今年も高齢者さまのご依頼が続きました。体力やおケガの状態により、頻繁に通院ができないケースが多く、立証作業も困難を極めます。事務所で座っている場合ではありません。本件も現場主義をモットーする弊所の機動力が発揮されました。 これが私達の仕事です!

併合11級(12級6号:上腕骨遠位端骨折・12級相当:下腿皮膚剥奪創)(90代女性・神奈川県)

【事案】

信号のない横断歩道を歩行中、左方から来た原動機付自転車に衝突され受傷、肘を骨折したもの。その他、下肢に皮膚のはがれた痕が広範囲に残存していた。

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    今回3つのパターンを紹介しますが、⑴、⑵に依頼すると残念な結果と迷走が待っています。   (1)交通事故経験の少ない弁護士

 患者の言う事と医者の診断書を信じすぎる傾向にあり。   (2)そこそこ経験がある弁護士

 必要無い検査や画像鑑定を行い、結局は事故との因果関係を的確に立証できない傾向    (3)秋葉事務所の場合

 多くの被害者さんは悲惨な結果になってから、やっとセカンドオピニオンで秋葉事務所に来ます。「相談が遅すぎて手遅れ」と、涙で枕を濡らすこともあります。

 

肩腱板損傷の取り組み、2つの典型例と秋葉の対策

 ※「後遺障害が取れたら、またご連絡下さい」と言う弁護士は論外とします

 

(1)交通事故案件の経験少ない弁護士の場合

 診断書を見て、「腱板損傷」を最初から丸ごと信じます。「肩関節の可動域制限が1/2ですので、後遺障害は10級10号が見込めます!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

 しかし、自賠責の等級は「非該当」もしくは大サービスで「14級9号」となるはずです。そこで、腱板損傷で10級取り、3000万を超える慰謝料が貰えると、期待させた依頼者から散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、画像所見は相手損保の顧問医の意見書から否定され、負けは必至となりました。毎度お馴染みですが、裁判所の和解案にすがり、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。結局、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果(獲得額)となります。

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 シリーズを続けましょう。これも軽率に書かれる診断名です。    交通事故で肩の痛みから腕が上がらず、肩関節の可動域制限が残った被害者さんの相談を100人程度、受けてきました。その中で、無事に機能障害、もしくは神経症状が認められた被害者さんは実績ページの通りです(⇒上肢(鎖骨・肩)の等級認定実績)。    しかしながら、一方で非該当や、肩関節の可動域制限がありながら神経症状の14級9号止まりの被害者さんが多数存在するのです。私達は初回相談の段階からMRI画像を確認していますので、等級はほぼ想定通りに収まります。したがって、依頼者さまに関しては心配ありません。問題は画像所見の不明瞭な相談者さんの場合です。とくに、治療先で「事故との因果関係が不明瞭」ながらついた診断名に難儀しています。これが肩のケガの場合ですと、多くは以下の診断名になります。  

 肩腱板損傷 肩腱板断裂(不全断裂 深層断裂) 肩腱板疎部損傷 関節唇損傷 

 もちろん、これらの損傷部がMRI上、事故受傷によって起きたもので、明らかに描出されていれば問題ありません。しかし、どうも元々あった損傷か事故での損傷か、わかりづらい画像が多くを占めます。当然ですが、自賠責は事故との因果関係を検討しますので、診断名のままに認定はしません。事故の衝撃を裏付ける鎖骨や肩甲骨、上腕骨の骨折でも一緒にあれば、ある種の信憑性を持ってくれます。

 そして、なんと言っても受傷機転(どのような事故でケガをしたのか)が問われます。つまり、「その衝撃で腱板が千切れるの?」という疑問です。また、人間40年も歳を重ねれば、肩腱板、特に棘上筋に年齢変性(キズやささくれみたいなもの)が現れます。また、スポーツや仕事での酷使から変性をきたしている場合もあります。つまり、元々あった損傷(陳旧性)かもしれません。これら受傷機転と陳旧性が最初に疑われるのです。    恒例の実例解説を(名称等は架空です)。     1、ある日、前原さん(55歳)は自動車で信号待ちしているところに追突を受けました。幸い骨折もなく、頚椎捻挫で済んだようです。(その後の修理費もバンパー交換程度で20万円位でした。)その日は運転して帰宅しましたが、3日目位から肩が痛み出し、腕が挙がらないことに気付きました。 2、遅ればせながら、近所の整形外科 小池クリニックに行って、レントゲンを撮りましたが、当然、骨には異常ありません。とりあえず、湿布と痛み止めをもらって様子をみることにしました。   続きを読む »

