過(あやま)ちて改(あらた)めざる是(これ)を過(あやま)ちという ・・・過ちはだれでも犯すが、本当の過ちは、過ちと知っていながら悔い改めないことである。 誰だって間違えることがあります。プロ、すなわち専門知識や技術で飯を食っている者は、その仕事で間違いがあってはいけません。しかし、それでも間違いを起こすことがあります。そんな時こそ、素直に過ちを認めて、善処する姿勢が大事です。孔子さまは2600年も前にこの姿勢を、冒頭の言葉に残しました。誰にとっても自らを戒める格言ですが、そうもいかないのが人間です。むしろ、格言通りにする人の方が少ないのではないかと思います。もちろん、改めてくれたケースもあります。両方の事例を紹介します。 一つは医療過誤事件です。昨年から2件程受任がありましたが、いずれも、医師がミスを認めて謝罪、治療を継続したことにより、後の賠償問題は比較的容易に解決へ進みました。「過ちを改めた」のです。医療過誤事件は、常にミスの証拠を握っている病院側がミスを認めない、隠す、危険をはらんでいます。その点、この主治医は潔かった。対して、その賠償金を支払う立場の保険会社と弁護士が、調査と称してだらだら無駄に時間をかけてきた印象でした。 また、これも少なからず遭遇するのですが・・医師がレントゲン診断において、「(骨折はどこか不明ながら)骨折と診断する」、逆に「骨折を見逃す」件です。整形外科医の最初で最大の責務は、レントゲンで骨折を見つけ、診断名を付けることではないでしょうか。ここで、的確に人体の破壊を確認、治療方法を選択しなければなりません。町医者の場合、観血的手術が必要であれば、設備のある病院へコンサル(紹介)します。ここでの診断ミスは許されません。整形外科医にとって骨折の判断は大変に重要で、むしろ基本的診断力の絶対条件でもあるそうです。
私達は医療調査を通じて、そこそこ骨折の誤診を目にしてきました。それらは、専門医でなければ確定的な判断ができない、決して難しい部位ではありませんでした。かつて、自賠責保険・調査事務所から「○○骨折とありますが、どこが折れているのでしょうか?」と、後遺障害の提出後に質問されたことが2度ありました。そのような質問は既に予想していたもので、私もレントゲンを観て、どこが折れているかわかりません。むしろ、「どこも折れてないよな・・」、あるいは「ここ折れているけど、見逃したな」と思うこともあります。つまり、主治医は間違えたのだと思います。
そこで、その主治医に「保険会社からの質問なのですが、どこが折れているのかご指摘お願いします」と、該当部位のレントゲン写真を示します。すると、「わかりづらいけど、ここかな、多分・・」と実に頼りない回答です。その部分にマジックで〇をつけてもらい、自賠責に再提出したことがありました。私から観ても、せいぜい骨挫傷の類、あるいは陳旧性の骨折線?程度です(素人診断は厳に慎みますが)。自賠責の担当者に「主治医がここだと言っていますので・・」と補足、再提出しました。担当者も(ため息混じりに)「わかりました」と・・。 その逆となりますが、見落としていた骨折の指摘には、医師は割と素直に診断書の追記・修正に応じる傾向でした。 専門家であり、人の命を左右する医師こそ、基本的なことで間違ってはいけない仕事です。しかし、その誤りに直面した時、その人間性が明らかになります。確かに、診断力乏しく、人間性を伴わない、いい加減な医師は存在します。そのような時こそ私達は、「善処さえしてくれれば良いのになぁ」、と思う次第です。

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「詐病者」は交通事故業界全体で排除しなければなりません。秋葉事務所は全ての被害者をサポートする訳ではなく、助けるべき被害者をサポートしております。
このような被害者さんは、痛みの継続をもって、後遺障害14級9号「局部に神経症状を残すもの」の認定を受け、その賠償金を得て、長期間の治療・リハビリに備えるべきと思います。この程度(と言っても200万円~)で手を打つべきなのです。治らないからと言って、いつまでも保険会社と戦争すべきではありません。この解決の流れを作ることが私達の仕事でもあります。
もう一つのケースは、事故受傷を契機に頚部や肩の痛みは当然として、肩にそれ程のダメージがないであろう受傷状況から、「どんどん肩が挙がらなくなった」人です。先の説明、神経症状の一環とも思えず、いわゆる四十肩・五十肩、老化による自然な肩関節周囲炎の症状そのままです。この場合、事故受傷により、その衝撃から発症してしまう不幸なケースもあれば、実は事故前から不調だった、あるいは事故後から拘縮が進むケースですから、ケガと言うより年齢変性・運動不足による疾病に近づきます。事故との因果関係について、保険会社は当然に否定します。肝心の医師も判断に困ります。それがわかるほど、現代の医学は進歩していません。そして、賠償問題に関わりたくないので、患者と距離を置きます(逃げ出します)。
独り歩きを始めた診断名(診断書)ですが、賠償問題で保険会社と争う段階になれば、「肩腱板断裂」→「肩腱板不全断裂」→「肩腱板損傷の疑い」と、だんだん自信喪失、薄まっていきます。本来、慎重な医師であれば、予想的な診断名を口にしません。肩関節の専門医にコンサル(紹介)します。その専門医も安易に断定しません。問診・徒手検査を経て、MRIやエコー検査の画像を基に丁寧に診断を下します。そして、たいてい「年齢変性による肩関節の拘縮ですね」となりますが。
このように、中高年にとって、事故外傷と(年齢変性による)諸症状の切り分けこそ、交通事故解決の宿命と思います。私達は日夜、被害者さん・保険会社・医師の3者の交通整理をしているようなものです。
かく言う、私も肩の痛みに悩まされています。私には無縁と思っていた(根拠のない自信)五十肩になったのでしょうか? この件はまた、後日レポートしたいと思います。
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【1】 DIP関節における機能障害の等級認定は?
これも貴重な認定例になりました


お手柄の金澤 「レントゲン再検査して良かった!」







