後遺障害の仕事で重要なことはズバリ「目利き」です。外傷の診断名だけで判断するのではなく、受傷直後からの画像を確認し、どのような障害が見込まれるか予断することです。本件も相談会で初めてお会いした時からしかるべき等級に向けて進めました。等級認定はもちろん、その後の連携弁護士による交渉解決まで、ほぼ読み通りの進行となりました。
 
c_g_l_12

13級8号:大腿骨骨幹部骨折(児童女子・神奈川県)

【事案】

私道を横断のところ自動車にはねられ太ももを骨折した。

【問題点】

日々成長著しく、骨折部はさすがに仮骨形成が良好であった。問題は仮骨部の変形が外見上に影響なく後遺障害とならない事、そして、子供さん特有の「病院嫌い」から治ったと言い張ること。また、成長期の症状固定は将来の成長障害の懸念から遅れがちであることがあげられる。心配をよそに数年も経てば障害は目立たなくなることが多い。

【立証ポイント】

機能障害や変形は見込めない。狙いを安易に神経症状に求めず、短縮障害に絞った。成人までは左右差は解消すると期待できるが、しばらくは1cm程度の差は続くはずである。主治医にCR上で大腿骨の計測をしていただき、しっかり13級を確保した。