 鎖骨の骨折で肩関節の可動域制限が残る場合は、折れた場所と癒合後の変形・転位の残存が決め手になります。

 鎖骨骨折のすべてに肩関節の可動域制限が残るわけではありません。秋葉事務所では、日夜、画像とにらめっこ、可動域制限の原因を追及・把握した上で、申請に望みます。本件もその原則を踏まえての作業でしたが・・

 またしても、医師による肩関節・可動域の計測が不正確です。信じられないと思いますが、医師の書いた診断書の半分位は、間違いや過不足があります。私は1千枚を越える診断書を見てきたと自負していますが、その経験、印象からそう思っています。恐らく自賠責調査事務所の方々も、口に出せずとも、そのように思っているはずです。    まず、原則論ですが、医療調査の基本は正しい情報の集積を達成し、診断書の内容を実状に近づける努力をするべきでしょう。しかし、あえて修正を依頼せず、間違いを承知で提出することもあります。本例はまさにその典型ではないでしょうか。不正確な可動域の計測が、大勢に影響せず、むしろ、自然な等級に導かれるなら、そのままにすることもありなのです。また、恐れずに言いますと、多少間違った診断書こそ、リアルなのです。完全無欠の診断書など、被害者に肩入れし過ぎた恣意的なものになって、かえって審査側に疑われてしまうのではないか・・何事も”過ぎたるは、なお及ばざるが如し”ではないでしょうか。

 この辺の機微を理解することが、被害者側の医療調査の醍醐味と思います。

深いなぁ・・

12級6号:鎖骨遠位端骨折(40代男性・東京都)

【事案】

自転車搭乗中、前方から直進してきた自動車に衝突され受傷。直後から肩の痛みに悩まされる。

【問題点】

相談に来られた時には、既に後遺障害診断書も記載済みであった。また、可動域制限が残存していたが、癒合状態も良好で傷病名と可動域の因果関係やMRI検査、3DCT等必要な検査を行っていなかった。医師の判断で、5ヶ月もの間プレート固定をしていたため、毎日のようにリハビリに励んでいたが、拘縮によって可動域制限が起きてしまったようである。

【立証ポイント】

すぐに病院同行し、MRIと3DCT検査の依頼に伺う。症状固定後の検査依頼であったため、怪訝な様子ではあったが、大きな病院なので即日3DCT検査、後日MRI検査も実施していただいた。やはり、3DCTやMRI検査でも可動域制限が起こりうるような有力な所見は得られなかった。後遺障害診断書上の健側の可動域の数値が不可解であったが、修正をしてしまうと10級の数値になってしまうため、あえて間違えのまま12級の数値で申請を行った。弊所は疼痛での14級9号を予想していたが、予想を超えた「可動域制限での等級」が認定された。健側の数値を正常値に修正していたら・・つまり、半分しか腕が上がらない(10級)症状で申請したら、自賠責・調査事務所の怒りを買って「非該当」の結果もあり得たのではないか?

上肢の機能障害

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 灰谷先生、大事無かったようですね。自殺未遂とまではいかないまでも、相当、精神的にまいっているようでしたけど。    冒頭、クラビクルバンドを装着して登場しました。 「それ、内側に着けるの!」と言われたシーンです。

  アマゾンでも、3000円位で買えます。

 クラビクルバンドとは・・・鎖骨骨折後、骨癒合まで胸を張るように姿勢を保持する必要があります。そのため、変形や転位を防ぐ(ほっておくと鎖骨の多くは上に出っ張る)ための固定具です。

