佐藤イラストsj 本日は佐藤が担当します

 先日、病院同行にて主治医が患者さんにこのようなことを仰っていました。

 「あなたは標準体型よりも太っているから、その分頚部に負担がかかっている。まずは減量をしてみてはどうか?頚部の痛み等も軽減する可能性がありますよ。」

 このように仰ったあと、主治医は患者さんのBMIを計測し始めました。

 BMIとは、Body Mass Indexの略で「ボディマス指数」や「体格指数」とも呼ばれているそうです。肥満度を表す指標として用いられます。肥満の基準は国によって異なりますが、日本の基準では以下のようになっています。

 日本肥満学会の肥満度判定基準(出典:日本肥満学会) 

BMI 肥満度判定 18.5未満 低体重(やせ) 18.5~25未満 普通体重 25~30未満 続きを読む »

 相談会では外国籍の相談者さまもおり、1年を通して十数名程度いらっしゃいます。    お国も幅広く、中国、韓国は当然として、ヨルダン、パキスタン、ペルー、チリ、ブラジル、モロッコ、ギリシャの方の相談をお受けしてきました。来日してる就労者さんはアジア、南米が多く、比して欧米圏は少なく、本件のアメリカの方は2人目です。

 外国の相談者さまと言っても、ほとんどがなんとか日本語を解し、日本語がダメでも、知人の通訳が随行して下さいます。それでも、医師との折衝には明確なコミュニケーションが必要で、本件は可動域計測のやり取りが上手く行かなかった為、等級を取りこぼしました。

 外国の方で日本語が話せなくても、賠償交渉は外国人弁護士を使うことで解決します。しかし、後遺障害立証の現場では、言葉以上にコミュニケーションで勝負が決まります。  

12級5号⇒併合11級:肩鎖関節脱臼 異議申立(60代男性・神奈川県)

【事案】

自転車で走行中、後方よりの左折自動車の巻き込みで衝突、受傷した。肩鎖関節脱臼のGrade3、つまり完全脱臼で手術のレベルだが、 脱臼位のまま保存的加療に留まった。後遺症としては、変形に留まらず、9ヶ月のリハビリも肩関節の可動痛が改善していない。 47187cc4続きを読む »

 先日の研修会で23社の弁護士費用特約の比較を行いました。    補償内容・約款の比較は、各社細々と約款改定を行っていますので、実に大変な作業です。見落としはないか、チェックが今でも続いています。やはり、当日の研修会でも、弁護士費用特約の「労災免責」について、ソニー損保で該当条項の有無の検証が生じました。

 私達の認識では、ソニーさんは三井住友さんと並んで「労災免責」を採用していたはずです。「労災免責」とは、”通勤や業務中の交通事故は、労災適用事故なので、自身が加入している自動車保険の弁護士費用特約が使えない、但し契約車両に搭乗中は除く”との条項です。

 具体的な例で言いますと、「徒歩で通勤中、交差点で車にはねられても、自身が加入の自動車保険の弁護士費用特約は使えない」ことになります。

 以前、三井住友さん他、通販系の数社にみられる、この不合理な免責条項について、疑義を表明したことがあります。⇒ 弁護士費用特約にまつわるエトセトラ ⑩

 前述の通り、今回の研修会の為に最新の約款から、各社の比較を行いました。三井住友さんは相変わらず、この免責条項が健在でした。国内社では他に富士火災さんにも存在を確認しました。

 通販系はソニーさんとアクサさん、と承知していましたが、なんとソニーさんの約款にその記載が見当たりません。研修会では、「重要事項説明書では免責となっています!」とK弁護士先生がその場で調べて下さいました。その場では、「約款では不記載、しかし、重要事項説明書での免責記載は有効か?」との議論になりました。

