朝から業務に支障のある電話やその他不測の事態が重なり、日誌を翌日に書いている次第です。

 このように日誌と言いながら諸々の事情を言い訳に、日記(毎日書く)とはならないものです。しかしだからこそ、それを日々励行することで私の仕事への姿勢を皆様に測っていただけると思っております。

 昨日までGW特集と銘打って自動車保険の「隠れ特約」を4回のシリーズで掲載しました。これが予想以上の反響で、他の行政書士はもちろん、保険代理店にもかなりのインパクトを受けたとの報告が入りました。また関西方面から「類似ケースの相談」メールや電話もいただきました。

 反響があることは素直にうれしいものです。そしてもしかしたらこの情報で救われる被害者や、何かのきっかけとなる方が全国に存在するかもしれません。とても有意義な作業をしたと思います。

 今後もうんちく語りのマニアックな解説はもちろん、かゆいところに手が届く情報を発信していきますよ!

  

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実話 「隠れ特約」に翻弄されて 最終回

 あ○おい担当者:「割合に応じて49%払えます。したがって利害関係を持つ弊社も訴訟参加します」  何を今更!それなら最初に言ってくれよ あ○おいさん! このまま裁判沙汰にでもならなければ黙っていたつもり?事故から5年も経って「実は半分くらいは払えます、だから裁判にも口を出しますよ」ですって。呆れます。

 ちなみに裁判の結果に利害関係をもつ者が顔を出してくることを訴訟参加といいます。この者を補助参加人と呼びます。これで本裁判の顔が出揃いました。   原告: Bさん  原告代理人: D弁護士  被告: A君   被告代理人: C弁護士 補助参加人: あ〇おい損保    参加人代理人: E弁護士 補助参加人: ア〇サダイレクト損保  参加人代理人: F弁護士  とまぁ、豪華絢爛、この裁判の出演者はこのように整理できます。普通、原告、被告、補助参加人の2社は裁判所に出廷しません。したがって実質はD弁護士 対 C、E、F弁護士 です。(弁護士は大繁盛ですね)    あ○おいさんは裁判で「Bさんの請求額に対して意見がある」とし、今まで5年間特約の存在を黙っていながら堂々と医療調査を要求して、収束しかけた裁判を長引かせています。2度も自賠責保険調査事務所による医療審査を経ているのに、この場に及んでケチをつけてくる。今まで黙って様子見しておいて、いざ払う羽目になってから、反論してくる?これは厚顔無恥です。  そもそもA君が訴えられているわけで、A君の弁護士に任せればいいのに?と思います。おそらく加害者側は心情的に被害者にできるだけ保険金を払ってあげたいのです。その気持ちを代理人であるC弁護士が汲み、反論が鈍る危険性を感じ…あ〇おいさんは黙っていられないのでしょう。    もう被害者も加害者も関係なし、とにかくあ〇おいもア○サも「少しでも支払いを減らしたい!」のです。    これはもはや交通事故、加害者と被害者 の争いではありません。   「障害補償を少しでも多く求める被害者」と「少しでも払いたくない保険会社」の争いです。       続きを読む »

実話 隠れ特約に翻弄されて 第3話

  いよいよ裁判が始まりました。まずは損害実費、既払額の確認からです。なにせ事故から時間がたっています。被害者Bさんにまったく責任のない事故なので、争点は「こちらの請求額が多すぎる!」の一点です。相手のみならず、自分の保険会社まで減額の大合唱、時間のかかる裁判となりそうです。

 そして相手弁護士から謎の一言

「賠償額が裁判で決まれば、賠償額の49%をあ○おい保険会社から払います」。

  は?何のこと? 

 

 えっ、年齢条件違反で保険がでないはずじゃなかったのですか???  始まったばかりですが、ここで物語を中断します。  

 私がなんでこの話をGW特集としてシリーズ化しているかと言いますと、「隠れ特約」は一つではないからです。「隠れ特約②~③」を紹介しましょう。

 