 灰谷先生は鎖骨骨折で済んだのですね。すぐに仕事していた様子から、亀裂骨折(ひびが入った)程度かもしれません。軽傷でよかった・・雰囲気です。鎖骨骨折はちゃんとくっつきさえすれば、深刻な障害を残さないからでしょうか。手術の選択は、粉砕骨折などで保存療法では正常な癒合が望めないケースです。もしくは、癒合に長期間が見込まれるケースです。肩鎖靱帯・鳥口肩鎖靱帯の断裂を伴えば、折れた鎖骨が上に飛び上がったままになりますので、プレートやワイヤーでの固定術は必至となります。仮に、わずかな変形や転位が残っても、あえて手術で整復しません。鎖骨は肩関節の安定的な可動を助ける役目ですが、ある意味、鎖骨下の上腕神経などの内部組織を守ってくれるバンパーに思えます。 続きを読む »

 関節の機能障害で等級が認定される場合、関節の可動域制限を計測した数値で等級が決まるわけではありません。    これは、事務所開設以来、ずっと言い続けています。自賠責は、”曲がらなくなった理由”を画像から求めているからです。まず、① 骨折時の折れ方、② 手術適用の有無と術式、そして、③ 症状固定時の癒合状態です。これら、経過的に画像を確認、可動域制限の理由に納得した上で等級を決めます。この時点で等級は想定されているのです。物理的に可動域を阻害するような変形や転位、関節面の不整もなく、きれいに癒合を果たしていれば、曲がらない理由がなくなります。神経麻痺で曲がらないなどの例外はありますが、痛くて曲がらない程度は理由として弱くなります。

 最後に後遺障害診断書の計測値から、その想定された等級に合致する数値であるかを確認します。ここで、「そんなに曲がりが悪くなるわけはない!」と判断されれば、等級は否定されます。つまり、可動域制限の等級認定も画像次第です。可動域の計測は患者自らの意志で演技ができるからでしょうか・・その懸念が常に自賠責の頭にあるのかもしれません。

 さらに、可動域の計測値はある意味、いい加減です。患者のその時の調子や測定者に左右されます。例えば、関節を曲げるリハビリを十分に実施した後の計測か、冬の寒い時期にいきなり計測したか・・当然に差が出ます。また、測定者が日本整形外科学会の測定法を熟知しているか否かで数値が違ってきます。自己流の計測をする医師を何人もみてきました。理学療法士さんはさすがに専門なので、方法は確かですが、測定者の力加減に差がでます。他動値(測定者が手を添えて計測)の計測で、まるで親の敵のように強く曲げたのか、痛感点で止めたのか・・やはり、測定者によって誤差が生じます。  これらの問題をはらんでいる以上、やはり、画像が確かな証拠となるのでしょう。  本件は、医師の思惑とは別に、佐藤が画像の確保と所見の強調を提出までこだわり続けました。   画像にこだわる毎日です!

12級6号:橈骨遠位端骨折(30代男性・東京都)

【事案】

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 本件のポイントは刺青ではありません(医師がMRIを嫌がりますが)。キーワードは左右差です。

 鎖骨骨折・脱臼により、変形障害を追う場合、最もシンプルな方法は左右比較です。これは鎖骨に限らず、後遺障害立証の多くの場面で有効な手段となります。人体は原則、左右対称ですから、ケガをしていない方と一緒に写しこめばいいのです。しかしながら、医師はケガをした方しか画像を撮りません。ケガをしていない方など治療に関係ないので、撮る必要がないのです。しかし、治療上ではそうでも、賠償請求上では必要な画像なのです! これは、レントゲンやCTだけではなく、外見の写真でも当然に留意します。後遺障害の基準が「裸体で確認できる程度」とあるからです。    もう一つのポイントは、医師により、後遺症の評価が違うということです。執刀医は自らの手術の結果、「障害が残った」など認めたくないものです。確かに、鎖骨に多少の変形が残っても、一般の人は「重い障害が残った」などと認識しません。日常生活への影響が低ければ、当然に医師の評価も分かれます。本件は、山本が手術先とリハビリ先、それぞれの病院に同行し、”変形の評価について、執刀医とリハビリ医の認識が違っている”ことを掴んだ事から道が開けました。

事務所に座っていては立証できません!