※ 重要事項説明書・・・契約の際、契約者に説明・交付する、読んで字のごとくの書類

 早速、研修明けの昨日、ソニーさんの約款、重要事項説明書を数年間にわたり精査、さらに直接、ソニーさんに電話でも問い合わせを行いました。

 結果は、少なくとも2年前の平成26年4月以降版から「労災免責」の記載は消えておりました。

 何らかの理由で削除されました。ここは不合理を理由に削除されたと、好意的に解釈したいと思います。これが保険会社の自浄作用かもしれません。    さて、残るは三井住友さん、富士火災さん、アクサさんです。    もちろん、このような細かい約款規定を比較して、加入の選択をする消費者は存在しないでしょう。しかし、自家用車に保険をつけてのマイカー通勤ではなく、歩行・自転車・他の自動車で通勤している契約者は大勢います。いざ、事故に遭い、弁護士に頼ろうとも通勤中を理由に免責となり、せっかく掛金を負担した保険から払われない・・怨嗟の声は小さくないはずです。   20070119  

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 オリンピック開催もそっちのけ、レジュメ作成から講義まで、全23社の保険約款と睨めっこの1週間が終わりました。 image2w

 秋葉が担当する科目は高次脳機能障害と保険約款です。  保険約款はどの会社も通常、毎年10月1日、秋の改定を予定していました。しかし、近時は細かい変更、特約の追加の必要から各社とも、年に数回、ちょこちょこ約款改定をしています。したがって、昨年までの約款を確認しても安心できないのです。つい先日の8月1日改正の会社もあり、研修までの1週間、23社に及ぶ約款の確認・解読作業を強いられました。

 特に研修のテーマでもある、人身傷害、弁護士費用特約は毎年のごとく変更があり、また、各社、記載内容もまちまちで大変でした。10年前は、どの会社もほとんど同じ約款だったのですが・・。  

 灼熱の二日間、参加された弁護士先生の皆様、大変お疲れ様でした。月末は大阪会場に移ります。東京での成果と課題を持ち込みたいと思います。

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佐藤イラストsj本日は佐藤が担当します

 最近、依頼者との病院同行や相談会で静岡に行く事が多くなりました。依頼者様と一緒に整形外科を探すことがあったのですが、【交通事故】というワードを言っただけで断られてしまったり、「交通事故として通院しないのであれば診ます」というようなところが多いような気がします。東京と違い、地方では整形外科の数もそこまで多くないので選ぶことが難しいということもあり、毎回苦労しています。しかし、どこにでもたくさんあり、交通事故でも受け入れてくれるのが「接骨院や整骨院」です。被害者の皆様にとってはとても心強い存在でもあるのですが、一度通院してしまうと抜け出すのがさらに大変になってしますのです。

c_g_a_13 先日、静岡の病院同行で、整形外科の中にこんな張り紙がしてありました。

 「交通事故で通院される方へ 当院では、接骨院、整骨院との併用通院はご遠慮していただいております。併用されている場合には、交通事故としての書類等は記載いたしませんのでご了承ください。 また、事故から一定期間、接骨院や整骨院で治療された方は、交通事故との因果関係が不明瞭になってしまうため、当院での治療をお断りさせていただきます。」    確かに気持ちは分かりますが、少し大人気ないのでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか。交通事故に遭い、一定期間の治療で完治するのであれば接骨院・整骨院はいいと思います。腕のいい先生もたくさんいらっしゃいますし、夜遅くまで営業しているため仕事終わりに通院出来ます。

 しかし、交通事故においては整形外科をお勧めします。機械でのリハビリが主ですが、中には柔道整復師や理学療法士が勤務していて、マッサージ等をしている整形外科も増えてきています。やはり、まずは医師の診断(判断)のもとで治療を受けていただく事が大事です。ご自身の治療ないしは、後遺症が残った場合の障害認定や賠償問題に、その治療実績が生きてくるのではないでしょうか。  

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 自賠責が単なる保険請求の審査に比して厳しく見る点、この道に熟知している者は一様に口を揃えて言います。

相当因果関係

 簡単に言えば、「事故のせいで痛めた」事がはっきりしていなければなりません。後遺症を残すような大ケガの治療や診断が遅れることは、どんな言い訳(主治医がヤブで診断できなかった、他の部位を優先して治療していた・・)をしようとも、不自然極まりないのです。また、部位によっては既往症の疑いがあります。以前から痛めていたのではないか?との検討もしているのです。

