前回まで、自動車事故の衝撃度を表す上でよく使われる「ビルからの落下・計算」を説明しました。ケーススタディを重ねましょう。今度はバイクが衝突した場合です。   3、自動車にバイクが追突した場合  

 Cさんは原付バイク(ヤマハ 車体重量90㎏)で走行、信号待ちのハイエースバンに追突してしまいました。原付なので時速30kmが制限速度です。まぁ、これを守っていたとして30kmとします。修理費はバンパー交換+αで20万円でした。修理費は問題なく保険で支払いました。しかし、ハイエースのドライバーDさん、むち打ちとなって毎日通院を始めました。治療費を払う損保は「3カ月まで!」と、業を煮やして治療費を打切りました。不満のDさんに対して、損保は以下の計算を示しました。    それでは、ハイエース(車体重量1960kg)の受けた衝撃を計算してみましょう。    時速30km ≒ 秒速 8.3m の場合では、    8.3m × 8.3m  ÷ ( 2 × 9.8 )= ...

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 シリーズ再開! かつて相談会に参加した相談者さまの実例から計算してみましょう。    その前に、2019年10月にシリーズ化したまま途絶した前回記事は以下の通り。

👉 受傷機転について、その衝撃を科学する ② 自動車事故の衝撃度   

1、自動車の単独事故 ~ 壁に衝突した場合

 Aさんは小型自動車(日産マーチ 940kg)で壁に衝突、つまり自爆事故で負傷しました。その時のスピードは30kmだっだったそうです。マーチは全損となりました。シートベルトをしていなかった為、フロントガラスに顔面を強打、10針を縫うケガに。6か月の通院の後、後遺障害は醜状痕の9級16号、頚椎捻挫14級9号が認定されました。

 どの位の衝撃か、例の「ビル落下衝撃度」から計算してみましょう。   ○ 時速36km = 秒速10m/s の場合・・・5.1mの落下衝撃となります。

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 令和4年最初の認定、新年早々に結果が届きました。    本件は医師が手術により、肩関節の棘上筋を再生させました。さらに、予後のリハビリで理学療法士さんが、出来るだけ元通り腕が挙がるように努めて、一定の回復を果たしました。被害者さんが最大限、回復に努めることは当然です。医師はじめ、治療者の尽力にも感謝しかありません。しかし、それで後遺障害が無かったことにされてはたまりません。    医師による「後遺症」の見解と、自賠責保険が認定する「後遺障害」は別物と言えます。    手術による再生とリハビリによって一定の回復は計れるも、治りきっていない症状を見逃してはなりません。本件は示談の直前、ギリギリで数百万円を失わずにすみました。世の中には、このような被害者さんが大勢いると思います。   後遺障害が見逃される典型例です  

12級6号:肩腱板断裂(60代女性・埼玉県)

【事案】

車イスにて交差点を横断中、左折してきた対抗自動車に衝突され横転したもの。全身打撲、とくに強打した肩の痛みに悩ま され、リハビリを継続するも挙上不能が続いていた   【問題点】

主治医の見落としにより、肩腱板断裂の発見が救急搬送から約3ヶ月後、そこからの専門科の受診となった。その後、専門医によって関節鏡下・腱板再生(縫合)術が施された。術後は良好、執刀医は「MRIの画像所見がないと後遺障害診断書を作成できない」との判断、診断書の記載を断られてしまった。

あきらめて示談に応じるところ、見かねた保険代理店さまからの相談が入った。   【立証ポイント】

直ちに自宅へ訪問し、現状の把握と可動域の計測を実施した。ご本人曰く、腕は上がるようになったそう。しかし、それはリハビリ指導から、上がり易いように斜めに挙上訓練した結果であり、正しく計測すると1/2超えるのがやっとであった。

これで「治った」とする主治医を説得すべく病院同行へ。今度は私達から事情を説明、主治医の理解を得て、肩関節の計測と診断書記載までこぎつけた。可動域計測については、外転が3/4以下の数値となり、理想的な診断書が完成した。

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 毎度のことですが、2度目の14級9号の認定率は低いものです。ただし、0%ではない。

