昨日は横浜での病院同行を終え、新幹線で芦屋へ。

 目的は関西の弁護士、行政書士と打合わせ&会食です。テーマは今夏の研修や今後の相談会についてです。有意義な打合せであれば新幹線の往復も苦になりません。

 関西の先生方は本当にユニークな方ばかりです。ついつい座が長くなってしまいます。 夜は久々のカラオケ。書類が溜まっているので、歌など歌っている場合ではないのですが・・・。

 初の芦屋でしたが、落ち着いている雰囲気、閑静な街でした。周辺の観光も兼ね、ゆっくり来たいところです。

 本日昼にアポがあるため、今朝は5時に起きて少し事務処理、7時には芦屋を後にしました。さすがに眠い!

 朝焼けの芦屋 ホテルの窓から。

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 前日の被害者さんはその後どうなったのでしょうか・・

7、画像の請求のために医師に再度受診

 保険請求に使いますので・・・、なんとか主治医の許可を得、画像の貸出を受けました。貸出料金は1枚500円。10枚ですので結構な出費です。

8、健康保険に開示請求

 さらにレセプトですが、病院が出してくれないのであれば、提出先の国民健康保険に対し、開示請求です。市役所の国民健康保険課に訪問し、開示請求関係の書類を記載します。しかしここで大きな問題が発生しました。

9、第三者行為による傷害届けが未提出だった

 そもそも加害者のいる交通事故の場合、役所は相手からの賠償金(ここでは自賠責保険)が健康保険に優先されると考えます。そもそも本件は保険会社に打ち切られた後の健康保険使用なので、事故扱い如何が曖昧な状態で病院にかかり続けました。今の今まで健康保険使用に必要な届け出をしていなかったのです。そこで数枚に及ぶこの書類の作成に奔走することになります。

10、添付書類にまたもや苦戦!相手への誓約書・・・

 誓約書は加害者側が署名するものです。加害者本人と相手保険会社に署名をお願いしましたが・・・最初からなしのつぶて、まったく協力してくれません。「すでに賠償としての治療費は打切りです。その後の治療に責任は持てない。」と言われました。役所にはそれを説明し、事情により誓約書は免除してもらいました。役所では相手に打診し、拒否されてやっと誓約書の割愛を認めるルールとなっています。

11、そしてようやく追加書類の提出、そして結果は?

 症状固定から書類の収集・作成・提出で半年も食ってしまいました。そしてようやく自賠責から結果が届きました。  残念ながら接骨院中心の治療(正確には施術)だったので「非該当」です。したがって後遺障害保険金はもちろん、健康保険使用後の治療費や休業損害は一切認めてくれません。書類集めにかかった費用もほとんど認められず、膨大な時間も無駄となりました。

12、通院のみの傷害慰謝料では・・

 ここで弁護士に賠償交渉を依頼すべく相談しましたが、どの弁護士も「等級は難しい」と。そして「半年間の傷害慰謝料では弁護士を立てても経済的効果がないので・・」と受任に消極的です。 こうして泣く泣く二束三文の慰謝料で相手保険会社と示談です。

 お気づきと思いますが、この被害者さんにおける賠償交渉は最後の11、12のみで、受傷から症状固定、そして後遺障害認定までのほとんど「書類集積」に費やしています。本記事のテーマがお解りですね。交通事故の厄介なところは書類集め=証拠集めであり、それが事故相手以外の様々な機関が介在するが故、非常に大変な作業なのです。とくに本件の被害者さんは、本人の責任というにはあまりにも不運、各局面で面倒な方向に進んでしまいました。これはすべての交通事故被害者にとって他人事ではないのです。

 いつも主張する「受傷直後から相談に来て!」は各局面で間違った選択をさせないよう、私たちが寄り添って各機関と折衝し、スムーズな解決に誘導するためです。そしてある意味、賠償交渉よりこの初期対応の成否が勝負の決め手となるです。

 初めての事故、運が悪ければ誰しも間違った方向へ進みます。もめてから相談、行き詰ってから弁護士に・・・これでは手遅れになることがあるのです。

 結論、交通事故の依頼をする際は「初期対応」がしっかりしている事務所を選んで下さい。

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 交通事故は「もめごと」です。単独事故を除き、加害者と被害者の(第3者も加わるケースもありますが)争いとなります。当然お互いが権利を主張し合えば難しい交渉に発展します。しかし単なる2者のもめごとで済む問題ではありません。交通事故の場合、保険会社、病院、修理工場、健康保険、仕事・通勤に絡めば労災・・・等あらゆる機関が介在してくるのです。これが事態を複雑にすることが多々あります。

 本日の市役所同行もまさにそのケース。注意喚起の意味を込めて紹介しておきます。(若干フィクションを織り交ぜています)

1、事案は?

