一年は1月から始まりますが、新入学、新学期など4月スタートの刷り込みでしょうか、春から一年が始まる感覚も捨てがたいところがあります。  日々の業務に追われて新しいアイデアを練る、新機軸を打ち出すことができないジレンマの毎日ですが、病院へ行き先生方とお会いし、相談会害で相談者さんたちと向き合うことが一番の基本業務であることは間違いありません。しかし如何せん体が足りない!!

 新年度からは被害者救済の志を持ったメディカルコーディネーターを発掘、育成することも急務です。そしてなんと言っても弁護士先生の力がまだまだ必要です。弁護士の代理交渉を前進させて被害者救済事業と発展させねば、あまねく被害者を救うことができません。この業界に参入している者がそれぞれの都合、スタンスでバラバラに動いていては、いつまでたっても保険会社主導の交通事故業界は変わりません。それだけ保険会社の浸透は深く強固です。

 交通事故賠償における保険会社の功罪の2面性、良い面は加害者対被害者の紛争化の拡大を防ぎ、一定の社会秩序をもたらしていることです。悪い面は裁判判例の賠償基準に比べ、著しく低額の支払い基準がまかり通っていることです。大多数の小損害事故に対して、穏便な解決が図れていることは重要な社会的寄与と思います。反面、後遺障害を伴う深刻な被害者の多くは半分程度の賠償金額で泣き寝入りの状態です。これに対し行政指導はなく、法律業界からの苦言も効果がありません。それは保険会社が一民間企業で営利会社であるからです。この構造はそう変わものではありません。資本主義社会において、保険会社だけに被害者救済の公共性を強く求めることに限界があります。だからこそ被害者側に立つ業者も、草の根からコツコツ努力を積み重ねなければなりません。

 目の前の一被害者を救うことも、交通事故業界全体の大きな視点に立って考え行動することも、結局は目標が一緒です。それをどのようにバランスの良い両輪システムとするか?これが新年度の課題と思っております。話が大上段かつ抽象的で短い文面では説明しきれませんが、これを新年度の抱負としたいと思います。

 まずは・・・本日、健康診断に行ってきます。健康第一!

 都内のさくらは散り始めています

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 骨折や靭帯損傷など目に見える「器質的損傷」がない、あるいは微妙なケース、筋電図や検査数値で異常が検出されないもの、これらは他覚的症状がないものとして後遺障害は認められません。しかしながら治療状況、症状の推移から、一定の障害があると推測できるものには14級9号認定の救済(?)が果たされます。

 自賠責の認定基準は以下の労災の認定基準に準じています。

 そして「局部の神経症状」について、以下のように労災の認定基準が定められてます。

14級9号 局部に神経症状を残すもの 労働には通常差し支えないが、医学的に説明可能な神経系統又は精神の障害を残す所見があるもの。医学的に証明されないものであっても、受傷時の態様や治療の経過からその訴えが一応説明つくものであり、賠償性神経症や故意に誇張された訴えではないと判断されるもの。 医学的に証明しうる精神神経学的症状は明らかではないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるもの。 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 労働には差し支えないが、医学的に証明できる神経症状をいう。 知覚障害、局部のしびれ感、麻痺があるとき、それがレントゲン写真・CT写真・脳波検査・脳血管写・気脳写・筋電図等の検査によって証明される場合。

   自賠責は下線部に書かれているように、受傷機転、治療経過から説明可能な症状であり、単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されれば、14級9号が認定されます。この解釈に多くのむち打ち被害者は救われています。しかし、治療期間において任意保険会社に詐欺まがい・非常識な請求をした、担当者と大喧嘩した、精神病的な症状となり治療が長引いた・・これらの被害者は、「説明できる・推定される障害」とされない可能性が高まります。自賠責調査事務所はそのような情報を調査権限に基づいてキャッチするからです。

 もちろん詐病者や大げさな症状を訴える被害者を排除することは良いことですが、逆を言えば審査する担当者によっていかようにも判断できる危険性をはらんでいます。

 14級9号が認定されるであろう被害者、認定が危ない被害者について、事前に受傷からの治療状況を聞けば、私たちはほぼ予想がつきます。対して、JA共済の判断にはびっくりさせられることが多いように思います。自賠責共済ではなく、自賠責保険なら、認定は「損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所」で行います。

 しかし、JA自賠責共済は、各都道府県のJA共済連にて独自に審査を行います。

 自賠責保険の調査事務所は一応、第三者機関ゆえ、公平中立である? という議論は別として、JAは単なる身内審査ではないか! 農協の職員に高度な医学的判断ができるのか! このような批判も挙がって良いと思います。    共済連の審査が独自と言っても根拠法は自賠法であり、その認定基準は同じく労災に準じています。しかし、どうも判断の自由幅が自賠責保険調査事務所より広く感じます。普通に14級9号が推測→認定される案件も、なぜかばっさり非該当とされることが多いように思います。また、どう考えても自賠責の基準上、間違っている判断も目にしました。

 JAは任意保険でも他損保と一線を置いた対応を見せます。損保は良くも悪くも横並び意識が強いので、対応・判断が読みやすいのですが・・・。

 やはり、JAの身内審査は不公平であり、何故、そのようなことが許されているのか疑問を感じています。       ★ 本記事は2013.3月投稿です。   現在、JAの後遺障害審査は自賠責保険・調査事務所へ委託されました(喜!)   詳しくは ⇒ 朗報! ついにJAが自賠責審査をやめる!  

