主要社の比較に移ります。私共は、約款の支払い条項からA~Cと3グループに大別しています。それぞれの、支払い内容とその違いは、すでに何度も取り上げています。本筋に逸れますので、お時間のある方は以下をご覧下さい(長いですよ)。

 👉 人身傷害の約款改悪シリーズ 夢の全額補償が破壊された ②    前提として、人身傷害保険は、「自身に過失があっても、過失減額なく全額支払います。」「人身傷害保険で相手から減額された自身の過失分を出します。」と、全社パンフレットにうたっています。しかし実際は、損害総額を人身傷害の基準で計算しますから、弁護士などが介入して、賠償金を赤い本基準に釣り上げた場合、その額は認めず、あくまで自社の計算を限度にしか払わないのです。この問題は、平成23年2月の最高裁判例で、「裁判で決まった額なら、それで計算すべき(裁判基準差額説)」と、一応の決着はつきました。以後、各社は約款改定に追われ、支払い基準は、およそ3つのパターンに分かれました。    Aグループの支払い基準は、「裁判での和解・判決なら、その額を損害額の総額として認める」としています。最高裁判例に素直に従った形です。しかし、逆を言えば、「交渉解決では、人身傷害の決めた支払い基準ですよ」となります。交渉や斡旋機関で、裁判に近い賠償金を勝ち取った弁護士は、その後の人身傷害への請求(自身の過失分の回収)に毎度苦労させられます。あるいは、人身傷害への請求を放棄する先生も多いようです。    放棄の例 👉 ときに「人身傷害保険への請求が交通事故解決の最大の山場」となる ① 全額回収ならず     また、裁判で決まった額であっても、「支払い保険金は、人身傷害基準での総額まで」との、限度が規定されております(損保Jさん)。この天井によって、自身の過失が大きい被害者さんこそ、(過失割合によりますが)満額回収ができなくなります。  

 見ての通り、令和3年に交通乗用具を復活させた損保ジャパンさん以外、このグループに動きは無かったようです。

 以下、交通乗用具の対象が分かる(別紙)も貼っておきます。

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