 被害者は停車中、追突されて腰椎捻挫となりました。相手は任意保険に加入しており、治療費を自由診療扱いで病院に精算してくれました。ここまでは普通です。

2、治療先は?

 被害者は今までにない下肢の痛み、しびれに苦しみ、改善が進みません。遠距離の病院への通院も辛かったので、近所の接骨院をメインに治療を進めました。病院へは月一回の診察のみです。

3、長期化する症状

 それから半年、症状の改善がないまま、相手保険会社は一方的に治療費を打ち切りました。打撲・捻挫で半年を超える通院は非常識とのことです。しかし本当に痛み、しびれは治っていません。仕方がないので健康保険を使って通院を続けました。

4、一年が過ぎ、症状固定へ

 さすがに治療の効果も薄れてきました。このままではいつまでも解決しないので、ここで症状固定とし、後遺障害診断書を医師に依頼しました。接骨院では診断書が書けないので断られたからです。・・・しかし病院は今更、健康保険での通院と診断書の依頼に対しつっけんどんです。なぜなら保険会社から治療費の打ち切りをされている状態ですので、もめごとに巻き込まれたくない、さらに接骨院をメインに治療費を払い、病院へは月一回、これでは面白いはずがありません。

5、それでもようやく診断書を書いてくれました。

 散々待たせて適当な(?)診断書が出来上がってきました。相手の保険会社の担当者とも関係が良くないので、直接、自賠責保険の被害者請求で進めることにしました。

6、必要書類を集めなければなりません!

 一人で請求書類を集めてなんとか提出しましたが、自賠責保険から、「全治療中の画像、そして診断書・診療報酬明細書(レセプト)を提出して下さい!」と追加の催促がきました。保険会社から治療中の診療報酬明細書のコピーをもらいましたが、それは打切り前までの分。それ以後は病院に請求しなければなりません。しかし病院は「画像は主治医の許可がないとダメです」と。そしてレセプト類も「健康保険に対し提出してしまったので、二重発行はできません」と言って請求に応じてくれません。

 ここで、手続がストップしてしまいました。病院、保険会社を何度も往復しても一向に埒があきません。

 なんで被害者の自分がこんなに大変な思いをするのか・・・

 つづく

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 両日ともに相談者が10名を割り、少し寂しい相談会でした。年間を通して5月は毎年少ない印象です。しかしお困りになっている被害者さんはそれぞれ必死に解決を模索しています。こちらも否応なしに気合が入ります。恒例の所感をいくつか。  

■ ポイントをずらした後遺障害診断書

 肩が痛み、拳上困難が長く続いた被害者さんです。対して医師はまず肩甲骨、上腕骨、鎖骨などをXP(レントゲン)で確認しました。異常がないので、「様子をみましょう」と言い、保存療法の継続です。つまり打撲・捻挫の類と考えました。その後、症状が長引くため、腱板損傷を疑い、MRIを撮ります。しかしそこでも原因が特定できません。そして受傷後6ヵ月が経ち、症状固定を迎えることになりました。  後遺障害診断書でも「肩部打撲」のままです。一貫して治療・リハビリを続けて、通院も相当な日数です。しかし残存した症状について、結果は「非該当」。打撲・捻挫の類では極めて少ない例外を除き、ほぼ後遺障害は認められないのです。

 この相談者さんは実は14級9号を取りそびれています。受傷機転から頚部捻挫があり、肩の異常は頚部神経症状が原因と疑われるものです。外傷性頚部症候群、もしくは頸椎捻挫により、ヘルニアや骨棘で圧迫されている神経根が病原となります。昔から「頚肩腕症」という診断名がありますが、これの多くは頚部神経の根症状タイプです。上腕神経につながっているC4/5、5/6あたりの神経根に圧迫があると、首から肩にかけて、痛みや拳上不能など神経症状が起こる症例です。  どうやら本件の医師もそのような認識を持っていたようなのです。

