ここ数年の業務日誌で、常にアクセス数が上位の記事はこれです。
 
弁護士対応とされた被害者は交渉失敗です
  
 事故で大変な目にあったのに、相手保険会社の無感情な対応に、かっとする気持ちはよくわかります。しかし、感情に任せてケンカをすれば、益々、不利な状況に追いやられることがあります。とくに、むち打ちなどの14級9号認定こそ、後遺障害審査への影響が大きくなります。それを示す1例をご紹介しましょう。私が保険会社のSC(サービスセンター=保険金支払い部門)に配属された時の電話です。
 

秋葉:「はい、○○火災 埼玉第1SCです。」
 
自賠責:「大宮の調査事務所の○○だけど、いつもお世話になっています。対人担当の山本さんをお願いします。」 
 
秋葉:「はい、おつなぎします。」 (以下、会話内容を横耳で聞き取り)
 
山本:「はい、山本です。○○さんご無沙汰しております(※)。」 
 
 ※ 自賠責・調査事務所には一定数、損保会社からの出向社員がおります。
 
自賠責:「先日、佐藤さんという被害者の後遺障害請求を受けて、審査中だけど・・担当は山本さんでしたね。」
 
山本:「ええ、あの佐藤ですね。何か?」
 
自賠責:「通院日数もけっこうあって、14級とするか検討中だけど・・どんな人でした?」
 
山本:「いゃ~、何かと金、金、金で、物損でおかしな請求もあって苦労しました。大げさに通院しまくってましたし、態度もひどくて最初からケンカでしたよ。もう少しで弁護士対応でした。」
 
自賠責:「わかりました。ありがとうございます。」
  

 はい、これで 非該当 決定です。

 
 自賠責の審査担当者が、申請者の訴える症状が信用に足りるか疑問に思った場合、任意保険の担当者へ「この被害者はどんな人?」と聞けば済みます。任意保険の担当者は受傷直後から数ヶ月間に渡り申請者をみてきたわけですから、善悪・人柄を把握しています。この電話一本でネガティブな情報が伝わりますと、14級9号の認定が迷われる件は往々に非該当になります。もちろん、上記のようなやり取りが自賠社と任意社間でされていることなど、記録に残りません。形式上は「自賠責保険の基準に従って審査した結果」でしかありません。

 だから、相手保険会社の担当者とケンカするな!と言っているのです。担当者の恨みを買えば、文中の佐藤さんみたいにボロクソ言われます。骨折など、明らかな器質的損傷のない「むち打ち・14級9号」の審査は、医学上、他覚的な証拠が乏しい中、受傷機転、治療経緯や症状の一貫性から被害者の訴える症状の信憑性を測るしかありません。審査上、もし迷った場合、被害者の交渉態度や人柄も注目されてしまうのです。これらは、基準にしづらいものですが、当てはめるとしたら、被害者が訴える症状に「故意の誇張がないか」・・ここで判断されるはずです。

 任意保険の担当者が付す「一括社意見書」に限らず、被害者請求でもこのような電話のやり取りがあります。すべてとは言いませんが、これが致命傷となることもあるのです。「ケンカは等級認定を得てから」が鉄則です。ケンカを我慢して、まずはご相談下さい。私共がしっかり後遺障害への道筋を整えます。ケンカは最後に有能な連携弁護士が理詰めでしっかり戦います。