過去記事:被害者の矜持について、反響がありましたので、その第二弾を書きます。

 前回は、保険会社と過度にやり合う愚を説きました。今回は掲題の通り、慰謝料の積み上げに関する勘違いについて検証します。    最初に言いますが、本来、治療日数・頻度は治療効果から検討すべきで、医師等の指導が第一です。慰謝料の増額を期しての通院など、はしたないことです。ところが先日、整骨院に通っていた軽傷の被害者さんが、整骨院の先生(柔道整復師)さんから、「毎日通うと慰謝料が増えるよ」と言われたそうです。単純にそうとは言い切れません。毎日通わせて儲かるのは整骨院です。治療者としての資質を疑いますね。

基本計算

 総治療日数の範囲内で、実治療日数× 2 × 4200 円

  ・総治療日数・・・初診日から、治癒・中止(症状固定日を含む)・死亡までの日数

・実治療日数・・・入院日数+実際に病院に通院した日数。 午前・午後にそれぞれ2回、ダブルヘッダーで通院しても1日とします。    これは自賠責保険の慰謝料の計算式です。3ヶ月以内の治療期間では、任意保険も約款上この計算結果とほぼ同じです。したがって、3ヶ月程度の治療期間の場合で考えてみましょう。    ・総治療期間はちょうど3ヶ月=90日。

・実治療日数は、2日に1回のペースで通ったとして45日。

 先の計算式の通り、総治療期間90日の範囲内で、実治療日数45日×2=90日ですから、結局45日以上通っても90日で頭打ちとなります。    「たくさん通うと慰謝料が増えるよ」とのアドバイスで毎日通っても、隔日通院=2日に1回以上通っても慰謝料は増えないことになります。    では、3ヶ月(90日)を超えるような通院期間の場合ですが、任意保険は慰謝料計算の対象日数を徐々に逓減させる計算(総治療期間に応じて→75%、45%、25%、15%)に切替えます。2日に1回ペース以上に慰謝料の対象日数は減っていくのです。以下、損保ジャパン日本興亜さんの約款から抜粋。

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私が解説しましょう    保険会社や弁護士は逸失利益を計算する際、ライプニッツ係数を適用します(他にも新ホフマン係数というものがありますが、主流はライプニッツ係数です)。その数値が来年から改定されることになりました。皆様も自動車保険(任意保険)に介入していれば、保険会社からそのお知らせの通知が届く頃と思います。   1、ライプニッツ係数とは

 交通事故で障害を負わなかったら得られたはずの利益(逸失利益)を請求・受領する場合、その利息分を控除するための計算で適用される数値です(中間利息控除)。

2、なぜ中間利息分を控除する必要があるのか。

 本来、その未来の利益=収入は毎年毎月ごとに収入があるはずです。それを示談時や判決時に喪失期間分まとめて全額を収入することになるため、まとめて先にもらう分について利息が発生することになります。

※ 民法上の考え方ではお金を持っていれば、その分利息が発生することになると考えます(他人に貸したり、投資したりして利益を得られるからです)。

 このことから、その期間分の利息を控除しないと、被害者はその間の利息分の利益を別途得ることになり、不公平となります。そこで、利息分を逸失利益から控除する必要があります。

3、なぜ改定するのか

 このように、ライプニッツ係数は利息分の控除を根底に置いていることから、法定利息を基準に作成されます。法定利息とは、交通事故などの賠償金を請求する際、事故日や症状固定日に払われるべき賠償金について、「解決(判決)時までの間、待たされた分、利息が発生する」として、賠償金に加算する考え方です、(示談や裁判上の和解では、特別な加算や調整金などの加算は検討されますが、直接には発生しないとされます。)

 この点、2020年に民法が改正され、法定利息はこれまで5%だったのが、3%となります。 

 0金利時代に5%とは、確かに「利息高すぎ!」との声が続いていました。

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 これは保険会社のSC(支払部門)での格言で、正確には「重傷者の場合、物損の支払いで渋るな。渋ると、弁護士を入れられ、後の人身の支払いが増大してしまうよ」との意味です。保険会社にいた頃に指導を受けました。

 物損、多くは車やバイクの修理費を指します。その修理費や全損額、過失割合・・通常、保険会社はこれらで厳しい提示をしてきます。しかし、それは物損のみの被害、あるいはむち打ち等の軽傷者の場合です。対物賠償の支払増大は、直接に任意保険会社の懐を傷めます。対して、軽傷の場合の人身損害の支払い分は、自賠責保険からほとんど回収できます。そのような事情から、物損は厳しいが、人損(3ヶ月以内の通院や慰謝料)については寛容と言えます。

 それが、複数の骨折や重度の障害など、後遺障害認定が見込まれる重傷者(死亡も)であれば逆となります。もちろん、保険会社は後遺障害の支払い額も自賠責内でほとんどの支払額を回収する予定ですが、弁護士を入れられたらそれが一変、2倍3倍、あるいはそれ以上の賠償金支払いを覚悟しなければなりません。だからこそ、車の修理費や過失割合でケンカを避けたいのです。仮に修理費が50万円として、過失割合について、20:80の争いの場合を想定します。10%はたった5万円です。ここから15:85に5%譲歩したとしても、保険会社にとって25000円の支払い増に過ぎません。全損の評価額も、被害者が納得してくれるなら、5万や10万負けてあげても高が知れています。

 もし、この物損交渉で強硬姿勢をとれば・・・被害者さんは弁護士を入れてきて、その代理人弁護士から「後遺障害は12級だから慰謝料290万円頂戴ね」と請求が来ます。100万円程度で示談を目論んでいた担当者の計画が頓挫します。(下表を参照)  

後遺障害部分の慰謝料 単位万円

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 ※ 自賠責では、何故か(物損と思われる)メガネ、義肢、歯科補てつ、眼鏡、コンタクト、補聴器、松葉杖などが対象となります。  

(解答)

 1、治療費  60000円

2、休業損害 5700円×24日(入院2+通院10+8+4)= 136800円

3、入院雑費 1100円×2日= 2200 円

4、通院交通費 

 ・ タクシー:2460円

 ・マイカー: 15円×(2km×2往復)=60円×22日=1320円

  2460円+1320円 ...