  もし医師が神経症状に注目し、症状の主訴を頸椎捻挫からくる頚肩腕症としていたら、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の認定が得られた可能性があります。本件は医師の捉え方、診断書の表記で運命が分かれたケースと思います。  

■ 嗅覚障害と味覚障害

 匂いがしない?頭部外傷により、嗅覚喪失を訴える被害者さんがいらっしゃいました。詳しく聞くと「味」もしないそうです。しかし診断書上は「嗅覚喪失」とだけ書かれています。

 嗅覚障害を訴える被害者さんの対応で注意があります。嗅覚障害が残るような脳損傷、もしくは嗅覚神経の遮断が起きた場合、味覚障害も伴うケースを多く経験しています。嗅覚、味覚、どちらかに異常があれば、必ずセットで検査をすべきと思っています。

 ここで説明を一つ加えますが、通常、嗅覚に異常があると「風味障害」とも言うべき症状がおきます。人間の味覚は舌の神経による反応のみならず、香からくる「風味」とでも言うべき感覚に味が左右されることもあります。例えばコーヒーの舌上で感じる感覚は「苦味」が中心です。しかし風味で「香ばしさ」を感じ、これがコーヒーの美味さにつながります。  したがって嗅覚が減退、喪失すると味覚も当然に一部減退します。だからと言って嗅覚障害患者のすべてに対し、味覚障害は嗅覚障害からくるものと特定するのは早計です。嗅覚神経と味覚神経は頭蓋低骨の隙間を隣り合って通っています。外傷により、どちらかに損傷があれば、もう一方もやられている・・・決して珍しくありません。また脳の前頭葉にびまん性損傷があり、嗅覚を感じる脳組織が壊れた被害者で、味覚も一緒にダメになったケースを2件経験しています。

 両方に対し、しかるべき検査を行い、嗅覚「脱出」12級、味覚「脱出」で12級、併合11級とせねばならないのです。

 

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 本日は朝一で埼玉の事務所へ、その後都内に戻り自転車で郵便局に行き、さらに自転車を置いて地下鉄に乗って表参道へ。お昼休みの学生食堂で被害者さんと友人から症状の聞き取りです。都内でも有数のおしゃれキャンパスで良い雰囲気です。その後、新幹線に乗って群馬県高崎の病院同行、それが済むと再度東京駅へ戻り、タクシーに乗って赤坂へ。それから地下鉄で銀座オフィスに行って明日からの相談会に備えます。

 もう5分も座れば眠ることができます。ちょっと疲れたので記事は休みです。すみません。

                              電車、バス、タクシー、自動車に加え、自転車の利用により機動力UPを感じます。電車がアクシデントで遅れると隅田川を水上バス(船)で遡上したりもします。あらゆる交通手段を駆使する・・・かつてバックパッカーであったときの経験が生きています。

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 私の仕事は等級認定で一区切り、その後の賠償交渉は弁護士に引き継いで進めていきます。その賠償交渉も長びくことがあります。紛争センター等の斡旋機関に持ち込めば数か月で済みますが、裁判に発展すれば1年はかかります。その間、交渉が順調であれば見守るだけになりますが、追加の医証が必要となれば再び私も走り回ることになります。そして今月、数件の難交渉案件が解決を迎えました。苦しい戦いを共に戦ってきた被害者さんもようやく安堵し、弁護士も私も晴れ晴れしい気持ちになります。

 毎回、それら解決事案を検証します。どの案件にも共通するのは、交通事故の解決は早いうちに手を打つこと、一貫性をもつことです。つまり受傷後初期から解決までの全体的な戦略を立てることです。行き当たりばったりでは、実利ある解決は遠のくばかりです。難交渉となったものの多くは、最初のつまずきさえなければ、このような長く苦しい戦いにならずに済んだのでは?と思います。その悪い例として3つのパターンがあります。