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 長野県の小諸を拠点に、上田、佐久の病院へ被害者同行です。長野県では高次脳機能障害の検査が可能な病院を2か所把握しております。病院の検査体制の確認や医師の協力を乞うためには、ドクターとの面談が「いろはのい」です。また先月の相談会では時間の関係から十分にお話を聞けなかった被害者さん、ご家族と病院内のレストランでじっくり打ち合わせをしてきました。

 この地方も県内有数の温泉地です。駅前のビジネスホテルでは興ざめ、しっかり宿を選びました。

       島崎 藤村ゆかりの中棚荘             ヤギの小次郎がお出迎え

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 私は弁護士事務所の受任率に注目しています。とりわけ後遺障害案件の受任率を注視します。

 交通事故で大きな収益を上げている事務所は後遺障害案件の受任率が高い。このような事務所は事故相談の場面でも被害者さんが即断、契約します。つまり「等級が取れてからまた来て」などとせず、しっかり初期対応ができる上、後遺障害等級を獲得する実力が評価されたからです。

 実力のある事務所は物損のみの事故、加害者側の依頼は極力引き受けません。やはり後遺障害案件が中心です。重篤な被害者の救済を第一に考えていることもありますが、後遺障害を伴う被害者は賠償金額が大きく、弁護士の収益も大きいからです。弁護士にかかる費用を考慮すれば、軽い損害の事故は保険会社に任せるべきで、代理人を用いるべき仕事ではないと言えます。

  交通事故に特化し、多くの被害者を救い、結果として大きな収益を上げるには、後遺障害の獲得にかかっていると思います。交通事故の支払保険金額の85%が後遺障害の損害額なのです。交通事故に真剣に取り組むのであれば、答えは明快です。「後遺障害等級獲得に強い」事務所になることです。そのためにも「受傷直後から受任」しければなりません。一人で保険会社と対峙する被害者は正しい誘導を失い、等級を取りそびれることが多くなるからです。

 後遺障害が見込まれる被害者であれば、病院同行、医師面談、検査誘致が重要な作業となります。この場面こそメディカルコーディネーター(MC)の仕事が必要とされます。弁護士事務所内、もしくは外部でMCが活躍すれば、飛躍的に後遺障害案件の受任率は伸びます。これは昨年の連携先事務所の数字で如実に表れています。

 「すべて着手金無料」、「画一的な報酬設定」では後遺障害を獲れる事務所にはなりません。また学習を積んだ被害者にも見透かされます。

 過払い利息金返還請求、いわゆるクレサラ業務で大きな収益を上げた弁護士事務所は、次の分野として交通事故に注目しています。しかしクレサラ方式で参入できるほど、交通事故は甘くありません。合理性で臨んでも長続きしません。後遺障害獲得能力を磨かないため、いつまでたっても軽傷ばかり受任し続け、宣伝費ばかりが増大していきます。  そして保険会社はとても手強い相手です。東京海上や損保ジャパンは武富士やアコムではないのです。決して潰れませんし、何があっても保険会社はしっかり利益を得ていきます。対して重篤な案件が少ないため、めったに訴訟をしない弁護士は交渉能力が伸びません。実力がないから重傷被害者は来なくなる悪循環。結果として撤退は目に見えています。    

 交通事故業務は被害者救済事業であると認識していただければ、おのずと道は定まるはずです。私たちも本気で交通事故に取り組む事務所、志のある弁護士との連携を求めています。私たちMCは初期対応と後遺障害認定、この分野で汗をかく準備ができています。そのシステムが長じれば「被害者側の交通事故サービスセンター」が形成されるはずです。サービスセンターとは保険会社の事故処理部門の呼称です。この加害者側のセンターばかりではなく、潜在的に被害者側にもセンターが求められています。受傷直後から被害者を解決まで担当する体制・・これを弁護士が担わなければ、誰が担うのでしょうか?

 日本全国の弁護士事務所に、とりわけ交通事故に取り組む弁護士先生にこのシリーズの主張を強く訴えていきたいと思います。そのために今夏を目標に『交通事故・初期対応マニュアル』の執筆を予定しています。まずは被害者救済業務の技術、ノウハウを全国的に披露しなければなりません。

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 前日よりつづきます。    弁護士事務所にとって「交通事故被害者の初期対応」を困難にしているもの・・・

 それはズバり報酬体系です。

 いくつかの弁護士事務所のHPをみてみました。それぞれの細かな違い、料金の多寡はスルーしますが、おおまかに二つのタイプに分かれることに気づきました。

1、着手金なし+成功報酬10%+20万円 

 これは大手事務所に多いパターンです。着手金無料をうたって集客力強化を図っていますが、最後に20万が加算されるので、正確に言えば「着手金後払い」と思います。この構図は某大手法人事務所が業界に先駆けて打ち出した「着手金無料」攻勢に他事務所が引きづられて、どこの事務所も「着手金あり」ができなくなってしまった状態です。また、依頼者側に弁護士費用特約がついていれば、別体系の報酬規程になります。多くは旧日弁連の報酬基準に準じています。このダブルスタンダードは今回の着目点ではありません。指摘したいのは受任時期です。    この報酬基準はどの段階から依頼しても同じ料金となります。例えば、後遺障害の被害者請求から弁護士に依頼し、その後の賠償交渉まですべて面倒を見てほしい被害者も、既に後遺障害等級を相手保険会社の事前認定にて、認定されてから代理交渉を依頼する被害者も同じ料金となります。前者と後者では作業量も違ってきますし、等級認定の成否も大きく弁護士の力に関わってくるはず・・・なのにです。    受傷直後に相談に来た被害者、賠償交渉ができる状態まで等級などが整っている相談者、どちらも同じ料金なら、「等級がとれてから来てくださいね」となるのが人情です。同じ報酬なら仕事量が少ない方がいいに決まっています。まして着手金が無料ですので、等級が認定されるかどうかわからない受傷直後の被害者を受任するのはリスキーだと考えます。    多くの事務所がこの「着手金無料」+「画一的な報酬体系」のおかげで、「事故直後から受任します」とアピールできません。頼りない印象を持った相談者は戻ってはきません。当然、受任率も低迷します。

