【事案】

自動車で走行中、路外より急な転回を試みた自動車に衝突され受傷する。直後から右脚の痛み、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

膝の血腫については1ヶ月ほどで消失するも、痛みを伴う神経症状が残ってしまった。しかし、主治医は腰椎からくる痺れ・神経症状と同視しており、MRI検査の紹介状にも膝のことは一切触れられていなかった。   【立証ポイント】

痛みの残存はあるが、歩行や可動域、正座・胡坐など問題なく行うことができるため、MRI検査の実施は諦め、認定を得やすい腰椎14級9号を主訴に、ついでに膝の認定を狙う方針とした。ご本人としては 腰 < 膝 であったが、渋々納得して頂く。

初診時からの一貫性と通院回数によって狙い通り、腰と膝両方に14級が認定された。最初から膝一本に絞っていたら、非該当だったのではないかと思われる。

※ 併合のため、分離しています

(令和3年9月)  

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テレマティクスのことです    今朝、朝食を食べながらTVを観ていると、あいおいニッセイ同和損保のCMが流れており、岡田准一さんが「テレマ」という言葉を若者(なにわ男子の西畑大吾さん)に説明しているというものでした。あいおいニッセイのHPを確認したところ、10月25日から全国で放送されているとの事なので、聞きなれない「テレマ」という言葉について調べてみました。

 テレマとは、テレマティクス(Telematics)の略でテレコミュニケーション(Telecommunication/電気通信)とインフォマティクス(Informatics/情報処理)を合成した造語で、移動体に対し通信を介してサービスを提供することを指すようです。テレマティクス自動車保険は、自動車に搭載している機器が自動車や運転者の情報を通信システムを介して保険会社に送信するため、保険会社はそのデータを分析し、保険料金に反映させるといった構造になっています。

 従来の自動車保険とは、加入時の条件や補償内容で料金が決まり、保険を使わなければ等級が上がり保険料がだんだん安くなっていくというシステムになっており、若者や運転歴の浅い方、バイクなどは割高なイメージがあるかもしれません。それは蓄積されたデータ上、そういった方々が事故を起こす確率が高いことが関係しています。「普段から安全運転を心掛けているのに…。」と思っている方も多いでしょう。そのような方にとって、このテレマティクス保険はメリットがあるかもしれません。どのようなことがあるのか見ていきましょう。

 テレマティクス保険には走行距離連動型と運転行動連動型があります。走行距離連動型はそのままの意味で、走行距離が短ければ保険料が安くなり、長くなればその分高くなります。運転行動連動型とは、運転速度や急ブレーキ・急アクセル、ハンドリングなどの運転特性を測定し、安全な運転をしていると判定されれば保険料が安くなり、逆に危険な運転をしていると判定されれば高くなるというものです。この仕組みだと安全運転をするほど安くなるので、運転者の意識が高まり、交通事故が減少するのではないかと期待されています。

 テレマティクスという名前がついていなくても、自動車自体に安全運転を判定してくれる機能が搭載しているものもあれば、ドライブレコーダーと連動して事故の連絡ができる保険も登場しています。交通事故の減少はもちろんですが、無保険の自動車が少しでも減ることを期待しています。   テレマ?  テレマーケティング(電話の営業)かと思ったよ  

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【事案】

自動車で走行中、路外より急な転回を試みた自動車に衝突され受傷する。直後から右脚の痛み、強烈な神経症状に悩まされる。また、症状は膝より軽いが腰椎捻挫の診断名もついた。

【問題点】

頚椎や腰椎に負荷のかかる仕事柄のため、事故以前にも同じ整形外科へ何度か通院していた。幸い院長が交代しており、通院歴については全く問題にならなかった。   【立証ポイント】

早期にご相談をいただいたため、膝より腰を主訴とする認定方針にご理解頂き、MRI検査の実施を指示した。多忙の中、なんとか週2~3回の通院を継続(保険会社がのんびりしていたため、約10ヶ月通院することができた)していただき、通院回数も十分となったところで症状固定とした。