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 保険会社・代理店時代は様々な研修を受けたものです。本日の研修では、当時の事故処理研修でも定番の自賠責保険の積算を特集しました。私も久々に復習です。

 レジュメから演習問題を掲載します。興味のある方は計算してみて下さい。一部間違いがあり、参加された代理店さまの方から、ご指摘を頂きました。よくぞお気づき下さいました。ありがとうございます。反省と感謝を込めて、明日の解答版にて修正させて頂きます。

<演習問題>

 私は58歳の主婦ですが、28年8月1日に横断歩道を横断中、信号無視の自動車に衝突されて、負傷しました、救急搬送され、レントゲンをとったところ、幸い骨には異常ありませんでした。ところが、相手は任意保険に未加入で、仕方なく相手の自賠責に被害者請求をしました。

・治療費は健康保険を使ったので、自己負担は合計6万円ですみました。

・交通費は退院日だけタクシーを使い2460円、その後の通院は自家用車を使用しました。家から整形外科までおよそ2kmです。

・眼鏡が割れて、修理代が8000円でした。

・書類にもお金がかかり、診断書代で5400円、事故証明書の取得に600円、印鑑証明書で200円かかりました。

・8月1日から市民病院に2日間入院し、退院後は近隣の整形外科に8月3日から10月30日まで3ヶ月通院しました。実際に通院した日は、8月は合計10日間で、9月は合計8日間、10月は4日間でした。

 私は自賠責保険からいくらいただけるのでしょうか?  

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今朝のニュースから自動車保険の復習をしましょう。

 高速道路にカツオ散乱 トラック扉開き次々落下 阪和道

 4日午前9時5分ごろ、堺市美原区の阪和道上り線の美原南インターチェンジ付近で「カツオが路上に散乱している」と、通行していた車の男性から110番通報があった。大阪府警などによると、大型トラックが積んでいた冷凍カツオが約300~500メートルにわたって散乱した。西日本高速道路によると、最大で約6キロの渋滞が起きたという。

 府警高速道路交通警察隊によると、片側3車線の中央を走っていた大型トラックの保冷庫の扉が開き、カツオが次々と落下したという。大型トラックは約15トンの冷凍カツオを積載し、鹿児島県から静岡県へ向かっていたという。約2時間後に撤去されたという。

 府警はトラックを運転していた40代の男性から詳しく事情を聴いている。 (朝日新聞さまより引用)

物損事故に関するご相談で、「道路の落下物にぶつかった場合は?」・・過去にいくつかの事例を経験しています。

原則、その落下物を避けることが出来なかったと証明すれば、物を落とした側の責任が100%となります。しかし、衝突した側に過失が問われるケースもあります。落としてからしばらく経てば、「避けることができたかどうか」の程度で、過失を10~30%程度から50%も取られたケースがありました。その程度ですが、高速道路ともなれば、高速ですので避けることが難しくなり、過失は0に近づくと思います。

より危険な高速道路では、急いで落下物を撤去しなければなりません。実は高速道路での落下物は半端なく多く、管理側、道路公団の悩みの種です。

物を落とした相手が特定できれば、その相手に損害を請求することになります。相手が保険(対物賠償)に入っていれば回収できると思います。ただし、相手が特定できない落下物も多く、この場合、自身加入の車両保険を使うことになります。空中に飛来した物がぶつかった場合、「他物の衝突」なので、一般車両保険は当然として、エコノミー+A特約も補償範囲になります。そして、保険を使ったことによる無事故等級ダウンは1つで済みます(数年前は”据え置き事故”として等級ダウンはありませんでした)。ただし、落下物が地面に落ちて、しばらくしてからこれを踏んだ場合は単なる自爆事故扱いとなります。エコノミー+Aの車両保険では免責です。一般車両保険は有責ですが、、無事故等級は3つダウンです(痛)!

運命の分かれる「自爆事故か他物の衝突か」・・毎度、その境界線を保険金を支払う保険会社・担当者は検討しています。

 

◆宜しければこちらの記事も併せてお読みください。 詐欺シリーズ ~ ノンフリート等級・すえ置き事故 飛び石や飛来物で窓ガラスが破損などで保険金を利用。据え置き事故詐欺例です。

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先日、ご相談に来られた方がこんなことを仰っていました。    「自賠責の被害者請求を弁護士に任せていたのですが、ずっと放置されていたようです。そのことを問い合わせると、まず先に労災の後遺障害申請をしてきてくださいと言われました。言われた通りに労働基準監督署に行くと、担当者から「まずは自賠責の申請からと最高裁の判断で決まりましたので。」と、半笑いで門前払いされてしまいました。」    確かに後遺障害については、労災に申請後、「自賠責の結果が出てからでないと…。」と言われて結果を待たされていました。特段の事情がない限りは支給調整の関係からか前述のような対応が日常茶飯事です。しかしながら、最高裁が「自賠責と労災の請求順序」など判断したのでしょうか? 気になって調べてみました。    平成30年9月27日の判決です。