 したがって、事故受傷にすべての原因があるか否かについて、白黒をつけるのは大変難しい時があります。その場合、「逃げ」ではありませんが、労災での認定をもって矛を収める現実路線をとることがあります。本ケースはその典型例です。労災からの給付だけですとやや少ない補償額となりますが、争って0円よりはずっとましです。

 すべての解決が明瞭ではありません。それでも私達は依頼者の利益の最大化を模索しているのです。  

労災 12級6号:TFCC損傷(30代男性・東京都)

【事案】

自動車で通勤中、交差点で後方よりの左折車の巻き込みで受傷、膝と手首を傷めた。後にTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)が判明した。

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【問題点】

受傷後は膝の治療が中心となり、手関節の治療及び診断が遅れた。後に専門医から手関節の手術の示唆を受けるが、保存療法を選択した。治療経過から自賠責は因果関係を厳しく見てくると覚悟した。

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c_g_a_5-118x300 後遺障害の立証は何も相手の保険会社に対してのみではありません。自爆事故で相手がいない場合や、相手から補償が得られない場合、自身が加入している自動車保険、傷害保険、又は労災に対して申請することも珍しくありません。

   秋葉事務所は単なる保険金の請求でも、数多くの後遺障害認定を得ています。本件は賠償交渉いらずで、活躍の場面の無くなった弁護士からの紹介により、保険金請求のみで解決に至りました。

 

併合9級:両舟状骨骨折(40代男性・東京都)

【事案】

バイクで高速道路を直進していたところ、前方の車両に追突した。全身を強打し、特に両手関節の手根骨を骨折した。 20110829_2

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 今年、研修でお知り合いになった保険代理店さまのご縁で、有志の会の皆様から研修のご依頼を頂きました。

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 人身傷害をテーマとした研修は何回目でしょう。約款解説、問題点、各社の違いなど、地味な内容ながらしっかり聞き入って頂きました。

 この内容は週末の弁護士研修会にも活用する予定です。現在、23社ほどの約款の精査を進めています。根気の要る作業ですが、「誰かがやらねば!」との使命感をもって奮闘しています。

 ご参加の皆様、お引き合い下さったK社長、ありがとうございました。  

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 今年上半期、おなじみの鎖骨骨折や肩鎖関節の脱臼をはじめ、TFCC損傷、肩腱板損傷など交通事故外傷を代表する傷病名が続きました。傾向として、明らかな障害より、微妙な症状を14級9号に結びつけた取り組みが目立ちました。

 被害者さんは事故で半年以上も痛い思いをして、通院やリハビリに相当の時間を浪費させられます。後遺障害の認定を受け、しかるべき賠償金を得なければ泣くに泣けません。

 秋葉事務所では鎖骨の骨折・脱臼について、事務所開設以来、その全件に等級を獲得しています。諦めないで下さい。ご相談をお待ちしております。  

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14級9号:鎖骨骨幹部骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

原付バイクで交差点を横断の際、右方よりの自動車と出会い頭衝突、鎖骨、中手骨、脛骨を骨折した。

【問題点】

年齢からプレートによる固定術を避けた。すると高い確率で変形癒合となり、12級5号が視野に入る。しかし、骨折部は鎖骨の中央部(骨幹部)で、折れ方も亀裂骨折であることから、微妙な判定を覚悟した。 続きを読む »

 毎年8月は相談会をお休みしています。したがって、相談を早めにお願いします。

 本日は、高次脳機能障害が予想される被害者様のご家族にご来所頂きました。今月の事故ですので、まず治療費の労災切り替え、その他治療環境作りについて打ち合わせができました。受傷の初期段階で間違いの無いロードマップをひくことができれば、先々憂い無しです。逆にここでボタンの掛け違いをすると、後に取り返しのつかない失点を食らいます。