 神経症状14級9号の認定を受ける部位は、主に頚部と腰部です。これらの部位に神経症状が生じると、短期間での完治は難しく、以後も再発する傾向です。それは、年齢変性(加齢による脊椎の変形、ヘルニア等が神経に触り易い)が関与するからと医学的に説明できます。つまり、慢性疾患に近い。したがって、自賠責は一度、その部位に認定すると、数年後にもう一度痛めたとしても、審査は厳しく再度の認定を簡単に下しません。

 そもそも、過去に14級の障害を受けた部位に、重ねて同じ障害を追っても、加重障害となり、保険金は0円になるのです。    その辺の理屈 👉 保険会社は知っている ② 5年ぶり3回目の出場(じゃなくて申請)    対して賠償的な観点からすると、裁判でも14級9号の逸失利益(障害を負ったことによる将来の損害)の相場は5年限度が多いようです。すると、過去の受傷・認定で決まった逸失利益の年数、又は5年経てば「治った」ことになり、再度の障害認定に矛盾はないはずです。しかし、前述の通り、あたかも「味をしめたな」とでも思うのか、自賠責は厳しく判断します。ここが、自賠法に規定された自賠責保険と、民法の不法行為による損害賠償の違いが生じるところです。     本件被害者さんにも以上の理屈を事前に説明しました。しかし、20年ぶりに襲ってきた痛みや不具合を前に、そう簡単に納得などできません。「なんとか認定にならないでしょうか?」・・・同部位2度目認定へのチャレンジ、困難ながら佐藤は懸命に立証作業を行ったと言えます。   「依頼者は無理難題をおっしゃる」 再登場、クアトロ佐藤(カズレーザーじゃないよ)  

14級9号:頚椎捻挫(40代男性・神奈川県)

【事案】

自動車にて直進中、対向車が中央線を越えて走行してきたため、避けきれず衝突、負傷。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

本件被害者さん、20年ほど前に頚椎で14級9号認定を受けていた。

【立証ポイント】

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鬱の検査シリーズ    QIDS-Jとは、Quick Inventory of Depressive Symptomatology(※JはJapaneseのことだと思います。)の略で簡易抑うつ症状尺度と呼ばれています。この検査は、16項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しているという特長を持っているようです。世界的に知られた精神科医ジョン ラッシュ先生によって開発され、世界10ヵ国以上で使用されています。尚、日本語版は慶応大学医学部の藤澤大介先生のグループによって作成されました。    それでは、質問について記載していきます。

第1.

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 前回、SDS検査を特集しましたが、うつ病について、簡易検査がいくつかありましたので、シリーズとして少し記載してみます。    PHQ-9とは、Patient Health Questionnaire-9の略で患者の健康状態に関する9つのアンケートという訳になるでしょうか。元々はアメリカの多忙なプライマリ・ケア医(普段から何でも診てくれるような身近な医師のこと)が、短時間で精神疾患を診断・評価するシステムとしてPRIME-MD(Primary Care Evaluation of Mental Disorders)が開発されましたが、実施時間がかかるため、時間短縮のために改良されたのがPHQのようです。そこから更に大うつ病性障害に関わる9つの質問項目のみを抽出したのがPHQ-9だとされています。    この2週間、次のような問題にどのくらい頻繁に悩まされていますか?右の欄の最もよく当てはまる選択肢( 0.

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鬱の検査です    交通事故では、精神面にも影響が出てしまうことがあります。後遺障害申請の場面で必要とすることはあまりないかもしれませんが、精神科の病院などを受診すると、入口としてこの検査を実施することがあるようです。

 SDSとはSelf-rating Depression Scaleの略で自己評価式抑うつ性尺度と呼ばれています。この検査では患者さんが20の質問に答えていく心理検査で、うつの程度を客観的に数値化することができるようです。主観的な心理検査なので、SDSの結果でうつ病が診断できるわけではないようですが、症状の程度を推測することで、治療方針や治療効果の判定に生かすなどを目的として用いられているようです。この検査の原案を作ったのは、デューク大学のツアン教授ですが、日本においては1965年に福田一彦さん、小林重雄さんらで日本語版の作成に至りました。作成時から大幅な改定もありませんが、古くなるということもなく妥当性を得られている検査なので、未だに多くの医療機関の心理検査として実施されています。    SDSはうつ症状による心身両面の特徴的な症状を質問(下記の表)し、点数の高さである程度の状態判断をします。

