一地域の、一事務所の、一行政書士が年間何人の被害者に対応できるか?かなり真面目に考えています。昨日いらした相談者も既に数件の弁護士事務所のドアを叩いています。しかしご自身の意図する解決策を示してくれる法律家に出会えません。 この仕事は採算、利益追求や事務所経営もさることながら、「理念」が一番大事であると思います。被害者救済の志のない者は、いずれ被害者に見透かされてしまいます。また被害者も厳しい目を持って、専門家選びをして下さい。 

 秋から、ドーンと乗り出します。「毎月完全無料相談会」です。  志ある専門家を首都圏に結集し、より多くの被害者に最適な道しるべを示していきたいと思います。もう無駄な相談に時間を費やして欲しくありません。

  ■ 「無料 首都圏・交通事故相談会 定期開催のご案内」

 市町村や公的機関の無料相談、弁護士・行政書士の法律相談・・・交通事故相談はたくさん存在します。しかしそれらに足を運んだが、「悩みが解消した」「方針が定まった」「道が開けた」に至らず、あっちこっちまわっている被害者さんを見かけます。それは解決に向けての全体的な流れ(どの時期に何をするか?)や具体的な作業(どの病院で検査をするか?どの弁護士、行政書士が精通しているか?)に踏み込んでいないからです。  交通事故解決の道は、解決までの方針を固める事、具体的な機関に誘致できること、各分野の専門家を熟知していること、です。それらの施策は早ければ早いほど良いのは言うまでもありません。

 NPO法人、協力行政書士の交通事故専門家が対応する 「無料 首都圏・交通事故相談会」 にてお待ちしています。

【日時】 9月17日(土) am10:00~pm5:00 【会場】 赤坂エクセルホテル東急        東京都千代田区永田町2-14-3 【費用】 無料 

 人数に限りがありますので完全予約制です。当方HPメールフォームから「無料相談会参加希望」と明記し送信頂くか、お電話にて申し込み下さい。追って予約時間・詳細をお知らせします。

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 本来朝に書くべき業務日誌を夜に書いています。(なんとか今日の日付中にUPできました)

 今朝は5時起きで事務を処理、6時すぎに事務所をでました。朝はラッシュ等で時間が読めない自動車を避けて電車移動です。 小田原への往復は移動中に食事、仮眠ができる特急ロマンスカーが便利です。簡単な事務も可能です。到着後、被害者さんに同行し、医師と後遺障害診断書について打合せ、今後も数回の面談が必要になると思います。遠方ですとなかなか大変です。

 さて後遺障害診断書を書く、「症状固定日」とはどの時期を指すのでしょう。これはなかなか難しいテーマです。何故ならそれぞれの立場で各々判断されているからです。

1、医師・・・・治療の効果がなくなり、症状が一定、もしくは一進一退となった時期。

2、保険会社・・・・打撲・捻挫は3か月、ちょっと重いと半年、それからしぶしぶ延長。            (部位・症状で基準表があります)

3、患者・・・・通院に疲れた時。

4、多くの弁護士、行政書士・・・・1~3者任せ。  

 理論的には医師の考えが最も正当であると言えます。しかし、症状固定時期を「保険会社がせっつくから・・」、「症状固定時期は患者が決めるもの・・」と人任せな判断をする先生もいます。正直何が正しいのやら、わからない時があります。

 我々協力行政書士は後遺障害の認定は傷病名にもよりますが、早い時期に認定を取ってしまおうと考えます。一定の治療を行った後ならば、早期解決のためと審査の易しい初期を見定めて等級認定を早めに行います。症状の改善はその後でもゆっくり果たせばよいと思うからです。ある意味、合理的な判断です。

 交通事故のスムーズな解決は患者本人だけでなく、これら関係者の関与がありますので難しくなるのです。私の仕事は患者主体の立場でこれらを整理することです。立ち止まって理論を追求している暇はありません。帰路そんな事を考えていたら列車は新宿に着きました。  来週の月曜日も小田原です。

            

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 最近の相談事例から・・・

 事故で足首を痛めました。捻挫ですが、腫れと痛みがかれこれ1か月以上も続いています。主治医も初診時にレントゲンを撮り、「骨に異常はないですね」と言ったきりです。湿布による消炎と電気治療が続きます。しかし回復せず、関節もよく曲がりません。医師に相談しても、「様子をみましょう」と・・・