2、等級認定前、等級認定後で違う報酬体系をもつ事務所

 この事務所は仮に1の「着手金なし+10%+20万」を掲げつつも、受任時期を等級認定「前」、「後」と分けて報酬設定をしています。つまり等級認定までの作業に対する費用は当然に発生するものと考えている事務所です。等級認定の手間、難しさを理解していますので、この作業を別料金としてオプションメニューにしている事務所さえあります。これらの事務所は自信を持って、「受傷直後から相談に来てください!」と呼びかけています。この言葉の真贋、嘘か真かは事務所の利益面からも裏付けられているのです。

 細かな報酬設定は煩雑に見えますが、被害者にとって初期から助けてもらえ、等級認定にも尽力してくれるなら、十分に納得できるものです。例として、弁護士費用特約がない被害者であっても、等級認定の重要性に理解が及べば、お財布から着手金をさっと出します。それくらい被害者は必死になって助けを求めており、それにかなう事務所を見つけたら迷いはありません。

連携を阻むもの

 1の弁護士事務所に連携を呼びかけるとどうなるか・・・私が「初期対応、特に等級認定は私達、行政書士、メディカルコーディネーター(MC)がやります」とアプローチしても、「秋葉さん、それは助かるけど・・・でも秋葉さんにその分の報酬を払ったら、うちの報酬が減っちゃうよ」と消極的になってしまいます。その分の仕事について、事務所の報酬規程では余分に報酬はいただけない、このような自縄自縛に陥っているのです。さらに事務所内の弁護士、事務員も「初期対応や等級認定は自分たちでできる!」と息巻きます。しかし実態は昨日書いたように「初期対応をやっているつもり」、「被害者請求すらせず」の事務所が多いのです。なぜなら繰り返しますが、同じ報酬なら、なるべく事務が少ない方がいいからです。

 では「報酬規定を改定し、別料金を設定すれば?」これに対しては競争力低下を心配してか、初期対応・等級認定の重要性に気づいていないか、私達MCの仕事の評価が低いのか・・・このような理由から踏み切れません。

 対して2の事務所は渡りに船とばかりに連携が進みます。初期対応をMCに預けることで、受任率は40%を超えます。さらに進化した事務所では事務所内においても初期対応、等級認定に力を入れつつ、等級が見込まれるか否か判別がつかないもの、難事案、とくに病院同行や特殊な検査が必要な案件は私(MC)に任せるなど、案件ごとに使い分けを行っています。

 被害者もこのような事務所に集まってきます。「受傷直後からの受任」に偽りはなく、報酬が高くなろうと、それに見合った仕事をしてくれる上、獲得した等級により最終的に受け取る賠償金も増大するケースが多いのです。結果として顧客の満足度は非常に高いものになります。何故なら初期のフォローから等級認定まで尽力してくれた弁護士の姿・仕事が「見えて」いるからです。多くの事務所は受任したのち、(見えないところで)「保険会社と交渉し、まとまりました」との連絡のみが返ってきます。・・・結果として頼んでよかったのか、わからない状態で解決します。     弁護士費用特約がある被害者であれば、迷わず2の事務所を選びます。そしてMC側=秋葉もこの連携によって報酬がしっかり頂けますので、どんどんこの事務所に案件を紹介します。逆に「秋葉さんに報酬を払ったらうちの報酬が減っちゃうよ~」と心配している事務所に案件は紹介しづらくなります。

 結論。すべて「着手金無料」は現実的ではない。「画一的な報酬体系」では被害者を救いきれない。これを理解し一歩踏み出さねば、連携はもちろん、交通事故に特化した弁護士事務所へ脱皮できないのです。  

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「受傷直後から受け付けます!」

法律事務所が「初期対応」可能であれば、交通事故被害者は安心して治療に専念できます。最近のHPでも初期対応をうたう事務所も散見できるようになりました。私も弁護士事務所との連携の打ち合わせでは、まずこの部分を綿密にお話しさせていただいています。すると弁護士事務所の受け取り方は大きく3つに分かれる傾向があります。

1、初期対応?何をするの?

おなじみの「等級が来てからまた来て下さい」という対応を続けてきた事務所です。すべての損害が明らかになってからではないと積算(損害の計算)し、代理人として相手に請求できないので・・と考えます。確かに弁護士の仕事を代理人による賠償交渉のみ、にとらえればそうなります。しかしいつも主張するように、後遺障害を残すような被害者さんたちは、等級認定が大きな勝負の分かれ目であり、そこにたどり着くまで大変な苦難を味わいます。もしくは苦難がない場合、多くは保険会社の支払基準で保険会社の都合のいいように進められてしまった方です。 この仕事は「被害者の救済事業」です。助けるべき局面、仕事は受傷後からたくさんあるのです。弁護士とはこの大きな視点から一緒に考えていきます。

2、うちは受傷直後から受任しています!

