現在、高次脳機能障害案件を4件担当しています。    これから立証作業に入るもの、非該当から異議申立を行うもの、それぞれ受任の出発点は違いますが、この障害の立証に共通する出発点について解説します。   ※ 今年4月からの新基準となり、いくつか変更がありますが、この旧基準を基本条件と見てください。後日、新基準の解説を行います。     

■ 高次脳機能障害認定の3要件

 

① 傷病名が以下のように確定診断されていること   ・脳挫傷

・びまん性軸策損傷

・びまん性脳損傷

・急性硬膜外血腫

・急性硬膜下血腫

・外傷性くも膜下出血

・脳室出血

・骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症し脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症  

② 画像所見(①の傷病名がわかる)    ・XP ・・・頭蓋骨骨折とそれに伴う脳損傷を確認できます。

 

・CT ・・・冠状断といって、輪切りにスライスした画像を確認します。連続した画像は脳委縮の確認が容易です。

 

・MRI ・・・T2スターで点状出血、フレアーで脳委縮、病変部を確認します。 

 

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続きます・・  

■ 治療

 1995年に雑誌『Spine』に発表された、ある論文があります。ケベックむち打ち症関連障害特別調査団の治療に関する知見、という長い題名の論文ですが、この論文が頚椎捻挫の治療に与えた影響は大きいと思います。

 この論文によれば、

(1) ほとんどの頚椎捻挫は自然経過が良好で、かつ現在行われている治療法のほとんどは、その有効性が科学的に評価されていない。

(2) 頚椎捻挫受傷後安静を保つ意味はなく、頚椎カラーは有用でない。頚椎を固定するような治療を長期間行うことは症状を長引かせ労働不能な状態を長期間持続させる。

 この論文以降多くの研究論文が発表され、やはり受傷後早期から活動性を維持することが有用である可能性が高いとされています。今でも漫画やドラマなどでは交通事故の患者が頚椎カラーをまいている描写をたまに見かけるかもしれませんが、現実にはそのような治療が行われることはほとんどありません。   固定をするよりも、動くこと。仕事や日常生活を制限するのではなく、出来ることは積極的に行っていくことが、早期回復、早期社会復帰には重要といえます。

← 安静がダメ?   ■ 予後

 交通事故における頚椎捻挫では、長期間症状が持続し仕事や日常生活に復帰できない人達が一定数存在するという問題があります。そして、そのような人達の多くは追突などをされた被害者というのが自分の印象ですが、いかがでしょうか。自損事故などはほとんど見かけません。画像検査で器質的異常を認めないにもかかわらず遷延化する交通事故被害者の疼痛、社会復帰不能期間の長期化の影には組織の損傷といった生物学的要因だけではなく、心理社会的因子が密接に関わっている可能性があります。

 リトアニアやギリシャでは追突事故被害者に対する補償が行われていないそうですが、それらの国で行われた研究によれば、交通事故が原因で生じた症状は全て回復し、症状が長期化した例は一例もなかったと結論づけられています。

 長期化する痛みの原因のすべてを補償問題などの疾病利得や、加害者への他罰的意識に結びつけるつもりはありませんが、治療時には考慮しておかなければいけない問題だと思います。  

<私的感想>

 否定論であっても、専門医の研究結果や数的データは拝聴に値します。客観的な考察も立証の現場では大いに役に立つものです。  しかし否定論文がすべての臨床、つまり現場で実際に起きていることを否定するほどの説得力はありません。外傷性頚部症候群の患者は、外傷的な衝撃を契機として、痛みやこりのみならず、今まで経験したことのないような手指のしびれ、めまい・吐き気・不眠の自律神経失調症状を起こします。これらは必ずしも器質的変化を伴ったものではなく、画像所見が乏しいものが圧倒的です。実際に画像上の変性がなくとも、神経検査等で数値化する作業を現場の医師は行っています。その医師も常に確定的な診断結果を導くことに苦労しています。つまり神経症状の客観化は常態的な問題なのです。  今後、研究も肯定・否定とブレながら進んでいくと思います。結論を急ぐ必要はないと思います。

 理論や研究結果が前提であっても、現場の事実とは必ず一致しないことは多いものです。医療の世界はまさにこれが当てはまるのではないでしょうか。

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 交通事故外傷で最大の勢力は「ムチウチ」の俗称でおなじみの「外傷性頚部症候群」です。

 外傷性について因果関係の争いが絶えない症状です。被害者は追突されても側突されても、それが軽い接触でもとりあえず「くび(頚部)を痛めた」と訴えます。詐病?心身症?の疑いのある相談者も存在しますが、事故を契機に神経症状に悩まされる患者が後を絶ちません。

 私達は被害者の利益追求のみで働く商売人ではありません。法律家を名乗る以上、倫理感を持って業務にあたっています。具体的には面談時、被害者の病態の見極めを最重要と考えています。それは被害者の訴えている症状を客観的に観察することです。「本当に訴える症状と診断名が一致しているのか?画像や検査の所見で説明できるのか?」・・・医師ではない私達にとって限界がありますが、細心の注意をはらっています。