 おかげさまで高次脳機能障害は日本全国からご依頼・ご相談を頂いております。夏休み前に早めの対策を呼びかけています。

 明日はこの夏、最後の相談会です。今日は早仕舞いしたいと思います。

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山本さんイラストsj  山本です。現在、高次脳機能障害の依頼者様を担当しています。      交通事故で高次脳機能障害となる方の家族や本人から相談が来ることがあります。

 脳を損傷したり、血腫で脳を圧迫したりした場合、様々な症状が現れます。記憶力が低下してたり、事故前と事故後で人格が変化したりした、等多種多様です。

 高次脳機能障害を立証するにあたっては、その人の事故前と事故後の変化を分析し、病院にその症状の立証に必要な検査を依頼したり、検査ができない病院であれば検査先を紹介して頂いたりする必要があります。医師は被害者の事故前を基本的に知りません。よって、人格が変化したり、記憶力が低下してももともとそういう人だったとしか見ない場合があります。脳を損傷した場合には、医師に事故前と事故後との変化を伝える必要があります。

 高次脳機能障害は脳の損傷部位によって現れる症状が変化します。これは、脳の部位によって働きが異なるからです。

 一般的には以下のように考えますが、その部位を損傷したからといって必ずその症状が現れるとは限りません。これも個人差があります。また、その部位を明確に損傷したわけではないが、その部位を損傷した場合にあらわれる症状を発症することもあります。現状の考え方はまだ脳の構造が明確になっていないところがあるからです。

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(1)前頭葉

前頭葉(左右含む)→遂行機能障害(旅行の計画を立てたりできなくなる)

左前頭葉→非流暢性失語(話すとき突っかかってしまう・ブローカー失語)   (2)側頭葉

左側頭葉→流暢性失語(話し方は流暢であるが、中身が意味不明な会話になってしまう)・聴覚失認(会話を理解できない)

右側頭葉→地誌的障害(迷子になったり、自分がビルの何階にいるのかわからなくなったりする)

両側側頭葉の内側→記憶障害(見当識障害)(日時、場所、人の名前を憶えられない等)    (3)頭頂葉

頭頂葉→失行症(日常生活の動作がわからなくなる、道具の使い方がわからなくなる)

右頭頂葉→半側空間無視(視界に入る情報の半分が脳で認識できず、何かにぶつかっても気づかなかったり、並べられた食事を半分は全く手を付けずにいたりする)   (4)後頭葉

後頭葉→視覚失認・相貌失認(人の顔を覚えられない)     先月の某新聞に、脳の構造や働きに関して180の領域に分けたと米ワシントン大のチームが英科学雑誌ネイチャー(電子版)に発表したという記事が掲載されていた。脳の構造はいまだ謎なところが多くあり、前述したように、損傷部位と症状が合致しないこともあります。

 しかし、脳の構造が解明されていけば、医師が家族でしか知りえない症状についても、脳の損傷部位から推測でき、効率的に検査ができれば治療やリハビリ、今後の生活で起こりうる支障等について診察ができるようになる可能性もあります。  

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 下肢切断の後遺障害・・見た通りの障害ですので、私達の立証作業は無いと言えます。「1下肢を足関節以上で失ったもの」で5級決定です。

 本件は”残ったもう一方の脚の障害”を立証すべく奔走した例です。下肢に限らず、医師は重篤な受傷部位の治療・処置に終始します。骨折箇所が多いと、ひびが入っただけの骨折、処置の必要の無い骨折、保存療法とする骨折・・これらは診断名すら残らないこともあります。

 しかし、障害を余す所なくアピールしなければ、等級を取りこぼします。そのような意味で、本件は切断肢の5級を3級に引き上げた好取組です。私達は後遺障害を常に複眼的な視点で追いかけています。 図1切断肢は近年、医療の進歩で減ったと言えますが・・

併合3級:下肢切断・足関節機能障害+足趾用廃(90代女性・千葉県)

【事案】

青信号の横断歩道を歩行中、相手自動車が右折進入し、両足をひかれた。片足は大きく損傷、そのダメージから整復不能で切断となった。もう一方の足甲も中足骨多発骨折、膝下からデグロービング損傷と重篤。

