心細いものです。出張相談会を待っている地域、被害者さんを思えば遠出の労など些細なことです。

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 数日遅れの日誌です。本日は山梨の塩山へ。朝からぶどう狩りの乗客に囲まれた列車に乗り込みました。

 山もブドウ畑も朝日に輝き、風が清々しくそよぎます。甲府への出張相談会はまだ残雪残る2月からでした。そして40°を超える灼熱の病院同行を経て秋を迎えました。

 地方出張ですとどこの病院でも「わざわざ東京から?」と少々驚かれましたが、交通が発達し、インターネットも普及した今、それほどの距離感はありません。そして被害者さん達の反応も一様に歓迎ムードです。(今日の被害者さんから夏の桃に続き、巨峰を頂きました。ありがとうございます。)  このように遠方でも必要とされて出向きますから、足取りも軽くなります。

 しかし一方で悲しい情報も耳に入ります。関西方面でも仲間の行政書士、弁護士が出張相談会を開催していますが、地元の弁護士から相談会のチラシ配布等でクレームが入っているそうです。チラシの言葉に不適切な表現が含まれているとのことです。例えば「交通事故専門弁護士」はダメだそうです。確かにその先生は90%以上交通事故しか扱っていないはずですが100%でない限り、誇大広告になるのでしょうか。さらに「○○専門弁護士」との曖昧な表現も好ましくないようです。もちろんコンプライアンス遵守の姿勢から、ご指摘については謙虚に受け止め修正を行っています。

 しかしどう思います?このような言葉一つに目くじらを立てている本当の理由?それは他にあるように感じます。やはり「俺の縄張りを荒らすな!」との感情が見え隠れします。どの業界でもそうですが、地方の弁護士会は特に保守的で、「この地域は俺の島だ」、さらに「弁護士たるもの依頼者から委任を受けてから動くもの、チラシを撒いて集客するなど”はしたない”!」と考えている先生も多いそうです。ちょっと東京では考えられないアナクロ感覚です。今の若手弁護士はそう言われても戸惑うばかりです。

 私は士業、法律業界の旧弊を批判しているのではありません。実働家として被害者と接している立場から常に現場を感じています。地方の相談者さんがチラシを見て相談会に参加した感想を挙げてみます。

・ どこに相談していいか困っていたところにチラシを見て、本当に助かった!

・ 弁護士に相談しようと思っていたが、敷居が高そうで・・、でも無料相談会なら!

・ 地元の弁護士に相談したが、交通事故はあまり経験がないようで・・・

・ わざわざ東京から病院同行までしてくれて本当に心強い!

・ 相談会に参加するまで、このまま保険会社と少ない金額で示談するもの思っていた。

・ インターネットはやらないので、今まで交通事故の情報を目にすることがなかった。

 このように、被害者さんたちは「私たちを待っていた」のです。

 高齢者であったり、情報が少なく様々な事情で積極的に動けない被害者さんも大勢いるのです。潜在的に救済が必要な被害者の為に、法律家からの情報発信が必要なのはわかりきっています。あくまで事務所にどっかり座って”依頼者”を待っているのが法律家として譲れない姿勢でしょうか。困っている人たちにこちらからアプローチし、多くの被害者に手を差し伸べる事が”はしたない”ことでしょうか。お高く構えて、被害者さんを放置していること自体、法律家の怠慢と思えてきます。

 実際に被害者さんたちに接していれば答えは明らかです。

 ← 病院裏の畑、たわわに実るブドウ

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 これを書いているのは9月26日(木)です。日誌を遡って書いています。う~ん、ぎりぎりの日程で辛い!

 今日は朝8時から夕方4時まで一か所の病院に缶詰め!!電話も出られず。そして可動域制限5°のギリギリの戦い!被害者家族の命運を担っての医師面談。そのミッションは無事クリアしました。しかし精神的消耗が激しかったです。研修中のメディカルコーディネーターさんとくたくたになって帰路につきました。このような時の相棒は心強いです。いずれたくさんの被害者を救う人材に育ってほしいです。少し親父くさい感傷に浸っています。

 明日から持ち直して日誌を書きます!

  

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 土曜日は都内、台風近づく日曜は埼玉で2日連続相談会。合計16人で少なめでしたが、新MC候補さん2名を伴い、充実した内容でした。地方開催も新鮮ですがホームもいいものです。恒例の所感を。

画像勝負です!