 さて、このまま漫然と治療を続けるとどうなるでしょう。半年後の症状固定時になっても足首の可動域は回復していません。底屈30度、背屈10度と計測し、後遺障害診断書に書いて頂きました。しかし傷病診断名は右足首捻挫です。画像もレントゲンのみ、骨に異常なしのままです。

 これでは確実に「非該当」=後遺障害はなし、です。

 この段階になって、異議申立をして、いくら関節の痛みや可動域制限を訴えてもダメです。

 骨折や靭帯損傷など器質的損壊がないもの、例えば「捻挫・打撲」は治るもの、と解釈されています。そして可動域制限があったとしても、その原因となる傷病名が診断されていなければ無視されます。

 この方は、足首の靭帯に損傷があるものと疑う必要があります。丁寧に足首の靭帯をMRIで描出する必要があります。それも受傷直後、遅くとも3か月以内に。そして「後距腓靭帯、踵腓靭帯、前距腓靭帯の損傷」のような確定診断の記入が必須です。    

 もうおわかりですね、医師の指示は絶対ではないのです。あとで泣くのは自分自身です。「おかしいな?」と思ったら、自分から医師に検査の依頼をしなければなりません。それでも「患者は医者の言うことを聞いていればいい!」と相手にしてもらえないのなら、残念ながらただちに転院です。

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 連休は女子サッカー一色でしたね。翌朝の再放送で観ました。世界一はすごいです。  今週は大型台風がやってきます。計画的に動かないといけないですね。  今朝は先週の流れで温泉について。

■ 温泉の効能

 よくアルカリ泉は火傷にいい、ナトリウム泉は温まる、といった成分からの効能が語られますが、それ以前に温泉入浴全般に言える効果について。

1、転地効果     日常、とくに都会生活から離れ、自然環境に恵まれた所でゆっくり休むことが身体、精神共によい効果をもたらします。気分転換すること、よい景色をみること、よい空気や水に触れること、体に悪いわけありません。

2、温熱効果  昨年、体を温めればすべての病気が治る、というような内容の本がたくさん出版されました。デトックスなんかも流行ったことがありました。それらに共通することは体温を1°上げることで血流を促し、白血球の増加、ホルモンの分泌を促進し、発汗による老廃物排出、新陳代謝を活発にすることです。これ全て入浴の効果に一致します。そして含有成分のもたらす保温効果は、家庭のお風呂と比べものになりません。

3、吸引効果  温泉の成分は湯気となり、呼吸で対内に吸引されます。泉質にもよりますが、そのほとんどが体内でアルカリ成分になります。また飲泉が可能な場合、多くは天然の薬となります。  しかし家庭で沸かすお風呂は水道水です。殺菌浄水のためにカルキ他の科学成分が含有されています。また近隣に乱立するスーパー銭湯、採掘温泉は殺菌のため、大量の塩素が使われます。ひどいところはプールの臭いがします。これらは有害成分です。

  ★ お勧めの温泉

○ 鹿の湯  (栃木県那須塩原市)

 有名どころから。Ph値2.5の酸性硫黄泉です。かなり強烈な湯です。白濁した湯船が6つ、それぞれ40度~48度の温度に区分けしてあります。最高温度の48度はいつも常連のご老人に囲まれています。砂時計を傍らに置き、1分浸かってインターバルをとります。しかしこの48度、挑戦しましたが、熱いというより痛いです。なんか体に悪いことしているみたいです。  アトピーをはじめ皮膚病に効果ありです。手術痕や外傷痕の初期にも効き目があるそうです。

              