 話が長くなりました・・・保険会社は頚椎捻挫・頚部症について、事故の外傷であることに否定的な論文を根拠とし、保険支払いに消極的です。しかし事故外傷を立証する立場の私達も、それら否定的な論文のチェックを怠りません。全否定vs全肯定の単純な図式とは思っていないからです。  否定的論文で比較的新しいものがありますので、掲載します。         【頚椎捻挫 最新の医学的知見】   整形外科医 北村 大也 先生

■ 病態

 頚椎捻挫の主な病態は筋や筋膜、靭帯、椎間板、関節包などの頚椎支持軟部組織の損傷で骨折は伴いません。症状としては頚部痛と可動域制限以外にも頭痛、めまい、視力低下、しびれ、上肢痛など多彩な症状を示すこともあります。しかし、その多くは原因としての器質的異常を見つけることが出来ません。

■ 検査

 器質的な異常が存在しないかどうかを調べることは大事です。主に用いられる検査はレントゲンとMRIです。

〇 レントゲン

 レントゲンでは骨傷がなければ頚椎捻挫の診断になります。しかしそれ以外にも、加齢による骨棘の形成や靭帯の骨化、側面像での湾曲の異常がみられることが多くあります。一般的には前弯消失(ストレートネック)や局所的な後弯変形は軟部組織損傷による一過性のものと考えられていますが、事実は違うようです。慶応大学の松本先生らは、健常者と頚椎捻挫患者のレントゲンを比較して、両者とも湾曲異常は同程度にみられたと報告しています。

〇 MRI

 MRI検査は骨以外の軟部組織の描出に非常に有用な検査です。麻痺や知覚鈍麻などがあり、神経症状を疑う場合には必須の検査になります。しかし頚椎捻挫の主病変と思われる軟部組織損傷を描出することはほとんど出来ません。また、レントゲンと同様に加齢による変化も多くみられます。椎間板変性や後方への突出、それらに伴う脊髄の圧迫などです。慶応大学の松本先生らは健常者と急性期頚椎捻挫患者(それぞれ約500名)のMRIを撮影し比較した結果を報告しています。それによると、MRIで前出の異常を認める頻度は両群とも変わりなく、患者の自覚症状とMRIの異常所見に関連性はありませんでした。また10年後の所見も両群で変わりはありませんでした。

 ・・・明日に続きます。

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 今朝は早くから病院同行でした。そこで「脳血流SPECT検査」を行いました。   ■ 脳血流SPECT検査 (脳血流シンチグラフィー)   1、検査の目的

 脳の各部における血流状態や、脳の働きをみるための検査です。脳の形態を見るX線CTやMRIではとらえられない、早期の脳血流障害の検出、神経症状の責任病巣の検出、脳の機能の評価などに有効です。

 例えば、脳挫傷が経度で、CTやMRIでの病変部が微妙でも、SPECTではっきり描出できる場合があります。病変部の脳血流が弱まると図のように色がはっきりつきます。

 本日の被害者さんは受傷から5年経った事故でしたが、左前頭葉、左側頭葉脳に血流の低下があり、受傷部と一致していました。   2、検査の方法

 造影剤を静脈注射後、ガンマカメラで脳を撮影し、脳血流分布を示す脳の輪切り画像(断層像)を作ります。検出はベットの上に仰向けに寝ているだけで、1回の撮影は30分程度で終わります。検査の目的によっては、脳の血管を拡張させる薬を投与する場合があります。   3、この検査でわかる疾病

 脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など、脳血管障害が一般的です。    他に脳神経細胞の機能低下や脱落を原因とする精神疾患、てんかん、認知症(痴呆)があります。高次脳機能障害はこのカテゴリーに入ります。これらの障害では、脳の形態に変化がない部分で脳血流が低下することが多く、脳の病気の診断、病状の評価や治療判定に役立ちます。      <まとめ>

 平成23年4月の審査基準の新様式でも、未だ主流はCT、MRIです。脳血流の低下は病気でも起きます。CT、MRIに外傷性所見がなく、スペクトに異常が現れたとしても、事故受傷による障害の証拠にはなりません。スペクトはCT、MRIによる画像所見の裏付け、あるいは、障害程度を説明する為の補強と考えています。  

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■ 腰部神経ブロック

 腰部への神経ブロックは、トリガーポイントブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロック、椎間関節ブロックなどがあり、腰痛の種類によって使い分けています。硬膜外ブロックも腰椎の棘突起の間から注射する「腰部硬膜外ブロック」と、お尻の仙骨裂孔から注射する「仙骨硬膜外ブロック」がありあます。

 「腰部硬膜外ブロック」は、腰椎(せぼね)の中の硬膜外腔という所に局所麻酔薬を注入し、痛みを一時的に和らげ、腰部と下肢の血行を改善し自己治癒力を高める療法です。エピやエピドラと略することもあります。神経を包んでいる一番外側の膜(硬膜)より外側のスペースに注射をする神経ブロックで、神経に直接針を刺したりしませんから、痛みもほとんどなく、腰痛治療の代表的神経ブロックです。