※ デグロービング損傷とは”広範囲皮膚剥脱”創のことで、皮膚が組織ごとはがれてしまった状態です。ひどいと傷口が壊死し、植皮等が必要となります。

【問題点】

事故から1年以上経過後、症状固定し、後遺障害診断書が出来てから相談に来られた。

下肢の切断については、特に立証作業はない。診断書を確認したところ、切断肢以外の傷病名として、中足骨骨折、肘骨頭骨折、デビロービング損傷、が記載されていた。

一方、切断しなかった片足の足関節の可動域は、他動値で背屈が0度、底屈が35度であったが、足関節に器質的な損傷がみられない。しかし、本件ではひどいデグロービング損傷がある。これにより皮膚が固まり、足関節の可動域制限が生じていると推測した。

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 骨折の後遺障害は画像審査に尽きます。

 関節が曲がらない、痛みが残った、骨が出っ張っている・・その根拠はすべて画像です。1.受傷時の折れ方、2.手術の固定後、3.癒合状態、この3段階を観れば、訴える症状が裏付けられます。 20140508_6  秋葉事務所では医師面談の際、出来るだけ医師と一緒に画像を観て、予想される後遺症の検討、もしくは、現実に訴えている症状との照らし合せを行っています。ここでの判断が審査側である自賠責・顧問医と同じ見解になれば、問題なく等級が決定します。

 したがって、骨折案件は申請前にほぼ等級の予断が可能です。あとは、間違いの無い等級に収めるべく、該当所見について医師に診断書への記載を求め、関連する必要資料を集積するだけです。

 等級申請とは、当てずっぽうにくじを引くような作業ではありません。自賠責の判断を正確な事実に導くために、審査側に問題点をわかりやすく示し、その審査を助ける材料を集めて預ける作業です。

 これが秋葉事務所が提唱している”被害者側の医療調査”です。  

12級13号:踵骨開放骨折(50代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。右股関節の寛骨臼、右足の踵骨を骨折した。 続きを読む »

 先週は静岡相談会でした。当地は毎回のようにたくさんのご参加を頂いておりますが、今回は少なめの参加でした。それでも、重傷者や急ぎ対応を必要とする被害者さまの参加があり、1回の相談だけでは済みそうもありません。事務所を挙げて全力でお手伝いしていきたいと思います。    この6~7月、相談会が毎週のように実施されました。毎日のようにご相談、相談会参加希望のお電話を頂き、その期待の大きさに改めて胸襟を正す思いです。

 しかしながら、ご相談者様一人一人の声にしっかり耳を傾け、全件、有効な対策を示すことができたでしょうか?

 相談者の人数が多くなれば、やはり一人にかける時間が限られます。事務所4人と連携弁護士事務所が共同して奮闘していますが、マンパワーの不足は否めないところです。

 交通事故の医療調査員の採用・育成は人選が難しく、非常に時間がかかります。人体数百に及ぶ後遺障害、すべての立証方法を習熟する必要があります。なにより、地域の病院情報に精通し、検査等に誘致できる、これこそ事務所の実力であり、これができなければ何の役にも立ちません。単なる代書作業、書類を右から左へ提出代理するだけの事務所に依頼しても、無意味な出費となります。 20140508  また、弁護士も交通事故に精通するには、数年にわたり多くの案件を担当し、経験を積む必要があります。昨日まで過払い金利息を計算していた弁護士が、急に交通事故の専門家などになれるはずもないのです。被害者にとって悩ましいのは、その専門家の力量を計り難いことです。質問を重ねて、しっかり見定めなければなりません。

 したがって、依頼を受ける側には、相当の専門知識が求められます。その点、手前味噌ですが、研修会の参加を広く呼びかけています(詳しくは⇒お知らせ 第8回 実務講座)。     あと2週間で恒例、東京2日間の弁護士研修会、そして、翌週はお盆休みに突入です。夏休みまでラストスパートのこの時期、行き届かなかったアドバイスを再度、相談者に提供していきたいと思います。そして、秋から新人の採用を計画しています。