 たまに温泉、取り上げますね。

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 悪いタクシー会社の運転手は事故にあうと、必ず懇意にしている病院で「温泉治療が必要」との診断書を書いてもらい、長期休暇=湯治に出かけました。・・・保険会社在籍時、事故処理課(社内ではサービスセンターと呼びます)で研修をしていた時、人身事故担当者からよく聞いた話です。  悪名高い「温泉治療」、当然、ケガの程度からすれば単なる詐病者のバカンスかもしれません。しかし昔から日本人は「湯治」により、自然治療や自己回復を図ってきました。もっと踏み込んで言えば、骨折、靭帯損傷、関節拘縮や神経麻痺、挫傷・・・ほとんどのケガの治療に温泉は一定の効果が認められています。ただ西洋医学との比較の中で、「療養」の位置づけに抑え込まれています。  大事なことは専門医による診断を伴った、効能と目的が合致した温泉治療の確立です。草津をはじめ、いくつかの温泉地では病院を併設し、診断と温泉をリンクしています。今後、温泉専門医と専用病院がすべての温泉地に常設できれば、交通事故外傷の治療としてもっと陽の当たる分野となるはずです。  温泉好きとしては、正しい形での温泉治療について、及ばずながら啓蒙活動をしていきたいと思います。ネタのない日は温泉治療について散発的に取り上げます。今日はプレリュードという事で・・。 

                                                                                                          

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 実績の検索方法、見かたについてガイドします。ケガをした部位・症状別に10種のカテゴリーにわけています。

 頭部、高次脳機能障害、頚部・むち打ち、上肢、体幹・腰、胸腹部・臓器、下肢、醜状痕、CRPS、目耳鼻口、その他 です。 

 それぞれの部位について最新投稿3件が表示されます

2級:高次脳機能障害(23歳女性・群馬県)NEW 9級:高次脳機能障害(57歳男性・茨城県)  3級:高次脳機能障害(70代女性・埼玉県)

外傷性頚部症候群、ムチ打ち-実績紹介一覧へ ←ここをクリックすると一覧へ飛びます

 個別の投稿は以下のようになっています

14級:頚椎症(30代男性・東京)      まずタイトルです。獲得した等級と傷病名、(年齢、性別、所在県)です   【事案】  どのような受傷状況か簡単に解説します

信号待ちのところ、トラックに追突され、ムチ打ちとなる。首から肩にかけてのこわばりと手先の痺れが残存した。

【問題点】  障害の立証にむけどのような課題、障壁があったのか?

画像、神経症状に目立った所見は得られず、主治医も診断書にジャクソン、スパ-リングテストをやっていないのに陰性(神経症状なし)と書き込んでいた。そのままの状態で事前認定(相手保険会社に提出)してしまった。

【立証ポイント】  ...

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 先月より掲載がスタートしました実績ページについて。

 「テスト記事」の投稿やお見苦しいところもありますが、これはweb上技術的な問題を少しづつ解決しながら進めているからです。それでもようやく漕ぎつけた感があります。  なぜこのような大仕事になったかを知っていただくべく記事にしました。

1、目的

 被害者救済の旗印を揚げた、我々協力行政書士は全国で10名を越えました。そして、後遺障害の等級獲得と実利ある解決のために、日夜粉骨砕身活動しています。なんといってもこの仕事、経験則がすべてです。それぞれの案件と成果を全員で共有し、蓄積し、データベースとして活用することが、広く被害者救済につながります。たった一人の、一法人の、一地域の事務所では経験できるケガや症状、それら解決事例に限界があります。仮に一年で10件受任して、10年で100件・・・全身2000を越える交通事故外傷に対してあまりにも低いペースです。これでは専門家を名乗れません。  また同じ症状・案件でも、様々なケースがあり、そこには経験に裏打ちされたテクニックが存在します。協力行政書士はそれぞれの等級獲得手法を相互に学習することができるのです。そしてどんな相談者が現れても盤石の体制でお迎えすることができます。

2、効果

 あなたが被害者であるとして、これから依頼しようとする弁護士・行政書士先生が、「このケガは扱ったことがないですが、なんとかします」、「まだ経験が少ないですが頑張ります」、と言ったら安心できますか?また「私は10年のベテランです、任せて下さい」と言ったら、さらに質問して下さい。「では先生は私のケガである腰椎圧迫骨折を何回担当しましたか?」と。  我々はこのような場合、即HPを検索し、全国の仲間でその症状に実績のある先生とコンタクトをとります。そして「関西で実績があります、早速資料を取り寄せ準備します。」とお答えします。・・・「はったり」で受任はしない、我々の姿勢です。

3、スピ-ド

 冒頭で述べたように技術的問題がいくつかありました。一つは等級獲得例や解決した案件をすばやく、全国の協力行政書士のHPに反映させることです。全HPについて一つ一つ更新作業をしていては、毎月続々と挙がってくる実績に追い付きません。そこで各行政書士が獲得した実績が即時全HPに反映させるシステムを構築しました。  今日得た実績が瞬時に全国を駆け巡るのです。

                          今後の展開に是非ご期待下さい!