 腰椎椎間関節症(ギックリ腰)は効き目が顕著にでます。交通事故外傷でおなじみの腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症は「硬膜外ブロック」より「神経根ブロック」の方がより直接的な効果が期待できます。しかし脊髄周辺の極めてデリケートな部分に針を刺すので、医師の技術がものをいいます。不慣れな医師はビビってしまい、ピンポイントで神経に注入できないと聞きました。

                                   ■ 最後に

 痛みやしびれの緩和に絶大な効果をもたらす、これらの神経ブロック療法。これはつまり根本的な治療というより、自然治癒能力を高める処置と言えます。大事なことは整形外科医の外科的治療と両輪で進めるべき処方で、整形とペイン、両医師の連携と治療情報の交換が必須です。

 もしこの記事をご覧のペインクリニックの先生がいらしましたら、今後バレリュー症候群や腰椎間板症等の交通事故の患者さんをお願いしたいと思いますので、ご一報下さり、適時ご指導を頂ければと思います。   <参考文献:「星状神経節ブロック療法」 若杉 文吉 先生 著>   

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 レーザーを星状神経節近傍に照射することで、局所麻酔薬を用いての星状神経節ブロックに類似の効果をもたらすレーザーSGBについて。

※ SGB…stellate ganglion block  訳すると「星状神経節ブロック」です。現場の麻酔医は星状神経節ブロックと言わず、SGBと言っています。

■ レーザーSGB

 星状神経節ブロックと同じ要領で、第6または7の頚椎(C6またはC7)横突起のやや内側に(胸椎T1付近が正しい)、半導体レーザーのプローブを圧迫気味に当てます。照射時間は、60mWでは5分間、150mWで3分間、1000mWで1分間が目安です。レーザー照射により、頭頚部および上肢の局所温度上昇に伴い、疼痛の軽減、しびれ感の改善および患部の温感を自覚します。つまり、星状神経節ブロックに近似の効果をもたらします。

 神経ブロックとは異なり、ホルネルの徴候(縮瞳、眼球陥没、眼瞼下垂)の発現をみることはほとんどありません。また、ブロックではブロック側だけの局所温度上昇を認めますが、レーザー照射では両側の温度上昇がみられます。

 ブロックと比較して、レーザー照射の場合には、手技が容易で、合併症がなく、局所麻酔薬を用いないので薬物アレルギーの心配もありません。注射針を使用しないので痛みや恐怖感もありません。浦和のペインの先生から聞きましたが、女性は「早くブロック注射を!」と言いますが男性は「まずはレーザーで・・」との傾向だそうです。男性は度胸がないようです。

 レーザー照射の効果はブロックに比較すれば穏やかですが、効果の持続時間は、ほぼ同程度です。レーザー照射は、星状神経節ブロックの適応となる非定型顔面痛、緊張性頭痛、偏頭痛、群発頭痛、レーノー現象などの有痛性疾患、無痛性疾患である顔面神経麻痺、突発性難聴、鼻アレルギー、網膜血管閉塞症などに応用できます。高齢者や年少者に対する適応は大きく、頻回の治療が必要となる場合には、とくに有用な手段となります。

 開心術後患者などの抗凝固治療中の患者や糖尿病患者などでは、ブロックに伴う出血や感染が危惧されますので、レーザー照射が有用となります。     バレリュー症状がひどい場合、やはりブロック注射が望ましいと思います。しかしペインクリニックの現場では、まずレーザー+投薬で様子を見て、次に注射とする傾向です。    次回 ⇒ 腰部への神経ブロック    

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■ 自律神経について

 バレ・リューの代表的な症状、めまい、ふらつき、不眠、吐き気、耳鳴り、倦怠感はどのようにしておこるのでしょうか?これは自律神経の異常からおこる症状です。

 自律神経系には、交感神経系と副交感神経系とがあり、その中枢は間脳の視床下部にあります。呼吸、脈拍、血圧、体温、発汗、排尿、排便など、みんな自律神経によってコントロールされています。早い話、眠っているときでもちゃんと呼吸をして、心臓も止まらず、生命が維持できるのは、自律神経が働いているからです。

 交感神経と副交感神経は、拮抗的に働き、心拍数は交換神経が興奮すると早くなり、副交感神経が働くと遅くなります。運動している時=交感神経、休んでいる時=副交感神経、両者の関係はアクセルとブレーキに例えられます。 バレリュー症候群のしくみは自律神経の失調でも、とりわけ交感神経、副交感神経両者の異常亢進があげられます。つまり、アクセルとブレーキを逆に踏む、両方踏む状態です。日中は副交感神経が働き、だるくなり、眠りに入る時は交感神経が興奮して眠れない・・・。

 これらの悪循環を断ち切らない限り、患者の体力は奪われ、回復どころではなくなるのです。星状神経節ブロックは交感神経の異常亢進を抑え込むことを目的とします。星状神経節は胸から上の皮膚、内蔵の交換神経が集まっている、交感神経のバスターミナルのようなところです。ここの交通整理をすることで、自律神経の失調を回復させます。    つづく ⇒  レーザーSGB?  