隠れ特約②: A『年齢条件特約の不適用に関する特約』

1.「年齢条件に違反」して被保険自動車を運転して起した事故を補償します。

2.『対人賠償』と『対物賠償』のみ補償

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 さてBさんは救われたのでしょうか  

実話 隠れ特約に翻弄されて 第2話

   ようやく無保険車傷害特約にて救済の道が開けたBさん、私もア○サさんの担当者と電話で今後の進め方を協議しました。担当者との信頼関係も大事です。まずは相手の支払い能力を見るために「加害者に請求する」ことから始めます。ア○サさんには少し待ってもらうように話しました。それにいくら自分の保険で救済されるかと言っても本来相手が払うのが筋です。したがってこちらも代理人弁護士を付けて本格的な賠償交渉をすることにしました。裁判までやるかどうかは相手の出方次第です。稀に相手の親や親類が訴えられる加害者A君を見かねて支払うケースもあり得ます。

 さて、当方の弁護士も決まり、粛々と進めている間、思わぬ横槍が入りました。

 その横槍とは他でもないア○サさんです。Bさんは弁護士と委任契約を済ませ、ひとまず安心していたのですが、今まで保険請求に対し一向に相手にしてくれなかったア○サさんから内密に話があると…。別の担当者からものすごく丁重に今後の事について相談が持ちかけられました。

  

ア〇サ:「このたびはお見舞い申し上げます。・・・中略・・・Bさんも早く解決したいでしょう。それに相手は支払い能力がないので結局私どもが保険金を支払うことになります。したがって裁判をしても弁護士費用が無駄になるだけです。私どもならすぐに保険金を支払います。」

Bさん:「本当ですか?じゃいくら払ってもらえるのですか?」

ア○サ:「この通りです。」 計算書を用意していた。

Bさん:「でも弁護士先生にもう頼んでしまいました」

ア○サ:「裁判をやめてすぐお金を受け取るかどうかはBさん次第ですよ」

Bさん:「・・・・」 結構な額に心が揺れています。  

 さて、私や弁護士を差し置いて、ア○サさんがとったこの一連の動き、これを理解できますか?これが説明できれば保険通です。

 これは裁判で決まる賠償額と保険会社が独自基準で計算する額があまりにも違うからです。判決によって金額が上下するとしても、裁判で獲得する金額は保険会社基準の2~3倍になります。つまり判決ででた金額を(当然A君は払えないので)そのままア○サの無保険車傷害特約に請求されたらたまらない!とア○サは考えたのでしょう。それで裁判を止めさせ、Bさんを目先の金で釣りこもうと画策したのです。だから担当者も私に内緒で進めたのだと思います。 続きを読む »

 ゲームの世界では「隠れアイテム」「隠れキャラ」などの言葉があります。これはゲームの製作者が意図的にその存在をマニュアル等に載せず、ゲームをやりこんだマニアにそれを発見させる楽しみを与えるものです。

 これがあるのです。自動車保険にも。

 いざというとき、つまり交通事故では自動車保険がもっとも頼りになる救済システムです。それは掛金を払っている契約者(加害者)はもちろん、相手(被害者)に対しても同様です。  しかしこれから紹介する特約を知っている人はどれだけいるでしょう?私の聞き込みでは大手損保会社の数億円収保の大型プロ代理店、保険支払部門勤務30年のベテラン社員でさえこの特約の請求に遭遇したことがないそうです。この方達が勉強不足であるとは思えません。それほど珍しいケースなのでしょうか・・・。

隠れ特約① 無保険車傷害特約

 無保険車傷害保険とは(超簡単に説明します)・・・

 事故相手が自動車保険に入っていない、効かない、または保険は入っていても支払額が足りないとき、自分が契約している自動車保険から肩代わりして支払ってくれます。乗っていた車の保険が適用される方や搭乗中の方が死亡、後遺障害を負った場合に保険金をお支払いします。記名被保険者とそのご家族(別居の未婚の子を含む)についてはご契約のお車に搭乗中以外(自転車、歩行中など)の事故も補償します。加害者が負担すべき損害賠償額のうち、自賠責保険の保険金を超える部分に対して、被保険者1名につき2億円を限度に保険金をお支払いします。ただし、加害自動車に対人賠償保険が(足りない額だけど)ついている場合や他の無保険車傷害保険(特約)の適用がある場合は調整して支払います。 続きを読む »

【病態】    肘関節は、上腕骨(じょうわんこつ)と2本の前腕骨(ぜんわんこつ)(橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)が組み合った関節で、上腕骨内側の滑車(かっしゃ)という部分と、尺骨の肘頭とカギ型の部分とが強くからみ合って、曲げ伸ばしの運動が行われています。この部分がはずれることを肘関節脱臼と呼びます。多くの場合、転倒した時に手をついて起こります。  尺骨が上腕骨に対して後ろ側に脱臼して(後方脱臼)、肘関節の屈伸ができなくなります。外側の橈骨頭だけがはずれる場合は、単に橈骨頭脱臼になります。    