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真性の腱板損傷:後遺障害10級レベルの立証

 本件では可能性が極めて低いのですが、もし、事故受傷による棘上筋断裂であれば、肩の専門医の診断を乞います。肩関節の1/2制限など、本来、手術が適用される重度損傷です。

 秋葉事務所が指定した専門医のもと、すでにMRI撮影済みでも再度3.0テスラMRI検査、あるいはエコー検査を重ね、専門医の診断(書)と検査所見を完備します。

 それまで通院した小池クリニックの診断や、精度の低いMRIは、あくまで治療経過を辿るものとして補強的な医証へ下げます。そして、間違いのない10級、あるいは12級レベルの医証を固めてから弁護士につなぎます。

 具体的には、専門医の診断書とMRI・エコー画像に、治療経過としての診断書・MRIを揃え、説得力のある受傷機転の説明を加え、可動域制限を裏付けるリハビリ記録、手術を検討するカルテの記述など、あらゆる証拠を収集します。これは、ある意味、審査側をも助ける作業になるはずです。

 

陳旧性の腱板損傷:現実的戦略と回復努力

 被害者さんの受傷機転と直後の治療経緯から 、恐らく陳旧性の病変と予測できた場合。被害者さんのスポーツ歴、職歴を尋ね、確信を得たら、元々事故前から肩に変性があったと説明、枝野さんの理解を促します。

 ここでもし本当に肩関節の可動域に2分の1制限があったとしても、10級を主張すれば詐病者扱いになる場合があるのです。

 肩関節:外転80°の計測記録でも・・・最悪、「非該当」の結果が返ってきます。自賠責の怒りを買った結果です。可動域の数値通りに肩関節の障害とみてくれません。

 そんな、無謀な申請は敬遠させます。先日の説明通り、自賠責の視点を知っているからです。受傷後の肩関節の痛みから、あまり動かさずにいた為に関節拘縮が進んだ場合であれば、専門医へお連れして、理学療法を工夫して継続、可動域の回復へ向かわせます。お金を取ることだけが秋葉事務所の仕事ではありません。

 このように、被害者さんに現実的な等級認定・解決への理解と、回復への努力を促します。そして、次の③に進ませます。  

事故直後から肩の痛みが発症した場合・・後遺障害14級9号だけでも確保

 陳旧性損傷や年齢変性であっても、事故以前は何ともなく、事故後から痛みを発症するケースもあります。これはムチウチに同じく、引き金論(元々あった損傷が事故を契機に痛みを発症)として、医学的に説明がつきます。事故の衝撃でインピンジメント症候群を発症したケースも数件、経験しています。簡単に言うと、歳をとって棘上筋等のささくれが肩関節を動きを邪魔し、場合によっては関節部に石灰化が起き、中高年のいわゆる四十肩・五十肩の症状となります。これは経年性の内在的な病変ですが、運悪く、事故を契機に痛みを発することがあります。これを、続きを読む »

    今回3つのパターンを紹介しますが、⑴、⑵の先生に依頼すると残念な結果と迷走が待っています(弁護士名は仮名です)。   (1)交通事故経験の少ない弁護士:甘利先生

 患者の言う事と医者の診断書を信じすぎる傾向にあり。   (2)そこそこ経験がある弁護士:石原先生

 必要無い検査や画像鑑定を行い、結局は事故との因果関係を的確に立証できない傾向。    (3)秋葉事務所の場合

 多くの被害者さんは悲惨な結果になってから、やっとセカンドオピニオンで秋葉事務所に来ます。「相談が遅すぎて手遅れ」と、涙で枕を濡らすこともあります。    それでは、これらの顛末を追ってみましょう。  

肩腱板損傷の取り組み、2つの典型例と秋葉の対策

 ※「後遺障害が取れたら、またご連絡下さい」と言う弁護士は論外とします

 

(1)交通事故案件の経験少ない甘利弁護士の場合

 診断書を見て、「腱板損傷」を最初から丸ごと信じます。「肩関節の可動域制限が1/2ですので、後遺障害は10級10号が見込めます!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

 しかし、自賠責の等級は「非該当」、もしくは大サービスで「14級9号」となるはずです。腱板損傷で10級取り、3000万を超える慰謝料が貰えると、期待させた依頼者:枝野さんから散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった甘利先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、画像所見は相手損保の顧問医の意見書から否定され、負けは必至となりました。毎度お馴染みですが、裁判所の和解案にすがり、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。結局、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果(獲得額)となります。