・相手保険会社に任せっきり ・中途半端な代理人に任せたおかげで迷走した ・そしてなにより被害者自身が冷静に対処できなかった

 相手の保険会社は急場の治療費や休業損害を補てんしてくれるありがたい存在です。しかし自らの権利を守るのはあくまで自分自身です。保険会社には冷静な対応が必要です。そして自分に代わって動いてくれる代理人、多くは法律職者と思いますが、すべてが専門家ではありません。どの弁護士、行政書士も商売上、専門家を謳っていますが、本当に力があるのは、ほんの一握りです。被害者は依頼する相手をしっかり見極めなければなりません。

 良い解決事例のほとんどが、交通事故専門の優秀な弁護士の圧倒的な力、もしくは手前味噌ですが、私と連携した弁護士の連携・共同体制の好取組の成果です。  債務から企業法務やら何でも屋の弁護士事務所は専門性に疑問があります。後遺障害の知識のない弁護士では相手保険会社に負けてしまいます。また代理交渉のできない行政書士に任せても、尻切れトンボのように中途半端な状態に置かれます。後遺障害の立証と後の賠償交渉は一体の戦略で臨むべきです。それは連携先弁護士と気脈を通じて立証作業を進めることによって成し得ます。

 私たちメディカルコーディネーターは全国およそ20地域の弁護士事務所と連携体制を敷いています。この交通事故解決チームで続々と成果を上げています。

 来週は沖縄の相談会にお手伝いに行きます!

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 もう一日だけ無駄話を・・法律の講義みたいで実務に役に立ちませんが。

過料

 「過料」は3種に分かれ「秩序罰としての過料」「執行罰としての過料」「懲戒罰としての過料」があります。それぞれ行政処分の一環と解釈されています。これは行政書士試験にてお馴染み、行政書士の専門分野でもあります。

「秩序罰」というのは主に行政上の義務違反に対するもの、地方公共団体の条例・規則違反に対するものです。例えば地方税の未納者に対する強制徴収が代表的です。また自治体の条例で「歩きたばこ禁止」が定められていれば、違反者に対して罰金ではなく、過料として徴収します。もっとも支払う側は罰金以外の何物でもないと感じます。

「執行罰」は行政処分ですが、戦前の行政執行法では不作為義務(たとえば、許可を受けずに営業してはならない義務)または非代替的作為義務(たとえば、予防接種義務、医師の診療義務)の不履行に対する行政強制の一種として広く認められてきたものです。戦後になって、金額が高すぎれば強力すぎるし、金額が安すぎると機能しないとして一般には廃止され、今日では形骸化、砂防法第36条に法文の整理漏れの形で残っているにすぎません。

③ 「懲戒罰」としての過料は、規律維持のため、義務違反に対し制裁を科すことをいいます。 裁判官や公証人の懲戒があります。最近の例では、裁判員制度において裁判員(又は裁判員候補者)の虚偽記載や出頭義務違反等に科される過料も、懲戒罰としての過料に当たると解されています。

罰金と過料(反則金)の関係

 交通事故の反則金は行政処分、つまり過料に類似したものです。秩序罰に近い性質ですが、根拠が道路交通法違反ですので、法律違反に対するペナルティとなります。つまり違法行為に対する罰なので、法律(刑法)に乗っ取った処分でなければなりません。そうなると刑事処分なのか?このように解釈が定まらない、あくまで例外的な制度であり、行政処分と刑事処分の中間的存在のようになっています。

◎憲法では「二重処罰の禁止」がうたわれています。では罰金(科料を含む)と過料が同じ罪に対し、二重に適用されることに問題はないのでしょうか?

 第三十九条「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。」がこれにあたります。

 しかし過料はあくまで刑罰ではありませんので罰金(科料)と過料が二重で科されることも理論上可能です。もっとも交通事故の反則金は、それを収めてしまえば刑事処分には進みません。つまり罪に問われないので、罰金は科せられなくなります。

 もちろん行政処分としての免許の違反点数、停止、取消は以前に説明した通り、刑罰と重ねて科されることがあります。これは判例で「行政処分」と「刑事処分」は別の性質のものと決着しているからです。

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 ついで罰金と反則金について法理論からも解説します。これは法律に興味のある方だけ読んで下さい。(注)理屈っぽくて、つまらない内容です。