 何より、一人一人への対応を丁寧に、被害者救済の基本に返って、隅々に行き届くような業務を心がけたいと思います。  

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 残念ながら、後遺症や賠償問題にまったく協力していただけない医師がおります。

 当たり前ですが、医師の本分は治すことです。治らなかった症状をせっせと診断書に書く・・もっとも面倒な仕事なのです。    交通事故被害者は長い治療の末に症状固定し、その後は治療費を絶たれ、後遺症で不自由な生活を強いられます。治療後の補償問題、それは被害者の人生がかかっていると言っても過言ではありません。治療に全力を尽くしてくれた医師には感謝しますが、後遺障害立証のための検査や、後遺障害診断書にもなんとかご協力を頂きたいのです。

 もちろん、補償問題にも心を砕いて下さる医師が多数です。しかし、どの職業にも、極端な主義者、天邪鬼がいるもので、そのような医師に当たったら、患者はたまったものではありません。残念ながら、見切りをつける決断が必要です。

 医師の性格で数百万円を失うわけにはいかないのです。  

12級7号:脛骨近位端骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

原付バイクで交差点を横断の際、右方よりの自動車と出会い頭衝突、鎖骨、中手骨、脛骨を骨折した。脛骨は「プラトー骨折」で、骨折部をスクリュー(ねじ状の金属)で固定した。 c_g_l_55

【問題点】

幸い各部の骨癒合は順調であった。年齢から脛骨のスクリューは抜釘しない方針だったが、骨折は関節面であったため、可動域への影響から抜釘することに。また、膝関節症の既往症があった。

一番の問題は主治医が診断書の記載や、後遺障害診断に非協力的、リハビリ希望も「うちではやらない」そして、「後遺症は無い」と常に患者に対して高圧的。本件被害者も「もう、あの先生に会いたくない」とまで言う始末。

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 「経験豊富です」・・どのホームページでも謳われている宣伝文句です。    秋葉事務所もご他聞に漏れず、経験を売りにしています。しかし、比べれば具体性に大きな違いがあると思います。それは、本件の「腓骨神経麻痺」はじめ、「排尿障害」や「骨盤骨折」などレアな傷病名、そして「高次脳機能障害」「脊髄損傷」のような重傷名、これらが専門書を丸写しした解説ではなく、実際に受任、立証に成功した実例から語られている点です。    宣伝はあくまで客寄せ、誇大、お手盛りの類です。派手な宣伝に踊らされることなく、自らの障害について、実際に経験のある事務所へご相談を頂きたいのです。

 そして、秋葉事務所の実績ページをご覧になる、多くの被害者さまへの参考となるよう、実績で語る姿勢を堅持していきたいと思います。    それでは、今年上半期の下肢の障害について、シリーズでご紹介します。   

併合9級:腓骨神経麻痺・足関節脱臼骨折(40代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を横断中、信号無視の対抗右折自動車と衝突。 脛骨遠位端、腓骨骨幹部、足関節脱臼、足根骨、中足骨を骨折、プレート固定術を施行。この情報だけで10級以上を予断した。

【問題点】

骨癒合が進み、リハビリも順調、しかし、足関節及び足の親指は自らの意志では、わずかしか動かない。腓骨神経麻痺である。症状固定まで周到な準備を重ねる必要がある。

【立証ポイント】

完全麻痺ではなかったが、神経伝導速度検査を指示、早くに有用なデータを備えた。症状固定時は主治医に面談、足関節・足指は自動値での計測をお願いした。  続きを読む »

 学生の頃、大学のキャンパスまで自転車で乗りつけていました。

 ある時、剣道部の先輩が、「秋葉、自転車貸して」と。なんでも自転車に乗ったことがなく、大学に入ってから練習しているとのこと。その先輩の出身は長崎でした。そう、坂の多い港町では自転車が不便なのです。長崎出張中の2日間、ほとんど自転車を見かけませんでした。    入道雲が立上る梅雨明けの猛暑の中、路面電車を大浦天主堂前で下りると、西に臨む港に大型客船がそびえ立っています。世界一周の豪華客船が停泊していました。いつか船旅に出たいものです。