※ 骨折と脱臼の合併

 肘の脱臼骨折は橈骨頭骨折を合併した肘関節脱臼と、腕尺関節の不安定性を生じる近位橈骨、尺骨骨折に大別されます。これらを含む骨折のパターンは以下の4つに分類できます。

1、橈骨頭骨折+肘関節後方脱臼

2、橈骨頭骨折+鉤状突起骨折+肘関節後方脱臼、いわゆるTerrible triad

3、前方への肘頭脱臼骨折、いわゆる経肘頭脱臼骨折

4、後方への肘関節脱臼骨折、Monteggia 骨折の最も近位のタイプ  

【治療】

 徒手整復が基本です。肘関節を軽く屈曲して、前腕を後方に押し下げながら牽引すると、通常は簡単に整復されます。整復後、肘関節を安定度に応じて1~3週間程度ギプス固定をします。その後固定を解除し関節の自動運動を行います。  整復されても、すぐに再脱臼を起こすような場合は、肘関節の広範囲な靭帯(じんたい)損傷が疑われます。この場合、動揺性を残す後遺障害となる可能性がありますので、靭帯の損傷具合によって、手術による靭帯縫合も検討します。

    ①           ②           ③   続きを読む »

■ 病態

 上腕骨遠位端骨折は肘周辺骨折の中で最も頻度の高いもので、転落や転倒により手をついた場合生じます。一般に診断は容易ですが、適切な治療を行わないと後遺障害を残すことがあります。  肘過伸展位(肘関節が反対側に曲がり過ぎて…)で手をつくと、骨皮質が薄く、また骨の断面積も小さい上腕骨の顆上部にストレスが集中し骨折を生じます。通常末梢骨片は伸展位をとり、程度が強い場合には後内側へ転位し、回旋を伴います。    顆上骨折、顆部骨折が多く、顆部は外顆骨折、内顆骨折に分かれます。 

■ ...

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昨日から電話相談が集中しています。ちゃんと名前を名乗ってから順序立ててお話しする方なら歓迎です。しかし名乗らず、いきなり質問してくる方も多く、前後の事故情報を聞いてないので回答に困ってしまいます。

 やはりメール相談をお勧めします。電話では一つ一つの状況をお聞きするだけで15分は使ってしまいます。回答の正確性をキープする必要もさることながら、相談者自身が言いたいことを整理する為にもメール相談(メールフォーム使用)は必要と思っております。しかし事情により電話を希望される方も存在しますので。可能な限り対応を続けていきたいと思います。

 今日は火曜日、気分は Ruby tuesday

彼女は通称ルビーチューズデイ、本名知らず・・・

「とりあえず名前は名乗ろうね」

http://www.youtube.com/watch?v=tTxj9pzlnNs&feature=related

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今月の相談者は21名。弁護士&行政書士数名のオブザーブ参加もあり、相談室は盛況かつ時間通りサクサク進行しました。

■ 今回印象に残った相談案件を振り返ります

・ 醜状痕は見る人の主観で左右される?

 醜状痕の判定は自賠責の審査の 「原則=書面審査」 唯一の例外です。キズの確認の為、面接を行います。この際、審査員の主観を排除するため、専門家の同行が効果的です。キズが目立つか否か?その判断に個人差があるものです。しかしここは基準通り、しっかり長さや面積を測定をすべきです。

・ 毎度おなじみ関節可動域の間違った測定

 既に間違った測定で記入された診断書・・・これを修正するのは大変です。測定・記入した医師が「はい間違ってましたね。じゃあ測定し直しましょう」・・・なんて簡単に事は進みません。医師は間違いを認めないことが多いのです。多忙な医師は診断書一つで時間をかけていられません。しかし被害者が受け取る保険金や賠償金は数百万円減ってしまうこともあるのです。  この修正作業を美人弁護士N先生へ託しました。頼むぞ!