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 肩腱板損傷に関する相談、ご依頼をまんべんなく頂いております。早期からの相談であれば、等級認定を含めた対策を誤ることはありません。それは、弊所の実績ページの通り、あらゆるパターンを経験しているからです。

 一方、不慣れな事務所に依頼したばっかりに等級が付かず、迷走状態になっている被害者さんも多いものです。最近も某掲示板から直リンされた(?)のか、アクセスが多いので、その記事を加筆修正の上、再掲示します。

 今日から3回の元記事は専門家にも好評のようです。多くの方に参考となれば幸いです。そして、できれば、ご依頼もお待ちしています。  

医師の診断名は絶対ではない?

 交通事故で肩の痛みから腕が上がらず、肩関節の可動域制限が残った被害者さんの相談を100人程度、受けてきました。その中で、無事に機能障害、もしくは神経症状が認められた被害者さんは実績ページの通りです。    ⇒ 上肢(鎖骨・肩)の等級認定実績    しかしながら、一方で非該当や、肩関節の可動域制限がありながら神経症状の14級9号止まりの被害者さんが多数存在するのです。私達は初回相談の段階からMRI画像を確認していますので、等級はほぼ想定通りに収まります。したがって、早くから相談の被害者さんに関しては心配ありません。問題は画像所見の不明瞭な方の場合です。とくに、治療先で「事故との因果関係が不明瞭」ながらついた診断名に難儀しています。これが肩のケガの場合ですと、多くは以下の診断名になります。  

 肩腱板損傷(不全損傷 部分損傷)  

 肩腱板断裂(不全断裂 深層断裂)

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 最近、久々に真正が疑われる相談が入りました。異常な神経性疼痛、およそ年に一件程度、相談が入ります。いずれも真正の症状は少なく、CRPSの兆候を示している、または回復傾向など、弊所が受任した案件では、CRPSの診断名で等級が付くことはありませんでした。やはり、珍しい症例であることは変わりません。

 骨折や打撲から数か月を経て、大分痛みは和らいでいるはずなのに、とにかくひどい痛みが収まりません。軽く触れただけでも激痛で飛び上がります。また、患部の発汗や変色が見られ、明らかに異常です。それでも、整形外科などでは、「様子をみましょう」とロキソニンと湿布だけで対処、気付かない医師もおります。それですから、相手の保険会社などは”大げさにいつまでも通院を続ける面倒な被害者”扱い、治療費の打ち切りを迫ってきます。

 ご無沙汰していますので、復習しましょう。    CRPS (Complex regional pain syndrome=複合性局所疼痛症候群)   ○ Type I  RSD (reflex sympathetic dystrophy=反射性交感神経性ジストロフィー)   ○ Type II カウザルギー  (Causalgia)   ※ 最近ではカウザルギーとの呼称は用いません。臨床上、単にCRPS(タイプⅡ)としています。   <外見> 続きを読む »

 前シリーズもそうでしたが、マニアックな傷病名をどんどん採用、ドラマを盛り上げています。    第3話の患者は、脳腫瘍による相貌失認を抱える女性教師です。相貌失認(そうぼうしつにん)は珍しい症例で、医師を含め脳障害に関わる者でなければ知らないと思います。先日の業務日誌「軽くバズった記事」で、「1冊のメモ帳と相貌失認」の記事へのアクセスが急上昇したことを書きました。その理由はこれっだたのですね。恐らく、多くの視聴者が放送後、検索をしたのでしょう。ドラマは録画して数日後に観ましたので、今になって気づきました。     その記事 👉 1冊のメモ帳と相貌失認     相貌失認については上の記事をご覧下さい。交通事故外傷による脳損傷でこの症状をはっきり示した被害者さんは、かつて1件だけでした。それ以外は兆候があるも、記憶障害の範疇でした。「失認」とは、物体を識別する能力が低下又は失われることです。失認の多くは行動において問題が生じます。簡単に言うと、日常使っていた道具の操作が出来なくなるなど、「失行」につながる症状になります。ひどいとズボンの履き方すら迷ってしまうようです。  相貌とは人の顔や表情を指しますので、顔を識別できないことになります。その”程度”ですが、新しく会った人を覚えられない、知人の顔を忘れるなどは、記憶障害と重なります。失認との区別ですが、家族の顔すら忘れる、「怒っているか、笑っているか」相手の表情が読み取れなくなるなど、極端なケースは相貌失認を疑います。      相貌失認を取り上げたドラマ、映画はいくつかあるようです。注目はその映像化で、障害者からどのように観えているのか、色々と工夫しています。先のキムタクのドラマでは、奥さんや実子の顔を含め、人の顔がすべて仮面に見えていました。実際、このように見えているのかどうか、障害者じゃないと分からないでしょう。ラジエーションハウスでは、顔全体、顔の一部にもやもやしたモザイクをかける映像処理でした。これですと、人の区別や表情の読み取りが困難で、視聴者にとって、障害者の視点がわかり易かったと思います。 続きを読む »