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■ 痛みのしくみ

 痛みには「有用な痛み」と「無用な痛み」の2種類があります。

 体に傷を受け、痛みが起こると、反射的に自律神経系の交感神経が緊張し、副腎(腎臓の上部にあるホルモン分泌器官)からアドレナリン(血管や内臓を支配し、全身の活動力を高める働きをする交感神経を刺激して、心臓や血管の収縮力を高めるホルモン。一般に興奮状態を促すものと解釈されています。)が分泌され、心臓の働きが早くなり、血圧が上がり、呼吸も大きくなります。血管が収縮し、障害された局所への血流が少なくなり、血管が固まり易くなって、血液が失われるのを防ぎます。

 こうした、自分の体で「痛み」を直そうとするものは「有用な痛み」です。これは、体を守るための応急処置といえます。しかし何日も、何か月も、何年も、続く慢性的な「痛み」となると話は変わります。

 もう警告の役目はとっくに終わっているのに、スイッチの切れた警報器のようにいつまでも続く慢性の疼痛は「痛み」そのものが病気です。これによって体力が失われ、ケガの回復を遅らせ、辛い状態が続きます。   ■ 神経を「ブロック」するとは?

 先に述べた通り、神経ブロックは皮膚の外から注射針を刺し、麻酔液を注入することです。つまり、脊髄から分かれる末端神経を麻酔液によって麻痺させ、抹消神経節から脊髄に渡る神経伝達を遮断します。これによって「無用な痛み」の伝導路を断ち切るのです。   ■ 星状神経はどこにある?

 先日の被害者さんは、「あれって喉から刺すんですね・・」と言っていました。頚部=うなじ、と思う方も多いです。頚部の交感神経節は上から、上頚神経節、中頚神経節、椎骨動脈神経節、そして星状神経節の4つです。星状神経節は長さ約3cm、幅1cm、厚さ0.5cmで、最新の研究で第一胸椎の横にあることがわかりました。(古い本では第7頸椎の横と記載されていますがこれは間違いです。)つまり首の付け根、鎖骨のすぐ上のあたりでしょうか。

(第7頸椎)の下がT1(第一胸椎)です

    次回 ⇒ 自律神経  

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■ 神経ブロックとは

 神経、またはそのそばに注射をして、神経の働きを一時的、あるいは永久的に休ませて、病気を治す治療法のことです。局所麻酔薬を使用し、一時的に神経を休ませることで、自己治癒力を高めます。麻酔薬はキシロカインが主で、カルボカイン、マーカイン、アナペイン、ステロイド剤があります。副作用を伴うステロイドは敬遠されています。

 「痛み」が発生すると、自律神経のひとつ「交感神経」が緊張していまい、毛細血管は収縮して血行が悪くなってきます。ところが、これは痛みを治すためには困ったことで、血行を良くしないと痛み物質が滞り、炎症は治りにくく、痛みはどんどん強くなってしまいます。そして、自律神経失調症をまねいてしまう原因ともなります。

 神経ブロック療法には、血行を良くする働きがありますので、この痛みの悪循環を断ち切ることができ、治癒を促進するのです。

                                      ■ 星状神経節ブロック

 目下、ペインクリニックで注目の神経ブロックです。喉にある交感神経を一時的にゆるめ、ヒトが本来持っている自己治癒力を高める治療法です。自律神経、ホルモン分泌、免疫力、抵抗力のバランスを整えますので色々な症状や病気に有効です。

 喉には星状神経節といって、脳・顔面・頭部・頚部・上肢・心臓・肺などに交感神経の細い線維を送っている交感神経の「中継所」のようなところがあります。この神経のターミナルに局所麻酔薬を注射し、交感神経の働きを一時的に遮断するのが「星状神経ブロック療法」です。この療法をすると、局所麻酔薬が効いている間、脳を初めとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していた様々な器官が機能回復するのを助けます。そのため、痛みや様々な症状が楽になってくるのです。

 星状神経節ブロック療法の特徴は、繰り返していくと脳の視床下部の機能が改善され、自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスが整い、自己治癒力が高まってくることにあります。そしてその改善した自己治癒力により、さまざまな病気に適応できます。

 また、副作用がないことも「星状神経節ブロック療法」の特徴です。老若男女を問わず、妊娠中の女性でも、大丈夫です。ただ時々、ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲みこみづらい、注射した部位が痛い、腕があがらない、といった症状がみられることがあります。これらは、一時的なものですから心配はいりません。1~3時間でもとにもどります。稀に、キシロカインにアレルギー反応を起こす人もいるので、注意が必要です。    星状神経節ブロックを詳しく ⇒ 神経ブロック 2

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 昨日の筋電図に続いて神経伝導速度検査を。筋電図ができないときに実施します。既に筋電図検査を行っている場合は必要性は薄れます。    ■ 神経伝導速度検査とは