・ 鎖骨の変形癒合

 ここ数日3例の相談に遭遇。3名それぞれレントゲン写真で確認しましました。明らかな転位(ズレてくっついた)ものについては、医師の初期段階の判断に疑問があります。手術を避けるにしても、もう少し整復に工夫ができなかったものか?です。  また今回2名の方については医師の判断・診断に任せると、「きれいに癒合した」とされてしまう懸念を感じます。変形してくっついたかどうか?は見る人の主観に左右されます。苦労して整復を果たした医師にとっては「なんとかここまできれいにくっつけた→施術は成功した→変形癒合とまでは言えない」、この論調に流れがちです。したがって診断書上「変形なし、転位なし」とされます。   しかし本人は変形を自覚しています。医師の診断書にそれを落とし込む説得に加え、裸体写真+レントゲン写真で客観的に変形を確認してもらう作業が加わります。

・ 順調、受傷初期相談者と継続相談者

 「受傷後、早めにご相談を!」・・・症状が深刻な場合、受傷初期から解決まで計画的に解決プログラムを策定する必要があります。特に後遺障害の認定は「手遅れになる前に事前に手を打つ」必要があります。  この主張が浸透してきております。受傷初期から適時報告、相談を重ねている被害者さんは間違った方向へ行かず、理想的な解決に落着します。今回も受傷直後の方、そして継続的に参加し、完全解決の軌道を順調に進んでいる方が5名参加です。良い傾向です。

  ■翌日は行政書士仲間の昼食会

 理想的な被害者救済システム、後遺障害立証ノウハウについて昼食をとりながら会議です。普段なかなか時間を取って懇親会が開けないので良い機会となました。会はちょっと洒落たレストランで行いました。ボランティア活動が多い貧乏書士でもたまには贅沢をお許し下さい。

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 今日は夕方、横浜のY先生事務所にて被害者面談、その後夜から明日の首都圏会議の為に品川入りです。  

 今週は弁護士事務所訪問が4軒続きました。裁判、紛争センターの様子、いろいろと情報が入ってきました。その中で気になったことを一つ。  

■ 紛争センター控室・廊下で待機する行政書士

 紛争センターとは交通事故被害者と相手保険会社の話し合いを仲裁し、解決案を斡旋する組織です。全国各主要都市にあります。保険会社独自の賠償基準では金額が低すぎて被害者が納得しない場合、関東甲信越では赤い本を基本として賠償案を提示してくれます。被害者の味方として大変ありがたい機関です。

 私たち協力行政書士は後遺障害等級獲得後、弁護士の先生に賠償交渉を引き継ぎ、裁判に馴染まない案件はこの紛争センターにて解決しています。保険会社が直接交渉で赤本基準まで引き上げてくれないとき、この紛争センターの利用は効果的です。そして交通事故に精通した弁護士の交渉が最適であるのは言うまでもありません。

 しかし!!!未だ多くの行政書士が「書類交渉なら賠償交渉とならない」との独善的なの苦しい法解釈のもと、チョロチョロ賠償交渉の場面に顔を出します。そしてN弁護士の報告によると、紛争センターの控室・廊下まで被害者に同行し、交渉の部屋から出入りする被害者に「〇〇と言いなさい」とアドバイスしながら進めている行政書士がいたそうです。この珍妙なシーンはつまり、代理交渉が法律的にできない行政書士は交渉の場への同席を禁止されているからです。

 皆さんはどう思いますか? 交渉の場から締め出され、廊下でウロウロする行政書士の姿、それを横目に丁重に室内に案内される弁護士・・・

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 私の所属する越谷支部では若手有志による勉強会を隔月で続けています。昨日は司法書士N先生講師による「成年後見相談における対応」でした。高齢化社会のなかでますます後見人のニーズが高まっていますが、今回の講義で印象に残ったのは、

1、本人(成年被後見人)のための制度であること

 後見人になりたい近親者や他人が自身の都合や利益のために後見人申請をするケースがあり、本人の利益という観点からしっかりと説明し、理解を促すことが大事です。

2、後見制度において利用する信託制度

 やはり不道徳な後見人が本人の財産を侵すケースが多いのか、家庭裁判所も法律家が後見人となること、もしくは後見監督人(後見人をさらに監督する専門職)を推奨しています。

 さらに本人の財産を信託化、一定の管理により保護する制度が最近できました。今後この制度の普及、動向に注目です。

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■ 病態

 橈骨神経は正中(せいちゅう)・尺骨(しゃくこつ)神経と並び、腕を走る大きな神経のひとつです。橈骨神経のはたらきは大きく分けて3つです。  

1、肘関節を伸ばすこと(上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)の収縮による)    2、上腕二頭筋と協力して肘関節を収縮すること(腕橈骨筋(わんとうこつきん)の収縮による)    3、手首と手指を伸ばすことです。  

