交通事の被害者さんは、治療期間をできるだけ長く延ばす傾向です。被害事故ですから、完全に治るまで治療費を請求し続けたい気持ちはわかります。しかし、損害賠償の面から言えば、後遺症がはっきりしている時期に後遺障害申請をした方が、明瞭に等級がつきます。最悪は、中途半端に治って、等級が薄まることです。これは数百万円の損失にも繋がります。

 本件も、受傷から2年以上経過していましたので、その中途半端な回復が仇となりました。佐藤は全力を尽くしましたが、以下の結果に・・。弊所の実績に照らせば、1年で症状固定し、併合11級を狙うケガだったと思います。
 

症状固定は適切な時期に、できれば早く!
 

12級13号:脛骨高原骨折、14級9号:鎖骨遠位端骨折、肩峰・烏口突起骨折(50代男性・千葉県)

 
【事案】

信号のある交差点の横断歩道を横断中、信号無視で交差点に進入してきた自動車にはねられ、膝を骨折した。直後から強烈な神経症状に悩まされる。
 
さらに、鎖骨・肩峰・烏口突起、それぞれの骨折となった(下図参照)。
 

 
【問題点】

事故から2年以上経ってからのご相談だったため、急ピッチで後遺障害申請をする必要があった。また、既に治療は1年以上前に終了していたため、症状固定日を遡って作成する必要があること、事故当初に比べて可動域や自覚症状もぼやけてしまった印象を受けた。また、鎖骨の変形癒合も微妙・・。
 
【立証ポイント】

(膝)早急に日時を調整し、病院同行にて後遺障害診断書を依頼した。理解ある主治医だったこともあり、患者の困窮点を端的に自覚症状欄に記入してくださった。ご本人のリハビリ努力の甲斐もあり、可動域制限もなく、14級でもやむなしと考えていたが、関節面の不整を認めていただき、見事12級13号認定となった。

(鎖骨)同医師は、鎖骨のわずかな外貌変形についても、診断書に落とし込んでくださった。レントゲンの打ち出しと外貌写真の打ち出しを添付し、審査に付したが12級5号は認定されず、14級9号止まりとなってしまった。本件は異議申立、紛争処理機構への申立も行ったが、14級9号認定を覆すことができず、悔しい結果となった。