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 おはようございます。  御相談にいらっしゃる皆さんの質問ですが、突拍子もない質問はそうありません。たまに即答できない盲点を突くような内容がありますが、こちらも良い勉強の機会になります。  今日はよくある質疑応答について。皆さんはほぼ同じような疑問をもたれるようです。  

Q1.交差点事故で車同士衝突してしまいました。車の修理費用=物損は20:80は決着しましたが、この後、ケガの示談でも20:80となるのでしょうか? (A) いいえ。物損と人身の示談を別に行うのなら、過失割合が食い違っても問題ありません。

 つまり、「示談」という双務契約は全損害一括で行うことはもちろん、一部の損害について個別に行っても双方の意志が合致すれば別契約として有効です。民法上なんら不自然ではありません。  実際、保険会社を相手とした示談ではよくあることです。もちろん同じ過失割合になることが多いです。ただしケガが軽傷で通院が1か月程度で、治療費や慰謝料が自賠責保険の限度120万円内で十分納まると担当者の判断した場合、物損が20:80でも、人身は0:100対応することが多いようです。  

Q2.

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 昨日は思い切って一日お休みをいただきました。  避暑地へ避難です。といっても山奥の秘湯につかり、大汗です。それでも湯上りに渓流の冷たい風を浴びて、クーラーいらずの心地よさを味わいました。ここは江戸時代に建てられた旅館です。天井の低い忍者屋敷のような部屋でごろごろ・・・気がついたら宿の猫が勝手に部屋に入ってきて寝ています。    あともう少しでお盆休みがやってきます。今週も頑張ります!

                              まっくろ黒介がいそうな建物です

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■ 腰部神経ブロック

 腰部への神経ブロックは、トリガーポイントブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロック、椎間関節ブロックなどがあり、腰痛の種類によって使い分けています。硬膜外ブロックも腰椎の棘突起の間から注射する「腰部硬膜外ブロック」と、お尻の仙骨裂孔から注射する「仙骨硬膜外ブロック」がありあます。

 「腰部硬膜外ブロック」は、腰椎(せぼね)の中の硬膜外腔という所に局所麻酔薬を注入し、痛みを一時的に和らげ、腰部と下肢の血行を改善し自己治癒力を高める療法です。エピやエピドラと略することもあります。神経を包んでいる一番外側の膜(硬膜)より外側のスペースに注射をする神経ブロックで、神経に直接針を刺したりしませんから、痛みもほとんどなく、腰痛治療の代表的神経ブロックです。

 腰椎椎間関節症(ギックリ腰)は効き目が顕著にでます。交通事故外傷でおなじみの腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症は「硬膜外ブロック」より「神経根ブロック」の方がより直接的な効果が期待できます。しかし脊髄周辺の極めてデリケートな部分に針を刺すので、医師の技術がものをいいます。不慣れな医師はビビってしまい、ピンポイントで神経に注入できないと聞きました。

                                   ■ 最後に

 痛みやしびれの緩和に絶大な効果をもたらす、これらの神経ブロック療法。これはつまり根本的な治療というより、自然治癒能力を高める処置と言えます。大事なことは整形外科医の外科的治療と両輪で進めるべき処方で、整形とペイン、両医師の連携と治療情報の交換が必須です。

 もしこの記事をご覧のペインクリニックの先生がいらしましたら、今後バレリュー症候群や腰椎間板症等の交通事故の患者さんをお願いしたいと思いますので、ご一報下さり、適時ご指導を頂ければと思います。   <参考文献:「星状神経節ブロック療法」 若杉 文吉 先生 著>   

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 交通事故が起きてしまったら、解決に向けて大変な時間と労力を消費します。自分に非のない事故であっても、むしろ被害者の方がやることが多いと言えます。加害者は「保険会社に任せましたので・・・」と言ってフェードアウトしていきます。理不尽ですが現実です。  覚悟を決めてテキパキと進めればいいのですが、やはり感情が邪魔をします。そしてまったく非生産的なこだわりをもってしまうことがあります。