 感覚領域は手の背部で親指、人差し指とそれらの間の水かき部を支配しています。  橈骨神経麻痺は、上腕中央部で上腕骨のすぐ上を走っている神経が、骨と体の外の硬い異物との間で圧迫されることで起こります。

■ 症状    症状は、手指や手首が伸ばしにくく(下垂手)なり、しびれ感と感覚の鈍さが親指と人差し指の間にある水かき部に起こります。橈骨神経麻痺は圧迫性末梢神経障害(あっぱくせいまっしょうしんけいしょうがい)のなかでも代表的なものです。例えば、深酒をしたあとに腕枕をしたり、ベンチに腕を投げ出すような無理な姿勢をすることや、腕枕をすること(フライデーナイト症候群、ハネムーン症候群といったしゃれた俗称もあります)、これら上腕で神経が圧迫されることにより発症します。

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■ 病態説明

 二の腕の骨折です。骨幹部は骨顆部(骨の両端、関節部分)に比べ癒着後も偽関節(くっつかない)や変形を残しづらいと言えます。しかし骨折の種類によって油断ならない特有の後遺障害を残すこともあります。

骨折の形態を復習しながら続けます。

■ 治療

 わずかな亀裂なら保存療法で済みますが、左図のような骨折となると観血的手術でプレート固定となります。  また、開放骨折(折れた骨が上皮を突き破って露出)の場合も当然に手術療法となります。  保存療法では吊り下げギプス固定(ハンギングキャスト)や肩や肘の動きの邪魔にならない機能的装具が用いられます。  

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 早朝に病院同行、しかも仙台(から二つ目の駅)なので、当日の新幹線では間に合わず、前日の日曜から現地入りで泊まりでした。  この案件はすでに等級が確定し、弁護士に引き継いだ案件です。しかし自賠責の認定内容からさらに上位等級を目指しています。それは諦めきれない事情があるからです。まだ進行中の為詳しくは言えませんが少し語ります。

 自賠や労災での審査は平均的、画一的な審査基準なので「個別、特殊な事情」には対応しきれないケースが起きることがあります。例えば骨折癒合後の関節拘縮がその一つです。

 骨折後、骨がくっつく間、骨折部が肘や膝であった場合、しばらくの間は固定の為に関節を曲げることができません。固定が長期となれば、長い間曲げない関節は固まって曲がらなくなります。したがって引き続き回復のためのリハビリが必須となります。

 ここで順調に関節の可動が回復すれば問題はないのですが、関節部分の骨、顆部とよびますが、ここが骨折した場合、関節可動の完全回復は難しくなります。それが高齢者や持病をもつ患者ではリハビリの制限からより深刻となります。また今回のケースでは複数の受傷が相まって可動制限がおきました。これは現状の審査基準では判断不能なのです。

 印象としては自賠責調査事務所は骨折、靭帯損傷の程度から関節可動域の回復具合の目安を想定しているようです。例えば健側(ケガをしていない方の腕、足)に比べ患側(ケガをした方の腕、足)が2分の1以下の可動制限となり、「10級だ!」の申請に付しても、「この程度の損傷ではそんなに曲がらなくならないでしょ」と12級~14級におとしてきます。

※ この判断は骨折より靭帯損傷の場合によく見られます。確かに靭帯損傷が僅かの場合、自然治癒し、可動制限も深刻とはなりません。逆に靭帯が完全に断裂したとなれば手術で回復を図ります。そして後遺障害は可動域制限ではなく異常可動=動揺関節となるはずです。     もちろん本人のリハビリ不足=治療の努力不足は責められるべきと思います。しかしそれを自己の責任ではない高齢者や持病者、特殊なケースに当てはめることができるでしょうか?「個別の事情」とはそのことです。

 だから諦めないのです!無報酬、手弁当で新幹線に乗ります。私の仕事は利益の追求だけではなく、信念・執念で動く事もあるのです!・・・まぁ、たまにあります。  

 おかげで関東で見損なった桜満開を東北にて満喫。プチ出張はいいもんです。

  今回のお宿 震災の影響で少し傾いている?  昔ながらの宿です。ビジネスホテルよりこの風情に萌え~です。ご主人、おかみさんには大変親切にしていただきました。ありがとうございました。