 事例としては、被害者Aが中型貨物自動車運転中、加害者Bのセンターラインオーバーによって正面衝突し、肩腱板損傷等の重傷を負いました。労災にて治療を継続しましたが、可動域制限が残り、後遺障害等級12級6号の認定(おそらく自賠責・労災ともに)がおりました。尚、Bの車両には自賠責保険加入がありましたが、任意保険はなかったものと思われます。(詳細が記載されておりませんので、推測でしかありませんが…。)

 今回はBによって起こされた第三者行為による労災事故のため、Aへの治療費や休業損害等を支払った国(労災)が、自賠責への求償権を手に入れます。第三者行為届を提出する際に、念書兼同意書を添付するのですが、その中に求償についても記されております。

 この点が今回の裁判でのポイントのようです。今回の自賠責の支払金額は、傷害部分120万円限度と後遺障害部分224万円があるのですが、労災の求償とは按分せずに「Aが自賠責へ、自身の補償(慰謝料・逸失利益)を請求・受領することが優先される」という判断がなされたのです。つまり、既に労災が支給した治療費や休業損害など、実費的なものの求償は後回しとなる、被害者により優しい判断がされたというわけですね。

 結論として、本件の判決は、自賠責と労災の申請自体の順番が確定したわけではありませんでした。念書兼同意書に記載があるように、「自賠責と両方請求する場合には、重複している場合、自賠責の方(任意保険会社がいる場合にも含む)で全て終わってからでないと支給しませんよ」と、被っている請求項目について、支給の順序があることに変わりありません。本判決は別の話しで、自賠責に対する本人の補償請求(労災先行支払いの治療費や休業給付と被らない慰謝料など)と、労災の求償(既払いの治療費・休業給付)が競合した場合、被害者救済=本人への支給が優先するという司法判断です。

 それにしても交通事故に労災が絡むとややこしいですね(汗)

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   <Case2 ケンカはダメ、ゼッタイ!>

 Bさんは、自動車搭乗中に追突され、「頚椎捻挫」の診断を受けました。救急搬送された後、近隣の整形外科にて3ヶ月治療しましたが、牽引やホットパックばかりの治療方針に不満を感じたので、転院を決意します。転院先は、理学療法と注射による治療をしてくれるので、大変気に入りました。主治医から「このプログラムを1年間実施すれば、ほとんどの人が回復しているから頑張りましょう。」と言われ、1年間通院することにしました。しかし、1年経過しても、痛みと痺れは収まらなかったので、そのことを主治医に伝えると、主治医が不機嫌になり、治療終了となってしまったようです。その後、後遺障害診断書を依頼しに行くと、ぶつぶつ言いながらも後遺障害診断書は記載してくれたようですが、それ以来通院を拒否されてしまったのです。  

 さて、Bさんの場合、なにがいけなかったのでしょうか。    これで14級9号が認定されればなにも問題なかったのですが、結果は「非該当」でした。提出書類を精査したところ、まず「後遺障害診断書」の内容に問題があったのです。記載内容はとても良かったのですが、ケンカをしたせいなのか「(約1年の加療により、大部軽減した)」との不要な記載によって、医療調査が入ったようです。受傷から3ヶ月の整形外科と1年間通院した整形外科の2ヵ所へ「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について、神経学的所見の推移について」依頼があり、審査にも時間を要したようです。2ヵ所の整形外科から送付された書類には、「症状が軽減、消失された」との記載ばかりで、認定票にもそのことが書かれていました。

 どうしても異議申立手続きをしたいという希望があったため、手続きを実施することになりました。しかし、全ての書類が提出されており、両整形外科との関係が悪化しているため、新たな医証が見つかりません。症状固定以来、整形外科への通院はおろか接骨院への通院もありませんでした。なんとか、全ての病院の画像と画像分析書を添付し、提出したのですが、医療照会にて提出された書類の「症状の消失」というところを突かれ、再度撃沈。「再度の非該当」は分かりきっていたものの、わずか40日で結果が出ることとなり、虚しい作業となりました。    医者を敵に回して、いい事はひとつもありません。嫌なことがあっても、かわいい患者を演じなければ、14級9号認定は遠ざかってしまうのです!    続く。  

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 久々の投稿です(汗)    さて、最近は異議申立ての案件も増えてきたように感じます。異議申立てからお引き受けすることがどれだけ困難か、今回は失敗事例も含めて記載していきます。

<Case1 勝手に治療を終了!?>

 Aさんは自動車搭乗中に追突され、「頚椎捻挫」の診断を受けました。受傷直後から病院にて治療努力を続けましたが、自身で「これ以上はよくならない。」と判断したため、4ヶ月で治療を終了してしまいました。翌月に再度受診し、MRI検査を受けたのち、受傷から5ヶ月半で症状固定となりました。その診断書を保険会社に渡して事前認定の手続きをしてもらいましたが、結果は非該当でした。

 Aさんの認定を覆す可能性は、非常に低いと分かっていたものの、本人たっての希望により異議申立手続きを実施しました。結果は残念ながら予想通り「非該当」でした。しかし、審査に約3ヶ月かかったため、調査事務所も認定を覆すかどうか検討してくれたようです。    さて、Aさんの場合、なにがいけなかったのでしょうか?    やはり、何と言っても「治療の終了」ですね。治療を終了するまではいいペースでリハビリをされていたので、そのまま継続していれば可能性は上がっていたかもしれません。次に考え得るのは、症状固定日です、5ヶ月半なので、そこまでシビアではないかもしれませんが、「事故から半年経過」ということは見過ごせません。  その他にも「物損の修理費が安価」であったこと、症状固定後にリハビリを全くしていないことも複合的な要素としてあったかもしれません。

