過(あやま)ちて改(あらた)めざる是(これ)を過(あやま)ちという    ・・・過ちはだれでも犯すが、本当の過ちは、過ちと知っていながら悔い改めないことである。    誰だって間違えることがあります。プロ、すなわち専門知識や技術で飯を食っている者は、その仕事で間違いがあってはいけません。しかし、それでも間違いを起こすことがあります。そんな時こそ、素直に過ちを認めて、善処する姿勢が大事です。孔子さまは2600年も前にこの姿勢を、冒頭の言葉に残しました。誰にとっても自らを戒める格言ですが、そうもいかないのが人間です。むしろ、格言通りにする人の方が少ないのではないかと思います。もちろん、改めてくれたケースもあります。両方の事例を紹介します。    一つは医療過誤事件です。昨年から2件程受任がありましたが、いずれも、医師がミスを認めて謝罪、治療を継続したことにより、後の賠償問題は比較的容易に解決へ進みました。「過ちを改めた」のです。医療過誤事件は、常にミスの証拠を握っている病院側がミスを認めない、隠す、危険をはらんでいます。その点、この主治医は潔かった。対して、その賠償金を支払う立場の保険会社と弁護士が、調査と称してだらだら無駄に時間をかけてきた印象でした。    また、これも少なからず遭遇するのですが・・医師がレントゲン診断において、「(骨折はどこか不明ながら)骨折と診断する」、逆に「骨折を見逃す」件です。整形外科医の最初で最大の責務は、レントゲンで骨折を見つけ、診断名を付けることではないでしょうか。ここで、的確に人体の破壊を確認、治療方法を選択しなければなりません。町医者の場合、観血的手術が必要であれば、設備のある病院へコンサル(紹介)します。ここでの診断ミスは許されません。整形外科医にとって骨折の判断は大変に重要で、むしろ基本的診断力の絶対条件でもあるそうです。

 私達は医療調査を通じて、そこそこ骨折の誤診を目にしてきました。それらは、専門医でなければ確定的な判断ができない、決して難しい部位ではありませんでした。かつて、自賠責保険・調査事務所から「○○骨折とありますが、どこが折れているのでしょうか?」と、後遺障害の提出後に質問されたことが2度ありました。そのような質問は既に予想していたもので、私もレントゲンを観て、どこが折れているかわかりません。むしろ、「どこも折れてないよな・・」、あるいは「ここ折れているけど、見逃したな」と思うこともあります。つまり、主治医は間違えたのだと思います。

 そこで、その主治医に「保険会社からの質問なのですが、どこが折れているのかご指摘お願いします」と、該当部位のレントゲン写真を示します。すると、「わかりづらいけど、ここかな、多分・・」と実に頼りない回答です。その部分にマジックで〇をつけてもらい、自賠責に再提出したことがありました。私から観ても、せいぜい骨挫傷の類、あるいは陳旧性の骨折線?程度です(素人診断は厳に慎みますが)。自賠責の担当者に「主治医がここだと言っていますので・・」と補足、再提出しました。担当者も(ため息混じりに)「わかりました」と・・。  その逆となりますが、見落としていた骨折の指摘には、医師は割と素直に診断書の追記・修正に応じる傾向でした。    専門家であり、人の命を左右する医師こそ、基本的なことで間違ってはいけない仕事です。しかし、その誤りに直面した時、その人間性が明らかになります。確かに、診断力乏しく、人間性を伴わない、いい加減な医師は存在します。そのような時こそ私達は、「善処さえしてくれれば良いのになぁ」、と思う次第です。

 

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最近、ハイボルト治療の事を思い出したので少しネタに…

近年は整形外科でも導入が増えてきたハイボルト治療器 名前の通り高電圧治療だ。

筋肉の痛みは、筋肉が固まり、毛細血管が圧迫されて血流が悪くなり、疼痛発生物質がとどまって痛みを発生させている状態。 損傷している筋肉・腱・靭帯・関節包(以下軟部組織と言う)に高電圧を流すことで、強制的に筋肉を収縮、弛緩させて血流を最大にあげ、組織の修復を図ることが出来る。

筋肉が固まり、関節包や靭帯まで固くなったり、癒着した状態では、血行不良で痛みも出るし、関節もどんどん固まってくるし、損傷した部分の修復ができない。そんな癒着を起こし動かなくなった筋肉を、動く筋肉に変える事ができ、血流を上げて組織の修復が可能となる。

神経に高圧電流を通すことで、脳に神経が痛みと言う電気信号を伝えるのですが、痛みの信号を遮断する事ができます。

電気を流す際、いきなり強い電圧でスタートする施術者がいるけど、 それはさすがに驚くと思います(;・∀・)

僕は電気が苦手な方なので、最初は弱い電流で流してもらい、慣れてきてから強くして貰っています。 一度こんな感じかと分かってしまえば、全く問題ありません。

ムチウチ後のリハビリでハイボルト治療を取り入れている整形にかかる際は、是非最初は弱い電圧からお願いしますと、子羊の様に訴えて下さいね。 そうすると、優しくされます(笑)

私個人的にはとても良い治療機器だと思いますよ!

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どーも、金澤です。

よく、理学療法と接骨院の違いって何?

接骨院と整体の違いってなに?

と聞かれます。

つい先日も聞かれましたので

 

なんとなく、整形外科でする治療が理学療法で、接骨院は単体である。

位の認識ではないでしょうか?

 

例えばムチウチの治療で言うと実際にやっている事は、大きくは変わりません。

 

 

一応おおまかに解説しておきます

 

【理学療法】 資格:理学療法士

運動療法・物理療法(電気等)を使い身体の基本的な機能回復をサポート

例を挙げると、立つ、座る、歩く、肩を上げる、指を曲げる、等の基本的な身体の機能を回復させます。

 

【作業療法】 資格:作業療法士

日常生活に必要な動作を出来るまで回復させることで精神的な回復もサポート

例としては、指を曲げたりする事は出来るけど、ケガの影響で趣味の手芸が出来なくなった指を回復させ、充実した人生を送って貰う。

 

【接骨院】  資格:柔道整復師

ケガに対し、固定をしたり、物理療法、や手技と最適な施術を選択し治癒に導く

例としては、捻挫した幹部を冷やしたり、固定し急性期を回復させ、その後の疼痛緩和のサポートをする。

 