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既に報道でご存知と思いますが痛ましい交通事故が起きてしまいました。  京都・祇園で発生した乗用車が歩行者を次々とはねた死傷事故、車を運転していた男性はてんかんの持病があることが報道されています。

 私も高次脳機能障害の検査・診断の傍ら、てんかんの有無はもちろんですが、障害が自動車運転に与える影響について家族と一緒に医師と相談します。軽度、障害9級で車の運転を続ける方も多いのです。その際、医師が運転の可否について診断を下します。今後この診断書に重みが増すことは間違いありません。

 実は事故発生の2日前となる4月10日、小川敏夫法務大臣が危険運転致死傷罪の法改正に関する考えを述べていました。大臣の発言は、昨年4月に発生した栃木県鹿沼市クレーン事故の遺族が、危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を提出したことを受け発言したものです。遺族が集めた最終的な提出署名数は、刑法の条文改正が17万0829名、運転免許交付制度の改正が16万7398名でした。

 このタイミングでの昨日の事故、法改正への動きが加速しそうです。現在免許を取得、更新する際に自らの障害を申告するのはほぼ任意です。病歴情報はセンシティブ情報(特に取り扱いに配慮が必要な個人情報)で、行政側はその病歴・既往症の告知義務に消極的なのです。しかしこれに一定の法的義務を課すべきとの声は以前からありました。

 以下は、法務省のウェブサイトに掲載された記者会見の概要から抜粋しました。

 質問:昨日、栃木県鹿沼市クレーン事故の御遺族の方がお見えになって,危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を手渡されました。 危険運転致死傷罪に関しては,元々は,交通事故遺族からの強い要望で創設された条文ですが,適用をめぐっては慎重な適用が多いかと思われます。一方,罰則強化をすると道路交通法との兼ね合いでひき逃げといいますか,逃げ得を許してしまうのではないかとの指摘もあります。法改正の是非も含めて大臣の御見解を伺えればと思います。   小川大臣:危険運転致死傷罪を導入する際にも,随分と議論があったわけですが,その際には,国会の議論の中で附帯決議等で厳格な運用をということが言われていいました。  最近出てきている現象の中では,危険な行為というものは千差万別でいくつもあるので,その中で危険運転致死傷罪を適用する4つの類型だけを取り上げている関係で,同程度に悪質でありながら,4つの類型に入らないから危険運転致死傷罪が適用されないというような構造的な問題があると思います。   ですから,本来,それまでは過失犯ということで事件処理していたものが,法改正を行うと故意犯に近い量刑になってくるということの問題点もありますので,今すぐ法改正を行うとは言えないと思います。

 しかし,実際に,危険運転致死傷罪に規定されたこの類型と同じ程度に悪質な態様でありながら,一方で法が適用され,他方で適用されないという現象が起きてますので,これはこの法の背景も踏まえて検討する必要があるのかなというところです。   今,どういう方向にという方向性を私の方で説明できる状況ではありませんが,そういう問題意識を持っているということで御理解いただきたいと思います。  一方、こうした動きを受け日本てんかん協会も、てんかんと運転免許についての要望書を、法務大臣と国家公安委員長宛に提出していた。要望の項目は、次の3点です。 1.

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 交通事故で愛車に損害を負い、自分のケガ以上に心を痛める相談者さんがいます。キズ一つつけず大事に乗ってらしたと思います。相手保険会社の対応は原則、現状回復です。つまり修理費をお支払いして終わりです。これは直接損害と呼び、保険会社のアジャスター(調査員)が車と修理箇所を確認にするため修理先に伺い、その修理先からの請求書が水増しや本事故以外の修理が加算されていないか、不正請求のチェックします。不正さえなければこのチェック段階でほとんど話はまとまります。

 最近の相談で困ったのは、「車の慰謝料がとれないか?」です。つまりせっかく無キズで乗っていた愛車を修理する羽目になり、心が痛んだ・・ということです。人により色々な考え方がありますので、まずは尊重してお話を聞きます。しかし「気持ちはわかりますが、車の修理での慰謝料を認めた判例は存在しません」と回答します。現実的に生じた費用として、格落ち損害や代車費用、その他生じる雑費について明確な明細書があれば請求できます。これらは間接損害と呼びますが、これすら保険会社は簡単に支払いに応じないのです。代車費用のみは代車の使用事実があれば支払いますが、これも過失が5%でもあれば認めないとはねつけます。

     