実に頼もしい答えが返ってくる事務所もあります。しかし、実際は・・・ちょっと意地悪ですが、2~3質問してみます。

①「治療費を健康保険に切り替える際、第三者行為による傷害の届け出を行いますが、これも御事務所で対応を?」 → 「はい。電話で『健保組合に聞いて進めてください』とアドバイスをしてます。」

②「労災の請求はどのようにしていますか?」 → 「はい。『労働局に聞いて進めて下さい』とアドバイスしています。」

③「後遺障害診断書の依頼はどのようにしていますか?」 → 「主治医に手紙で『よろしく』と添えています。」

ようするに何もわからないけど対応しているつもりになっています。質問に答えていませんし、実際、被害者のなんの役にも立っていません。ひどいと後遺障害の認定も相手保険会社に診断書を提出(事前認定)し、すべて任せっきり・・・。これでは受任中に被害者が離れていきます。場当たり的なアドバイスで誤魔化してもメッキは剥がれます。しっかり被害者をグリップできるかは、これら初期手続きのフォローにかかっていると思います。

3、初期対応、後遺障害認定こそが課題です

対応しているつもり?の事務所ではなく、どうしたらよいか明確に自己分析ができている事務所です。早くから相談にきた被害者の対応に苦慮している、後遺障害等級の獲得に苦戦している、異議申し立ての受任判断が難しい・・・等々、謙虚に仕事に向き合っている先生です。 こことの連携はすこぶる良好になります。裁判、示談交渉以前の事務を私たちメディカルコーディネーター(MC)に任せ、被害者を煩雑な事務から開放し、保険会社との交渉が生じれば直ちに間に入り、被害者をこの交渉ストレスから切り離します。そしてMCは医師面談や検査同行を通じて間違いのない後遺障害認定に落ち着かせます。最後に弁護士が賠償交渉でばっちり解決します。また異議申立の準備も、裁判での医証集めも、MCが弁護士の指揮下で暗躍します。このようにトータルで被害者救済業務が完成されます。結果として依頼者の満足度は非常に高いものになります。

現在、多くの連携先でこのシステムが主流となっています。ボスとイソ弁2人、事務員3人・・この規模の事務所では外部のMCと連携することによって、良い結果を量産しています。また大規模法人事務所は、事務所内の事務員・パラリーガルをMCとして養成、自事務所で完結する流れを作り上げています。このMCを養成するのも私の仕事と自負しています。

交通事故業務への向き合い方は、弁護士事務所によってそれぞれ違います。残念ながら多くは1か2のタイプです。私は「交通事故業務を弁護士に取り戻す」には3の「連携体制」+「受傷直後からの完全対応」の確立にかかっていると思います。1の考え方では、被害者は相手保険会社に取り込まれてしまいます。2の対応では看板に偽りありです。

では、私が利害を説いた結果、簡単に3の対応になるのか?ここでも問題が立ちふさがります。

つづく

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 飛び飛びで投稿しております、「被害者救済業務を分析」再開します

前回まで→ 被害者救済業務 を分析 ⑥

 「交通事故業務を弁護士の手に取り戻す」・・・そのためにはどうするべきか、今日から私の考えを示していきます。

 前回まで交通事故被害者を取り巻くを解説しました。保険会社主導で80%が解決されている環境下で何が必要か?私はそれを交通事故の初期対応に求めるべきと考えます。

 最初の表に戻ります。

        <完全解決までの基本的な流れと役割>

 

事故

発生

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 昨日は休日でしたが事務、文書作成の追い込みで終日事務所に缶詰めでした。それでも昼休みは首都高の真上、祝橋公園でランチです。

 一昨日の夏日で一気に3~4分咲!

 鳥さんも一緒に昼食です。  

 仕事を持ちこさずに年度末を締めたいと思います。新年度も出張相談が目白押し!

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Q、自転車走行中、自動車に交差点で巻き込まれ転倒、左橈骨遠位端骨折となりました。ボルト固定手術を経て、医師からは完治を言われているものの、自覚症状として手首が曲がり辛くなりました。近日中の症状固定を予定しています。医師は骨の癒合に問題はない、MRIでも異常は見られないとのことです。

  そこで後遺障害についてお聞きしたいのですが、手関節の可動域について、ケガをした手首の可動域(背屈40°掌屈50°)合計90°であり、ケガをしていない手首の可動域(背屈70°掌屈90°)が160°です。これを法律相談で専門家に見ていただいたら、4分の3以下の制限で12級と聞きました。10級はダメでしょうか?  

A、その専門家は参考運動を見落としています。10級か12級か・・・本件の場合、この参考運動(橈屈、尺屈)が明暗を分けます。左右差が2分の1にわずか10°オーバーしているので、「惜しい、10級を逃した」状態です。橈屈、尺屈の計測を加え、この参考運動の左右差が2分の1以下となれば、10°のオーバーを負けてくれるのです。

   

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 やはりというか、私たちを待っている被害者さん達が大勢いました。今回も弁護士、行政書士を含む首都圏チームで長野を訪れました。弁護士はやはり敷居が高いのでしょうか、なかなか相談のきっかけをつかめずにいる被害者さんには、こちらからのアプローチが必要と実感しました。

1、高次脳機能障害の解決はどう進めるのか?

