保険会社の主張する過失割合は、その根拠が「判例タイムス」である以上、極端な不一致はありません。しかし、双方の権利意識が絡むので、契約者の事故説明や主張に耳を傾けざるを得ないこともあるかと思います。
もちろん、契約者=お客様だからと言って、法律を捻じ曲げるような、極端な身びいきな過失割合の主張はしません。争って負けることが分かっていれば、そのような愚は犯さないでしょう。そこは、契約者との折り合いの問題かと思います。損保ができることとして、契約者の主張に沿う為に「どの判例を根拠とするか」、これが有利な主張展開かと思います。最近、双方食い違った判例について、2例挙げます。
(1)自転車の転回です
直進道路(片側2車線の幹線道路)を走行中の自動車が、前方を走行中の自転車の右折によって、衝突した事故です。その自動車の運転者の説明を基に相手損保は、「自転車が転回(Uターン)した」との判例を採用、50:50を主張してきました。

相手の主張(50:50)
DRを見ましたが、自転車がこの2車線道路で隣車線に逆走するようなUターンをするとは思えません。そのようなハンドル操作も確認できません。普通に右に曲がる走行軌跡です。上の判例は、そもそも片側1車線の道路で、反対車線への転回が想定されたものです。自動車側(の加害者及び損保)が自らを有利な過失割合にすべく、希望的観測として自転車の「転回」を持ち出したに過ぎないと思います。仮に裁判までもつれても結果は見えています。

どう見ても自然(20:80)
(2)自転車側に一時停止?の交差点
交差点での自転車と自動車の出会い頭衝突です。自転車側は大けがをしています。対して、自動車側の共済は、「40:60」との見解です。これは自転車側に一時停止がある、自転車の落ち度が高い場合の過失割合です。

これなら(40:60)ですが
ところが、グーグルのストリートビューでは、一時停止の規制は見当たりません。。まさか共済社がそんな誤認をするほど愚かではありませんから、自転車側に一時停止の標識、もしくは停止線があるかもしれません。グーグルは少し前の撮影ですから、新たに標識でもできたのか・・・先日、実際に現場に行って確認しました。
結果、停止線などありませんでした。かつての農道が住宅地化した、交通量も少ないのどかな土地でした。双方の道路は、ほぼ同幅員、したがって「自転車20:自動車80」が基本です。なにゆえ共済社は40:60と解釈したのでしょうか。追って、当方の連携弁護士から、高齢者修正を加味した15:85を強く主張する予定です。たまに頓珍漢なことを言う傾向の共済社ですが、この件では愚かと言うより悪意を感じました(被害者がお年寄りだから舐めているのか#)。

普通にこれ(20:80)でしょう
どの判例を当てはめて採用・主張するか・・交渉者の知識と経験が試されます。それにしても、事実やまっとうな解釈に留めてほしいものです。