 MRIで精査した結果、リスフラン関節(足首~足の甲)の靭帯損傷が判明しました。しかし自賠責の回答は「画像上、判然としない・・・」が「治療経過から推定が及ぶものとして・・・」14級9号とされました。器質的損傷が明らかであれば12級13号の可能性もあります。これはズバリ画像勝負です。虎の子の放射線科医に鑑定をお願いしますが、ここで一つ私たちのネットワークの優位を誇らせて下さい。  それは画像鑑定費用です。単純読影で21000円、もし有用な所見が得られ、鑑定書に仕上げればさらに21000円という2段階シムテムです。これなら最悪、画像勝負を諦めるにしても出費は21000円で済みます。このような被害者に優しいシステムは他では聞きません。(エヘン)

脊椎圧迫骨折の判定

 脊椎の圧迫骨折は縦の衝撃で椎体がつぶれる骨折です。例えば車にはねられ尻もちをついた、車の運転中、出合がしら衝突で車が横転~1回転し、頭を天井に打ち付けた、このようなケースでの受傷を多く経験しています。単純な追突事故では受傷の説明として、どうのように縦の衝撃が加わったのかよくわかりません。受傷機転を明らかにすること、これがまずスタートです。  さらに陳旧性(古傷)か否かも丁寧にチェックします。高齢者には自然に圧迫骨折している方も少なからず存在します。MRIで陳旧性か新鮮骨折を観察しますが、まず受傷直後のXPを見てみないと判定できません。受傷直後から陳旧性っぽければ事故での受傷を否定されます。

以上2点、相手保険会社の反論がきてからあたふた説明しているようではダメなのです。

関節可動域、5°の勝負

 真面目にリハビリを行い、機能回復することは被害者の務めと思います。後遺障害はそれでもなおかつ治らなかったものです。真面目な被害者は本当に必死にリハビリを行います。この日の被害者もひどい骨折ながらよくぞここまで直したと、根性を讃えるべき方です。しかし・・・足関節の可動域制限を測定したところ、わずか5°で10級を逃し12級に・・・。この角度5°で最終的な賠償金は500万円位減ると予想します。関節可動域の5°は長さにしてわずか5mmです。医師の測り方で1cm程度の誤差、言い換えれば計測値の違いがあっても不自然ではありません。この被害者さんの場合、骨折の様態、癒合具合から私は10級11号と思います。つまり計測の瞬間がこの被害者にとって最大の勝負どころなのです。

 何が勝負所なのか?まずこれを理解する必要があります。一生懸命治したのに賠償金は少なくなる・・・それは正しいことですが、ちょっとかわいそうですよね。

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 東京-長野、片道2時間。長野新幹線のおかげで日帰りが容易です。今年に入って数回長野出張していますが、2件程度のアポでは日帰り出張となります。本日も症状固定、後遺障害診断の打ち合わせについての訪問です。長野から長野電鉄、そしてしなの電鉄とローカル線を行き来しました。残暑厳しい一日でしたが夏の終わりの風景に癒されました。

長野電鉄は湯田中まで温泉ライン!時間があれば温泉と古戦場巡りもしたいところ

 戸倉温泉駅前 ここも温泉天国です!

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 前日から新潟入りし、山荘でお泊りです。海が見える高台にあります。庭には錦鯉が泳いでいます。ちょっぴりセレブ気分です。

 近隣にワイナリー、さらにゴージャスな温泉施設もありました。温泉に浸かった後はワインはもちろん日本酒も数種楽しみました。食後はオーディオルームで音楽浸りです。打合せもそこそこに日曜日の相談会に備え英気を養いました。

 

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 今日は埼玉県行田市へ病院同行。行田市と言ってもあまり有名ではなかった所ですが、今年公開された映画「のぼうの城」の舞台として一躍脚光を浴びています。

 「のぼうの城」は和田 竜 先生の小説が原作です。今までにないスペクタクルを感じる戦国もの小説で、まるで映画になるべくして書かれた小説でした。内容は豊臣 秀吉の小田原攻め、つまり関東併合において唯一落ちなかった城、忍城(おしじょう)の攻防です。忍城は城攻めの天才 秀吉でも落とせなかった城です。攻城の指揮をとったのは石田 三成で、後年まで戦下手と呼ばれるきっかけとなったのがこの忍城攻め失敗なのです。城は利根川水系の水路に守られた湿地帯の台地に築かれいます。さながら水の上の城で、確かに難攻不落のようです。映画も観ましたが痛快の一言!ブルーレイも買おうかな。

 行田市でのロケは僅かですが、エンドロールで現代の行田市の風景が映ります。

 城跡は当時の痕跡は少なく、公園と復元した城郭(往時と違う)があるそうです。

  ←復元図 ...

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