交通事故相談において、この質問も実に多く寄せられています。今までも散々、解説を試みてきましたが、どうも歯切れの悪い説明になっていたと思います。改めて、今年のセミナーのレジュメから引用します。より洗練された回答にまとめたつもりです。    どちらに請求すべきか?

 交通事故の場合、真っ先に請求する相手は、加害者の保険会社ではないでしょうか。それは通勤災害、業務災害の場面でも同じかと思います。確かに、加害者が弁償するのが筋とは思います。ただし、「労災は請求できない」、これは間違った知識です。    かつて、交通事故で労災を使いたいと申し出ると、   「相手(保険会社)のいる交通事故では、労災は使えません」   「相手に保険があるので、自賠責の120万円の枠が終わってからでないと、労災を適用することはできません」    ・・・このような対応でした。社会保障制度ですから、じゃぶじゃぶ使われると困ります。加害者に支払い能力、つまり、何らかの保険がある場合は、そちらを優先させて、支払いを抑制しなければならない側面は理解できます。

   近年は、そのような担当者にあたることはなく、普通に使わせてくれます。なぜなら、健康保険に同じく、「使うか否か」、「その順番」でさえも、請求者の意思が第一と法で定められています。以下に結論します。   1.

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