 罰金は刑罰、免許停止や反則金は行政罰と区別しました。さらに罰金は単なる罰金と科料があり、また行政処分である過料も三種に区別されます。

 軽微な犯罪で、厳密な刑事罰の適用がなじまないケースがあります。この重い刑罰を科すことが適当ではない犯罪に科料が適用されます。

科料

 科料が適用される犯罪で代表的なものを挙げます。

公然わいせつ罪(刑法174条) 単純賭博罪(185条) 暴行罪(208条) 侮辱罪(231条) 器物損壊罪(261条)   その他 軽犯罪法違反など

 まず「科料」は刑罰の一種で、罰金と科料との違いは金額の相違です。罰金は1万円以上と規定され(刑法第15条/裁判官の判断で減軽し、1万円未満もあり)、科料は、1000円以上1万円未満です(刑法第17条/1000円が下限です)。1万円以下ですから、比較的軽い罪の罰則ということになります。  しかし1万円未満の軽い科料でも、納付しなければ、「労役場留置」といって、刑務所に収監されて、1日いくらと定められた額で払い終わるまで働かされます。例えば判決主文に罰金8000円(1日2000円)とあり、それを納付しなければ、4日間刑務所で労務に服することになります。

 比較的悪質度が高くない犯罪に対する財産刑が科料であれば、過料と同じようなものでしょうか?

「科料」と「過料」の違い

 両方とも読みは「かりょう」です。区別する意味で、「科料」は「とがりょう」、「過料」は「あやまちりょう」とも読みます。両者ともにお金を払うことですから、似たようなものに思えますが、法律構成上は異なったものです。  一般に、「科料」は「刑事罰」で刑事処分、「過料」は「秩序罰」で行政処分といわれています。実務においては、反社会性の強いものには、犯罪として刑事手続を経て法の下に科料の処分となり、逆に反社会性の弱いものは、義務の履行を促すものとして行政庁から過料を科すという傾向にあります。交通反則金はまさに秩序罰の性質を帯びます。

 問題は科料、過料の金額が刑罰の罰金に比べて低いため、刑法に規定されている犯罪に比べ抑止力はないといわれていることです。さらに過料は徴収コスト上、必ずしも厳格な執行は期待できないようです。実際、駐車違反の反則金を払わず、そのまま何もない・・ことも珍しくありません。もっとも悪質な未支払い常習者には刑事手続きをとることもあります。

つづく

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 前回の行政処分から間が空きました。続く罰金ですが、曖昧な解釈の方が多いようです。交通事故における罰金と言っても、交通反則金と罰金があります。この二つは法的性質が異なり、交通反則金は罰金とは別物です。まずこれを整理します。

 交通違反(ここでは軽微な人身事故を含む)に対し、一律に刑事手続きを行っていますと検察庁、裁判所はパンクします。なんといっても違反者の数が交通事故は桁違いです。そしてすべてに刑事処分を適用すれば、国民のほとんどが前科者になってしまいます。したがって交通違反の爆発的な増加に伴い昭和43年、交通チケット制度(俗に青切符)ができました。軽微な違反に対し、一定の金額を収めれば、刑事処分を免除しようとするものです。  この反則金は罰金ではなく、行政庁が課す一種の制裁金であり、分類も「行政処分」の一つとされています。しかし納付しなければ刑事処分に進みますので、厳密に言えば反則金は行政処分と刑事処分の中間に位置するものとも言えます。

 人身事故の場合、原則直ちに、刑事処分に進みます。したがって交通反則金(青切符)は無関係となります。しかし行政処分としての免許の違反点数、停止、取り消しは重ねて科されます。この辺がもっとも「★よくある間違い」なのです。

 罰金を中心に交通事故の刑罰を以下の表にまとめました。しかし軽傷(全治2週間以下)や物損事故はほとんどが不起訴となり、罰金が科されるケースは少ないものです。

 交通事故の刑罰 相場表

責任の重さ

ケガの重さ

刑事処分

故意、飲酒、悪質、 重大な過失

死亡 ※危険運転致死罪が適用された場合

懲役刑 1年~20年

過失によるもの 死亡 懲役刑もしくは禁固刑 7年以下 続きを読む »

 顔面骨折も少ないながら数例経験しています。顔面は複数の骨で形成されており、まずそれぞれの名称を確認します。 顔面骨折は複数の骨折が生じることが多く、状態を表現するために3分類します。