 最近の電話相談から・・・

質問1:「過失相殺に納得がいかない!(怒) どうしたらいいでしょうか?」  交差点事故で自分主張10:90と相手主張20:80でもめています。修理費が30万だそうです。修理費の10%=3万円の争いです。仮に中とって15:85で15000円の損得です。                   回答:「納得いかないのは理解できますが、3万円で延々と馬鹿らしくないですか?それよりケガで相手から慰謝料、自分の保険から搭乗者傷害保険がでますよ。治療に重点を置いて、しっかり直るまで通院して下さい」

 数日通えば3万円は突破します。損得を考えましょう。

  質問2:「足をケガしたので通院にタクシーを使いたいのですが、相手保険会社が渋ります」  骨折ではなく捻挫です。通院にはタクシーを主張していますが、遊びに行くときにはタクシーを使っていません。

回答:「被害者意識は理解できますが、自家用車で通院して、ガソリン代の代わりに電車・バス賃で請求するれば相手保険会社も快くOKしてくれますよ」

 何がなんでもタクシー、では通りません。私が心配するのは、「あまり権利意識の強さを誇示すると、相手保険会社から早めの治療費打ち切りをされますよ」です。

 このように「木を見て森を見ず」、賠償請求の全体像が把握できない被害者が後を絶ちません。その為に冷静に損得を考えられるようなアドバイスをして事態の前進を促します。   クールにいきましょう。

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 レーザーを星状神経節近傍に照射することで、局所麻酔薬を用いての星状神経節ブロックに類似の効果をもたらすレーザーSGBについて。

※ SGB…stellate ganglion block  訳すると「星状神経節ブロック」です。現場の麻酔医は星状神経節ブロックと言わず、SGBと言っています。

■ レーザーSGB

 星状神経節ブロックと同じ要領で、第6または7の頚椎(C6またはC7)横突起のやや内側に(胸椎T1付近が正しい)、半導体レーザーのプローブを圧迫気味に当てます。照射時間は、60mWでは5分間、150mWで3分間、1000mWで1分間が目安です。レーザー照射により、頭頚部および上肢の局所温度上昇に伴い、疼痛の軽減、しびれ感の改善および患部の温感を自覚します。つまり、星状神経節ブロックに近似の効果をもたらします。

 神経ブロックとは異なり、ホルネルの徴候(縮瞳、眼球陥没、眼瞼下垂)の発現をみることはほとんどありません。また、ブロックではブロック側だけの局所温度上昇を認めますが、レーザー照射では両側の温度上昇がみられます。

 ブロックと比較して、レーザー照射の場合には、手技が容易で、合併症がなく、局所麻酔薬を用いないので薬物アレルギーの心配もありません。注射針を使用しないので痛みや恐怖感もありません。浦和のペインの先生から聞きましたが、女性は「早くブロック注射を!」と言いますが男性は「まずはレーザーで・・」との傾向だそうです。男性は度胸がないようです。

 レーザー照射の効果はブロックに比較すれば穏やかですが、効果の持続時間は、ほぼ同程度です。レーザー照射は、星状神経節ブロックの適応となる非定型顔面痛、緊張性頭痛、偏頭痛、群発頭痛、レーノー現象などの有痛性疾患、無痛性疾患である顔面神経麻痺、突発性難聴、鼻アレルギー、網膜血管閉塞症などに応用できます。高齢者や年少者に対する適応は大きく、頻回の治療が必要となる場合には、とくに有用な手段となります。

 開心術後患者などの抗凝固治療中の患者や糖尿病患者などでは、ブロックに伴う出血や感染が危惧されますので、レーザー照射が有用となります。     バレリュー症状がひどい場合、やはりブロック注射が望ましいと思います。しかしペインクリニックの現場では、まずレーザー+投薬で様子を見て、次に注射とする傾向です。    次回 ⇒ 腰部への神経ブロック    

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■ 自律神経について

 バレ・リューの代表的な症状、めまい、ふらつき、不眠、吐き気、耳鳴り、倦怠感はどのようにしておこるのでしょうか?これは自律神経の異常からおこる症状です。

 自律神経系には、交感神経系と副交感神経系とがあり、その中枢は間脳の視床下部にあります。呼吸、脈拍、血圧、体温、発汗、排尿、排便など、みんな自律神経によってコントロールされています。早い話、眠っているときでもちゃんと呼吸をして、心臓も止まらず、生命が維持できるのは、自律神経が働いているからです。

