ドクターショッピングとセカンドオピニオン、それぞれの意味ですが、以下の通りです。医療用語ですが、大分一般的になってきたと思います。
 
 さて、交通事故受傷に限らず、複数の病院に足を運ぶ患者さんが一定数おります。改めて、両者の違いを整理したいと思います。
 
(1)セカンドオピニオンとは?
 
 セカンドオピニオンとは、自分の病状や治療方針について、主治医以外の他の医師の意見を求めることです。

 患者さんが他院の医師の意見を求める場合、まず、主治医に相談し、紹介状と共にそこでの診療データの提供をお願いすることが基本的な流れです。

 ひと昔前は、「俺の診察が気に入らないのか(怒)」とへそを曲げる医師もおりましたが、現在はより良い医療を検討、あるいは別の医師の見解を活かすことから、ほとんどの医師が理解を示しています。
 
(2)ドクターショッピングとは?
 
 一つ目の病院の診察に満足がいかず、二つ目の病院へ行ったけれど納得せず、さらに別の病院へ行く、このような病院巡礼を繰り返すことを言います。

 患者の「もっとよい治療法があるはず」との気持ちはわかりますが、多くは根拠の乏しい単なる思い込みのもと、理想の治療や見解を示す医者を探し求めています。経験上、精神的に弱っている患者さんに多いようです。


 
(3)ドクターショッピングとセカンドオピニオンの違い
 
 ドクターショッピングをする患者さんにしてみれば、「自分が納得する治療を受けるために意見を求めるのだから、セカンドオピニオンもドクターショッピングも同じでしょう?」と思います。

 しかし、両者は似て非なるものです。その違いとは、まず、セカンドオピニオンは主治医の「第一の意見」に、別の視点を追加・検討し、患者さんにとって最善の治療法を選択するためのものです。これに対してドクターショッピングは、患者さん自身の勝手な期待から、「理想の治療法を勧める病院・医師を探す」ことに終始します。

 また、セカンドオピニオンでは医師間で診療情報をやり取りし、そのうえで「第二の意見」を聞いて、改めて主治医と患者さんで治療方針を話し合います。対して、ドクターショッピングではこのようなやり取りをすっ飛ばして、勝手に別院に受診することが多いようです。最終的にバラバラに医療情報が集まるだけで、主治医の統括が及びません。結局、自分にとって最善の治療がわからず、医師からも「面倒な患者」扱い・・このような窮地に陥るのです。

「知らんわい」