【整体】  資格:自分で整体師と名乗った瞬間

お客の身体のあらゆる不調に対し、自分で学んだ経験や勘に基づき施術する。けがの治療はできない。

例としては、めまいや神経痛が酷いお客に対し、自分で学んだ整体術を施し、めまいや神経痛を緩和させる。

 

 

とても大まかに解説するとこんなところですが、

非常にややこしく、紛らわしいです。

なんとかわかりやすいように説明したくても、今の所これが限界です。

 

何か良い例を挙げて、また第二弾として解説していきたいと思います。

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 後遺障害の仕事で、まず重要なワードは症状固定(日)です。毎度、その決定に少なからずドラマが存在します。    まず第一に、相手保険会社の治療費打ち切り打診とセットになって、被害者に突きつけられます。「もう治療費は出せないので、症状固定して、後遺障害審査に進めて下さい」と、後遺障害診断書が送られてきます。そこで、多くの被害者さんは、「まだ、治ってないのに打ち切りとは(怒)保険会社の横暴だ!」と反発します。しかし、別に治療を止めろとは言っていません。もし、症状が残り、治療の必要性があれば、症状固定日以後も健保を使って治療を継続すれば良いのです。つまり、治療費は自腹にはなりますが、すんなり後遺障害審査に進めて、解決へ舵を切るべきと思います。

 症状固定とは一般に、”今後大きな改善や悪化はなく、症状が一定、もしくは多少の波があっても激変ないと判断される”状態を指します。後遺障害診断書にその日を記載する欄がありますが、実は医療用語ではなく、賠償用語と解されています。被害者さんの多くは完治を目指しますが、それではいつまでたっても、事故の後遺症による損害を計算することができません。だからこそ、賠償の目途として、しかるべき時に設定しなければならないのです。

 では、その判断は誰がするかですが・・・やはり、治療経過を診てきた医師の意見を参考にすべきと思います。しかしながら、ここで大きな勘違いがあるようです。それは、「症状固定日は医師が決めるもの」と思っている人が多いことです。実は、賠償請求に関する決断ですから、本来は被害者さん自身が決めるものと思います。ただし、医師は診断権がありますから、診断書を書く書かないでその権利を主張できる立場でもあります。やはり、医師の判断は尊重すべきで、十分に医師と相談した症状固定日であるべきです。    以上、回りくどい説明でしたが、症状固定(日)を決定するのは被害者です。医師や相手の保険会社ではありません。ただし、治療をしてきた医師や、治療費を捻出した保険会社と上手く調整をする作業が被害者さん達に圧し掛かります。

 そこんとこは上手くやるべきなのです。その調整こそ、実は秋葉事務所の主要な仕事の一つなのです。私どものような業者が生れる位、交通事故の解決は難解なのかもしれません。    

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どーも、金澤です。

私は、TFCC損傷の患者を何人か施術したことがあります。

整形外科でMRIを撮影して、明らかにTFCC損傷で診断名が付き、整骨院に来た患者。

これはTFCCだろ。と言うことでMRIを撮らせた患者。

 

今は交通事故被害者救済の為に日々身体と向き合っているわけではありますが。

今日はTFCC損傷について掘り下げていこうと思います。

 

TFCC損傷とは何か(TFCC損傷=Triangular Fibrocartilage Complex injuries)

 

三角繊維軟骨複合体損傷です。

では、三角繊維軟骨複合体とは何か。

 

➀三角線維軟骨

②三角靱帯

③尺骨三角骨靭帯

④尺骨月状骨靭帯

⑤掌側橈尺靭帯

⑥尺側側副靱帯

⑦背側橈尺靭帯

 

主にこの7つの組織が複合して、尺骨と手根を支えています。

写真で見る通り、橈骨側は手首にピッタリ関節しているのですが、尺骨側は少し隙間が空いていますね。そこを、この4つの組織が支えているのです。

 

この三角繊維軟骨複合体(=以下TFCCと呼ぶ)は、意外と簡単に痛めます。

外傷型と変性型があります。

変性型はテニス等、手首を酷使するスポーツや年齢が上がるにつれて軟骨がすり減っていったり、靭帯が固くなり何かの拍子で炒めたりします。

 

外傷型は、交通事故や転倒して手をついた際に良くおこります。

 

 

TFCC損傷にも程度がある

 

同じTFCC損傷でも、受傷起点や痛めた場所により、完治までの期間や治療方法、損傷の程度が変わってきます。

 

一番重症なのが、やはり尺骨突き上げ症候群を合併したTFCC損傷です

尺骨突き上げ症候群とは、強い外力により、尺骨が手関節にめり込むように突き上げられ、その結果、手根骨と尺骨の隙間を埋める軟骨を壊してしまうのです。

この状態だと、手術になる事が多いです。

突き上げられた尺骨を短縮させるため、尺骨を切り、傷付いた組織を修復します。

ここまでの重篤なTFCC損傷であれば、12級か14級は付くでしょう。

 

 

TFCCの靭帯損傷の場合は保存療法・手術療法どちらの可能性もあり。

これは受傷起点や、痛みのレベルにもよりますが、

通常TFCC損傷の第一段階の治療は炎症を抑える飲み薬と固定による安静から始まり、痛みが酷い場合は直接ステロイド注射を打ち込みます。

ステロイド注射と固定の治療を続けると、通常であれば2~3ヶ月で収まります。

 

手首を動かした時に痛みが出るのがTFCC損傷ですが、急性期や、症状が酷い場合は安静にしていても痛みます。

ステロイドと固定を続けても安静時痛がひかない場合は、手術になる事が多いです。

 

つまり、もしもTFCC損傷で後遺症が付くとしたら、はっきりとした受傷起点(この衝撃なら靭帯もやられるな。軟骨もやられるな)とイメージできるだけの受傷起点。

身体なので、稀に軽微な受傷起点で重症化する事もありますが

治療内容は最低でもステロイド注射を定期的に打っていると、それだけ痛みがあるのかと、私なら思います。

手術をしているのも、非常に辛い状況なのだと分かりますね。

 

 

ちなみに整骨院でTFCCの施術は、靭帯などが炎症が起きていたら、超音波などで深部の血流をよくして炎症を早く収め、組織の修復を早める効果があります。

その後は硬くなった靭帯を柔らかくする施術。

関節液が足りなければ補い、多ければ吸収させる。

固定はピンポイントで必要最低限の固定で最大の効果を発揮できるようにします。

こうして関節の状態を常に良好に保つことで、回復は早くなり、治った後も良好です。

 

整形ではここまで時間をかける暇はないので、サブ的な役割で整骨院を利用するのがいいかなと思います!