 続く。  

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 本日は代理業協会の研修会の講師を拝命、初夏の陽気に汗ばみながらの2時間、みっちり交通事故・後遺障害を特集しました。当地での開催は初、今まで何故かご縁がなかったのです。

 3メガ損保+1社の地域の支社長・次席の参席を得て、緊張感のあるセミナーとなりました。保険会社批判ともとれる内容も含みますので、それなりにスリリングです。”歯に衣着せず”は”言い過ぎ”の危険と背中合わせなのです。逆に配慮が過ぎて、当たり障りのない内容となってもつまらない研修となります。そこは、保険会社の垣根を越えた代協さんです、是々非々の精神でお聞き下さったと思います。

 お招き頂きましたS支部長、そして開催に奔走下さったT様、ありがとうございました。  

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 各種存在する障害申請の中でも「お金」の多寡にもっとも影響する3大申請は、    自賠責保険、労働災害保険、障害年金 ではないでしょうか。    交通事故で重い後遺障害を負った場合、それも通勤中であれば労災も絡み、その3つに申請を行うことになります。一番細かくシビアであるのは自賠責だと思います。もちろん、傷病名や障害の類別によって、労災の方がシビアであったり、障害年金も油断できない部位があります。それぞれの審査基準には違いがあるので、一概に言えないかもしれません。

 大事なことは、必要な検査を実施して、医師に漏らさず診断書に落とし込んで頂くことです。不足・不正確・不明瞭の診断書であっても、以後、客観的に証明された証拠として、一人歩きを始めます。これは審査上に悪影響をもたらし、その後の賠償交渉や裁判で正すことは絶望的に難しくなってしまうのです。今までも診断書の修正が最大の焦点となった件、覆せなかった悲劇を何度もみてきました。遺漏なき申請書類、とくに診断書が事故解決の趨勢を決するのです。

 経験上、医師が障害申請に熱心に取組み、万全の診断書を作成してくれたことは、非常に少ないものです。医師は治す事が仕事で、治しきれなかった患者など、関心は薄れます。保険会社も役所の窓口も基本、事務的です。むしろ、限られた財源からの支払増大を懸念してか、厳しく判断されていると考えるべきです。もちろん、好意的な判断もありますし、好悪両面において、審査員は良く見ているなぁと感心することもしばしばです。

 しかし、希少な障害の場合や、障害の箇所が複数に及び、本人・家族ですら把握しきれない症状を克明に主張することはそれなりに難しいものです。審査側が親切に不足書類や追加検査を指示してくれれば良いのですが、これも限定的なことと覚悟すべきです。多数の審査案件を抱えた担当者にとって、追加的な調査業務は負担になると思います。その審査員に対して、自分の親兄弟や子供をみるように熱心に審査してもらうなど、過剰な期待と言えます。

 重度の障害を追った被害者さん達にとって、障害○級の認定は今後の人生にとって命綱なのです。各申請はその緊張感をもって望むべきですし、そのお助けをしている私達を是非とも活用して頂きたいのです。できれば、診断書の記載をする前の段階で、周到な準備と十分な打合せをしたいと思います。私達の報酬は決して安いとは言えませんが、被害者さんの命綱を繋ぐべく、相応の働きをする覚悟です。  

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 今までも数々の障害年金の請求フォローを行ってきました。ただし、代理請求はもちろん、障害年金の諸事務を有償で行うには、社会保険労務士の資格が必要と聞いています。それでも、自賠責保険請求を目的として行った医療調査の諸事務、収集した書類・画像はそのまま、労災や障害年金の請求に転用できますし、何と言っても、私達は被害者さんの後遺症の全容を一番把握していることになります。

 多くの交通事故案件の場合、障害年金請求は最後の作業になります。それまでに豊富に揃った診断書・画像を基に、障害年金専用の診断書を医師に記載依頼し、必要な添付書類を指示し、その他の書類記載は年金の相談窓口に頼ればOKです。別途、手間賃や報酬を頂くまでもありません。私達にとって、行きがけの駄賃のような事務です。添付書類には、自賠責や労災の認定結果なども含めます。それらは当然、障害年金の審査基準と異なるものですが、今まで真逆の判断などなく、結果は安定したものでした。自賠責や労災の結果にも、参考程度にそれなりに目を通していると推測しています。

 ところが、昨年、自賠責の審査結果がでる前に障害年金を申請した件で、思わしくない結果が返ってきました。その依頼者さまは独力で申請を行ったのですが、再申請をしなければならなくなりました。そこで、障害年金申請を業務としている社労士先生、数件に相談を持ちかけたそうです。そこでのアドバイスで多く指摘されたことは、専用診断書に「別紙の通り」と記載したことがNGだそうです。社労士先生が揃って言うには、「障害年金は診断書に書いてあることのみで判断するから、別紙など見ない」そうです。診断書に到底書ききれない、検査結果や症状の説明は無視されるのでしょうか? 自賠責に比べると、審査精度が低いように感じてしまいます。そのような意見を聞くと、近年の「消えた年金」「労災の未払い」など、厚生労働省の杜撰な体制を思い出させられます。

 すると、「自賠責請求に際して細心の注意・緊張を持って完璧な申請と結果を出したのだから、後の障害年金など楽勝!」と思っていた、今までの姿勢を改める必要があります。最近も、障害年金の診断書に障害等級を左右する程の重要な記載漏れを発見、医師に追記をお願いする件がでてきました。まったく最後まで油断できません。