12級5号:肩鎖関節脱臼(30代男性・千葉県)

【事案】

オートバイで交差点を直進中、対向車線から右折侵入してきた自動車に衝突し、受傷する。肩鎖関節脱臼、腰椎横突起骨折しており、腰痛、肩部痛に悩まされる。

【問題点】

肩鎖関節脱臼については手術を実施した。退院後、手術で使用した金具(アンカー)が外れ、外貌が変化し、左右の肩の外貌に差が生じた。外貌上、ピアノキーサインが出ているように見えたが、執刀した医師はピアノキーサインを否定していた。

また、本件では両肩に芸術的な刺青があった。以前、同じような怪我と後遺症が残存し、かつ同じように両肩に芸術的な入れ墨があった依頼者がおりました。その時は申請から1ヶ月も経たないうちに非該当となり、2度目の申請で等級を認定してもらいましたが・・。

【立証ポイント】

手術をした病院の医師の他に、リハビリ先で別の病院にも通っており、その医師に肩の外貌について確認をした。ここでは、レントゲン撮影時に左右の肩を確認できるように(怪我していない肩と比較できるように)撮影、鎖骨変形を把握しておられたので、後遺障害診断書はこの医師にお願いした。

被害者請求時には外貌の写真を、ケガをしていない肩と比較できるように作成、堂々と刺青を写し込んだ上で提出した。日本では刺青に対して、外国よりも偏見を持つ人が多く感じる。自賠責調査事務所の担当者が偏見から審査に影響を出すということはないが、悪いイメージは払拭できない。それでも、立証は画像所見を中心にしっかり組み立てる基本は変わらない。

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鎖骨の変形障害について   ③ 外見上、健側(怪我していない肩)と比べて、左右差が出ているかどうかについて    鎖骨を骨折した後や脱臼した後、骨そのものの変形や脱臼で肩が変形してしまうなどして、外見上(裸体になったとき)、鎖骨の先端が飛び出てしまう場合があります。脱臼後の突出の場合、とくにピアノキー・サインといいます。相談会等で本人に会う場合、可能であれば、両肩が見えるように服をずらして頂くことがあります。症状固定時に、変形による突出や、ピアノキー・サインが認められている場合、後遺障害診断書上、体幹骨の変形について記載して頂く必要があります。

 また、等級が認定されるためには、外見上、変形が認められたとしても、画像上で変形が生じていることを確認する必要があります。この場合の撮影方法としては、画像上でも健側と比較できるように両肩を1枚のレントゲンで確認できるように撮影して頂く必要があります。

 医師によっては、自賠責保険に詳しくない医師の場合、左右比較できるように撮影しないで患側(怪我をしている肩)のみで判断することがありますが、他方で、肩の左右差については、もともと差がある人もいますので、事故によって外見が変化したことをしっかり確認したうえで治療をする医師もおりました。後者のような医師に巡り合えれば幸運ですが、もしそのような医師でなかった場合、症状固定時にもう1度撮影して頂くことをお勧めします。これで、変形が認められれば、12級5号が認定されます。

 しかし、ここで注意点があります。等級が認定されても、モデル等、外形で仕事をしているわけではない場合、収入が減るわけではないから逸失利益を否定する主張を保険会社はしてくることがあります。変形以外に症状がないのであればやむを得ませんが、もし肩の痛みが残存しているのであれば、自覚症状として、後遺障害診断書にまとめて頂いてください。自賠責調査事務所は、この症状も後遺障害(12級13号の神経症状)として認めると、12級5号に含めて評価します。

 当たり前のことかもしれませんが、この自覚症状を記入して頂けなかっただけで、その後の弁護士さんや交通事故被害者さんの請求できる金額に差が出てしまうことになりますので、ご注意ください。

 まとめますと、鎖骨の怪我で外見上、画像上で肩が変形していることが確認できて、かつ痛みなどの症状も併せて後遺障害診断書にまとめて頂き、元々、左右差がある場合は、両肩を撮影したレントゲン画像を提出する必要があります。  

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鎖骨の認定が続きました    交通事故で、特にバイクで事故に遭われた場合、鎖骨を脱臼したり、骨折したりします。相談会で実際に相談者にお会いする場合、鎖骨の怪我で、主に確認することは以下の3点があげられます。   ① 痛みが残存しているかどうか