 末梢神経を皮膚上で電気刺激し、誘発された電位を記録し、伝導速度、振幅などを測定するものです。これによって末梢神経疾患、脊髄疾患の診断、病態の把握に活用できます。運動神経刺激によって筋肉で誘発される波形を検査する運動神経伝導検査と、感覚神経自体の電位の波形を検査する感覚神経伝導検査とに大別されます。

 刺激をすることで神経や筋肉の反応が得られ、得られた反応を用いて伝わる速さを測定したり、波形の分析を行います。検査中ピリッ、ピリッと感じます。正常の場合にはある程度の決まった速さで伝わる興奮の速さが遅くなるか、もしくは反応が出ないなどの所見が認められます。障害がある場合には、障害の部位や障害の程度、障害の範囲を判断することができます。   ■ 上肢、下肢の場合

 皮膚の上に電極を貼り,神経に体表から刺激を加えます。腕では通常正中神経か尺骨神経でそれぞれ運動神経線維と感覚神経線維を調べ、足では後脛骨神経で運動神経線維、腓腹神経で感覚神経線維、腓骨神経で運動と感覚神経線維を調べます。

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 昨日は「腓骨神経麻痺」の疑いのある被害者さんと主治医面談でした。足首が完全に動かないわけではないのですが、背屈(足首を上にそらす)が不能なので「不全麻痺」が正確な表現でしょうか。しかしその可動域の制限だけでは後遺障害の認定は得られません。それを裏付ける検査数値と確定診断が必要です。そこで主治医先生にタイトルの検査依頼となるわけです。

 中には「なんで治療が終わったのに検査するの?必要ないよ」、「保険請求のため?それは医者の仕事じゃないよ(・・めんどうだなぁ)」という対応の医師もいます。ましてや、「むち打ち」ごときでは、通常、医師の協力は得られません。

 医師の言う事もごもっともと思いますが、後遺障害を残した患者にとっては切実な問題なのです。毎度苦労させられますが、昨日の医師は検査の必要性に御理解をいただき、誠実に対応して頂けました。本当にありがたいです。     では針筋電図について・・・   ■ 筋電図とは

 筋線維が興奮する際に生じる電気活動を記録することで、末梢神経や筋肉の疾患の有無を調べる検査です。筋電図検査といった場合には,筋肉の活動状態を調べる針筋電図と筋肉・末梢神経の機能や神経筋接合部を検査することができる誘発筋電図の両者を含める場合もあります。   ■ 脊髄損傷に対しては

 脊髄にある前角細胞と呼ばれる運動神経以下の運動神経と筋肉の異常を検出するために行われます。これらの部位に疾患がある場合には,その障害がある部位や,疾患の重症度などを評価することもあります。異常を示す筋肉が限局している場合には,その分布により末梢神経が原因か脊髄が原因かなどをある程度推定することができます。   ■ 顔面神経麻痺に対しては

 表面筋電図検査は四肢や顔面などに不随意に起こる運動が見られる場合に時として有用です。この検査の利点は、針電極や電気刺激を用いないので、疼痛を伴わないことです。                                       

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 脊髄シリーズ、今日で終了です。神経の後遺障害はとても深い領域です。私のわずかな経験では語り尽くすことはできません。より経験を積んで学習を深めていきたいと思います。    最後に画像以外での判定、診断について昨日の見学から報告です。この患者さんの症状は脊髄損傷を示していますが、画像所見では判然としません。既に受診した2~3名の医師も「う~ん・・・」状態でした。このような不確定な状態で漫然と治療を続けていても不安です。ついにその分野の第一人者たる専門医の診断を仰ぎました。   <検査と診断>    頚部神経症状か脊髄損傷か・・・上肢、下肢のしびれ、めまい、ふらつき、不眠等、神経症状の原因をまず判定しなければ治療方針も定まりません。    この専門医師はしばらく患者の話を黙って聞いています。そしていくつか質問を行い、以下の検査、数項目をはじめました。    1、首の左右の神経根圧迫の様子をみる

 まずは、ジャクソンテスト、スパーリングテストと呼ばれる検査です。医師が頭を上から垂直に押すジャクソン、首を左右に傾けて押すスパーリング、その結果で左右の神経根圧迫のサイン(指先にビリビリと痺れが走る)を観察します。昨日の医師の場合、「首を左に傾けて下さい」、「次は右」、「指先まで痺れがきますか?」。それだけです。患者にまったく触れません。                 

                     2、腱反射

 ゴムハンマーで膝などをコンッと叩く奴です。 上腕二頭筋と腕橈骨筋を叩きました。 神経根圧迫の場合、反射は「低下」、「消失」といった、無反応にちかい反応を示します。脊髄損傷の場合は「亢進」です。亢進とは異常反応のことで、ピクッと筋肉が緊張します。                   3、病的反射  (トレムナー、 ホフマン、ワテンベルク )   ・ホフマン ・・・ 手の平を上に向け、中指を曲げて手のひら側にピンッと弾きます。   ・トレムナー ・・・ 今度は伸ばした中指の腹を指で数回弾きます。   ・ワテンベルク・・・ ...