1、Le Fort(ルフォー)I型  鼻骨(びこつ)骨折、下顎骨(かがくこつ)骨折、頬骨(きょうこつ)骨折、眼窩底(がんかてい)骨折、上顎骨(じょうがくこつ)骨折。

2、Le Fort II型  鼻骨、上顎骨前頭突起、涙骨、篩骨、眼窩底、上顎骨頬骨縫合部、翼口蓋窩-翼状突起に達する骨折、上顎から眼窩にかけての骨折。

3、Le Fort Ⅲ型  鼻骨を横断し、眼窩後壁を経て下眼窩裂、頬骨の前頭突起を通り後方へ向かい、上顎骨と蝶形骨の間を通過する。顔面骨が頭蓋底と分離する。 続きを読む »

 都心から首都圏はもちろん、地方にまで出張相談をしていますが、意外と埼玉県は手薄でした。最近は大宮の弁護士事務所と連携して相談会がスタートしましたが、地元の越谷市でも初の相談会を実施します。

5月19日(日) 10:00~17:00 南越谷 サンシティホ-ル 特別会議室 

← 詳細 (クリック)

 越谷市内だけでなく、この機会に埼玉県の被害者さんに広く呼びかけます。交通事故でお困りの方は、まず無料相談会へお越し下さい。交通事故のあらゆる疑問に対し、交通事故賠償に精通した弁護士、後遺障害専門の行政書士がワンストップでお答えします。 続きを読む »

 外車、高級車は相変わらず高嶺の花、そうそう手に入るものではありません。でも周囲にはBMWに乗っている先生がおり、私もいつまでも古いボロ車ではいかんかなと・・・。そこで仕事用に新車、しかもイギリス輸入車を購入しました。  

 

 

  では、披露します

 じゃーん!

英国製ママチャリとでもいいましょうか。重厚かつ美しい曲線フレームと内蔵式3段ギア。これでN先生事務所まで5分、F先生事務所まで10分、都心の雑踏を駆け抜けるにはこれが一番!連携力アップの新兵器となります。

 早速、F先生事務所までひとっ走りです!

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 連休明けの本日は法人弁護士事務所の社員と電話打合わせからスタートです。

 この連携先弁護士事務所は月に300件を超える電話相談があるそうです。数が多いと当然ながら対応の精度が問題となります。まず電話だと相談者は一方的に疑問点だけをぶつけてきます。その会話の中で回答者が相談者から事故の情報を的確に引き出すことが必要です。事故情報が不十分では正確なアドバイスができません。電話の対応者が一般的な事務員であれば、これは相当困難と思います。また弁護士に電話を代わっても、その弁護士が交通事故案件の経験が豊富でなければ、相談者はがっかりして受話器を置くことになります。

 私のような小事務所ですと、平均2日に一件の電話もしくはメール相談で済みますので、かなり精度の高い対応ができていると思います。しかし大型事務所はたくさんの相談がありながら、全件交通事故に精通した弁護士が対応できるわけもなく、結果として発展的なやり取りになりません。的確なアドバイスができずとも、せめて無料相談会に誘致できれば・・・これが最初の目標ではないでしょうか。

 大型法人事務所だけではなく、弁護士事務所の電話対応の強化は即、受任率の向上につながるはずです。交通事故被害者の最初のアプローチでいかに信頼関係の第一歩を築けるか?これは電話対応する弁護士、行政書士の尽力はもちろんですが、補助者、事務員、パラリーガルの戦力抜きに考えられません。交通事故業務で生き残るには、クレサラ業務で増員した事務員を交通事故戦力に転換すべきと思います。そしてまず手を付けるべきは電話対応ではないでしょうか。

 被害者は法律家の仕事のみを望んでいるわけではないと思います。まず委任者に安心・信頼を求めています。保険会社は弁護士事務所が及びもつかない、すぐれた電話受付体制をしいています。ここがサービス業たる保険会社に敵わないところで、保険会社に学ばなければいけない事の一つと思います。  今月はこの電話対応のマニュアルを作りたいと思います。加えて初期対応シリーズも併せて適時、投稿していきます。 多くの行政書士が損害賠償や後遺障害の勉強に余念がないと思いますが、現在私は電話対応をはじめ、弁護士事務所の初期対応とそのノウハウにも執心しています。 

