鎖骨骨折による肩関節の機能障害の認定ですが、秋葉事務所でもそう多くありません、通常、鎖骨が折れたとて、正常に癒合すれば肩関節の可動域に直接の影響はありません。肩関節の可動を阻害するかは、画像で判断されます。肩関節が歪むほどの酷い骨折や、ヤブによる手術失敗でもない限り、肩関節の可動域は回復するはずです。
そのよう原則を踏まえ、例外となる本件では、可動域制限が残ってしまった理由を克明に立証しなければなりません。当初、手術を避ける判断から外固定を続けたことにより、関節及び筋肉の拘縮から、ひどい神経症状となりました。残存する可動域制限は、原因と経緯をしっかり審査側に伝えることにより、認定を得ることができました。現在も神経症状は緩解に至らず・・結果論かもしれませんが、最初からプレート固定するべきだっと思います。
12級以上のひどい症状と思います
12級6号:鎖骨骨折(60代男性・埼玉県)
【事案】
小型バイクで交差点を直進中、後方から走行してきた自動車の急な追い越しと左折に巻き込まれた。直ちに救急搬送されたが、手術は不要と判断され、その後は近隣の整形外科で受診することとなった。 【問題点】
近隣の整形外科では、包帯でがっちり固定する方針となったが、1ヶ月に及ぶ固定の影響からか腕の感覚麻痺や手の痺れ、異常なまでのむくみが出現、関節と筋肉の拘縮を起こしてしまった。救急搬送先に戻って、プレート固定の手術を受けることとなった。手術後も上記症状は改善しなかったが、上腕神経叢麻痺の可能性から専門医を受診したところ、「神経叢麻痺の治療はなく、継続的なリハビリやペインクリニックの受診などしか方法がない・・」とのことで、ご本人も途方に暮れていた。 【立証ポイント】
幸い労災治療により、1年半にわたり休業給付の受給が続き、仕事復帰に向けて治療に専念することができた。残念ながら、1年半の治療でも劇的な改善はなく、後遺障害診断書を依頼する方針となった。医師には肩関節・肘関節・手指の可動域を計測いただき、肩関節の外転で12級の数値となった。
一方、プレート固定した鎖骨での可動域制限は中々認められないので、むくみを主張するための両手の写真や、事故当初から直近までの写真を経時的に提出し、神経叢麻痺を含む神経症状との合わせ技で可動域制限の認定を目指す作戦で書類を集めた。診療報酬明細書の開示などで書類収集に時間はかかったが、申請からちょうど2ヶ月で12級6号が認定された。

そのプレート固定術も日進月歩、プレートの形状が向上しています。鎖骨のカーブに沿って曲がりを加えたもの、そのバリエーションが増えたと思います。鎖骨にジャストフィットすれば、きれいに接合しますし、仮骨形成で太くなることも防げます。治療上は良い事ですが、後の賠償問題として12級5号「鎖骨の変形」が認定されないことに繋がります。事実、本件を含めて鎖骨の変形癒合は減少していると思います。
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肩関節は、肩甲骨の浅いソケットに、上腕骨がぶら下がっているだけの頼りのないものです。関節部には骨の連結がなく、大きな可動域を有しているのですが、そのことが原因で脱臼しやすい構造となっています。

肩甲骨は、背中側の肩の部分についており、骨の中でも比較的薄い板状骨です。他の骨とは、関節を形成しておらず、他のどの骨よりも自由に動かすことのできる骨です。外力に弱い構造ですが、多くの筋肉群に囲まれて補強されています。

まずは、肩腱板周辺の構造から。肩関節は骨同士が軟骨で接する関節面が小さく、腱板と呼ばれるベルトのような組織が上腕骨頭の大部分を覆うようにカバーしています。そのため、肩は自由度が高く、自由に動かせることができるのです。腕を持ち上げるバンザイでは、腱板は肩峰、肩甲骨の最外側や靱帯からなるアーチの下に潜り込む仕組みとなっています。アーチと腱板の間には、肩峰下滑液包=SABがあり、クッションの役目を果たしています。



後遺障害が見逃される典型例です
今回3つのパターンを紹介しますが、⑴、⑵の先生に依頼すると残念な結果と迷走が待っています(弁護士名は仮名です)。
(1)交通事故経験の少ない弁護士:甘利先生