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<後遺障害>

寝たきりとなり介護の必要なものから、上肢・下肢にしびれが残存するもの、痛みや可動域制限の残るもの等、症状・軽重の幅が広くなります。系統的には神経系統の障害に属します。

等級 内容 喪失率 自賠金額 1級1号 (別表Ⅰ) 神経系統の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 100% 4000万円 2級1号 (別表Ⅰ) 神経系統の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 100% 3000万円 3級3号 神経系統の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 100% 2219万円 5級2号 神経系統の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 79% 1574万円 7級4号 神経系統の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 56% 1051万円 9級10号 神経系統の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 35% 616万円

   ムチ打ちで診断書に「脊髄不全損傷」と書かれても、画像所見が乏しいと12級13号、14級9号で判断されます。両上肢や下肢にしびれが残存する、排尿排便障害が残る、これらは脊髄損傷の症状ですが、「局部に神経症状を残すもの」で括られます。後にも先にも画像所見が決め手です。

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<損傷部位の分類 >

1、上位脊髄損傷

 首は7つの骨が積み重なっています。上からC1~C7です。このC1(環椎)~C2(軸椎)に並走する脊髄に損傷が起こると、その支配する肋間筋と横隔膜の運動不能となります。これは呼吸するための機能が失われることを意味します。多くは死亡となる深刻な部位です。  助かったとしても自然呼吸ができないため気管切開し、人工呼吸器を通すことによって生命維持をはかります。

2、下位脊髄損傷

 首の部分では頚髄損傷、胸の部分では胸髄損傷、腰の部分では普通に脊髄損傷と呼びます。  多くは両上肢、両下肢、排尿排便障害の症状となります。寝たきりで随時介護が必要ななものから、一定の仕事の影響を及ぼす程度のものまで軽重の幅があります。

3、中心性脊髄損傷

 器質的損傷を伴わず、脊髄の損傷自体も発見づらいが上肢にのみ症状がおこる場合があります。首や胸や腰といった脊髄の位置をさすのではなく、円柱型の脊髄を輪切りにしてその中心部と外側(辺縁部)をわけて損傷部位をみます。神経線維は中心よりに上肢、外側よりに下肢とつながっています。したがって病変部を探し当てる?MRI撮影が必要となります。

                      脊髄に少し脊椎やヘルニアが圧迫しているだけで脊髄損傷と診断する医師がいると聞きました。見ての通り脊髄の損傷は生命や四肢運動に関わる重篤な障害です。患者の自覚症状をしっかり観察し、画像の精査と描写の工夫が大事であると実感している次第です。

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   医師は脊髄損傷における合併症とその予防に注意を払っています。代表的な4つは・・   1、褥瘡(じょくそう)・・・寝たきりの高齢者に要注意の床ずれです。

 動作不能の患者は寝たきりの状態になります。頻繁な体位変換、専用予防マットの使用、皮膚清拭が必要です。   2、尿路感染症

 排尿障害は閉尿(尿の出が悪くなる)や頻尿(回数が増える)に2分します。それぞれ症状に応じて、間欠導尿、排尿訓練、自己導尿訓練が必要です。カテーテルを用いるケースもあります。   3、呼吸器感染症

 痰の吸引、タッピング(背中を叩いて痰を切る)、肺理学療法を行います。   4、関節拘縮

 関節可動域訓練、安静時の良肢位保持。 脊柱の可動域が2分の1となれば8球2号の障害が認定されますが、これは関節拘縮を直接の傷病名とするものではなく脊椎・脊髄の器質的損傷を条件としています。    <検査>   1、MRI

 とにかく画像所見ありきです。医師も脊髄損傷を確認しないことには治療方法を選択できません。T1、T2でそれぞれ病変部を明らかにします。共に3.0テスラのような高精度が望まれます。また技師が脊髄損傷の撮影に慣れていることもポイントです。   2、ミエログラフィー

 脊髄(もしくは馬尾神経)の圧迫病変を探します。腰椎もしくは頸椎から造影剤を脊髄腔内に注入し、X線でその拡散の様子を透視・撮影します。造影剤が途中で完全ブロックする部分、つまり中枢側の病変位置を知りたい時に用います。近年MRIの高精度化で役割は薄れました。しかし、MRIではリアルタイムに前後・左右に屈曲・伸展させた時の髄腔の変化を撮影することができないため、MRIで画像所見が得られない場合、未だ有用とされています。   3、SSEP (体幹部の神経伝達速度検査)

 手や足の感覚神経に電気的な刺激を与えることによって、誘発される反応を記録するもので、手や足から脊髄、脳幹、大脳皮質に至る感覚神経の機能を見ます。頭、首、腰、などに電極を数個つけて、手や足の末梢神経を軽く電気刺激します。低周波マッサージ器の様なピリッピリッとした刺激痛があります。   4、針筋電図検査

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 まず、↑の画像から。左がMRI・T2画像、右が同じくT1画像です。C6/7(赤い矢印)の部分がそれぞれ病変部で、T2では白く(高信号)、T1では黒く(低信号)描写されています。これはバイクの自損事故で外傷性脊髄損傷を負った18才患者です。