 交感神経と副交感神経は、拮抗的に働き、心拍数は交換神経が興奮すると早くなり、副交感神経が働くと遅くなります。運動している時=交感神経、休んでいる時=副交感神経、両者の関係はアクセルとブレーキに例えられます。 バレリュー症候群のしくみは自律神経の失調でも、とりわけ交感神経、副交感神経両者の異常亢進があげられます。つまり、アクセルとブレーキを逆に踏む、両方踏む状態です。日中は副交感神経が働き、だるくなり、眠りに入る時は交感神経が興奮して眠れない・・・。

 これらの悪循環を断ち切らない限り、患者の体力は奪われ、回復どころではなくなるのです。星状神経節ブロックは交感神経の異常亢進を抑え込むことを目的とします。星状神経節は胸から上の皮膚、内蔵の交換神経が集まっている、交感神経のバスターミナルのようなところです。ここの交通整理をすることで、自律神経の失調を回復させます。    つづく ⇒  レーザーSGB?  

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■ 痛みのしくみ

 痛みには「有用な痛み」と「無用な痛み」の2種類があります。

 体に傷を受け、痛みが起こると、反射的に自律神経系の交感神経が緊張し、副腎(腎臓の上部にあるホルモン分泌器官)からアドレナリン(血管や内臓を支配し、全身の活動力を高める働きをする交感神経を刺激して、心臓や血管の収縮力を高めるホルモン。一般に興奮状態を促すものと解釈されています。)が分泌され、心臓の働きが早くなり、血圧が上がり、呼吸も大きくなります。血管が収縮し、障害された局所への血流が少なくなり、血管が固まり易くなって、血液が失われるのを防ぎます。

 こうした、自分の体で「痛み」を直そうとするものは「有用な痛み」です。これは、体を守るための応急処置といえます。しかし何日も、何か月も、何年も、続く慢性的な「痛み」となると話は変わります。

 もう警告の役目はとっくに終わっているのに、スイッチの切れた警報器のようにいつまでも続く慢性の疼痛は「痛み」そのものが病気です。これによって体力が失われ、ケガの回復を遅らせ、辛い状態が続きます。   ■ 神経を「ブロック」するとは?

 先に述べた通り、神経ブロックは皮膚の外から注射針を刺し、麻酔液を注入することです。つまり、脊髄から分かれる末端神経を麻酔液によって麻痺させ、抹消神経節から脊髄に渡る神経伝達を遮断します。これによって「無用な痛み」の伝導路を断ち切るのです。   ■ 星状神経はどこにある?

 先日の被害者さんは、「あれって喉から刺すんですね・・」と言っていました。頚部=うなじ、と思う方も多いです。頚部の交感神経節は上から、上頚神経節、中頚神経節、椎骨動脈神経節、そして星状神経節の4つです。星状神経節は長さ約3cm、幅1cm、厚さ0.5cmで、最新の研究で第一胸椎の横にあることがわかりました。(古い本では第7頸椎の横と記載されていますがこれは間違いです。)つまり首の付け根、鎖骨のすぐ上のあたりでしょうか。

(第7頸椎)の下がT1(第一胸椎)です

    次回 ⇒ 自律神経  

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■ 神経ブロックとは

 神経、またはそのそばに注射をして、神経の働きを一時的、あるいは永久的に休ませて、病気を治す治療法のことです。局所麻酔薬を使用し、一時的に神経を休ませることで、自己治癒力を高めます。麻酔薬はキシロカインが主で、カルボカイン、マーカイン、アナペイン、ステロイド剤があります。副作用を伴うステロイドは敬遠されています。

 「痛み」が発生すると、自律神経のひとつ「交感神経」が緊張していまい、毛細血管は収縮して血行が悪くなってきます。ところが、これは痛みを治すためには困ったことで、血行を良くしないと痛み物質が滞り、炎症は治りにくく、痛みはどんどん強くなってしまいます。そして、自律神経失調症をまねいてしまう原因ともなります。