非常にシンプルな提出書類ではあったが、想定通り腰椎捻挫の認定は容易、1ヶ月もかからずにすんなり14級9号認定となった。

※ 併合のため、分離しています。

(令和3年9月)  

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 数年前、まだ事務所が築地にあった頃の話です。ある日のお昼休み、事務所に近いお蕎麦屋さんでかつ丼を頼みました。

   立ち昇る湯気が実に香しく、だし汁にやや半熟の溶き卵が被さったカツ、しっとりとしながらも微妙にサクサク感か残り、玉ねぎが助長する甘辛い味とごはんのハーモニー、三つ葉でも飾れば最高です。かつ丼はお店によって多少の違いはあっても、どこのお店でも美味しい。    この日も上機嫌に頬張っていましたが、奥歯にかすかな違和感、明らかに堅い繊維上のもの。確認したらホチキスの針でした。私は大雑把な性格ですから、吐き出して気にせず食べ続けることに苦痛はありません。しかし、ここで以下の選択肢が浮かびます。   1、店員に苦情を言いつけて、席を立つ。当然、代金は支払わない。   2、店員に苦情を言いつけて、作り直してもらう。したがって、代金は支払う。   3、何事もなかったように気にせず、食べ続ける。苦情を言うのも面倒、もめるのは勘弁したい。    対応は、ざっとこれ位でしょうか。今、話題のカスハラ(カスタマーハラスメント)のように、延々と文句を言い続けて、店主に謝罪を求める(出来れば土下座要求)か、「誠意を見せろ」(≒金品の要求)などの選択肢は無しとします。

 忙しいので、3を選択したいところでした。しかし、ちょっと待て・・ホチキスの針は私のかつ丼だけではなく、食材に複数混入していた場合、他のお客さんにも混入の危険性があります。中には口内をケガする方がでるかもしれません。これは、お店の為だけではなく、公共の福祉の為、言うべきでは・・妙な正義感が湧き出したのです。

 勇気をもって、店員のおばさんに、「あの、ホチキス混入してます。」と告げたのでした。すると、店員さんは「あらっ、すみません」と言うと、返す刀で厨房に「ホチキスが入っていたって」と声を掛けました。厨房からは活きの良い声で「さぁーせーん」と、店長らしき人の声が聞こえました。世の中には顔を見せない謝罪もあるのです。

 どうも、これで終りのようでした。もう少し丁寧に謝罪するか、ケガへの気遣いをするか、神妙に状態を聞いてくるか、そのような対応はなく、やや肩透かしでした。日々何千何万食を作っていれば、異物混入を100%避けることは難しく、お店側の苦慮も想像できますが、もう少し慎重な態度が必要かと思います。

 途中まで食べたかつ丼ですが、異常はないようです。私は食品ロス撲滅信者でもあります。残すことへの罪悪感が勝りました。。完食後、席を立ちレジ前へ。すると先のおばさん、微笑を浮かべ「代金は結構です」と。対して、私は「いえ、食べましたので代金は支払います」。それでも、受け取る気はないようです。しばしの間にらみ合い、まるで剣の達人同士の立会、膠着状態に…。

 一方、他のお客さんの視点は・・「いちゃもんつけて、代金を払わない人」の構図が完成です。厨房の店主も様子を窺っているに違いありません。(そう言う問題じゃないんだけどなぁ)正しい事をしたつもりが、なんで、こんなピンチになってしまったのか。大人しく3を選択すれば良かった。

 引っ込みがつかない私は、幸いお釣りがないちょうどの金額をレジ台に乗せると、逃げるようにお店を後にしました。終始、店員にかすかな余裕が感じられました。もしかしたら、食品にいちゃもんつける客が多く、その対応はマニュアル化されているのでは?。なんだか、そのマニュアルに照らして「あしらわれた」感が残りました。私は私心なく、公共心をもって苦情を言ったのですが・・。    世の中には、まっとうな正義感が裏目になることがあります。これもその一つと思います。お店の対応は心無いと思いますが、間違っているとも断言できません。そう、答えは一つではないことがあるのです。