 バイクで転倒した際、頚部を路面に打ち付け、そのまま救急車で搬送、入院となりました。首はまったく動かせず、両腕が無感覚で手指のしびれがひどく、足もだるくなり長時間の歩行は困難です。その後リハビリを続け、下半身の回復は進みましたが、両上肢の麻痺は残存し、トイレが異常に近くなる症状が残存しました。  

1、脊髄損傷    脊椎に軸圧、屈曲、回旋、伸展、剪断、伸延などの協力な外力が加わり、脊髄の神経伝導路が遮断され、運動麻痺、知覚麻痺、自律神経障害、排尿排便機能障害を起こします。原因としては交通事故が多く、次いで高所からの転落、転倒、スポーツ外傷です。実際に先月、3階のベランダから落下し、障害を負った方の相談がありました。

 

<受傷タイプ> ① 伸展損傷・・・最も多発するタイプ。X線所見では軽微でも、麻痺は重篤なケースもあります。   ② 屈曲損傷・・・椎体圧迫骨折や亜脱臼、完全脱臼となります。   ③ 伸展回旋損傷・・・外力が加わた方向と反対側の椎間関節に脱臼や骨折が生じる。   ④ 屈曲回旋損傷・・・外力が加わった方向と同側の椎間関節に脱臼や骨折が生じる。   ⑤ 側屈損傷・・・少数例。小さい子に稀にある。

  <状態の分類>   ■ 完全損傷

 脊髄が完全に脊椎や椎間板によって遮断されたり、脊髄そのものが引きちぎれるので、非可逆性で回復はしません。とくに、環椎・軸椎部分の場合、呼吸困難で多くは死亡となります。奇跡的に生存したとしても、全身麻痺で寝たきり状態です。

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(1)遂行機能

 遂行機能の障害とは、物事を順序立てて実行することが難しくなり、仕事や家事の段取りが悪くなります。1つの行動なら出来ても、2つ以上の行動になると同時にはできません。

 かつての子供の被害者さん(3級)の例で説明します。冷蔵庫からの飲み物を持ってきてとお願いしました。「お父さんには麦茶をパックごと、お母さんにはジュースをグラスに注いで持ってきて」と、二つ同時に頼みましたが、固まってしまい、動けなくなってしまいました。もちろん、まず「麦茶を」持ってきてもらい。次いで、「ジュースを」と分けて、一つ一つ頼めばできます。

 脳のマルチタスク(同時作業)が苦手になってしまったのです。当然、洗濯をしながら料理など、二つ同時にできません。野菜を切りながら、スープを温めることも苦戦してしまいます。

 プランニングもできません。目標 ⇒ 計画 ⇒ 実施 のプロセスが難しくなってしまうのです。段取りが組めませんから、仕事や家事以外でも、旅行の計画、スケジュール管理、乗り物の乗り換え、これらが苦手となってしまうのです。   (2)注意機能

 注意機能の低下とは、「以前やっていた仕事のミスが増える」、「周囲の音や動きで気が散って、落ち着かない」、逆に「反応が鈍い」、「目の前のことに固執して、他に気が向かない」などです。高次脳機能障害の中でも発現頻度が高く、様々な種類に分かれ、軽重の幅も広いものです。医学的に分類しますと、

① 持続性注意障害  注意力が持続できなくなります。注意の強さに波があり、維持が困難な場合があるため、活動全体に一貫性がない、まとまりが乏しくなります。

② 選択性注意障害  対象物に対し注目できなくなくなります。適正な情報のみを見つけることができません。

③ 転換性注意障害  注意を向ける対象から、別の情報に切り替えることができません。目的と関係ない情報の影響を受けやすく、物を選ぶ行為の際、取捨選択が難しくなります。

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 前日のRBMT(リバーミード行動記憶検査)は、文字通り「行動」に対して記憶しているかどうかを問う検査です。さらに細かい検査になりますが、「聴覚」や「視覚」に焦点を当てた記憶検査もあります。

 例えば、聞いたことをその場では理解したようでも、5分後には「聞いていない」と言ったり、まったく違う言葉に置き換えてしまうなど、会話の内容を忘れている。このような症状には「聴覚」に特化した記憶検査をします。

 また、一度見た物を覚えられないので、何度も訪問した家に「この家に初めて来た」と言う、「丸い大皿を取って」と言われても、四角い小皿を渡してしまう、これらは「視覚」検査を徹底すると数値にはっきり表れます。   ③ 三宅式記銘検査

 ある単語と単語のペアを聞かせ、それを覚えているかをみます。その単語のペアは、関連する組みあわせ(有関連追語)と、まったく無関連な組み合わせ(無関連対語)で、それぞれ10組行います。   <有関連対語> ・・連想ゲームです