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 連休は溜まった事務仕事に費やしています。しかし、かなりグロッキー気味、遅々として進まず・・・もう若くないです。

 学生時代のGW6日は剣道の対外試合に2日間で8試合、翌日は学校行事でハーフマラソンを走り、その他6種目出場し、腕相撲では80k以下級優勝でした。そして締めは甲武信岳登山で2泊3日・・・信じられないほどの体力です。なんでこんなに生き急ぐように活動していたのか、今ではさっぱり理解できません。おかげで勉強は苦手でしたが体育はいつもクラスでトップでした。

 少し仕事の手を休め、近所の図書館に。休憩はもっぱら読書、晴れた日にテラスでビール片手に読書が最高です。中年になって体育会系から文化系へ変貌しました。

 徒歩1分で図書館!

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 首都圏、主要都市の相談会は毎回参加者も多く盛況でが、ゴールデンウーィーク前とあって、参加者は少な目でした。それでも重傷案件があり、気の抜けない相談者が続きました。

 毎回の所感でもありますが、受傷後早めの相談者は解決に向けて間違った行動を抑え、正しい誘導ができます。交通事故の解決は加害者と被害者だけではなく、間に保険会社が介在し、病院や労災、健康保険などの関わりもあることから、順調に進まないものです。先が見えないと相談者も不安な状態が続くだけではなく、間違った対応をする危険性があります。したがって早期に解決までのロードマップを描くことが必要です。しかし誤情報を信じ、自己流を貫いた結果、抜き差しならない状態に陥ってしまい、ようやく相談会の扉を叩く相談者もいるわけです。

 両者の明暗ははっきりしています。よくある2パターンを例示します。ちなみにA、Bともに同程度のケガです。

例A) 1、停車中、追突を受け、むち打ち・捻挫・打撲となった。保険会社にきちんと補償するよう、びしっと言ってやった。 2、軽傷を理由に保険会社は3ヵ月で治療打ち切りを打診してきた。 3、しかし痛みや不調が治まらないので、保険会社と大喧嘩して治療を継続。 4、その後、相手保険会社は強行的に治療費の支払いを中止。 5、治療費でもめた結果、板挟みとなった病院も冷たくなった。仕方ないので健康保険を使って接骨院に通う。 6、今後の対応に相手保険会社は弁護士を入れてきた。 7、痛みやしびれも収まらず、職場でも休みがちのせいで立場が悪くなり、精神的にも病んできた。 8、そのまま時間ばかりが過ぎて、いつまでも解決しない。ついに相手弁護士から「債務不存在確認訴訟」を提起される。 9、ここでやっと相談会に来る。なんとかこの状況を救って欲しい・・・しかし「もう手遅れです。穏便に相手弁護士と解決を。」と回答された。 10、治療費や休業損害も全額もらえず、後遺障害の認定もなく、泣く泣く二束三文の慰謝料40万円で示談。

例B) 1、初めての追突事故でむち打ちとなった。保険会社との交渉やら通院やら大変・・・早めに相談会に参加する。 2、むち打ちであっても、しびれなどの神経症状が生じれば通院が長引くことを相談会で聞いた。 3、相談会で、「医師と相談し、早めにMRIを撮るよう」指示を受け、検査を行った。 4、3か月後、保険会社から症状の打診があった。相談会で言われた通り、「神経症状がありますので、もう少し治療させて下さい」と保険会社の了解を取り付けた。 5、整形外科でリハビリ通院を続ける。症状が重ければ、整骨院・接骨院・針鍼灸には行かないよう、相談会で注意されたからである。 6、6か月後、相談会でのアドバイス通り、保険会社の治療費打切りに素直に同意し、症状固定とし、後遺障害診断を受ける。 7、14級9号の認定を受け、その後弁護士に示談を任せる。 8、弁護士の交渉にて主婦でも300万円を超える示談金で解決。 9、その後は健康保険を使ってのんびり針やマッサージで軽快を図る。 10、ついでに家族でハワイ旅行。

 このように泥沼にはまる被害者、あっけらかんと解決する被害者・・・これは相談会に来る時期で明暗が分かれると言えます。 

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以下の日程となります。休日でもメールの相談は受け付けております。