 セカンドシーズンの放送が始まりました。遅ればせながら、録画にて視聴しました。第1回は主人公の五十嵐放射線技師がアメリから帰り、甘春病院に復院から始まります。しかし、病院の院長は灰島院長に代わっており、その経営合理化路線から、遠隔読影(※)に切り替えた為、放射線科医の甘春先生はじめ、かつての技師チームのほとんどが他院へ異動していた状態でした。

※ 遠隔読影・・・CTやMRIなどの医療画像を、通信ネットワークを利用して専門医がいる施設へ送信し、読影・画像診断を行うシステムです。 遠隔読影の導入により、放射線科常勤医がいない病院に、専門医による精度の高い検査結果を迅速に取得できます。アメリカではかなり一般的で、日本では医療過疎地域で拡大しています。

 前院長の大森先生も甘春病院に医師として復帰、その圧力(何故か灰島院長は大森先生に弱い)?により、かつてのチームが再結集することで1話が終了しました。注目は2話です。

 今回の患者はてんかんで苦しむ陸上選手の少年(走太)です。投薬でてんかん発作に対処していましたが、発作の頻度増加から、例によって五十嵐技師が検査を強く訴えます。そこで、2つの検査が実施されます。SPECT検査とファンクショナルMRI(fMRI)です。   スペクト・・・高次脳機能障害の立証 10 ~ 画像:スペクト

fMRI・・・続きを読む »

   難聴には「感音性」、「伝音性」、「混合性」、「機能性」があり、後遺障害診断書では、「機能性」以外の3つしか記載がありません。機能性は心因性とも呼ばれ、詐病も疑われます。

 

1,感音性難聴とは、内耳やそれよりも奥の中枢神経に障害がある場合に起こるとされています。特徴としては、高音域の音が聞こえにくくなったり、複数の音を一度に聞いたときに特定の音を聞き分けることが困難になります。主な原因としては先天性や老化、騒音によるもの、薬の副作用、頭部外傷、メニエール病などが考えられます。感音性難聴は治療によって回復することがあまりなく、補聴器を使用しても聴力を補うことは難しいとされています。   2,伝音性難聴とは、外耳や内耳が正常に機能しなくなり音が伝わりにくくなるものをいいます。中耳炎など主に内耳の疾患が原因とされていますが、耳小骨の奇形など先天的な原因も挙げられます。特徴としては、耳の閉塞感や通常の音が聞こえにくくなる(ただし、大きな音は聞こえることが多い)といった症状があります。伝音性難聴は手術や治療によって回復する可能性がありますし、補聴器などを使用すれば問題なく生活できる方もいらっしゃるようです。   3,この感音性と伝音性の要素を持ち合わせているのが混合性難聴です。    4,機能性難聴とは、器官に障害がないにもかかわらず、聞こえが悪くなるものをいいます。不安やストレス、自律神経の乱れなどが原因とされていますが、よく分かっていないのが現状です。一過性のものが多いですが、投薬などで経過をみるしかないといったところでしょうか。    頭部外傷や側頭骨骨折等による難聴はありますが、頚椎捻挫で発症したというご相談も稀にいただきます。立証は非常に厳しいですが、初期から一貫していることや数値、事故態様により認定される可能性を秘めておりますので、諦めずに耳鼻科の受診をお勧めします。

 

