脛骨 顆間隆起骨折(けいこつ かかんりゅうきこっせつ)
  
 
(左図)右膝関節の正面骨格図、(右図) 𦙾骨近位端の後方図
 
(1)病態

 8~12歳の小児に好発、成人でも発生している前十字靭帯付着部の剥離、裂離骨折です。前十字靱帯損傷と同じですが、交通事故では、自転車やオートバイの転倒、田んぼや崖下への転落で発生しています。
 
(2)症状

 症状は、膝関節の捻挫、打撲後に、急激に膝関節が腫れて強い痛みを訴え、膝を伸展することができなくなります。
 
(3)治療

 脛骨の上部で剥離しているのは、前十字靭帯であって、大腿骨ではありません。脛骨顆間隆起骨折は、脛骨の前十字靱帯付着部の裂離骨折であり、骨折は前十字靱帯の牽引力によって生じるもので、損傷のレベルでは、Meyersの分類が最も広く用いられています。

左から、1型・2型・3型・3+型

 
 1型:骨片が母床からほとんど離れていないもの、
 
 2型:骨片の前1/3~1/2が浮き上がっているが後方では母床との連続性が保たれているもの、
 
 3型:骨片全体が母床から完全に遊離しているもの、
 
 3+型:骨片が後方に反転転位しているもの、
 
 骨片の転位の程度により4タイプに分類され、治療法の選択がなされています。1、2型に対しては保存療法を、2型の内、骨片の存在により完全伸展が不能な例、前方動揺性が強い例と3型については、手術の適応となります。

 診断では、XP検査と注射器による関節液の吸引が行われます。転位がない、軽微なときは、XPで判断できませんが、膝関節内で骨折や靱帯損傷があるときは、吸引した関節液に血液が混入します。骨折の有無を評価するのにはCT、MRIが有用です。

 治療は、整形外科にて整復と固定が行われます。顆間隆起が完全に剥離して、骨片の固定が不可能なときは、手術による整復固定が行われますが、そうでないときは、保存的に徒手整復後、膝関節を20°屈曲位に固定します。保存的療法では、平均すれば、4~5週の固定期間です。

 予後が良好であれば、深刻な後遺障害を残さずに済みます。しかし、発見が遅れたものや、発見後、放置されて陳旧化したものは、膝の可動域制限や関節の安定性を失い動揺関節を生じます。3型以上で、前十字靭帯が断裂状態であれば、当然に靭帯の再建術を施します。術式の精度によっては、なお動揺性が残ることがあります。すると、秋葉事務所の出番となります。膝の専門医にお連れする必要があるからです。
 
 つづく ⇒ 後遺障害のポイント