 

今日はTFCCについてまとめてみました。

 

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例えば頚椎捻挫、腰椎捻挫の場合では、3~6ヶ月で症状固定となります。

症状固定とは、これ以上治療をしていても大幅な回復が見られず、一進一退を繰りかえす為、

事故で被った傷害害部分と、後遺症部分の線引きをする日の事を、症状固定日と言います。

 

 

秋葉事務所では14級に認定される可能性のある受傷起点・症状の強さの被害者には基本的に、6ヶ月以上を整骨院ではなく整形外科での通院をしてもらってます。

そして6ヶ月経ったときに”症状固定”をします。

症状固定と同時に後遺症診断書を作成してもらった後は、念の為整形外科でも定期的に経過を見てもらっていた方が安心ではあるが、基本的には整形外科ではなくて整骨院・鍼等でも大丈夫です。

 


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 本日はめずらしく、内臓系の病院同行でした。内臓系の障害を追う業務は多くありません。事務所の実績を見ても症例少なく、久々に新しい分野を開拓です。  本件被害者さまにとって、自らのケガ・後遺障害がそれ程珍しいものか、見当などつきようもありません。受傷以来、治療のことで精一杯、相手損保との賠償交渉まで対応が必要ですから、悪戦苦闘の連続だったと推測します。    「私のケガはそれ程、珍しいのですか?」    臓器腹部の後遺障害に対して、そのような質問を頂きました。一般的に程度にもよりますが、臓器の損傷は手術で回復します。また、肺、腎臓、睾丸、精巣・卵巣などペアになっている臓器は片方がやられても、やや低下はありますが、機能を保ちます。胃や肝臓も一部切除した、などよく聞きますね。

 双子のじんぞうくん

   そのせいか、後遺障害の等級も低めに感じます。例えば「1つの睾丸を摘出」で、13級相当です。去勢?≒片玉喪失で、むち打ち14級よりたった一つ上です。思わず悲鳴を上げたくなります。

 逆に、代理店時代の重大事故例ですが、内臓破裂で2名命を落としました。大動脈損傷によって腹腔内に急激な大出血を起こすと、ショック症状で簡単に心臓が止まってしまうのです。内臓損傷は死亡か完治か大小の症状が極端で、中間の後遺障害が圧縮されている印象です。    本件も、いずれ実績にUPできるよう、しっかり対応を続けたいと思います。  

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 毎日のように医師とお会いしていますが、整形外科は交通事故賠償に絡むので、保険会社や弁護士との軋轢が生じやすいと言えます。病院同行の際にも、私共に向けられる警戒感を感じます。治療以外のことにご迷惑をお掛けするのですから、礼儀はもちろん、明瞭簡潔で筋の通った申し出でなければなりません。

 この10年間、私共の医療調査に対して、大概のドクターからご理解頂き、後の解決に繋がりました。感謝する次第です。しかし、100人のドクターの内2~3人は、まったくご協力頂けないレベルを超えて、面談拒否や取り付く島もない対応でした。もちろん、それすらも医師の専権ですから仕方のないことです。ただし、患者さんは苦境に陥ります。そのような患者さんの事情など気にせず、冷酷で非常識で人間的にどうかと疑いたくなる先生も稀に存在しました。

 その中でもトップの先生は、無免許ひき逃げの先生でした。当時、後遺障害診断を来月に控えた依頼者様からの電話、「秋葉さん、○○先生が捕まってしまいました! 今、テレビにでています」と。早速、テレビをつけると、みの もんたさんが「最低の医者だねぇ」とキレていました。

 ひき逃げは今回で2度目だそうです。前回の事故で免許が取消していたそうですから、今度は無免許も重なります。病院の事務の方も、”いつものこと”と呆れていたのを思い出します。その後、○○先生は弁護士を伴い、刑事事件の減刑のため、警察と被害者への対処したようです。

 それから半年後、別件で病院に行きました。まさかと思いましたが、○○先生は白衣をなびかせ診察を続けていました。2件とも軽傷ではありましたが、2度のひき逃げをしても医師免許は飛ばないのだな、と妙に感心したものです。

 それから数年後の2019年、久しぶりに○○先生のニュースを見ました。今度は院内の薬を中国に横流しして逮捕されたそうです。さすがに、今度は刑事罰がついたと思います。それでも、やっぱり医師は続けているのだろうと思います(追跡していないので不明です)。

 医師や弁護士に限らず先生と呼ばれる方々も、他の職業に同じく全員が高潔・道徳的とは限りません。どのような職業であっても、人間的に問題のある人、犯罪志向の人がいるようです。これ程の医師は低確率ですが、問題のある先生にぶつかったら、直ちに逃げなければなりません。私共が常に地域の病院情報を集積している理由です。  

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こんにちは、金澤です。

軽微な事故でもムチウチになり、手足の痺れや頭痛、めまいに悩まされている方が多くいます。

『そんな軽微な追突事故で大げさな!!』と言う方もいると思います。

 

実際、賠償金の為に詐病を使う詐欺師も多くいます。

そんな詐欺師は徹底的に排除する必要がありますが、中には事故から2週間後に症状が出始め、立てなくなるほどになる人もいます。

 

それはいったいなぜでしょう?

 

【目次】

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 骨折の後遺障害認定において、癒合後、元通りの形に戻らなかった「変形癒合」とするか、骨の位置がズレた「転位」と見るか、完全にくっつかなかった「癒合不良」か、まったくくっつかない=1本の骨として連続性が失われた「仮関節(偽関節)」とするか・・・    これらの判定は当然、医師が主にレントゲンやCT画像を観て判断するものです。治療を行った医師が臨床上の判断を下す場合、医師によって癒合状態の判断が分かれることがあります。例えば膝関節の「変形癒合」を判断する場合、関節機能としても通常の可動域に回復し、何より生活上問題ない場合、多少の変形があっても、直ちに「変形癒合」と断じないものです。それが微妙な変形であれば、医師の判断に違いがあって当然です。

 一方で、自賠責保険や労災の認定基準は細かく設定されています。長官骨は屈曲変形・回旋変形○度など、数値が設定されています。また、鎖骨や肋骨の場合、「裸体で目立つか?」で評価されます。この場合、人体がおよそ左右対称であることから、左右差なども重要な判定材料です。やはり、臨床上の判断とは同一視できないものです。ここでも、審査側医師の主観による判定が懸念されます。