4月 29日(水) 営業 4月 30日(木) 営業 5月   1日(金) 営業 5月   2日(土) 営業 5月   3日(日) お休み 5月   4日(月) お休み 5月   5日(火) お休み 5月   6日(水) お休み

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 本日は六本木、明日は有楽町です。

 有用な記事が書けない日が続きますが、連休で挽回したいと思います。

 それと、4/28(日)は埼玉県のさいたま市大宮で無料相談会を実施します。まだ予約の枠があります。地元埼玉県の皆様、何かお困りあれば是非ご参加下さい。 申し込みは電話もしくはメールで。基礎情報が入力できますのでメールを推奨します。

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 現在、弁護士事務所を通じて損保代理店さんとの連携を模索しています。  私は損保ジャパンの代理店を併設営業していますので、地元の代理店さんから被害者の紹介を受けることがあります。

通常自動車保険に加入している方は交通事故に遭うと、加入している保険会社に事故報告します。それが物損事故や軽傷事故であれば、保険会社同士の話し合いで解決するケースが圧倒的だと思います。しかし後遺障害が残るような、また後遺障害が見込まれるケガとなると、保険会社に任せっきりでは少々心配です。なぜならいつも言うように、後遺障害による被害は一番軽い14級でも300万に近づく高額賠償となります。保険会社の支払基準はその半分にも満たないのです。そこで活躍が期待されるのは損保代理店さんです!

 代理店さんの顧客が被害にあった場合、代理店さんも様々なアドバイスを加え、解決までバックアップを行います。その中で、重傷事案であれば、早めに弁護士の委任体制も用意しておくべきです。大きな賠償金となれば、相手保険会社の提示金額や、自身の保険(人身傷害特約)では話になりません。したがって代理店さんには法律家への橋渡しを担って欲しいのです。

 そして法律家への費用負担は「弁護士費用特約」という強い味方があります。年間の掛金1600円(損保ジャパン)で交通事故被害に遭った時の顧問弁護士を確保できるのです。これに気付いている代理店さんからはどんどん紹介が入ってきます。

弁護士事務所と保険代理店を結びつける・・・これこそ私のやるべき仕事です!

連休明けからこの連携についても方々走り回ることになりそうです。   

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 朝一の新幹線で長野へ。先ほど事務所に戻りました。

 大きい病院には社会福祉士の先生が在籍する患者相談室があります。後遺障害の立証には主治医の協力が欠かせませんが、何かと相談室にもお世話になります。本日も検査内容・データの開示をお願いに伺いました。

重い障害者の場合、足りない検査があるのに診断書が書かれてしまっては大変です。医師は通常、治療やリハビリのための検査しか行いません。しかし後遺障害の正しい評価には治療とは関係のない検査も必要なのです。また後の賠償交渉にも重要な証拠として残ります。ここに治療側と障害立証側の「理解の壁」が存在します。

 ご理解を頂くためには新幹線代など気にしていられません!何度でも通うつもりです。なぜなら本件の後遺障害認定には被害者の一生がかかっているからです。こちらの立場、希望が上手く伝わらなくて、もどかしいことが続きますが、必ず誠意は通じるものと思っています。頑張らねば!

    まだ桜が残っていました。散り際です。     ほぉー、日本で一番海から遠いと・・

 

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 今日は埼玉の北本市へ。被害者さん宅を訪問です。

 交通事故で入院してしまった方、ケガの状態やご高齢で外出困難な方、その他の事情から相談会に足を運べない被害者さんがおります。もちろん、ご家族が代理人として相談にいらっしゃるようになりますが、やはりご本人に会う必要があります。それは被害者本人と一緒になって解決を目指す私たちにとって、信頼を造成する上で欠かせないものと思います。    システムの合理化により、面談なしで仕事を進めることも可能な時代です。しかしどんなに進歩しても変わらないこともたくさんあります。例えば電子メールなどの通信手段が格段に進歩した現在も、手紙は無くなりません。

 ただ会いに行くだけ・・・これも大事な仕事と思います。

 ちなみに今月リニューアルされた歌舞伎座  連日すごい賑わいです。事務所の周りにも大型バスが乗り入れ、観光客が押し寄せています。しかも外国人だらけ。

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