② 骨折箇所と骨折内容について

③ 外観上、健側(怪我していない肩)と比べて、左右差が出ているかどうか    ① 痛みが残存しているかどうかについて・・・症状固定時に疼痛が残存していれば、骨折した部分の癒合状態にもよりますが、大きく分けますと、きれいに癒合していれば14級9号が、癒合不良や癒合しても変形、骨片の残存等で痛みの原因が明白であれば12級13号が、認定の対象となります。

 ② 骨折箇所と骨折内容について・・・上記した通り、疼痛の原因が画像上明白かどうかを確認します。また、骨折の場合、骨折箇所が鎖骨のどのあたりなのかも確認します。なぜなら、鎖骨の外側(肩に近い方が遠位端、首に近い方が近位端)の骨折の場合、癒合してもわずか数ミリのズレで関節に可動域制限が生じる可能性があるからです。

 鎖骨骨折後の肩関節の可動域制限については、とくに外転運動(腕を下げた状態から腕を横→上に上げていく運動)に影響がでる傾向です。等級については以下の数値となります。

部位 主要運動 参考運動 肩関節 屈曲 外転 内転 合計 伸展 外旋 内旋 正常値

180 °

180 °

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 歩行者が加害者になることもあります。    急に飛び出してきた歩行者を避けるために、バイクが転倒・受傷するケースが少なくありません。もちろん、交通弱者(歩行者)保護の原則がありますので、バイクや自動車は常に歩行者の動向に注意する義務があり、道路交通法にも定められています。

 それでも、過去数件、明らかに歩行者に大きな責任がある事故を経験しています。例えば、酔っ払った歩行者が幹線道路のガードレールを乗り越えて横断、自動車と衝突したケース。信号無視で交差点を横断しようとした歩行者と自動車の衝突。また、明らかに自殺目的で道路に飛び出した歩行者のケース。この場合、自動車に前方不注意の過失はありますが、常識的に考えても歩行者に大きな過失が指摘されるでしょう。 

 本件は過失割合の争いになるべきですが、非接触事故かつ、バイク側のみのケガともなれば、周囲は「バイクの自爆事故」の流れに・・。事実、バイクの任意保険も契約者に自損事故特約(自爆事故の場合にでる保険)の請求書を送る始末・・。そんな解決には「待った!」をかけます。

歩行者の責任も問うべきと思います  

個人賠12級5号:肩鎖関節脱臼(60代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで走行中、歩行者が歩道から横断の為に急に飛び出し、衝突を回避するためにフルブレーキをかけて転倒、肩を受傷したもの。診断名は肩鎖関節の脱臼。

【問題点】

相談時には既に受傷から2年が経過しており、治療も終了していた。鎖骨の脱臼は外見上に明らかなピアノキーサインが残っていた。後遺障害申請を行いたいが、この時点では自損事故特約への請求しか選択肢がなかった。つまり、被害者バイクが自ら転倒しただけの自爆事故扱いとされていた。 続きを読む »

 相手に自賠責なくとも対応は変わりません。これがこのシリーズの決め言葉でしょうか。

 本件はTFCC損傷+突き上げ症候群のケースで、同症状で何度も自賠責や労災に障害申請してきた経験の応用に過ぎません。自信を持って対応、連携弁護士と完全解決へまっしぐらです。

 国内事務所で最もTFCC損傷に取り組んでいるかも?です  

個人賠14級9号:TFCC損傷(50代女性・静岡県)

【事案】

T字路で自転車同士自転車の出会い頭衝突。両手関節を痛め、特に右手関節は尺骨突き上げ症候群となった。下図青丸の部分が小指側の手関節部にある「三角線維軟骨複合体」を突き上げて激痛が起きるのです。前腕~手関節の骨折で発症し、これもTFCC損傷の原因と言えます。この場合、手術で尺骨を骨切りして短縮し、突き上げを抑えることになります。

問題点】

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 秋葉事務所の特徴は、なんと言っても「後遺障害に特化した専門事務所」です。