 このような危惧、医師の主観も含め、臨床上の判断と保険上の基準の隔たりを埋めるべく、私たちは工夫をする毎日です。医師が「秋葉さん、この程度は変形じゃないよ」と言っても、丁寧に保険上の基準を説明して理解を得ます。例えば骨盤骨折の変形癒合の立証に際し、問題なく癒合を果たしたとして・・

1、骨折の癒合部、特に股関節部に骨棘形成(骨が尖ってしまう)はないか

2、骨盤の腸骨に左右のゆがみがないか

3、遊離骨片(骨のかけらが残ったもの)はないか

4、異所性骨化(骨癒合の際に、関係ない部分(筋肉等)に骨が生じる)はないか    ざっと、これらを確認して医師面談に臨み、診断書に癒合状態の記載を促します。加えて申請に際しても、自賠責の顧問医に対して該当画像に注目して頂くべく、変形等が顕著にわかる画像をピックアップして、その画像打出しを添付することがあります。

 申請後、自賠責保険の顧問医はそれらデータを参考にしつつ、提出画像から読影判断します。これはあたかも申請側と審査側の答え合わせの作業に思えます。  

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 それでは、昨日の3つの誤った対応について、以下説明します。   >2 ウソはダメ!絶対に

 自身の立場と病院同行の目的、これを正々堂々と言うべきです。できれば数秒で。医師は正当な理由であれば、協力してくれるものです。嘘をつくなど、コソコソした態度は見抜かれます。私達とその仕事は、ただでさえ治療の邪魔になる、医師にとってうっとおしい存在です。誠実な姿勢だけが、医師の胸襟を開くものです。

 秋葉事務所では、仕事をスムーズに進める方便であっても、「嘘は絶対にダメ!」と指導しています。   >4 それを言ったらダメ!絶対に

 「(内心)前の医師が書かないということは、何か問題があるのだろう・・」、診断書の依頼を受けた医師は普通にこう考えるのです。また、病院同士の連携上、リハビリ院は手術した前院の指示に従う傾向があり、その上下関係からも、それを言ったらダメなのです。

 またしても嘘、そして、診断書依頼の基本を無視したNGワードです。このスタッフの経験不足、想像力の欠如が、被害者さんを二次被害に陥れてしまったのです。そして、その責任は、このスタッフを使った弁護士に帰着します。   >6 自賠責の審査は甘くない!絶対に

 受傷から2年、症状固定時期になって急に別の病院で診断書が浮上? 審査先の自賠責は普通に疑います。結局、主たる治療先である、前の2つの病院に医療照会をかけます。当然、病院側はミソのついたこの患者さんの賠償問題に関わりたくないもので・・非協力的な両院からは梨のつぶて、あるいは不正確な回答書が自賠責に戻り・・後遺障害申請は絶望的な結果で帰ってきます。    この前任スタッフには、まったく基本的教育が施されていないと思います。医師面談は簡単な仕事ではありません。仮に弁護士・行政書士・社労士の資格者であっても、専門的な知識や技術、そして教育と経験なくば、単なるど素人なのです。むしろ、対医師への謙虚さに欠けるきらいもあり、ご覧の通り、悪い方へ誘導する危険性があります。

 一方、患者の相手側である(病院に治療費を支払う)保険会社の医療調査員は、専門職ながらより過酷な立場です。医師に面談を申し入れても2ヶ月先にされ、その約束の日に行っても、「急患なので」と面談できなかったり、面談できてもわずか5分で切られ、さらに面談料5000円の請求です・・医師からの敵視が普通で、苦労の連続です。保険業界でも長く続かない職種の一つです。医療調査と医師面談の仕事は、医師から短時間で情報聴取できる専門知識、医師の警戒を和らげる誠実性・人間力、そして交渉力・忍耐力、これらが必要で、日夜、医療調査員は修練しているのです。

 基本は私達、被害者側の医療調査とて同じです。この仕事には十分な教育が必要なのです。弊所では、基礎となる保険会社側の医療調査からも学んでいます。本件は、秋葉事務所が最初から医師面談していれば、それ程難しい案件ではなかったのです。医師との関係を悪化させた状態からの受任でしたので、それは修復は大変でした。    ちなみに、先の例の続きですが、   7、秋葉と山本は、両方の病院に同行し、医師面談を重ね、医師の理解を得て無事に修正計測と新たな部位の計測を実施、診断書への追記を頂き・・紆余曲折をものともせず、正確な後遺障害診断書の完成と、審査側を助ける十分な書類の集積を完了しました。

 後は、8、無事に○級認定! を待つだけです。   続きを読む »

 以前、ネットで拝見した弁護士先生のホームページに、「医師面談を売りにしている事務所があるが、それは止めるべき」との意見を目にしたことがあります。

 理由ですが、「医師は賠償問題を持ち込まれることに警戒感と嫌悪感を持つので、却って患者と医師の関係を悪化させることになる」との説明です。

 受任のおよそ90%について医師面談を実施している私共にとって、まるで反対意見を突きつけられたようです。    それでも、秋葉の返答はこうです・・「同感です」。    医師面談とは、専門的な知識があり、医師との折衝を熟知した者が行う作業です。弁護士、行政書士など士業の資格者であっても、その専門知識を勉強しなければなりません。もちろん、相当の経験を積む必要もあります。知識や実力、経験の無い者は、医師面談などすべきではないのです。    以前の記事を読んで頂ければ、医師面談について慎重に考えていることがお判り頂けると思います。⇒ 改めて病院同行の是非を問う    この記事を読めば本日の記事は終わりですが、あえてこのテーマを繰り返した理由があります。最近、弁護士事務所から医師面談の依頼を受けた件で、前任者のお粗末な仕事によって苦労させられたからです。本件の実例を教訓とします。   1、自動車同士の衝突複数(0:100)で、複数の骨折を負った被害者さんですが、一定の治療を経た後、関節可動域の制限が残ったので、その計測と後遺障害診断書の記載依頼の為、(前任の)スタッフが付き添いました。   2、そのスタッフは、医師面談を前にして、被害者さんと「私は(被害者さんの)従妹ということで」という体で、口裏を合わせて臨んだそうです。   3、ここの医師は真面目で頑固さんタイプでした。一箇所の計測が独自方法(日本整形外科学会の計測基準と違う)、さらに、一箇所の計測を医学的な判断から拒みました。医師には臨床上の判断、専門職としての理由があります。それは尊重すべきで、逆らっても無駄です。   4、仕方ないので、リハビリ先の医師に計測を依頼することにしました。スタッフは事前に、「「前の病院が診断書の記載を拒んだので」、と言って書いてもらいましょう」と、言い訳を作って面談しました。   5、リハビリ先の医師は、「前院の主治医が書かないのなら、うちでも書きません」とぴしゃり。   途方に暮れて、「ダメでした」と弁護士に報告です。   6、窮した弁護士は、ここに至ってようやく、秋葉への依頼となったのです。それも依頼内容は、「新しい病院に連れて行って、診断書を書いて欲しい」です。    どこがまずかったのでしょうか?・・・3つの赤字について後編で指摘、いえ指導します。   続きを読む »