 まず「煙草」→「マッチ」といったの関係するペアの単語を聞かせます。その後「煙草」と言ったら「マッチ」と答えられるか3回テストします。

 他に「家」→「庭」、「汽車」→「電車」 など10組で10点満点です。

 障害のない人は3回目までで、ほぼ全問正解となります。平均値は 1回目8.5点 – 2回目9.8点 – 3回目10点   <無関連対語> ・・暗記力が問われます

 「入浴」→「財産」、「水泳」→「銀行」、「ガラス」→「神社」・・・関係のない言葉の組み合わせに、健常者でも苦戦しそうです。

 平均値は 1回目4.5点 - 2回目7.6点 - 3回目8.5点

 障害者は無関連追語で特に点数が悪くなります。1回目から3回目まで点数が上がらない、つまり、学習能力の低下を表します。   ◆ 現在、三宅式の単語が(作成当時の言葉から)古くなったので、SP-A 検査 にリニューアルされています。   ④ ベントン視覚記銘検査

 視覚性注意、視覚性記憶、視覚認知、視覚構成能力の4つの観点で評価します。

 ○、△、□などの3つの図形が書かれた見本を見せて、その後それを同じ形、同じサイズ、同じ並び方で書かせます。これを10枚繰り返します。

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  ② リバーミード行動記憶検査 (RBMT)    昨日のWMS-Rが科学的な考察とすると、リバーミードは日常生活に即した問題を使うので、より日常生活での問題点を浮き彫りにできます。記憶障害の立証には大変参考になります。  

検査項目 課 題 考えられる日常の生活上の問題 姓名 顔写真を見せて、その人の姓名を記憶させ、時間をおいてからその写真を見せ、覚えているか質問する。 主治医や看護師の顔は覚えてられるが名前が思い出せない。 持ち物 患者の持ち物を借りて、しばらくしてから「何を借りていたのか」質問する。 自分の持ち物の管理。大事なものをどこにしまったか忘れる。「物取られ妄想」の有無。 約束 時計のアラームをセットし、それを20分後に鳴らし、アラームをセットしたことを覚えているかをみる。 約束、服薬、通院日などを覚えていられない。 絵 風景画を見せて、時間をおいても覚えていられるか。 慣れた病院内で迷子になる。売店やトイレの場所を覚えられない。 物語 短い物語を聞かせ、ストーリーを覚えていたかを聞く。 少し前の会話の内容を覚えていない。 顔写真 顔写真を見せて、時間をおいても覚えていられるか。 病院内のスタッフが覚えられない。 道順 設定されたコースを一緒に歩きながら教えて、間をおいて一人でたどらせる。 自宅から数百m離れると帰れなくなる。新しい場所に行くと迷子になる。 要件 道順の検査の際、ある用事を言いつけ、それを覚えているかみる。 毎朝掃除するなど、日課がこなせるか。 見当識 知能検査でやったような簡単な質問をする。 日付や曜日、住所に混乱がある。

   記憶障害とされる点数は、

標準プロフィール スクリーニングプロフィール 39歳以下 19点以下 7点以下 40~59歳 16点以下 7点以下 60歳以上 15点以下 5点以下

   検査は30分程度です。この検査の内容を見ると、ストレートに「日常生活状況報告表」の裏付けになると感じました。 

   本記事をアップデートしています 👉 リバーミード行動記憶検査 解説(改定版)改訂版       次回 ⇒ 神経心理学検査 記憶の検査Ⅲ  

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 記憶障害は、高次脳機能障害でもっとも典型的な障害です。高次脳機能障害の場合、自分の名前や家族などを忘れてしまう、いわゆる「記憶喪失」とは違う症状を見せます。ほとんど事故前の記憶を留めるものの、ある一部分だけすっかり忘れている、または昨日の記憶、5分前の記憶が欠落してしまう・・・これらは短期記憶障害に分類されます。

 例えば、飼っていた猫の名前を忘れて思い出せなくなってしまう、昨日散々「明日は病院の日だからね」と言っておいたのに、今日になったら忘れている、数分前の会話の内容が思い出せず、同じ事を聞いてくる。症状は患者によって千差万別ですが、これらが家族を悩ませ、職場復帰を困難にしています。この状態を障害として、客観的に示すには、専門の検査を受けなければなりません。      記憶障害の短期・長期? 👉 円楽師匠、短期記憶障害も「昔覚えた落語は忘れてない」   ■ 記憶検査

日本版ウェクスラー記憶検査 (WMS-R)

 世界的に標準とされる記憶検査で、言語を使った問題と図形を使った問題を13項目行います。

指標項目 関連する下位検査項目 言語性記憶 論理的記憶 言語性対連合Ⅰ 視覚性記憶 図形の記憶 視覚性対連合Ⅰ 視覚性再生Ⅰ 一般性記憶 言語性記憶+視覚性記憶 注意/集中力 精神統制 数唱 視覚性記憶範囲 遅延再生 論理的記憶Ⅱ 視覚性対連合Ⅱ 言語性対連合Ⅱ 視覚性再生Ⅱ

 

 100点を標準とし+-15点を正常値とします。所要時間は1時間程度です。WMS-Rは記憶障害の基本検査です。この検査から、全体の中で比較的IQの低い項目に注目、より絞った検査を追加しています。    続きを読む »

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