今日の新聞記事から・・民法改正案が来月提出されます。

 今まで法の不備が指摘されていた分野にテコ入れです。交通事故に関係する具体的な項目は、まず遅延利息5%の改定です。市場金利の変動に対応すべく、一定期間(3年ごと)で見直しすべきとの声は以前からありました。おそらく、今改定で3%に変更と思います。

 また、約款についても法律で規制、もしくは無効とできる条項が加わります。ちょうど先日の実務講座にて、「消費者の権利を害する保険約款の問題」について指摘したところです。弁護士が保険会社に約款を曲げた保険金請求をする際、今回新設される民法条文が主張の根拠となるはずです。

 内容を以下、抜粋しました。(2月10日 時事通信)
 
 法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は10日、契約ルールなど債権に関する規定を見直す民法改正要綱案を決めた。事業者が消費者に示す「約款」をめぐる規定を新たに設け、消費者の利益を一方的に害するような約款は無効とする。法制審は24日に要綱案を上川陽子法相に答申。これを受け、法務省は3月下旬に民法改正案を国会に提出する見通しだ。
 今回の改正項目は約200に及び、法制審はそのほとんどを昨年8月に固めたが、約款の規制については経済界が反発し、調整が続いていた。民法の債権規定の大幅改正は1896年の制定以来初めてとなる。
 約款は、保険や公共交通機関、インターネットサイトなどの利用規約として使われる。消費者が約款の内容や存在を知らずに事業者とトラブルになるケースが多く、消費者保護の観点から検討を進めていた。

 要綱案によると、
(1)事業者が約款を契約内容とすることを明示していれば、消費者が理解していなくても有効
(2)消費者の利益を一方的に害し、信義則に反する約款の条項は無効
(3)契約後の約款の変更は、消費者の利益になる場合などに限定―との原則を明記する。