 受傷から治療に専念してきたご本人とご家族、大変であったことでしょう。しかし何年も様子を見続けているわけにはいきません。解決へ向けて舵を切らせます。  どうのような症状を示しているのか?治療先で専門的な検査は可能か?相手保険会社との折衝は?公的補償制度の検討は?・・・やるべきことが山積しています。手前味噌ですが、弁護士&行政書士のコンビでこれらをワンストップで対処していきます。解決までのプログラムを説明すると、ご家族の不安な顔はみるみる安堵に変わります。

2、東京から来た意味・・

 相手保険会社との交渉で解決できない場合どうするか。裁判という手もありますが、訴額や内容が裁判にそぐわない案件もあります。それらは紛争センターの斡旋を利用することがオーソドックスな手段です。その紛セン、山梨や長野など関東甲信越はなんと東京の管轄です。したがって東京の弁護士が新宿の住友ビルに通えばOKです。つまり東京は交渉上、遠隔地とはならないのです。病院同行やきめ細かいフォローはメディカルコーディネーターが対応しますが、関東甲信越の大概の地域が、都心から特急や新幹線で2時間です。なんとかなるものです。このような話をすると相談者さんも納得、相談会後にメールや電話でフォローが始まります。

3、東京であるゆえの・・

 東京在住のご息女の病院対応が必要な相談もありました。相談会には地元にお住いのご両親がいらしたのですが、御嬢さんは東京の大学に在籍、近隣に在住のため、通院先も都内です。この場合、「首都圏の我々にお任せください!」と自信を持って対応できます。こうしてご両親は御嬢さんのそばに法律家を確保することができました。  さらに偶然ですが、来週、私の事務所のある越谷市に引っ越しを予定している方もいらっしゃいました。早速、転院先の相談となりました。

   この3日間も大変勉強になりました。地域性を感じる遠征相談会、なにより各地のたくさんの相談者に接する事は経験則の洪水です。色々なケース・性格の被害者さんの解決策について、弁護士や専門家の先生達と一緒に知恵を絞ります。傷病や法律の知識を学ぶだけではなく、斬新な実験、コロンブスの卵的な発想が次々と飛び出します。忙しいとついつい考えが硬直化します。頭はつねに柔軟に保たねばなりません。

 ← 相談会会場のホテルの屋上露店風呂

 温泉天国の長野県、しかし今回はこれで我慢です。

 ← 朝食のお蕎麦

 前日の夕食はバカ刺盛り(馬肉、鹿肉です)、ぴょんぴょん揚げ(カエル)・・・ワイルドです。  朝は写真の通り、さっぱりとお蕎麦でした。

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 今日の六本木相談会も大変勉強になりました。新しい症状、知らない検査もあり、交通事故外傷の奥の深さをかみしめてします。

 この六本木の弁護士、メディカルコーディネーター(MC)のチームとの共同戦線も、もうすぐ1年です。一緒に学んできた一年ですが、たくさんの事件に鍛えられている若手弁護士はもちろん、最初は何もわからない状態で病院同行したMCもメキメキ力をつけてきました。チームで仕事をすること、共同で相談会を行うことは、経験面で非常に相乗効果が上がります。一地域の、一事務所では成し得ない恵まれた環境です。この恵まれた環境で学んだ事を、次のテーマに生かしていきたいと思います。

 現在手持ちの案件に忙殺されて自由が利かない状況ですが、新年度からは実験的な取り組みや新しいアイデアの発案、それらを出版、研修、人材育成の3本柱に集約していきたいと思います。現場の実務も手を抜けませんが、いつまでもそれを言い訳にはできません。流行りの言葉で言いますと、

「いつやるか?」    「今でしょ」

仕事に限らず、何かを起こすには「機を失わない」ことが大事と思います。

明日から出張、週明けに戻ります。連絡は携帯かメールにてお願いします。

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 ♪ けんかをやめて~ 二人を止めて~ 私のために争わないで もうこれ以上~ ♪

これは竹内まりやさんの「けんかをやめて」という曲。三角関係にある女子からの歌です。(男子側から)歌詞を見ていると、この女子にイラっとしますが・・。

さて、交通事故の電話相談で必ず挙がるのが、「相手保険会社との交渉」です。特に請求している費用が支払われないことについて打開策を求める相談です。 慰謝料などは治療終了後の示談時に交渉しますが、治療費や休業損害、通院交通費、自動車の修理費、代車代などは至急の支払いが求められます。もちろん、事故との因果関係がはっきりしている項目については保険会社もあっさりと認めて支払ってくれます。しかしすんなりいかない項目もあります。以下、代表例を挙げます。

 

1、どう考えても軽い衝撃なのに、重篤な症状で入院・通院が長引く

2、(過少申告している)自営業者が申告書以上の休業損害を請求する

3、単なる、むち打ちや足腰以外のケガで通院にタクシーを使う

4、事故での損傷以外が盛り込まれていると疑われる自動車の見積もり

5、古い自動車の修理代=価値を上回る修理費

6、代車も特定の車種にこだわる「ベンツじゃなきゃ嫌だ!」

7、5年以上も乗っている軽自動車の格落ち代

8、過失割合、特に交差点の出合頭衝突で「0:100じゃないと納得できない!」

9、可能性が定かでない、就職、進学がかなわなっかた等の将来損害

10、その他、事故とは関係ない出費 (爆笑「あきれた請求」についてはいずれ取り上げます)

 

 これらで保険会社と激しくやり合います。打開策は、まずしっかりと証拠を示すことです。それでも交渉が暗礁に乗り上げたら、弁護士に依頼し交渉を進めることです。「支払い側」=「お金を握っている」保険会社が圧倒的に有利です。法律家のバックアップなしにはあまりにも苦しい戦いとなります。 しかし少なからず、冷静さを失って保険会社担当者とケンカになってしまう被害者もおります。紳士的に交渉ができなければ、保険会社は伝家の宝刀、「弁護士対応」とします。担当者を罵倒した数日後、弁護士名がずらっと並んだ通知書が届きます。内容を簡単に言いますと・・・「これ以上、お金が欲しくば法廷で会おう!」です。ここに至って被害者は行き詰まり、相談の電話をかけてくるのです。