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 最終回にして、この傷病名がでてくるとは・・・    最終話で、うつ病で現場を退いた院長先生(ヒロイン甘春先生の父)が久々に病院にやってきました。元気がないのは当然ですが、めまいで倒れました(正確には起立性頭痛かな)。その症状を診て、主人公の五十嵐放射線技師(実は医師免許を持つ)は、アメリカで類似の患者を診た経験から、「低髄液圧症候群」を疑います。簡単に説明しますと、外傷性のショックなどで後頭部の硬膜から脳脊髄液が漏れ出して、様々な症状が起きる症例と説明されています。ドラマ同様、うつ病と誤診されやすいようです。ただし、実際にそんな症状が起きるのか懐疑的な医師も多いようです。

 その後、MRI、脳シンチ検査を実施して確定診断となります。そこまでは良かったのですが、急遽、手術となり、なんと執刀を買って出たのは娘の甘春先生です。術式はブラッドパッチ(※)、甘春先生は放射線科医です。普通、放射線科医は手術をしません。まして、やったこともないブラッドパッチを行うなどありえません。さらに、あろうことか、助手に付いた五十嵐技師が手術を行いました。それが医師法違反と大騒ぎになる展開です。まぁドラマなので突っ込みを入れても詮無きことですが・・。   ※ ブラッドパッチ療法=硬膜外自家血注入療法。・・・脊椎の硬膜外腔に患者さんの血液を注入して、硬膜外腔組織の癒着・器質化(要するに血が固まる)によって穴をふさぐ療法です。これで、脳脊髄液の漏出を止めるのです。血液は20~30cc採血し、造影剤を加えてレントゲン透視下で硬膜外に注入します。都内では山王病院が有名ですが、実施できる病院は増えて、全国的に伝搬した感があります。    注目は、何と言っても最後の傷病名「低髄液圧症候群」です。ラスボスはこれか・・。数年前、この傷病名は「脳脊髄液減少症(CSFH)」でした。交通事故の相談会にやってくる被害者さんの10人に1人が、この傷病名を名乗ったものです。それが、ここ数年ピタッといなくなりました。不思議です。傷病名にも流行りすたりがあるのでしょうか。

 むち打ち、頚椎捻挫から、頚部に神経症状が発症した場合、単なる捻挫では済まず、治療が長引きます。症状として、頚部痛や肩~手指にかけてのしびれ以外に、頭痛、めまい、ふらつき、耳鳴り、不眠、疲労感、睡眠障害、生理不順、なんだか調子が悪い・・状態が続きます。これらを総称して「不定愁訴」と言います。不定愁訴が続くと、患者さんは長引く症状に、自身の症状は何か別の傷病なのでは?と不安に陥ります。そこに登場するのが、「脳脊髄液減少症」です。  

脳髄液の漏れ? かつて、お話を聞いた脊椎の専門医や脳神経外科医は懐疑的でした

   しかしながら、まだ完全に解明しきれていない謎の症例でもあります。現状、以下の通り診断基準が固まっています。それなりに珍しい症例であるはずです。数十名の「脳脊髄液減少症」とされた被害者さんを見てきましたが、1人もこの基準を満たす人がいませんでした。ですから、「脳脊髄液減少症の疑い」が正しい診断になります。それでも、一部の病院が、疑いだけで診断書を乱発したと思っています。    詳しくは ⇒ 続きを読む »

第9話:「肩関節亜脱臼による肩関節の動揺性をストレスXPで立証?」(秋葉が勝手につけかえたタイトル)  

 第9話も秋葉事務所の仕事と丸被りでした。前話で、転倒した甘春先生(本田つばさ さん)に対して、レントゲンに加え、頭部はCT検査、痛めた肩関節はMRI検査を行いました。その画像うを観た辻村先生(同僚の甘春先生に💗)は、MRIの矢状断から肩関節の亜脱臼と診断し、保存的治療で対処することを決めました。しかし、毎度のお約束で、五十嵐技師(子供の頃から甘春先生に💗)は、MRI画像からバンカート病変(※1)を疑い、ストレスXP(関節を引っ張って伸びた状態をレントゲンで撮る)もすべきではないか、その結果、損傷があれば(関節唇損傷・スラップ損傷※2)、肩関節の動揺性(関節が緩んでぐらぐらになってしまう)が後遺症として残らないよう、鏡視下手術をすべきと意見しました。それに対して辻村先生は、「技師が思いつきで言うな!(怒)」と拒否、読影判断をめぐる恋敵の対立となります(ヒロインの宿命ながら患者にとって迷惑な話)。   ※1 バンカート病変 ⇒ 肩関節 脱臼   ※2 関節唇損傷・スラップ損傷 ⇒ スラップとは関節唇の上部ことで、上腕骨が肩関節内で円滑に動くよう作用する軟骨です。これが、スポーツや事故での外力で、裂ける、剥がれる、あるいは骨ごと剥がれる(骨性バンカート病変)ことがあります。これらを総称してスラップ損傷と言います。肩関節脱臼の多くはバンカート脱臼かヒルサックス脱臼です。   ←関節唇(MRI・T1冠状断)