 神経ブロック療法には、血行を良くする働きがありますので、この痛みの悪循環を断ち切ることができ、治癒を促進するのです。

                                      ■ 星状神経節ブロック

 目下、ペインクリニックで注目の神経ブロックです。喉にある交感神経を一時的にゆるめ、ヒトが本来持っている自己治癒力を高める治療法です。自律神経、ホルモン分泌、免疫力、抵抗力のバランスを整えますので色々な症状や病気に有効です。

 喉には星状神経節といって、脳・顔面・頭部・頚部・上肢・心臓・肺などに交感神経の細い線維を送っている交感神経の「中継所」のようなところがあります。この神経のターミナルに局所麻酔薬を注射し、交感神経の働きを一時的に遮断するのが「星状神経ブロック療法」です。この療法をすると、局所麻酔薬が効いている間、脳を初めとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していた様々な器官が機能回復するのを助けます。そのため、痛みや様々な症状が楽になってくるのです。

 星状神経節ブロック療法の特徴は、繰り返していくと脳の視床下部の機能が改善され、自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスが整い、自己治癒力が高まってくることにあります。そしてその改善した自己治癒力により、さまざまな病気に適応できます。

 また、副作用がないことも「星状神経節ブロック療法」の特徴です。老若男女を問わず、妊娠中の女性でも、大丈夫です。ただ時々、ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲みこみづらい、注射した部位が痛い、腕があがらない、といった症状がみられることがあります。これらは、一時的なものですから心配はいりません。1~3時間でもとにもどります。稀に、キシロカインにアレルギー反応を起こす人もいるので、注意が必要です。    星状神経節ブロックを詳しく ⇒ 神経ブロック 2

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 交通事故でムチ打ちとなり、頚部痛だけではなく、倦怠感、吐き気、めまい、不眠、耳鳴り・・・これらの症状が続く場合、バレリュー症候群を疑う必要があります。この症状の患者に、電気治療や牽引、マッサージを行っても改善がみられません。「痛みどめを出しておきます」といって病院を後にしますが、バレリューの症状が続く場合、頚部症共通の治療・処置=「安静」 をすることができません。    そこで治療法にペインクリニックの導入を検討します。

 今日からペインクリニックと神経ブロックの基本について解説します。

  ■ ペインクリニックとは

 「ペイン(Pain)」というのは「痛み」のことで、ペインクリニックというのは、頭が痛い、腰が痛いなどの「からだの痛み」だけでなく、やる気が出ない、イライラするなどの「こころの痛み」も治療する診療科です。 日本では1962年に、若杉文吉先生が、東京大学にペインクリニック外来をつくられたことに始まります。整形外科を経て麻酔科医になられた若杉先生は、当時整形外科、耳鼻科などで行われていた「星状神経節ブロック療法」を積極的に取り入れ、痛みだけでなく、全身のさまざまな病気に効果があることを研究しました。  麻酔科医がペインクリニックを担当するようになったのは、もともと、手術中の「痛み」をとることが専門だったことによります。痛みの原因は全身の病気に由来しますから、内科、外科、小児科、産婦人科など幅広い科の知識を持ち、全身を診ることが専門だったという点も合致したからです。  これらの経緯から、ペインクリニックは「神経ブロック療法」を中心に治療を行っています。中でも「星状神経節ブロック療法」は「痛みの病気」だけでなく、自律神経、免疫力、ホルモン分泌のバランスを整え、自己治癒力を高める治療法ということになります。

 明日に続きます。

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 昨日の筋電図に続いて神経伝導速度検査を。 筋電図ができないときに実施します。既に筋電図検査を行っている場合は必要性は薄れます。 

■ 神経伝導速度検査とは

 末梢神経を皮膚上で電気刺激し、誘発された電位を記録し、伝導速度、振幅などを測定するものです。これによって末梢神経疾患、脊髄疾患の診断、病態の把握に活用できます。運動神経刺激によって筋肉で誘発される波形を検査する運動神経伝導検査と、感覚神経自体の電位の波形を検査する感覚神経伝導検査とに大別されます。  刺激をすることで神経や筋肉の反応が得られ、得られた反応を用いて伝わる速さを測定したり、波形の分析を行います。検査中ピリッ、ピリッと感じます。正常の場合にはある程度の決まった速さで伝わる興奮の速さが遅くなるか、もしくは反応が出ないなどの所見が認められます。障害がある場合には、障害の部位や障害の程度、障害の範囲を判断することができます。