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 今日は早朝から仙台、今戻りました。

 高次脳機能障害の立証に必要なこと、それは・・・

1、家族の綿密な観察

2、主治医の理解

3、検査設備のある病院

 被害者さんとご家族、主治医と面談するため、受任した弁護士と共に入院先まで訪問しました。 本日のミッションは上の3つが揃っているかを確認することです。

 まずご本人のお見舞いを済ませます。回復が進んでいるようでなによりです。その後、主治医と面談です。まず経過と展望をお聞きし、さらに病院内における言語聴覚士等の専門スタッフ、検査設備の有無にまで話を進めます。そして先の症状固定に向けて、今後の検査の協力を依頼します。病院と医師が被害者の運命を左右するからです。  その後、奥様と打ち合わせをしました。日常の観察、エピソードの記録をすること、現在の保険の加入状況、そして今後の流れを説明します。高次脳機能障害の立証には家族の協力が欠かせません。

 こうして障害立証担当の秋葉、保険会社との折衝と賠償交渉を受け持つ弁護士、治療・リハビリ指導を担う主治医、そして家族…交通事故解決チームが揃いました。受傷後、早期にチーム編成ができれば、事故は良い解決へ向けて一直線に進みます。  後は相手の保険会社さん、お手柔らかにお願いしますよ!

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 病院同行というよりは、病院開拓的要素が強い2件でした。山梨でリハビリ設備が充実している病院を見つけました。

 最近の整形外科もリハビリに力を入れているところが多くなりました。西洋医学的な電気治療、ホットッパク、牽引などに加え、針やマッサージを取り入れている病院もあります。外傷性頚部症候群の症状も個人差があります。投薬や理学療法を続けても効果が今一つの方も多くいます。東洋医学的な処方が選択にあることは、患者にとって治療選択の幅が広がりますので、心強い限りです。 症状が収まらないと、ついつい東洋医学的なものを求めて、接骨院や整骨院、針鍼灸に通院しがちだからです。実際、針やマッサージの方が効果的な患者もいると思います。 

 忘れてはならない事・・・

「接骨院・整骨院は後遺障害を残すような重篤な患者の初期治療をするところではありません」

偏見、もしくは断定的な意見ですが、少なくとも自賠責の調査事務所はそう判断しています。

西洋医学的な観察を必要としない患者、急性期を過ぎた慢性疼痛の緩和を目的とする患者・・・線引きが曖昧ですが、接骨院・整骨院が必要な場面は他にあると思います。 なかなか収まらない神経症状に悩まされる交通事故被害者に、これを説明し続けなければなりません。・・それも全国的に!

★Haさん、Hiさん、お土産ありがとうございました!!

  石和温泉駅、またしても湯には浸かれず・・

明日は仙台!

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① 法的に保険会社の示談代行を可とした。

② 紛争センターのような仲裁機関を設置した。

③ 保険会社が顧問弁護士、協力弁護士を受け入れる。

 示談代行付き保険は3つの制度を引き換えとばかりに誕生しました。以降、保険会社による示談・支払いの一貫した解決が可能になり、それが当たり前になっていきました。一方、弁護士は保険会社の交渉でも解決に至らない案件を受け持つようになりました。

 時は流れ平成に入り、私は旧安田火災(現 損保ジャパン)に入社しました。一年目にサービスセンターに短期配属され、山のような事故時払いデータや統計を目にしました。そこで警察に届出された交通事故に対し、保険会社による示談解決は84%との数字をみました。このほとんどが保険会社 対 被害者の交渉で解決しています。このうち弁護士が介入する代理交渉はどのくらいの数字でしょうか?これについてはデータがありませんでしたが、多くは問題のある被害者に対し、保険会社側が雇う形が多かった印象です。

 被害者側に立つ弁護士が少ないのでは?その頃から長らく疑問に思っていました。

 ここ2~3年急激に被害者側にアプローチする弁護士が増えてきましたが、未だ弁護士に委任して解決を図ることは一般的ではないと思います。やはり圧倒的に「保険会社vs被害者」の直接交渉なのです。理由を考えました。

保険会社主導の解決

 あまりにも保険会社のシステムが優秀で、被害者は保険会社のペースで解決に誘導されます。人身担当者がついて病院への一括払い(病院に治療費を直接、精算してくれる)や、物損担当者がついて、さらに物損アジャスターが活躍(被害車両を見るため、足を運び検証)し、組織的に解決を図ります。特に任意保険の加入者同士の事故で、双方に車両保険や人身傷害特約が付いていれば、両社の保険会社によりスムーズに解決してしまいます。もちろんその方が円満でよい結果も多いと思います。しかし後遺障害を残すような事故の場合、保険会社の基準=少ない賠償額で円満解決ではあまりに被害者がかわいそうです。

保険会社寄り?の弁護士

 交通事故を扱う弁護士の多くは顧問、・協力弁護士出身です。そして保険会社との関係が切れても、世話になった保険会社と争う案件は受任しない、徹底的には争わない、このようなケースを未だに目にします。

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 中断していましたシリーズを再開。前回まで 被害者救済業務 を分析 ④

 テーマは 「交通事故業務を保険会社から弁護士の手に取り戻せ!」

 なぜこのようなテーマに至ったのか、交通事故における保険会社vs弁護士の歴史で解説します。  

<1> 交通大戦争

 1974年3月に示談代行付きの自動車保険が販売されました。一番の注目は「示談代行を保険会社がやってくれる」ことです。当時の日本は60年代のモータリゼーションを経て、一家に一台自動車保有が定着した頃です。そして「交通大戦争」と呼ばれるほど交通事故が多発していた時代でした。

 警察庁交通局「平成24年中交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」から事故数の推移を見てみましょう。(↓クリックするとはっきり見れます)