 話を戻しましょう。愛車の損害でショックを受けている相談者さんはいくら建設的な解決案を提示しても、感情論に固執してしまい前に進みません。困ったものです。  また格落ち損害も新車からせいぜい3年経過の高級車なら交渉して請求する意味もありますが、登録7年超の小型車や軽で格落ちを請求したい相談者もいます。理論的には修理費40万位で全損となるとして、その30%の12万の格落ち代の請求?しかし判例でも古い小型車の格落ち損害はあまり例がありません。なぜなら裁判で争うような金額ではなく、大がかりな争いになる前に解決しているからです。経験上このケースはかなり頑張った交渉で半分の6万を修理費に加算してお茶を濁します。

 そんなわけで私は物損事故のみ、とりわけ小損害の相談案件は受任はしない方針です。この数万の請求の為に相談費用をお預かりするのは恥ずかしいからです。また肝心の賠償交渉自体、行政書士はできません。近年弁護士費用特約の加入者は、自腹が痛まないのでこの特約を使って僅かの請求でも弁護士、行政書士に頼もうとします。

 弁護士費用があるから・・・このような考え方で安易に代理人を使う。あまり上品な行いには思えません。

 また暮れに偽装事故と思われる被害者が保険会社に修理費の賠償請求を起こしましたが、この不正者(の疑い濃厚)は弁護士費用を使って弁護士をたててきました。受任した弁護士先生の名前は挙げられませんが、法律より社会性を(人を見る)勉強してほしいものです。

※ 弁護士費用特約 参照→弁護士費用特約 

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 骨、筋肉、靭帯、神経と解剖が続きました。いよいよ症状別各論に入ります。やはり図・写真の多用は避けられません。長い文章より如実に語ることができます。

■ 病態説明

 顆部骨折(長管骨の両端、関節部分)の骨折すべてに言えますが、骨粗鬆症に関連した中高年に多く、転倒の際、肩からはもちろん、手をついて転倒した際にも受傷がみられます。 <上腕骨近位端の部位名称>

① 上腕骨頭  ② 小結節

③ 大結節   ④ 骨幹部

a: 解剖頚  b:外科頚 

 

 

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 ムチ打ち、外傷性頚部症候群の症状の多くに単に首の痛みだけではなく、上肢~手指にかけての放散痛(電気が走るようなしびれを伴った痛み)がみられます。何故でしょうか?それは首の神経が鎖骨の裏を通り、腕から手指にかけてつながっているからです。

 また上肢の拳上が不能となるようなケースもあります。これは首の左右の神経根の圧迫、神経孔の狭窄(きょうさく)、つまり首の頚椎と頚椎の間を通る神経がヘルニアや変形した骨の圧迫を受けたり、神経を通る隙間自体が狭くなるために起こります。稀に脊髄自体に頚椎やヘルニアの圧迫がある正中型神経圧迫でも発症するケースがあります。ひどい例ですと肩が上がらなくなった被害者(脊髄前角障害)も経験しています。

 腕の拳上不能の原因は、肩腱板か? 上腕筋の損傷か? 頚部神経症状か?…医師の診断力が試されるところです。   

5、腕の支配神経

腕神経群

 前述のとおり、頚部の神経節を発し、鎖骨の裏側を通り抜け腕に達します。ちなみに胸郭出口症候群ではこの鎖骨裏の神経群が圧迫を受けて症状を発します。

  A.腋窩神経(えきかしんけい) 続きを読む »

 先週の土曜日は水戸で打ち合わせでした。打ち合わせは夕方からなので、前日から平磯~磯崎間の磯へ。思い切って休暇としました。(まぁ電話は鳴りっぱなしですが・・)

 茨城へは震災以来です。宿の方も震災直後からだいぶ回復したものの客足は半減だそうです。  今回の狙いはクロダイですが、まだ水温低く、時期は少し早いようでした。釣りは1年ぶりくらいなので、危険な磯釣りは避けて平磯の外堤防でのんびりと構えました。

 ← 平磯のダイちゃん   続きを読む »

4、肘の靭帯    二つの靭帯によって関節の安定が保たれています。    橈骨側(親指側)に外側側副靭帯  尺骨側(小指側)に内側側副靭帯    輪状靭帯とは橈骨頭を取り巻いている橈尺関節の一部で、前腕の回内と回外を可能にします。

やはり平面図ではわかりづらいです。 肘関節模型で再度見てみましょう。

橈骨側                尺骨側 続きを読む »

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