こんにちは、金澤です。

今回は、少し面白い治療の話をしていきます。普通に今日の内容でお金を取りセミナーを開ける位のお話だと思います。お金を取るなら相当深いところまで掘り下げますが、今回は分かりやすくを目標に!治療といっても、柔整師の施術ですけどね!内容としては、精神的疾患に対して手技によるアプローチ。整骨院で働いていると色々な患者さんを診る事になります。よく観察をすればするほど、深い所まで診る事になります。

今回のテーマなのですが、実際整骨院に長く通う患者さんの半数以上は精神的な疾患を抱えている方と感じます。(あくまで私の感覚であり、残り半数弱は普通です。)程度は様々ですが、完全に鬱の患者さんもいれば、躁鬱の方もいます。整骨院に長く通う傾向にあるのは、精神的に弱い方が多い傾向にあると感じます。一見は普通そうだけれど目に元気が無い。もう心身ともに疲れが限界。と言う人が集まります。

完全に鬱の方に対しては毎日マイナスの発言を聞いたり、弱音を聞いたりしているとこちらの精神も疲労しますので、半分は聞き流したりと工夫が必要です。約5年現場で患者さんを診てきましたが、気持ちが落ち込んでしまっている患者さん・精神的疲労。慢性疲労がひどい人。全員に共通点があります。それは、ほぼ全員呼吸が浅いことです。極端な例えですが、普通なら一呼吸で肺に入る空気が100だとすると、大体60かそれ以下と言う方がほとんどです。呼吸が浅いと、身体の酸素濃度が薄くなります。酸素濃度が薄いと倦怠感も出ますし、頭の回転も落ち、ぼーっとします。細胞の活性も低くなり、身体の回復力も落ち疲れが一向にとれません。これが続くと、気持ちが滅入ってきて色々な事が重なると、心の中の何かが崩れてしまうのだと思います。

ただ問題なのが、呼吸を深くしようとしても、肺を包む肋骨が動かず、膨らまなくなってしまっていることが多いです。肋骨の間に肋間筋と言う筋肉があり、これが作用しないと肋骨も動かなくなります。この肋骨の動きをよくするために、肋間筋の治療・肋骨のモビリゼーション手技を用いる事で、肋骨の動きが良くなります。そうすると肺が膨らむスペースが出来ます。体内の酸素濃度が上がり、自己回復力が向上するのです。この治療+胸椎アジャストをしっかり決める事ができると、胸椎から出る肋骨のROMがさらに広がり、さらに胸椎に付着する交感神経幹のストレスを一気に取り除き、身体を一瞬で副交感神経優位に転換させることが出来るのです!

上記治療に+αで行うとしたら、実際に、呼吸に使う筋肉、主に横隔膜をはじめとした筋肉を治療します。これだけで相当呼吸が深くなり、患者さんの身体の負担を取り回復力を上げる事ができるのです。勿論、横隔膜の機能が徐々に低下していく場合もありますが、交通事故被害者の患者さんも大半がそのような状態になっている印象でした。

以前、参加した医師との勉強会での内容なのですが、交通事故・スポーツ外傷などの高エネルギー外傷が起こると一瞬で横隔膜・肋間筋が強縮し、肋間のROMが悪くなり呼吸が浅くなる。ついでに交通事故だと胸椎にまでムチウチが及び、胸椎から発生する肋骨の可動が落ちると習った事があります。あくまでも一つの考え方として参考程度ですが、施術の視野が広がる一つだと思います。

このように、簡単な治療一つでも非常に有効な効果が期待できるので、いつか整骨院と精神科医の連携が来る日があってもいいのにと思っています。精神科のお医者さんは、精神疾患は薬で治すもの、と言う固定概念があり、肋間筋やら胸椎やらに関心が無い方が多いと聞きました。また柔整師は柔整師で、相変わらず薬なんか使ったら余計悪くなる!等と頑固に主張します。そんなことよりお互いの関心が深まり、良いとこ取りをした治療の方が必ず患者さんは救われると思うんですが、いつか連携が訪れる事を願うばかりですし、そんな橋渡しができたらなとも思います。

勿論このような治療も正解の無い世界。私が交通事故被害者様に対し安易な口出し等することは有りませんし、そこばかり見ると他を見落としますので、少しでも観察する視野を広げる一つとしていきたいと思います。もし柔整師が読んでたら、必ず治療の幅が広がる良い記事だと思うんですが、いかんせん柔整師はプライドが高く素直じゃないからなー。

では、長くなりましたが終わりです。ありがとうございました。

 

なかなか、病院と整骨院の連携はうまくいきません。 →整形外科Vs接骨院・整骨院 医師と柔整師が少しでも歩み寄れる環境になるためにも、柔整師がきちんとする必要がありますよね~

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③ 被害者請求拒絶型

 病院は治療費の清算のために、保険会社に診断書やレセプトを送ります。他方で、後遺障害診断書の場合は、多くの医師・病院は、後遺障害診断書は患者から依頼されるため、文書代は患者が支払い、出来上がった後遺障害診断書や画像は患者に渡されます。