 私達もできれば専門の社労士先生を頼りたいと考えています。餅は餅屋のはずです。今までも社労士先生に連携の呼びかけを行う際、色々とお話を伺う機会がありました。ところが、書類の手続きに精通する先生も、医学的な知識が絶望的に弱いと知りました。例え手続きのプロであっても、肝心の中身=医療はハードルが高いようです。医学的な知識・経験は、あらゆる障害申請において最重要ポイントのはずです。障害年金を主業としている社労士先生と言えど、その受任数が年間30件ほどであれば、10年でやっと300件、経験すら不十分ではないでしょうか。書類の記載等手続きなどは、年金窓口でそれはそれは丁寧に教えてくれます。もし、社労士先生に依頼する場合は、何人かにあたって慎重に判断すべきです。これはどの業務においても、士業者に依頼する場合の鉄則です。

例えば、各関節の用廃を見極めるには、関節可動域の測定ができることが絶対です。 秋葉事務所は全員がマスターしています。専門は理学療法士でしょうか。  しかし、これを専門外である社労士、行政書士や弁護士に求めることは酷です。

   今後は、障害年金についてより勉強し、個別対策を練る事が望まれます。それでも、保険医療に精通している者なら、自賠責保険請求で精密に固めた書類と、その審査結果を一緒に提出するか、その内容をベースに診断書を作成することが有効かと思います。医師には、事前にそれら診断書の内容をスライドして専用診断書に記載頂く事が安全です。とくに珍しい傷病名や難しい後遺症などは必須で、障害年金の審査員は他の結果を踏襲しないまでも、意識すると思います。良くも悪くも横並び意識は、お役所体質に合致すると思うからです。    未だ、被害者さんを安心して任せられる社労士先生にめぐり合えていません。交通事故に限定すれば、わざわざ社労士先生に依頼するより、秋葉がフォローする方が適切だと思っています。  

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 何事も10年ぶれずに続けていくことは、周囲の信用・信頼につながるものです。それが、相手損保や自賠責調査事務所など、被害者側からしてみれば反対となる立場の方からも、時折好印象を頂いています。秋葉事務所の立場は被害者側の損害を調査・立証するものですから、相手保険会社にとって保険金支払いの増大を図る憎い存在?にもなろうものです。しかし、現場はそれ程単純ではありません。理由は以下の通りです。    損保担当者は、常時100件の案件をどんどん消化していく必要があります。解決が遅れるとファイルが山積み、えらい事になります。したがって、早期解決の第一歩として治療費の打切りを急ぐのです。それに対し被害者側は、「保険金を払い渋っている!」と考えがちですが、担当者にとって、”早く処理する”ことがまず大目標なのです。むち打ち患者の一定数は症状が長引き、治療の長期化となれば、担当者は早期の治療費打ち切りが命題となります。秋葉事務所は被害者側ですから、一定の治療期間の要求はします。それでもきちんと6ヶ月で症状固定させるものですから、うっとおしい打切り打診をせずに済んだ担当者から、(連携弁護士を介してですが)「助かります」と言われることになります。

 単純に払い渋っているのかな?

 損保の対人担当者にとって、早期処理が成績評価になります。その後、後遺障害等級が認められ、損害額が増大したとしても、それは自賠責のジャッジであって、担当者に責任はありません。次いで、被害者に弁護士がついて、さらに支払額がUPしたとしても、それは”弁護士が介入した”からであって、担当者の責任ではありません。

 ここまで言えばおわかりと思います。彼ら担当者はサラリーマンですから、自分に責任のない事に躍起になりません。上司に怒られさえしなければ良いのです。仮に、打撲捻挫で1年も打切りが出来ないケース、被害者との直接交渉で折れて保険金を多く支払った解決・・これこそ、上司の激怒と勤務査定の低下となるのです。    被害者さんはもちろん、交通事故に関わるすべての業者さんは、このような保険会社の側面を知るべきです。    これ以外にも、自賠責保険の調査事務所からも、感謝の意が届きます。等級審査で自賠責が毎度難儀していることは、病院への追加的な書類、不足画像の請求、その他診断書の修正などです。病院は大抵迅速に回答してくれません。これらが審査の遅れる主原因となります。それを被害者に代わって速やかに進める私達の存在は、第一に被害者の利益を求めながらも、自賠責の審査業務を助け、早期解決を求める相手側の利益につながります。

 確かに、被害者側の損害を明らかにする医証(診断書や検査結果など医学的な証拠)は、相手損保の支払いを増大させることになるかもしれません。しかし、自賠責保険の審査を助け、後の交渉・斡旋・裁判に進展した際にも、紛争の決着に決め手となる書類の完備と早期収集は、大局的には関係各者にとって歓迎すべきことです。もちろん、決定的な書類を突きつけられた上での(保険会社が困る)結果についても、保険会社担当者へはなんら責任は問われません。裁判での決着など、保険会社にとって「仕方ない」ことですから。

 秋葉事務所の活動は、被害者さんの利益の為の業務でありますが、保険会社にすんなり支払いを促す効果を併せ持つ業務になります。被害者さんの損害を明らかにする=事実証明を明瞭・迅速に進め、紛争の防止と拡大を防ぐ、まさに社会貢献につながるものと自負しています。  

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 自賠責保険の後遺障害審査では、全画像の提出が必須です。