■ 上肢、下肢の場合

 皮膚の上に電極を貼り,神経に体表から刺激を加えます。腕では通常正中神経か尺骨神経でそれぞれ運動神経線維と感覚神経線維を調べ、足では後脛骨神経で運動神経線維、腓腹神経で感覚神経線維、腓骨神経で運動と感覚神経線維を調べます。

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 昨日は「腓骨神経麻痺」の疑いのある被害者さんと主治医面談でした。足首が完全に動かないわけではないのですが、背屈(足首を上にそらす)が不能なので「不全麻痺」が正確な表現でしょうか。しかしその可動域の制限だけでは後遺障害の認定は得られません。それを裏付ける検査数値と確定診断が必要です。そこで主治医先生にタイトルの検査依頼となるわけです。

 中には「なんで治療が終わったのに検査するの?必要ないよ」、「保険請求のため?それは医者の仕事じゃないよ(・・めんどうだなぁ)」という対応の医師もいます。ましてや、「むち打ち」ごときでは、通常、医師の協力は得られません。

 医師の言う事もごもっともと思いますが、後遺障害を残した患者にとっては切実な問題なのです。毎度苦労させられますが、昨日の医師は検査の必要性に御理解をいただき、誠実に対応して頂けました。本当にありがたいです。    では針筋電図について・・・   ■ 筋電図とは  筋線維が興奮する際に生じる電気活動を記録することで、末梢神経や筋肉の疾患の有無を調べる検査です。筋電図検査といった場合には,筋肉の活動状態を調べる針筋電図と筋肉・末梢神経の機能や神経筋接合部を検査することができる誘発筋電図の両者を含める場合もあります。   ■ 脊髄損傷に対しては  脊髄にある前角細胞と呼ばれる運動神経以下の運動神経と筋肉の異常を検出するために行われます。これらの部位に疾患がある場合には,その障害がある部位や,疾患の重症度などを評価することもあります。異常を示す筋肉が限局している場合には,その分布により末梢神経が原因か脊髄が原因かなどをある程度推定することができます。   ■ 顔面神経麻痺に対しては  表面筋電図検査は四肢や顔面などに不随意に起こる運動が見られる場合に時として有用です。この検査の利点は、針電極や電気刺激を用いないので、疼痛を伴わないことです。                                     

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 週末は湘南から横浜へ。移動時間に余裕がったので海沿いを寄り道、江ノ島を右手に移動しました。あいにくの天気で、海は人まばら。しかし沿道の店からサザンが流れています。今年で結成33年、33(さざん)でゴロがいいので、このご当地でイベントが開催されているようでした。

 そして交通事故傷害の仕事でよくあること、「同じ時期に同じケガが続く」 を体験しました。

 前日、第2腰椎骨折で変形癒合の被害者さん(埼玉)がやっと終了しました。そしてこの日、神奈川で2件、第3腰椎圧迫骨折の被害者、続いて第1腰椎の破裂骨折・・・まだ続きそうな予感がします。

 今朝もおじいちゃんおばあちゃんで混雑予想、都内の病院へ向います。今週も頑張ります!

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 昨日は歯の後遺障害も忘れず請求して!でしたが、今日は逆の発想です。

 受傷後、神経麻痺や動揺関節の後遺障害を負った場合、関節の固定に硬性補装具の使用が必要になります。まず代金をだしてもらい、症状固定後、後遺障害として賠償金をもらいます。ここまでは普通の流れです。しかし、ここからは盲点が潜んでいます。それは硬性補装具が消耗品である、ということです。ですので将来にわたって必要なものであれば、当然買い替え代金を請求します。

 したがって耐用年数が5年、代金69800円 なら・・・

 後遺障害の逸失利益年数 or 平均寿命 ÷ 5 = 将来必要な個数   個数 × 代金69800円 - 中間利息 = 一時金としてもらう

このような計算が成り立ちます。もし40歳で逸失利益が27年の人なら・・・

 27 ÷ 5 = 約6個 × 69800 - 中間利息は「無」とする = 418800 円 

 黙っていてはもらいそびれます。「お足」は抜け目なく請求しましょう。                                     

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