 この点、後遺障害診断書を保険会社に送って後遺障害手続きを進めていく事前認定の方式をとるか、あるいは、被害者ご自身(代理人)で自賠責調査事務所に直接、必要な資料をすべて送って後遺障害続きを進めていく被害者請求(自賠責法16条)の方式をとるか、の選択ができるようになります。他のブログでも記載があるように、保険会社が一括意見書(依頼者がどんな人か等を担当者視点でまとめたもの)を提出することのリスクや、多忙な保険会社の担当者が資料不足のまま申請されてしまうリスクを回避するため、資料をすべて確認した上で安心して手続きを進めていけます。つまり、手続きの透明性から被害者請求を弊所としてはお勧めしております。このような事情を知った被害者さんの多くは、当然に被害者請求を希望します。

 しかし、医師の中には稀にですが、後遺障害診断書を患者(依頼者)に渡さず、保険会社に直送することがあります。被害者請求を知らずに悪気無くやっていた医師もおりましたが、他方で、被害者請求の存在を知った上で、あえて無視して保険会社に直送する医師もおりました。(患者が診断書を改ざんするとでも思うのでしょうか? 過去のケースでは、保険会社の担当者は、病院から後遺障害診断書が届いたのと同時に事前認定されてしまい、等級認定された場合もありましたが、資料の提出不足で非該当になり、異議申立てで等級が認定された場合もありました。診断書の内容を精査せず、提出書類も吟味せず、審査に回されてしまうことになるので、患者も私達も冷や冷やなのです。    被害者請求は、国が法律で定めた、交通事故の被害者に認めた、交通事故被害者の為の、大切な権利です。    しかし、医師・病院の方針で保険会社に後遺障害診断書を送られてしまい、被害者の知らない間に結果が出されることもあるという現実があります。弊所ではそのリスクをなるべく回避するために、症状固定後、後遺障害診断書を医師に依頼した日または近日中に、連携弁護士あるいは被害者さんから、保険会社の担当者に被害者請求する旨、宣言しています。これは、一括払いを続けてきた保険担当者への礼儀でもあります。   ④ 交通事故の診察拒否型

 医師も様々で、中には交通事故の被害者を診ない方針の医師・病院もあります。この場合は、やむを得ないので違う病院を探すことになります。はじめから診れない方針であることを教えて頂ける分、以前のケース(特に①~②)と比較すればとても紳士的といえます。    

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 弊所では病院同行を原則とした医療調査を行っています。被害者さんの症状を客観的に診ているのは医師に他なりません。やはり、現場に足を運ぶ事が一番です。

 しかし、同時に病院同行は諸刃の剣でもあります。例えば、診察の場において、患者以外の介入を嫌う医師も一定数おります。また、病院内部のルールも病院ごとに違うことがあります。安易な介入は病院との関係を壊してしまいます。医師面談や検査依頼、診断書依頼について、様々なパターンに対応できる者を派遣しないと心配なのです。手前味噌になりますが、メディカルコーディネーターを名乗る以上、どのような医師・病院であっても、ほぼ対応可能です。年間200~300件の病院同行を9年も続けているのです。その蓄積は伊達ではありません。

 例えば、医師面談の場で、わずか二言三言で、医師から症状を聴き取り、要望を伝達します。次の患者が並んでいる診察室で、長々と話す事はご法度、まず、医師の怒りを買います。要点を絞り明瞭簡潔、準備された発言とすべきです。また、保険会社側の調査ではなく、あくまで患者の権利のためであることの理解を得ることも重要です。これには、誠実性が問われます。また、面談を断られても、手紙で伝達する、患者と事前に打ち合わせて望む、ご家族の助けを借りる、医事科の協力を取り付けるなど、柔軟に作業を進めます。また、医師を見限る=転院も手段として残しておきます。残念ながら、まったくご協力頂けない、むしろ患者の権利を損ないかねない医師もわずかながら存在するのです。

 最近の相談でも、「依頼した弁護士が病院同行をしてくれたのはいいですが、医師が怒って、診断書記載が宙に浮いてしまった・・」との相談がありました。弁護士先生自ら病院同行して頂けることは、有難いことだと思います。しかしながら、経験不足から医師の不興を買った可能性があります。また、医師面談が不調であっても、二の矢三の矢を放つほど策を持ち合わせていないようです。繰り返しますが、患者以外の介入など歓迎されるはずもなく、保険会社側の医療調査員も毎度苦労をしています。さらに、重大事件のケガでもあるまいし、弁護士の登場など医師もびっくり、できるだけ相手にしたくありません。およそ、医師は弁護士が大嫌いです。弁護士=医療過誤(の追及)と拡大解釈しかねないほどです。弁護士向けの研修会では、病院同行を試みる弁護士先生に、(医師が弁護士に対して)過大なプレッシャーがあることを伝えています。

 医師・病院に対する「接し方」というものがあるのです。医師の立場や病院のルールを尊重することが第一です。これもよくあるケースですが、弁護士事務所が交通事故案件を受任した場合、即、事務員から病院にカルテ開示を依頼してしまうことです。多くの病院にとって、カルテ開示請求は大変緊張感を伴った事件です。「何か、治療上、問題があったのか?(ケチをつけられるのか?)」と、思ってしまうくらいです。病院によっては、医事課の事務長を通して、主治医から院長まで稟議がかかります。それだけ、カルテ開示は重大事なのです。それを、弁護士がまるで、住民票をとるような気軽さで病院に迫るものですから、病院側も怒ります。まず当然に、「何に利用するのですか?」と回答します。むち打ち程度でのカルテ開示申請など、そもそも非常識なのです。かつて、病院に対して、「何故、すぐに出せないのか!」と電話で怒鳴った弁護士さんがいました。その後、病院との関係修復に大変苦労させられたものです。病院を敵に回して、どうやって保険会社と戦うのでしょうか。    交通事故業務を扱うには、医療業界の常識を知る必要があります。さらに、医師との折衝には、気遣いはもちろん、柔軟な対応と経験が必要です。医師も人間、様々なキャラクターがあり、マニュアル対応では限界があります。どのような場面でも、医師や事務方の表情を読み、病院の思惑を察知する・・「機に臨み、変に応ずる」=臨機応変が必要なのです。これは、ある意味、営業マンの仕事に近いと思っています。医師面談を志す者は知識・経験のみならず、営業力・人間力を磨く必要があります。その点、いくら弁護士先生や行政書士などの資格者であっても、営業センスのない者に任せることは危険であると思う次第です。

 