 とくに骨折案件では、レントゲンは当然として、CTやMRIなども加わります。事前認定の場合は、相手保険会社が取り寄せてくれますが、往々に時間がかかります。それは病院側が遅いことが理由ですが、超多忙な保険会社・担当者の催促に任せることになりますので、心もとないものです。被害者請求の場合では、被害者自身、あるいは手続きを任せた業社の取り寄せになります。秋葉事務所でも、矢のような催促に駆られることが少なくありません。病院側も多忙なのはわかりますが、今やパソコンに空ディスクを入れて15分も待てばできるものです。怠慢を感じることが多々あります。  かつて、自賠責保険・調査事務所の職員がブログで嘆いていました。「いくつかの事務所からの被害者請求で、毎度まったく画像を添付していないケースがあります。これは、自賠責側に収集させようと意図しているのか、あるいは、費用負担を自賠責に課す目的か・・非常に困っています(略)」。被害者請求のルールはあくまで、書類収集は被害者(側の代理人)が行い、自らの責任で提出することです。明らかなルール違反ですから厳重注意です。確信犯的な事務所は懲戒ものとまで思います。

 私がより問題視していることは、画像を全く観ないで提出している仕事内容です。宣伝では「後遺障害申請は任せて!後遺障害に強い!」と言っても、事前認定に同じく、右から左へ書類を転送するだけの事務所が多いことを物語っています。弊所では、決して全件すべての画像を観ているわけではありませんが、等級認定のポイントとなる画像は必見としており、提出の際にはその画像をピックアップして打出しを添えている程です。後遺障害申請はクジではありません。申請前に障害の全体像を把握、認定等級を見極めておくべきなのです。その点、素人と言えど、軽易であっても、画像の読影力が求められます。医師面談の場でも、医師と画像を観ながら、打合せをすることが普通です。このような医療調査を経ず、書類を取りまとめて転送するだけの事務所なら、お金をかけて依頼する必要はないと言えます。    最近、画像CDの一部焼き漏らしから、自賠責から追加提出の要請を受けました。病院のミスではありますが、提出前に画像を総覧して気付くべきでした。(念のためですが)決して確信犯ではありません。2ヶ月も待たせた病院のおかげで、どうしても提出を急ぐ事情があったとはいえ、反省しています。今度はわずか1週間で追加提出を果たしました。

 ポーズだけのヘタな被害者請求はやめて、事前認定にすべき業者が少なからず存在するものと思います。審査する側の負担はもちろん、(被害者請求を選択した)依頼者への背信行為でもあると思います。  

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 これは、どの商売にも共通することと思いますが、ご依頼者が相談に訪れてきたら、まず、お話を傾聴し、信じることから受任者としての仕事を始めます。依頼を請け負うとは、相互信頼があって成立するものです。

 かつて保険販売の場面で、お客様のお話にどうも嫌な感じがして、契約を慎重に構えていました。上司に相談するも、「バカ、お客様を信頼しないでどうする!」と叱られたことがあります。至極、もっともなことです。しかし、とりわけ保険業界はそれ程単純ではありません。上司はこう続けました。「まず、信頼が基本だが、よく話を聞いて、慎重に契約判断をすることも大事だ」と。結局、契約を引き伸ばす私に見切りを付けて、そのお客様は去りました。後でわかったことですが、そのお客様は、(不自然な)保険金支払い歴が10回を越える要注意人物でした。今で言うところの、「保険支払、半端無い」保険会社が契約を拒んで当然のお客様だったのです。

 保険の営業マンは、このお客様を直ちに保険金詐欺者と断定する立場ではありません。それでも、正しい保険運営には、契約段階から未然に不当な支払を防ぐことが絶対に必要です。残念ながら、信頼してはいけない契約者、依頼者も一定数存在するのです。

 被害者救済業とはいえ、今もそのスタンスは変わらないと思います。交通事故の受任経験の少ない、若手弁護士さんなどが、依頼者を信じて受任してしまい、後に保険会社と裁判上で、(不正請求の)証拠を突きつけられて火達磨に・・少なからず聞いてきました。依頼者を信じるという、原則的な美徳を持ったこの弁護士さんを責めることはできません。しかし、迂闊に保険金詐欺の片棒を担ぐ事は、故意過失は無いにしろ、犯罪に加担することになります。その点、士業者は盲目的な受任を避けるべきで、犯罪を未然に防ぐ、助長を防ぐ、社会的役割があるように思います。

 昨年も、ある交通事故被害者さんが相談会にやってきました。相手保険会社の横暴な対応を切々と訴えています。実際、相手弁護士から債務不存在確認訴訟(「びた一文支払う言われはない!」と加害者側から逆訴訟されて・・)を打たれました。気の毒な被害者を救うべく、受任することになる寸前、「本当に助けるべき被害者なのだろうか?」私の頭を過ぎりました。・・・調べてみると、数度の保険金詐欺容疑で実刑判決を食った経歴がありました。本件事故の状況や経過も、過去の手口に類似しています。直ちに、弁護士に受任謝絶するよう伝え、事なきを得ました。

 依頼のお断りを伝えた際、その被害者さんは「今後、私は交通事故にあっても信じてもらえないのでしょうか?」と言いました。

 私はこう答えました。「そうですよ。イソップのオオカミ少年の童話を知っていますか? 人の信用を踏みにじった以上、仕方ありませんよ。 もっとも、まったく疑いのない事故状況で、それなりの大ケガをすれば別ですが。」

 実際にオオカミに食われるまで、信用の回復は難しいということです。

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 自動車保険の契約中、新しい車に買い替えた場合、納車までに車両入替・異動手続を行う必要があります。