 74年当時の数字を見てください。死亡者数、年間16000人超のピークから12000人まで減少したとはいえ、5000人以下に減少した平成24年に比べすごい数です。もちろん負傷者数や物損を含む事故総数自体も、当時の車の台数約4000万台と現在の約9000万台と比べると異常な件数であることがわかります。  

<2>弁護士vs保険会社

 このような背景から、保険会社の自動車保険の販売促進と内容充実は社会的要請でもありました。この膨大な事故数に対し、当時9,830人の弁護士が担うことには限界があります。ちなみに平成24年は司法制度改革の成果で32088名となり、当時の3倍超となっています。  そのような状況で保険会社は「示談代行付き保険」の認可を求めました。現在では当たり前となりましたが、保険会社が対人事故や対物事故で、加害者と被害者の間に入って交渉をしてくれるのが「示談代行付き保険」です。しかし弁護士会は「弁護士以外が他人の事件に介入し、示談をするのは弁護士法72条『非弁行為』にあたる」と反対したのです。簡単に言いますと、「お金を取って、他人に代わり、示談交渉ができるのは弁護士だけ!」と弁護士法で定められているからです。しかし大量の事故の解決には、保険会社が間に入って交渉するのが合理的なのはわかりきっています。保険会社、弁護士の両者で行政を巻き込み調整作業が行われました。

 

<3>示談代行付き保険、ついに発売、その背景

 法的な解釈論は長くなりますので、ここもざっくり言いますと、「法的に白黒つけず、被害者保護に乗っ取った社会的な公益性を優先させた」決着をしました。弁護士法72条は弁護士の職域を守るものではなく、示談屋さんなど被害者を食い物にする悪い人を排除するのが正当な目的です。だから保険会社さんの示談は悪いことではない・・と解釈が進みます。  そして、保険会社、弁護士両者の調整は以下の制度を作ることによって成されました。まさに現在の交通事故業界を形作るシステム(下線)がこの時生まれたのです。

  ① 特段の支障がない限り、原則として被害者が直接請求権を行使できるものとして、被害者救済の途を開くとともに、これによって、保険会社の当事者性を強く打ち出すこととした。

・・「他人のために」示談をすることがダメなら、保険会社は「保険金支払い義務を負う当事者でもあるので、他人のためだけではないよね」・・・このような解釈とし、違法性から遠ざけます。

 もっとも72条違反を回避する目的での「直接請求権」ですので、現場ではほとんど意識されていません。例えば、加害者が自分に責任がないと思って、自分の契約している保険を使わないと言えば、保険会社の担当者の多くは、「契約者(加害者)が保険を使わないと言ったので、うちは対応できません」としれっと答えます。そのような場合、被害者は「直接請求権」を発動すればよいのですが・・・この議論は本筋にはずれますので別の機会に取り上げます。

  ② 「交通事故裁定委員会」の設立。被害者(または被保険者)に不満が生じた場合に備えて、中立かつ独立の第三者機関である「交通事故裁定委員会」を設立することとした(昭和49年2月27日発足)。この裁定委員会は、学識経験者および弁護士により構成され、被害者等の正当な利益の保護に資することを目的として、自動車保険に関し、保険会社、被保険者および自動車事故の被害者のうち二者以上を当事者とする民事紛争について、無料で和解の斡旋を行うこととしている。  裁定委員会はその後昭和53年3月に「財団法人 交通事故紛争処理センタ-」に改組され、現在では、高等裁判書が所在する8都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)および金沢とさいたまに設置されている。

・・・行政側は保険会社に示談権を与えた(あくまで代行権、代理権とは歯切れ悪いながら区別)、つまりこれは絶大な力です。なぜなら、支払う側の保険会社が交渉上、有利に決まっています。お金を握っているのだから当然です。したがって被害者が保険会社と交渉決裂した場合、駆け込み寺が必要となります。こうして一種のガス抜き機関、紛争センターが誕生したのです。

  ③ 保険会社が顧問弁護士、協力弁護士を一定数、常に契約し続ける。

・・これは明文にされていないので裏協定かな? 保険会社からの仕事は新人弁護士にとって良い収入源となります。

  ①で法的な問題を回避、②で行政の立場から公平性を確保、③で弁護士にも利益を、でしょうか。

難しいことを簡単に説明するのは難しいです。来週に続きます。

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 昨日、カルテの保存期間を5~7年と曖昧な書き方をしましたので、少し説明を加えます。

 保存義務と期間は医師法に定めれています。

<医師法> 第24条(診療録の記載および保存) 第1項 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 第2項 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。

 1項で記録義務、2項で保存義務が明記されています。町の病院では5年きっかりで処分しているようです。大病院だとカルテは地下の文章室などに保管されており、割と長めに保存されています。文章係に聞くと「当病院では7年間保存しています」と答えが返ってきました。なぜか7年と病院内で規定されている病院に出くわします。いずれにしても保存スペースが限られていますので、長い期間の保存は敬遠気味です。

 さて、このカルテも遅ればせながらデジタル化の波が押し寄せています。「電子カルテ」、導入が進んでいます。今週訪問した病院でも導入が決定、文章科の職員の仕事もシステムオペレーターとなります。英語、独語まじりの複雑怪奇な文字を解読する手間が省けて、私達は大歓迎です。将来あの達筆が見られなくなる?のは寂しいですが。

  

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 この病院は、患者本人が閲覧を申込み、そのうえで開示分の請求を行います。被害者と共に病院へ出向きました。

 ずいぶんと解決が長引いている件です。事故日が平成17年4月26日です。高次脳機能障害が否定された被害者さんですが、否定の理由は「高次脳機能障害の3要件」を満たしていないからです。