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 もう、これは毎年300件の病院同行をしている経験からのため息です。    交通事故外傷で、珍しい傷病名であるはずの診断名、例えば、脊髄損傷、TFCC損傷、手根菅症候群、関節唇損傷、胸郭出口症候群・・・これが、町の個人開業医の診断書からみられるのです。もちろん、診断した医師の診断名が正しいこともあります。しかし、半分以上は疑いをもってみています。おそらく、保険会社の対人担当の熟練者や自賠責保険・調査事務所の皆さんも同じく、毎度のごとく懐疑的に見ているはずです。

 つまり、医師が必ずしも検証を重ねた診断名をつけているわけではなく、恐らく「○○の疑い」の域を出ていない診断名だと思います。毎度、肩腱板損傷、膝の半月板損傷の診断名に際し、その手術適用を視野に専門医を訪ねます。専門医は症例数が桁違いで、多くの患者さんを診ていますし、手術数も相当です。ところが、専門医ほど診断名の断定に慎重なのです。まず、CTやMRIだけでは判断しません。初診で患者から、問診(質問)で入念に症状を聞き取ります。続いて触診などを行い、もう1度、画像を撮ります。丁寧にMRI画像と比較しています。初診では断定せず、数日の検査・検討の後に診断名と治療方針を打出します。

 豊富な経験と高度な診断力を持つ専門医ほど、軽々しく予想的な診断はしないのです。その点、なんで個人開業医の先生は、簡単に診断名を口にする、あるいは、診断書に書くのか・・・。診断名を聞いた患者は、すっかり自身を○○損傷と信じ込みます。これが、後の賠償問題を紛糾させる原因となります。てきとうな、否、疑いレベルの診断名によって被害者と保険会社が対立、保険会社から医療調査で真偽をせまられると、当の診断した医師は手を返したように「○○の疑いかなぁ?」と逃げ腰になります。こうして、はしごを外された患者は取り残されるのです。

 このような診断名を巡る争いが、交通事故賠償の世界では日常茶飯事です。医師の診断名を信じるな!とは言いませんが、専門医でもない、あくまで最初に観る一般の整形外科医は、もっと謙虚な態度で診断すべきと思っています。実際、優れた医師ほど専門性を要する患者には、セカンドオピニオンを含め、自身より専門性の高い医師にコンサル(紹介)を行います。経験・実力のある医師や、誠実な医師ほど安易に診断名をつけないのです。

 

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 毎日、交通事故・被害者の皆さまに役立つ情報を発信して、7年になります。

 時折、交通事故と関係ない無駄記事を挟みますが、業務日誌は営業日に欠かさずUPしています。まずは、10年継続を目指して励行しています。この数年で交通事故に詳しいホームページは雨後の竹の子のごとく量産されて、もはや、被害者さんの目移りは普通となりました。そのような環境でも毎日更新しているHPはほとんどないと思います。まして、宣伝先行であり、純粋な情報発信は皆無に近いと思います。

 今日は、恐縮ですが宣伝をさせて頂きたいと思います。    ズバリ、秋葉事務所の強み、売り、です。    「交通事故に詳しいですよ」、「自賠責保険・後遺障害に特化していす」、「交通事故専門です」などは、皆が口を揃えている商売上の使い古された宣伝文句に成り下がったと思います。医学書を写した知識の羅列など、もはや当たり前なのです。被害者さんは、それが実力か単なる宣伝力か、見抜かなければなりません。その点、弊所は理屈ではなく実績と実動を強調しています。複雑に絡んだ糸を解くがごとく、被害者にとって実利ある解決に導くには、第一にその傷病名を受任した実績・経験がものを言います。それは実績ページをご覧になればご納得いただけると思います。ほとんどの事務所は、相談数や受任数について、客観性のない手前集計の数字を誇るだけで、中身が不明です。実例・経験の掲載となると、数件、多くて数十件でしょう。500件に及ぶ掲載は私達だけです。

 加えてもう一つ、私達は実動作業を重んじております。それは、なんと言っても現場に行くことです。現場とは事故発生現場のことではなく、病院を指します。交通事故外傷を経験した被害者さん達は、治療と後遺症を証明する画像や診断書の重要性を痛感しています。それらケガ・後遺症の証拠を正確に、余すところなく、被害者側が積極的に収集して、相手(保険会社)に突きつけなければなりません。それには、病院同行が最も確実な作業なのです。病院同行・医師面談は基本全件に実施しています。病院同行が馴染まない案件は別方法をとりますが、受任の90%は病院同行・医師面談によって、最良の診断書を取得しています。

 そして、病院同行の膨大なデータから、独自の病院情報を集積・保持するに至りました。以下は年間200~300件の病院同行を7年以上、続けてきた事務所が持つ、整形外科・個人開業医の病院情報、各県の保持数です。  

 東京 43 埼玉 27 神奈川 16 千葉 12    群馬 4 茨城 3 静岡 10 山梨 15 長野 4

   総合病院や大学病院の情報は把握し易く、地域の大病院は概ね承知していますので、上記数から除いています。整形外科以外、専門医も別枠です。あくまでリハビリ通院の対象となる、地域の整形外科だけのカウントです。この整形外科・個人開業医は実際に院長に面談することで評価が定まります。この数だけでも、大変な苦労と時間がかかりました。    病院ごとに、「診断力」「リハビリ設備」「診断書作成」「人間性」の4項目の評価をデータ化、蓄積を続けています。    相談会では、これらのデータを基に治療先の選定、転院について、責任をもった回答を可能にしています。とくに、むちうちの後遺障害認定は、一定期間まじめにリハビリを続けた治療実績から判断されます。すると、理学療法の設備がない病院は最初から「リハビリ設備」×、診断力に乏しく、様子を見ましょうと言って薬だけ大量にだす病院は心配ですから「診断力」△、後遺障害診断書を書きたがらず、書いてもテキトーな先生は「診断書作成」×、どうも保険会社寄りで「捻挫の治療は3ヶ月まで」と決めている病院は「診断力」「人間性」×、逆に患者離れ悪く、なにかと保険会社にマークされている病院も「人間性」×、はなから面談拒否や、ひねくれ者で性格の悪い先生は当然に「人間性」×です。交通事故に理解があり、協力的な先生は「診断書作成」や「人間性」が○になります。このように、項目ごとに評価をしています。

 実は”行ってはならない病院”情報が最も重要で、ほとんどこれが被害者の運命を分けることになります。こんなデータを蓄積している事務所は私達だけでしょう。例えば、甲府では、「地元のどんな法律事務所より、この地域の病院に詳しいです!」と断言しています。