 それは、自賠責保険の後遺障害に限ったことではありません。労災への後遺障害申請は毎度のこと、そして、保険金を回収するためには自身加入の諸保険・共済、人身傷害へ審査を求めます。これは業界用語で「自社認定」と言います。また、相手になんらか賠償保険の加入があれば、その保険会社に障害審査・保険請求を敢行します。

 加害者が自転車や歩行者の場合は、多くのケースで個人賠償責任保険がその対象となります。また、相手が企業であれば、施設賠償、請負賠償、生産物賠償・・会社加入の賠償保険を探すことになります。

 これら、いくつかの好取組が重なったので、シリーズで紹介したいと思います。    おさらい ⇒ 個人賠償責任保険をあらためて解説    保険に精通した事務所ならではの解決方法をご披露しましょう!  

個人賠12級5号:鎖骨骨折(20代男性・東京都)

【事案】

バイクで直進中、交差点で信号無視の自転車を回避して、転倒したもの。肋骨骨折と左鎖骨を折り、鎖骨は粉砕骨折のため、プレート固定とした。自らの国民健康保険を使って治療にあたる。

【問題点】

どの相談先でも「相手は自転車ですか・・・」と一様にトーンダウン。自転車のため、任意保険や自賠責保険は無く、確かに相手の対応は限られる。幸い、加害者の同居者に個人賠償責任保険の加入があり、賠償のあては確保できた。問題は後遺障害の認定と賠償交渉である。

【立証ポイント】

私達の対応は普通の自動車事故と変わりません。病院同行の末、鎖骨の変形で12級5号、肩関節の可動域制限12級6号を明らかにする診断書を完成させた。続いて、相手の個人賠償責任保険に診断書を提出、自社認定に付す。

相手からの回答は、変形のみの認定で12級5号となった。確かに肩関節の可動域は回復傾向、ここは変形障害のみで了承する。現在、連携弁護士の賠償交渉によって、赤本満額の賠償金に引き上げ中である。  

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 関節部の骨折は何かと障害が残るものです。本件はめずらしく、肘(尺骨近位端)の骨折です。

 肘頭骨折は、骨折部が尺骨に付着した靱帯に引っ張られるので骨癒合し辛く、手術必至の部位です。術式ですが、針金(キルシュナー鋼線、Kワイヤーとも言います)を使って骨折部を巻いて固定します。完全癒合には時間がかかり、必然的にリハビリ期間も長く取れます。結果として、機能障害は取り辛い印象を持っています。変形や可動域制限を残さずに治すことが基本ですが、せめて14級はおさえたいところです。    

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 人体は原則、左右対称となっており、極端な左右差がないものです。しかし、生まれつきや、利き手の影響、スポーツ歴から上肢の長さ、太さに左右差があることも普通です。本件は、肩関節に元々左右差があり、右肩関節の肩峰の位置が左肩より明らかに高いのです。そこに、肩鎖関節の脱臼で鎖骨の突出が残ったのですが、元々の左右差から目立たないのです。

 元々の人体の特徴と切り分ける作業となりましたが、自賠責に無事に伝わったようです。障害立証も一辺倒の作業では済みません。普通に写真を提出しただけでは認定は難しかったでしょう。    秋葉事務所は目下、鎖骨のケガの全件に障害認定を達成しています。本件も佐藤の活躍で、連勝記録を更新することができました。 鎖骨の障害は100%認定を更新中!

12級5号:肩鎖関節脱臼(30代男性・千葉県)

 【事案】

バイクに搭乗中、左車線を走行していた車の急な進路変更により、バランスを崩し転倒した。直後から全身の痛みに悩まされる。

【問題点】

外見上に軽度のピアノキーサインがあったが、現主治医は気にも留めていなかったよう。また、元々肩峰の高さに左右差があり、この先天性の左右差が、本件事故の鎖骨の突出よりも目立っていた。 続きを読む »

 未投稿であった上半期の認定例を紹介します。バラエティに富んだ部位が目白押しです。

 閲覧者の皆様のご参考になれば幸いですが、参考に留まらず、お声がけ下されば全力でサポートします。早期の相談だけでもお願いします。

山本、東京=大阪を往復、両手首の立証に成功!  