 最近はスマホから手続きの一部が可能です。従来通り、新しい車検証の提出は必要です。もし、手続きを怠ってしまった場合、新しい車で事故があっても、原則、保障されません。しかし、手続きの猶予があり、新車の納車翌日から30日以内に手続きを行い、保険会社の承認を得れば、納車日に遡って保障が適用されます。つまり、手続きを忘れて新車に乗って事故にあっても、30日以内なら保険適用OKとなります。(以下、損保ジャパン日本興亜 契約のしおりから抜粋)

 このルールは、ほぼ各社共通です。この他にも、契約更改や年齢条件など各種変更を怠った場合でも、救済措置は用意されています。しかし、これらの措置はあくまで救済であって、保険契約のルール通り、しっかり事前に手続きをすべきです。せっかく払っている掛金を無駄にできません。経験上、保険が漏れている時に限って事故は起こるものです。  

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 交通事故被害者さまのご相談を頂く中で、もっともご回答に窮することは、被害者感情の持っていきどころです。

 車の修理費など物損の場合、被害者さんにとって、その修理費を相手から取ることで全てOKとはいきません。純粋に修理費は直接損害と呼ばれ、まともな見積もりを突きつければ、大抵の損保は支払いに応じます。しかしながら、細かいことになりますが、車の修理に出す手間や様々な書類や交渉ごとに割く時間、これらの損害・対価は法律上、認められません。また、買って間もない新車などは「修理ではなく、取り替えてくれ!」と言いたくなります。高級車となれば、「格落ち」も発生しているかもしれません。これらは間接損害と呼ばれ、これを相手保険会社に請求しても、すんなり支払いを受ける事は困難です。それこそ、裁判などで白黒をつけない限り取れないものです。もっとも、裁判でも負ければ取れません。

 つまり、自動的にすべての損害を回収することなど、そもそも無理なのです。手間暇・金銭をかけて、苦労を重ね、自ら戦わなければ実現できません。この原則をすんなり理解できるか?一般的に欧米人と日本人の意識の違いを感じるところです。とくにアメリカ人の場合、歴史やメンタリティから、他人に対する信頼は大変に薄いものです。交通事故の相手があっさり「すみません」と非を認めて、即座に賠償してくれる期待など持っていないのです。明らかに自分が悪い追突事故でさえ、加害者は「I’m sorry」とは言わないことが普通です。また、お金がなく、任意保険に加入していないかもしれません。一方の被害者も、相手の誠意と賠償資力を期待していませんから、しっかり車両保険・人身傷害保険に加入、あるいは弁護士を雇うのです。言葉さえ通じない多種多様の民族の合衆国ですから、自分が受けた被害は自助努力や戦いで回復することが身に染みているのです。

 その点、日本はほぼ単一民族、全国的に日本語が通じ法律も統一、島国ならではのご近所関係・相互扶助もあり、他人に対する信頼は世界一のレベルではないでしょうか。その証拠に、落とした財布が届く率は63%との統計があります。ちなみに他国の統計は目にしたことがありません。他国にとって、ほとんど0%のことなど数えないからだと思います。これは世界に誇るべき日本人と美徳と同時に、被害者感情に大きく作用しているのではないかと私は考えるのです。交通事故の被害にあったのだから、「(信用すべき他人が)すべて弁償してくれるはず・・これって普通でしょ!」と。

 残念ながら、こと交通事故の争いとなれば日本人の美徳は薄れます。相手保険会社はさながらアメリカ人になります。グローバルスタンダードを高圧的に押し付ける存在ですから、法律に従って決して甘くない対応となります。基本、被害者側が証拠を集めて突きつけなければ払いません。間接損害の請求など、端から拒否します。

 それでも、直接損害の支払ならかなり信頼できる存在です。また、ケガをすれば、治療費の一括払い(病院に直接、治療費支払い)など、アメリカ人のくせに、似合わないサービスをしてくれます。また、強制保険(自賠責保険)により、任意保険以前に被害者に多少の過失があっても、一定額まで100%の治療費が確保できます。ヨーロッパの福祉国家さながら、健保・労災・自賠責と、社会保障制度が確立しています。これらは、発展途上国が目標としている社会保障制度:3種の神器で、世界的にあたり前に実現しているものでありません。国民国家としての努力の賜物です。実に、世界の半分以上の国は自賠責保険がないのです。そして、任意保険の会社があっても、肝心の加入率は30%程度が普通なのです。日本は80%のようです。すると、5台に1台は無保険になりますが、80%以上は世界的に優秀な加入率なのです。これらの比較から、いかに他人から被った被害の回復は大変なことで、当たり前に助けてもらえる事ではない世界基準を知ることになります。

 落ちていた財布を拾って届ける優しく気高い精神の人が、ある日交通事故被害にあったとして、対する他人(加害者側)が決して優しくも道徳的でもないことに直面します。当然、感情的にすんなり受け入れられるものではありません。連携弁護士を含む私達はその意を汲み、できるだけ損害を回復するように働くことになります。それには、被害者さんの自助努力や費用負担も当然に必要です。そして、私達は被害者の皆様の怒りや失望を、戦いへ切り替えさせることから着手します。損害回復は当たり前のことではない、戦いであると理解することからのスタートなのです。    ちなみに、私は過去4度財布を拾い、届け出て無事に持ち主に届きましたが ・・・ 逆に、自身2度財布を落とすも、まったく届きませんでした。日本も信用できませんわ(怒)!  