高次脳機能障害認定の3要件

①傷病名が以下のように確定診断されていること ・脳挫傷・ びまん性軸策損傷・びまん性脳損傷・急性硬膜外血腫 ・急性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血・脳室出血 ・骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症し脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症

② ①の傷病についての画像所見 ・XP  ・・・頭蓋骨骨折とそれに伴う脳損傷を確認できます。 ・CT  ・・・冠状断といって輪切りにスライスした画像を確認します。連続した画像は脳委縮の確認が容易です。 ・MRI ・・・T2フレアーなどで点状出血や脳委縮等、病変部を確認します。

③ 頭部外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上続いていること、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上続いていること

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 先日、仲間の行政書士である山崎先生が、あるところから指摘を受けたようです。「行政書士を批判するようなことをHPで書くのはどうか?」ということらしいです。

 確かに同業・士業のことに触れるのはデリケートな問題です。限られた文章では誤解を生むこともあるかと思います。私も常日頃から、同業・他業に向けて積極的に意見展開をしています。もちろん単なる批判ではないことは、文章からご理解頂けると思います。顧客(ここでは交通事故被害者)が安心して相談できる、健全な業界たるべく、その端くれとしての矜持は持っているつもりです。山崎先生もそのような正義感に基づく、業界全体の憂慮を表現しているに過ぎません。

 では業界の憂慮についてですが、これは毎回相談会に参加する被害者さんたちの報告からもたらされるものです。これも単なる批判と思わず、少し聞いて下さい。

書面での賠償交渉?はいいとして・・・謎の違約金?

 先月、九州の相談者さんからの実話。

 地元でも有名な行政書士の先生に交通事故の解決を依頼しました。後遺障害の認定についてはあまり積極的ではないながら、病院も同行して下さり、相手保険会社との協議もしてくれたようです。その後、当方の相談会にいらした理由ですが、まだ被害者請求等、等級認定が進んでおらず、医師との折衝や追加検査が滞り、このピンチをなんとかしたい、とのことです。どうもその行政書士先生は診断書が作成され、保険会社に提出が済むのを待っているようです。したがって等級認定後、賠償金交渉を書面で進めようとしている意図がうかがえます。

 賠償交渉の方法は被害者さんが納得すれば、書面であろうと弁護士を使おうと、選択の問題と思っております。しかし、診断書の段階で難渋が続き、何もしてくれない行政書士に困って当方に相談してきたのです。私の仕事は交渉ではなく、まさにこの段階で損害の立証をすること、つまり医証(診断書・検査データ)を取得し、等級を認定させることです。そして交渉は連携する弁護士に一任して進めます。この被害者さんも、このような連携のレールに乗らないと埒があかないのです。

 しかしすでに行政書士に依頼しているので、横取りみたいなことはできません。「どの方法を選択するか、誰に委任するか決断してから、再度来て下さい」ということになります。  そして当方に依頼する決断をして下さった際、「ちゃんと先任の行政書士さんに断りましたか?」と聞いたところ、「精算金の請求?」を受けたそうです。この方の場合、弁護士費用特約に加入しているので、そこから相談料や日当を請求するんのだろうと軽く考えていたのですが・・・なんと!80万円も請求してきたそうです。私もびっくりして「一体何の名目か明細書をもらって下さい」と思わず口出しです。明細の内容にもよりますが、こんな無茶な請求では保険会社を怒らせてしまいます。そして既に着手金を支払っていますので、保険会社はもう払いません。80万円は被害者の自腹が確実となります。  翌日、被害者さんはその行政書士に明細を請求したところ、「そんなのありません」との回答です。行政書士に限らず明細=名目のない請求など非常識です。そこで再度、「引き継ぐ弁護士が明細を下さい」と言うよう指示しました。

 するとその先生、「えっ!それでは80万円は結構です」と・・・・ここで被害者さんも怒り爆発、「では何のための80万なのか!黙っていれば払わされたのか!」と。

 一方、私の怒りは「この不透明な80万円の請求」ではありません。極論すると、被害者さんが納得すればいくらでも良いとさえ思っています。一番の怒りは、

 なぜ弁護士が出た瞬間、引っ込めたのか?堂々と請求内容を主張できないのか!

 残念ながら、後ろ暗い業務内容と請求を認めたことになります。弁護士の存在に怯えながら仕事をしている交通事故・行政書士の実に多いこと!。つまり違法すれすれである自らの業務を自覚しているのです。  さらに報酬をめぐって不透明なやり取りが頻繁に起こっています。「おかしいな?」と思うやり取りを昨年だけでも4件聞きました。どの業界でもあることですが、曲がりなりにも法律職者がそうでは困ります。報酬自由の原則があるとはいえ、被害者さんが納得していない、もやもやとした報酬支払は常態的なことに思えます。

 同業者としてこの先生の告発や実名表記はできませんが、こんなことでは業界全体の信用低下が進むばかりです。真面目に取り組んでいる行政書士が浮かばれません。行政書士が民事業務で活躍するには弁護士を含め、周囲からの信用が欠かせません。特に交通事故業務を行う行政書士には、倫理観が強く問われていると感じます。そのような意味で、少なくとも被害者さんたちに訴え続けていくしかないのです。「間違いのない相談先を選んで!」と。

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 土日は相談会でふさがることが多いので、貴重な休日と思いきや、書類との格闘!それでもお昼は築地市場で食事をします。貴重な休息の時間です。本日の日誌は2枚の写真でお茶を濁します。

  マグロのから揚げ、食べきれない量です。しかもたった500円!

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