併合9級:右橈骨遠位端骨折10級10号・左有鈎骨骨折12級6号(40代男性・東京都)

【事案】

オートバイ走行中、交差点で対抗右折自動車と衝突、その衝撃で道路左側に逸脱、転倒したもの。直後から、両手首、左膝、右足首、臀部に強烈な痛みが生じる。

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20141203_2上肢でも二の腕以下の後遺障害は比較的、少数になります。しかしながら、秋葉事務所では数多くのご依頼を頂いております。

特にTFCC損傷は色々な異議申立の成功例があります。逆に認定を逃している被害者さんは、手首に骨折が無く、受傷しばらくしてから診断名が下ったケースです。それ以外では、受傷時に相応の衝撃を受けたのか疑問が残る場合でしょうか。単にMRIで所見がみられただけでTFCC損傷とは早計です。既往症の可能性があるからです。専門医の総合的な診断と、何より、受傷直後から激痛の訴えがなければ不自然です。「後にTFCC損傷が判明した・・」では説得力がないのです。

それでもTFCC損傷はじめ、腕~指の障害は見逃されがちと言えます。実績例からわかるように、再申請での認定には本当に苦労しています。早めの相談をお願いします。  

 

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joretsu0401-300x234上肢でも二の腕以下の後遺障害は比較的、少数になります。しかしながら、秋葉事務所では数多くのご依頼を頂いております。

特にTFCC損傷は色々な認定例があり、その認定にも軽重の差があることがうかがわれます。その他、医師が見落とした骨折後の変形や偽関節の発見から、等級認定を導いた例もあります。被害者の皆様は是非とも自身のケガに対して、類似例をご参考になさって下さい。

また、上肢の傷病名は以下の通り、英語が多いように思います。他にもコーレス骨折、ガレアッジ骨折などがあり、実績に加わることを待っています。  

    

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山本さんイラストsjシリーズを続けます   ⑥ 関節面に異物が入ってしまった場合

 交通事故で関節を脱臼する方もいらっしゃいます。しかし、それだけではなく、脱臼と同時に骨折する方も中にはいらっしゃいます。診断名には脱臼骨折と記載されています。脱臼骨折の場合も治療方法は、基本的には脱臼や骨折と同様、関節をはめて(整復)、骨の癒合を目指すことになります。  

<脱臼の整復~肘関節の場合>   ①           ②           ③ IMG11続きを読む »

 指が切断されたのであれば、特に後遺障害の立証作業は必要ないでしょう。

 しかし、機能障害(曲がりが悪くなったケース)では、その可動域の正しい計測だけではなく、なぜ曲がりが悪くなったのかを証明しなければなりません。しかし、自動的に証明されるのでしょうか。医師に診断書の記載を促し、検査を任せればいい?・・それは、無理です。診断書はたいていおざなり、まして、障害の立証のための検査など医師の仕事ではないからです。医師は治療の終わった患者に対して、関わっている時間も情熱も無いことが普通です。

 それでは、誰が助けてくれるのか? 残念ながら、本件の弁護士先生はできませんでした。交通事故外傷はそれだけ奥が深い、専門分野といえるのです。 山本さんイラストsj本件は山本の仕事 「指はお任せ下さい!」

非該当⇒10級7号:母指基節骨粉砕骨折 異議申立(40代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を直進のところ、右方よりの自動車と出会いがしら衝突。衝突により、母指基節骨、膝蓋骨、肋骨をそれぞれ骨折した。このうち、母指基節骨については粉砕骨折であった。

【問題点】

症状固定時期には母指、膝の各箇所に痛みが残存し、かつ、母指のIP関節(指節間関節)に可動域制限が残存した。前任弁護士が後遺障害の申請をするも非該当であった。IP関節の機能障害の立証・・経験のない先生では限界か。前任弁護士を解任した上で受任した。なお、異議申立をする頃には、膝の痛みは軽減していた。

【立証ポイント】

相談会で母指の基節骨をCTで確認したところ、関節面の不整を確認した。後遺障害診断書にもその旨の記載及び、それによる可動域制限についても記載があるにもかかわらず、可動域の数値が2分の1以下になっていなかった。日本整形外科学会の計測方法でもう一度計測を主治医に依頼したところ、2分の1以下の数値を計測した。ここまでは基本作業である。 続きを読む »

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