 宿は大浦天主堂・グラバー邸への坂道に沿って建つホテル、部屋の窓下はグラバー通り、行き交う観光客、お土産物売り場の喧騒が目の前です。かすかなざわめきの中、早朝の移動疲れからうたた寝・・目覚めるとどこにいるのか一瞬わからなくなりました。昔、フィレンツェのドォーモ裏の安ホテルに泊まった時が思い出されます。

 目覚めた後、夕食は中華街へ。オランダ通りをてくてく北上、歩いても10分位でしょうか。

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 翌日は朝から病院同行2件、昼までにはミッションを終えました。その後、依頼者様が飛行機までの時間つぶしに長崎市内を案内して下さいました。

 まず、平和公園、出島、続いて眼鏡橋に寄って頂きました。昼食は竜馬ゆかりの亀山社中近くのお鮨屋さん。ヒラマサが絶品でした。竜馬が歩いた水路脇を抜けるとすぐに長崎駅に。

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佐藤イラストsj佐藤が実務を解説!

 今回は労災を適用するまでの手順を説明したいと思います。(死亡事故を除く)

 みなさんが交通事故に遭われたとき、事故の対応は加害者の保険会社が色々とやってくれます。通勤途中の事故や業務中の事故だった場合にも、保険会社が手続きしてくれる場合も多いです。しかし、通勤途中の事故や業務中の事故だった場合でかつ、加害者が任意保険に入っていない場合等はご自身で労災手続き申請を行わなければなりません。会社によっては全て手続きをしてくれる場合もありますが、大抵はご自身で用意して、会社に必要な部分のみをお願いすることが多いかと思います。労災の手続きは書類が多く大変ですが、流れをこれから記載していきます。

 まず、必要な書類は①第三者災害届 ②念書 ③事故証明書です。

① 第三者災害届は全部で4枚(両面印刷の場合には2枚)で2部提出しなければなりません。

② 念書は3部必要です。

③ 事故証明書は原本1部が必要で。会社によってはコピーを1部添付してくださいと指示されることもあります。事故証明書が発行できない場合には事故発生届を2部提出します。

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 タイトルを見ただけで気絶しそうです。

 臓器一般に言えますが、腎臓など2つある臓器はどちらかが機能低下しても、バランスをとって働きます。片方を摘出しても大事ない臓器もいくつかあります。精巣もその一つと言えます。13級という微妙な低等級評価の理由は、機能自体に影響のないものだからでしょう。

 しかし、猫の去勢のようなはっきりした効果はなくとも、男性ホルモンの低下はあるはずです。その辺の評価は難しい・・まさか、神経症状の14級9号ってわけもいかないか。 20151111_1

13級相当:精巣損傷(30代男性・千葉県)

【事案】

バイクで直進していたところ、信号のない交差点で対向車が急に右折してきたため衝突、受傷。直後から全身の痛みのみならず、下腹部に激しい痛みや違和感を覚える。

【問題点】

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 臓器の障害は珍しいものです。その多くは手術で治るもので等級は低めと言えるでしょう。また、手術で治らないひどい損傷、例えば、内臓破裂は大量の腹部内出血を起し、チアノーゼでショック死する危険があります。かつて、衝突事故による内臓破裂で死亡した方がおりました。

 多臓器の損傷、複数の障害となれば、複合的に機能低下が起きるものです。そこで、労災や自賠では多臓器の障害の場合、複合的評価にて等級が認定されます。この辺はあらゆるマニュアル、ネット情報からも得ることはできません。経験のみが頼りになる分野と言えます。  c_g_c_2

11級10号:肝損傷・胆のう障害(20代女性・千葉県)

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバー、正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。

腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度のステント交換手術を強いられる。 ステントとは血管・気管・消化管・胆管などを内側から広げるために用いられる、金属製の網状の筒。   続きを読む »

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