 結局、辻村先生はストレスXPをオーダー(撮影場面はなかったですが)、結果としてバンカート病変の診断から、関節鏡下手術(詳しく語られませんでしたが、手術場面から剥離した関節唇の縫合をしたと思われる)となりました。

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 一時期と違い、違法(弁護士法72条)ながら、行政書士がこそこそ賠償問題に介入するケースは減ったと思います。私どもは基本、弁護士と連携して業務を遂行していますので、その法律的な境界線は守っています。しかし、そもそも弁護士を介入できないこともあります。時に、保険会社の少ない支払い基準であろうと、相対交渉がベターとなるケースです。本件の場合も、事故状況はあいまいに、保険会社を刺激せずに穏便に進める必要がありました。それでも、綱渡りの進行で、依頼者さん共々神経をすり減らしました。

行書だもの(by ゆうじ)  

8級1号:視神経管骨折・失明/7級12号:顔面醜状痕(30代男性・千葉県)

【事案】

路上で横臥していたところ、自動車にひかれた。頭部は頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫との診断。顔面は右頬骨骨折により、顔面神経麻痺を併発、さらに、視神経管骨折により、片目を失明した。 続きを読む »

 昨日の内容を踏まえ、画像を観るに際して、「脳血管障害におけるMRIとCTの適用(以下の表)」がよく整理されています。おそらく、自賠責の高次脳審査会でも、顧問医は以下の原則から画像所見を確認しているはずです。

 救急搬送後の急性期、手術や緊急処置後の1週間後~3か月の亜急性期、その後の安定期(慢性期)と、経過から画像を追うと、選択された画像検査は以下のように、目的をもったものであることがわかります。  

(井田 正博 先生 他:脳血管障害 日本医師会雑誌2018:137(5)957-962より改変)

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 高次脳機能障害の認定要件として、意識障害とならび画像所見が挙げられます。他に脳外傷の診断名が必須ですが、診断名は画像所見があって付けられるものです。また、脳実質へのダメージで意識障害が起きますので、原則、脳実質への破壊なければ意識障害は起きません。したがって、脳外傷による障害の前提として、画像所見・意識障害・診断名はそれぞれリンクする関係で、3つが揃うことが普通と考えられています。ただし、脳出血(クモ膜下出血など)が消失して脳実質に器質的な変化(脳室拡大や脳萎縮など)がないケース、軽度意識障害(意識を失うまでもなく、もうろうとしているだけ、健忘が続く場合など)が、認定上、判断を難しくしていると言えます。    今日は脳損傷の画像を観るに際して、どの画像を参照すべきか、どのように観るか、その基本を復習します。今回は『高次脳機能障害リハビリテーション入門』を参照、抜粋しました。   【1】画像診断の観点

1、病巣の範囲はどこか?どの血管領域か?

 前頭葉なのか、頭頂葉なのか、または、中大動脈領域なのか・・・損傷部位と残存する症状に関連性があるからです。例えば、前頭葉の破壊は、注意・遂行機能、情動障害の原因病巣になります。局在性損傷(その部分に脳挫傷や硬膜下血腫あり)は、わりと一致する傾向です。びまん性軸索損傷の場合は、その点状出血が脳全体に散らばっている傾向から、症状や障害が多種多様となる覚悟をしています。また、記憶障害はどの部位であっても見られる傾向です。

2、立体的に病巣範囲が構成できるか?