 せっかく美味しいかつ丼でしたが、二度とそのお店に足を運ぶことはありませんでした。  

  

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真性の腱板損傷:後遺障害10級レベルの立証

 本件では可能性が極めて低いのですが、もし、事故受傷による棘上筋断裂であれば、肩の専門医の診断を乞います。肩関節の1/2制限など、本来、手術が適用される重度損傷です。

 秋葉事務所が指定した専門医のもと、すでにMRI撮影済みでも再度3.0テスラMRI検査、あるいはエコー検査を重ね、専門医の診断(書)と検査所見を完備します。

 それまで通院した小池クリニックの診断や、精度の低いMRIは、あくまで治療経過を辿るものとして補強的な医証へ下げます。そして、間違いのない10級、あるいは12級レベルの医証を固めてから弁護士につなぎます。

 具体的には、専門医の診断書とMRI・エコー画像に、治療経過としての診断書・MRIを揃え、説得力のある受傷機転の説明を加え、可動域制限を裏付けるリハビリ記録、手術を検討するカルテの記述など、あらゆる証拠を収集します。これは、ある意味、審査側をも助ける作業になるはずです。

 

陳旧性の腱板損傷:現実的戦略と回復努力

 被害者さんの受傷機転と直後の治療経緯から 、恐らく陳旧性の病変と予測できた場合。被害者さんのスポーツ歴、職歴を尋ね、確信を得たら、元々事故前から肩に変性があったと説明、枝野さんの理解を促します。

 ここでもし本当に肩関節の可動域に2分の1制限があったとしても、10級を主張すれば詐病者扱いになる場合があるのです。

 肩関節:外転80°の計測記録でも・・・最悪、「非該当」の結果が返ってきます。自賠責の怒りを買った結果です。可動域の数値通りに肩関節の障害とみてくれません。

 そんな、無謀な申請は敬遠させます。先日の説明通り、自賠責の視点を知っているからです。受傷後の肩関節の痛みから、あまり動かさずにいた為に関節拘縮が進んだ場合であれば、専門医へお連れして、理学療法を工夫して継続、可動域の回復へ向かわせます。お金を取ることだけが秋葉事務所の仕事ではありません。

 このように、被害者さんに現実的な等級認定・解決への理解と、回復への努力を促します。そして、次の③に進ませます。  

事故直後から肩の痛みが発症した場合・・後遺障害14級9号だけでも確保

 陳旧性損傷や年齢変性であっても、事故以前は何ともなく、事故後から痛みを発症するケースもあります。これはムチウチに同じく、引き金論(元々あった損傷が事故を契機に痛みを発症)として、医学的に説明がつきます。事故の衝撃でインピンジメント症候群を発症したケースも数件、経験しています。簡単に言うと、歳をとって棘上筋等のささくれが肩関節を動きを邪魔し、場合によっては関節部に石灰化が起き、中高年のいわゆる四十肩・五十肩の症状となります。これは経年性の内在的な病変ですが、運悪く、事故を契機に痛みを発することがあります。これを、自賠責は「外傷性の肩関節周囲炎が惹起された」とギリ推測、14級だけは認定してくれました。この件は、歩行中に車にはねられて肩を強打したケースでした。自動車搭乗中にコツンと追突されてでは・・一笑に付されます。この手の多くは、「頚肩腕症候群」と言って、頚部神経症状由来の肩の痛みが多くを占めます。可動域制限については、痛みから余計動かさなくなることで、関節拘縮が進行するケースが多いようです。  

 したがって、外傷性肩関節周囲炎にしろ、頚肩腕症にしろ、真面目にリハビリを継続し、適当な時期に症状固定、先生に診断書の記載をお願いします。ここで、過度な可動域制限の数値などは敬遠させます。できるだけ、肩の可動域は自助努力で回復させるべきです。すると、症状・治療の一貫性から、神経症状の14級9号認定の余地を残します。ややグレーながら、症状の一貫性と信憑性があれば、自賠責も鬼ではありません。     

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