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 近い将来、否、既に各分野にAI(≒人工知能)導入が進み、これは規定路線と言えます。当然、交通事故の調査・解決の場面でも活用が期待されます。

 ドライブレコーダーと連動したシステムの開発が発表されました。新聞記事から引用します。  

損保ジャパンとジェネクスト、AIでドラレコ映像を解析 責任割合を自動算出へ

 ジェネクストは8日、損害保険ジャパン日本興亜と共同で自動車事故の責任割合自動算出システムを開発すると発表した。このシステムは、自動車事故の発生時、ドライブレコーダーが撮影した映像とGPSの位置情報をもとに事故の状況をAIが分析し、自動車事故の責任割合を自動的に算出する。これによって自動車事故の原因を正確に究明するとともに、事故対応の迅速化を目指す。

 あおり運転による交通事故の報道をきっかけに、ドライブレコーダーが一気に普及した。それに伴い、自動車事故が発生したとき、ドライブレコーダーが記録した映像を事故の責任割合の算出に活用する機会が増えている。一方で、ドライブレコーダーは広角レンズを通して撮影するため、映像に歪みが生じてしまう。事故発生時の速度や車間距離など、ドライブレコーダーをもとに事故発生時の状況を解析し事故の責任割合を判定するためには、解析に必要な専門の技術と多くの時間が必要であった。

 損保ジャパン日本興亜は事故原因追及のプロセス効率化と迅速な対応を実現するため、ドライブレコーダーの映像解析サービスを主要事業とするジェネクストと共同で自動車事故の責任割合自動算定システムを開発することにした。

 ジェネクストはドライブレコーダーが撮影した映像から、速度、車間距離、位置情報を正確に取得できる特許技術を持っている。この技術をもとに、今回開発のシステムではAIが事故発生時の映像から車両の動きや道路の状況を読み取る。そして、AIが事故発生時の映像から読み取った情報と、損害保険ジャパン日本興亜がこれまで蓄積した知見をもとに、自動車事故の責任割合の判定を行う。損害保険ジャパン日本興亜は今回のシステムの開発を通じて自動車事故における責任割合判定プロセスの明確化とともに、事故解決の迅速化を目指すとしている。  <財形新聞さま より>  

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 SJNKの代理店さまは既にご存知と思いますが、ついにベールを脱いだ、今年1月改定の弁護士費用特約を特集します。

 目玉は二つです。一つは、既に他社でも採用している、自転車による被害事故などを含む、日常生活の被害事故に係る法律上の損害賠償請求を行う=「日常型」の発売と、これは業界初となる、お客さまが加害者となった場合、負担する刑事事件の弁護士費用等を補償の対象とする「刑事弁護士費用」の新設です。これは、以前から隠れたニーズと思っておりました。

 もし、交通事故で加害者となって警察に拘留された場合、自責の念や衝撃で誰もがパニック、あるいは頭が真っ白です。その上、人生初となるであろう警察の取り調べが続くのです。以後の対策はもちろん、精神的なケアが急務です。急いで弁護士を警察署に接見に向かわせる必要があります。この特約、他社さんもデフォでお願いしたいと思います。

 また、弁護士の当てのないお客様には、LAC(簡単に言うと日弁連の対保険会社機関、弁護士費用もLAC基準で縛る事ができます)経由で弁護士紹介を可能としました。保険会社が抱える協力弁護士の紹介は、現場では既に各社共に行われてきたことです。

 以下、同社案内から抜粋・加筆します。  

1.開発の背景

 現在の「弁護士費用特約」について、お客さまから「自動車事故だけではなく、自転車事故などの日常生活被害事故も対象にしてほしい」というご要望をいただいていました。また、不慮の自動車対人加害事故を起こしてしまったお客さまから「裁判所から起訴状が届いたが、どうしたらよいか」などの刑事事件に関するご相談をいただくケースがありましたが、この場合には一般的な助言を行い、詳細はお客さま自身で弁護士にご相談いただくようご案内していました。今回、このようなお客さまのご要望にお応えするため、「弁護士費用特約」の補償範囲を拡大し、また同時に弁護士をご紹介することでお客さまの負担を軽減するサービスを提供します。  

2.商品概要

・「弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型)」を新設し、日常生活被害事故および自動車対人加害事故の弁護士費用等を補償の対象に追加します。

・現在ご提供している「弁護士費用特約」を「弁護士費用特約(自動車事故限定型)」に名称変更し、自動車対人加害事故の弁護士費用等を補償の対象に追加します。

 

3.補償内容・金額

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 北方領土問題の渦中、民間企業間の提携が進んでいるようです。三井住友さんはロシアへ進出でしょうか。遠い欧米諸国の中で、もっとも近く隣接している国はロシアのみです。私もロシアに行ったことがありますが、日本から最も近いヨーロッパを実感しました。(過去記事⇒イエローサブマリン

 10年20年先は、国境など関係なく保険販売網が広がるのでしょうか・・。    

 MS&ADホールディングス傘下の三井住友海上(「同社」)は、ロシア大手損害保険会社Ingosstrakh Insurance Company(以下「インゴストラッハ社」)と戦略的提携契約を締結した。 本提携により、ロシア全域に83支店、およびCIS(※)諸国6ヵ国に拠点を有するインゴストラッハ社のネットワークを活用し、今後日露経済協力等を通じて増加が見込まれる同地域における日系企業のお客さまに、より高品質なサービスを提供していく。 三井住友海上は、今後も海外事業で培ったノウハウや戦略パートナーシップ契約等を活用し、さらなるお客さまサービスの向上に努めていく。 (※)独立国家共同体(Commonwealth of Independent ...

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