 どんな優秀な弁護士でも、医師が1度書いた診断書を直す事は至難の業です。どんなに後遺障害に詳しい行政書士であっても、「どこで検査できるか」「どの病院に通うべきか」、地域の医療情報に暗く、必要な検査ができる病院に誘致できなければ、その知識は絵に書いた餅になります。実動なく、机に座って被害者さんに指示するだけ・・これで解決できる簡単な事案なら苦労はしませんが・・。   続きを読む »

 秋葉事務所は、単なる書類の取りまとめを行っている事務所ではありません。画像分析と医療調査、そして解決までのプランを示すこと、つまり、交通事故解決の中核的な作業を担っています。

 今日はタイトルにあるように、医療調査の基本軸である、病院同行・医師面談について語りたいと思います。    「被害者側の医療調査業」とは、行政書士資格をとっただけで”交通事故専門”を名乗る事務所とは一線を画しており、交通事故に強いと宣伝する弁護士事務所に勝る専門性を自負しています。弁護士事務所から信頼いただき、ご依頼を受ける専門家は一朝一夕では生まれません。被害者側の医療調査は簡単な仕事ではないのです。まず、病院同行するメディカルコーディネーターの研修期間は1年以上かけます。どうにか研修生を卒業となるのでは、年間120件の医師面談を3年以上が絶対です。それでもまだまだ経験不足、実戦経験を積む毎日です。

 基本的に被害者さんの診察に同席し、一緒に主治医からお話を伺います。そして、検査のリクエストを行い、診断書の記載内容まで踏み込んでいます。なぜこの作業を重視するのか?・・・医師は治す事が仕事であり、治療者の観点から患者の障害を評価します。それは時として、保険会社側が要求する情報と食い違ってしまうからです。具体例を挙げましょう。     (実例)鎖骨骨折後、鎖骨の変形に関する評価   医師 「鎖骨の癒合はよく、問題ありません。そろそろ症状固定でもいいですよ。」

被害者「先生、任せている行政書士さんから、鎖骨の変形で後遺症が認められると聞きましたが・・」

医師 「これ位は日常生活に影響ないよね。変形とまでは言えないよ。」

被害者「そうですか・・・」 やっぱりダメかと、とぼとぼ退散します。

・・後日の診断日、今度は秋葉が同行しました・・

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 仕事柄、毎日のように診断書をみていますが、どうして医師は左右間違えて書くのでしょうか?    ケガをした脚は右脚なのに、左脛骨骨折。 足関節の可動域制限は骨折した左足首なのに、左右逆に角度を書く。 醜状痕は右腕なのに左腕にキズを図示。 右耳難聴なのに左耳聴力低下。 

 信じられないと思いますがこのような間違いは頻繁に起こります。だからこそ、診断書の記載内容はよく見てから受け取るべきで、まして保険請求や障害審査の場合は慎重に確認してから提出すべきです。もちろん、単なるミスであることがわかれば、保険会社や審査機関は修正のために返してくれます。しかし、不自然でなければそのまま審査されることもあり、ぞっとする話です。なぜ、専門家である医師がこうもよく間違えるものか・・間違いの原因を考えてみましょう。   1、忙しい

・・医師は毎日、多くの患者を診ています。当然ですが、まず症状を良く観察すること、適切な処置をすること、要するにケガや病気を「治す」ことが最優先なのです。診断書の記載は、言わば雑務でしかありません。急患が入れば、昼食もとらずに診察を続け、夜はくたくたに。したがって、診断書は週末にまとめて記載する医師が多いようです。溜ってしまえば、診断書を書くまで数ヶ月も待たされることもざらです。やはり、診断書の記載は気が抜けてしまうのでしょうか。 c_h_77 2、患者に向かって右は人体の左側?

・・医師は患者と正面から向かい合って診断をします。したがって、医師から患者に向かって右は人体の左側です。カルテの記載も画像読影も基本的に左右逆の状態が続きます。これも左右の間違いが多い理由の一つではないかと思います。 20140508_6 3、医師が書いていない?

・・ここに書く事が躊躇われますが、診断書を医師が書いていないことがあります。医師によっては手術をするような重傷患者を診ることなく、軽傷の診察が中心となります。整形外科の個人開業医や内科の個人クリニックがそうです。打撲捻挫や風邪の類で診断書を毎日のように依頼されます。すると、それらの記載を看護士や事務方に任せてしまうことが珍しくないのです。おじいちゃん先生の記載のはずが、丸文字=もろ女子!をよく目にします。もちろん、医師が最終的に記載内容の確認後、署名・印をすると思いますが、それすら怪しい病院もあります。そのような場合、患者を診ていない者が記載するので、やはりミスは起こりやすくなるはずです。    いかがでしょうか。自らの保険金、障害等級、それらの軽重もあるかと思いますが、自らの運命を決める一枚はこのような危うい状況を経ているのです。最近も、提出の直前に左右が逆に書かれた診断書に気付きました。医師の間違いに患者が気付かなければ・・・診断書を精査する私達の仕事ですが、潜在的ながら重要であると改めて思いました。

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佐藤イラストsj久々に投稿!

 リハビリってどんな整形外科に通院すればいいの?と迷ってしまう方も多いはずです。今回は弊所が気付いた、ちょっとしたことをお話いたします。     毎月たくさんの病院や整形外科等に伺うのですが、初めて同行する際にはまず、病院の受付の方に注目します。受付は患者さんが真っ先に向かうところです。その受付の方たちの対応でその病院や整形外科の雰囲気や先生の感じまで分かってしまうのです。もちろん数多くの病院へ同行している弊所だからこそわかる部分も多いのですが、被害者の方でも少し分かる部分があるかと思います。

 例えば、受付の方がいつも笑顔で、楽しそうに仕事をしていたり、患者さんとのコミュニケーションもしっかりしている、仕事もテキパキしている、初めての方への対応も丁寧で優しい等です。あとは受付や事務の方々の年齢層も私はよく見ます。  若い方々のみでも年配の方々のみでもなく、いろんな層の方々が一緒に働いているところはいい病院が多いと思います。

 ただ、やはりそのような病院や整形外科は大抵人気があるので、待ち時間が長いというデメリットもあります。皆様がどの点に重きを置くかはそれぞれのご判断でいいとは思いますが、後遺障害申請を狙うのであれば、病院や整形外科の雰囲気に着目してみてはいかかでしょうか。  f_u_42  

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