 画像を3次元でイメージします。私達はまず、矢状断と水平断を比較しながら脳外傷の部位を確認します。さらに、冠状断で奥行きのイメージに至ります。面ではなく、立体的に破壊された部分の大きさ・範囲を把握するのです。

 ※ 画像断について  

【2】画像診断に用いる検査

1、CT(computed tomography)

 急性期の脳出血、クモ膜下出血に有効。画像所見を確認する基本は、出血部位は脳実質と比較して高吸収域に描出され、脳梗塞の虚血性病変は低吸収域に描出されること。   2、MRI(magnetic resonance imaging)

 CTに比べ、骨のアーチファクト(レントゲン撮影時のノイズ、反射など)がなく、分解能がすぐれ、脳幹部や後頭蓋窩の情報が得やすい。撮影法はT1強調画像、T2強調画像、T2スター、拡散強調画像(ディフュージョン)、FLAIRなど。

 私の場合、局在性損傷はT1,T2の矢状断と水平断を並べて病巣部を確認します。微細な出血、脳梗塞は受傷直後(急性期)なら、ディフュージョンの撮影の有無と画像に注目します。3か月以後はT2スターが頼りになります。T2スターなら、受傷2年後の点状出血も確認できました。また、経時的に脳実質の変化を追うに、FLAIR(フレア)を観ています。

 以上は、脳神経外科の医師に教わったことですが、専門医はこれらを原則として、例外にも留意しているとのことです。

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 病院との違いや、そもそも接骨院・整骨院(以後、接骨院とだけ表記)のかかり方について、誤解しがちと言うか、正しい知識が周知されていないように感じます。また、同じ治療機関でありながら、病院と仲が悪いように思います。双方の意見が耳に入ります。   病院「接骨院は画像を観ずに、施術するから・・どうかと思う」   接骨院「病院はレントゲン撮って、薬をだすだけ、これでは良くならない」    それぞれ、ごもっともな意見と思います。では、患者を前に双方敵対するだけ・・で良いのでしょうか。私は常々、こう考えています。    「連携治療」    やはり、症状の初期的な診断は医師がするべきです。長年の経験や勘で施術にあたる柔道整復師が多い中、それが正しいとしても、まずは、医師の診断を基に治療方針を検討すべきと思います。そして、徒手による筋肉の整復、過緊張の緩和などが効果的であると判断すれば、医師が接骨院・整骨院にコンサル(紹介)する流れこそ自然で、多くの患者にとって安心かと思います。実際、少ないながらそのように連携治療をしている病院⇔接骨院も存在します。また、整形外科内に、理学療法士だけではなく、柔道整復師を配置している院もあるのです。

 接骨院の健保治療については明示されています。以下、協会けんぽのパンフレットから抜粋、「接骨院・整骨院のかかり方」について復習しましょう。赤字で私達の立場からコメントしました。

 結局、患者第一ではない「大人の事情」が連携治療を阻んでいるのだと思います。どの業界も一緒ですね。

 

【1】健康保険の対象となる場合    急性などの外傷性の骨折・脱臼・打撲及び捻挫

 ※ 骨折、脱臼は応急処置を除き、医師の同意を得ることが必要です。   1、負傷の原因を正しく伝えましょう。

 何が原因で負傷したのかをきちんと話しましょう。負傷が原因が明らかではない場合は健康保険の対象とはならない場合があります。

 この書き方一つで、健保利用の可否が決まります。例えば、腰が長年痛い状態=慢性疼痛の治療はダメです。転んで痛めた場合はOKです。説明一つでどちらにでもできそうです。ちょっとグレーな部分ですが、明らかな虚偽説明を勧める柔道整復師がそこそこ存在しますので注意が必要です。本当は、五十肩(慢性です)なのに、「転んでぶつけた」ことにして健保治療すれば、その肩に保険金詐欺の片棒を担がされますよ。   2、療養費支給申請書の記載内容をよく確認しましょう

 柔道整復師による施術(治療)を受けた際の費用について、健康保険への請求を柔道整復師へ委任する場合、療養費支給申請書の委任欄への署名が必要です。署名する際には、申請書に記載された負傷原因、負傷名、日数、金額をよく確認しましょう。

 この申請書が健保の不正請求の温床になりえます。最近は減りましたが、チョイ悪感覚で、盛り盛りに部位を重ねた請求書を健保に提出する柔道整復師があまりにも多かったのです。健保や労災は厳しい目で監視するようになり、この数年、毎月多くの院の不正を摘発・処分しました。業界は体の不整を整復ではなく、請求の不正を整復したかのようです。   3、領収書をもらいましょう

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