健康診断で唯一、異常の指摘を受けているがLDLです。いわゆる悪玉コレステロールと言われているものです。この数値が高いと、血管内にプラークが生じ、血管が狭く固く(動脈硬化)してしまい、心筋梗塞や脳梗塞に繋がります。つまり、脂質異常症は、警戒すべき成人病の一つです。

 脂質異常症は、それが自覚症状として、なんらかの発症を得ることがなく、静かに体を蝕むサイレントキラーの一種と呼ばれています。今年の数値は170でした。ここ数年、高値のまま、やや下がってきてはいます。その基準値ですが、119以下を推奨されています。また、140以下なら問題ないとの文献もあります。そして近年の研究結果から、LDL単体の数値だけでなく、HDLとのバランスや中性脂肪の数値と並べて、総合的に判断すべきとされています。

 確かに医師の判断にも幅ができたようで、140超えたら即スタチン服用としない傾向です。その人の体質や、家族の血管系の疾患なども加味して、200未満なら、食事と運動、生活習慣の改善で足りると判断する医師も多いようです。また、高血圧や糖尿病の人は、血管へのダメージがダブルでうなぎ上りで危険度がぐっと上がるそうです。その場合は服薬がより推奨されます。私の場合、20代から現在まで、血圧や中性脂肪が標準値よりもかなり低いので、医師は「それほど危険視する必要はない」とのことです。

 また、LDLが豊富な食品として卵の黄身がありますが、食生活上、控えるよう指導されていたことも、過去のものです。LDLの70~80%は体内で生成されるもので、食べ物からの影響は少ないことが分かってきたからです。脂質や油ものを控えることは変わりませんが、総合栄養食として優れた卵を控える必要など、余程に過剰摂取しない限りないそうです。

 このように、健康診断の数値をどう判断するか、薬の処方、長じては生活習慣の改善とその取り組み方まで、エビデンスは日夜変化しているのです。ただし、来年はLDLを140アンダーにするよう、日々取り組みたいと思います。    

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 ざっくり、血液検査のことを指すものと解釈していました。観血的手術の際、術前検査で血液を調べ、数値が問題なければ手術、との流れでしたので。

 誤解があってはいけないので、少し詳しく調べてみました。   (1)CRPとは

 Cリアクティブプロテインという、たんぱく質の一種を指します。体内で炎症が起きたり組織細胞に障害が起こると、このたんぱく質が増えます。検査の数値から、どの臓器に異常が起こっているかまではわかりませんが、炎症状態の経過を知るには重要です。検査値が非常に高い場合は、結核などの慢性感染症、関節リウマチなどの膠原病、心筋梗塞、肝硬変、悪性腫瘍などが想定されます。軽度の上昇はウイルス感染症、内分泌疾患などが考えられます。CRPの基準値は0.30mg/dL以下となります。   (2)CRPの異常値が出た場合

 CRPが高いときは、まず原因を調べます。関連する検査として、白血球数・白血球分画・フィブリノゲンなどです。正確な病態を把握するためには、他のいろいろな検査や自覚症状、診察などから総合的に判断していきます。CRPは年齢とともにわずかに増加するもので、喫煙者は非喫煙者より高値を示します。また、妊娠後期でも増加します。風邪など、細菌・ウイルス感染後でも高値を示しますので注意が必要です。    経験上、開放骨折と言って、折れた骨が皮膚を突き破った場合、MRSA・感染症に対する警戒が続きます。開放骨折の患者へは、CRP検査がしばらく繰り返されます。熱でも出た場合、医師の警戒はMAXとなります。  感染症にならないよう、手術前の血液検査でも確認必至の数値なのです。  

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 久々の薬解説ですが、何かと混同されるリリカとタリージェについて整理したいと思います。共に、神経性の痛みを緩和するお薬として、交通事故外傷においても処方されています。    まずは、おさらい 👉 薬シリーズ 3 リリカ    (1)タリージェとは

 神経障害による痛みを緩和させます。痛みを伝達する神経の過剰な亢進(≒興奮)をおさえるお薬です。正式には、ミロガバリン(神経障害性疼痛治療薬)となります。ミロガバリンは、中枢神経系において神経細胞を興奮させるシグナルとなるカルシウムイオンの流入を抑え、神経に興奮を引き起こす伝達物質の過剰な放出を抑えることで鎮痛作用をもたらします。

 副作用として、眠くなる、めまい、ひどいと意識消失に。その他、倦怠感、不眠、頭痛、むくみなどです。

 このようにリリカと同じ効果、ほぼ同様の副作用となります。   (2)リリカとタリージェの違い

 リリカは元々、帯状疱疹などへの対処が主でした。ご存じの通り、現在は神経性の痛みに広く処方されています。タリージェも当初、手指のしびれなどの末梢性神経障害に向けた薬効とされていましたが、同じく広く神経性疼痛に効き目があることがわかりました。

 似ていることばかりの両薬ですが、主成分にやや違いがあり、リリカはプレガバリンで、タリージェはミロガバリンです。医師から聞くと、痛みを抑える効果はリリカのほうが強く、タリージェはリリカより副作用の発症頻度が低いとのことです。リリカの錠剤は細かく調整されており、一粒(5mg)を飲む錠数で調整できます。痛みの強さと副作用のバランスをみて、医師が最大で600mgとして1日あたりの量を調節します。タリージェも医師が量を調整しますが、1回10mgから15mgの範囲(最大で30mgとも)で1日2回投与を基本としています。調整幅はリリカの方が広いと言えます。

 また、それぞれの価格差ですが、リリカにはジェネリックがあることで、タリージェより安いと言えます。リリカのジェネリック名は、成分名のプレガバリンとしているメーカーが多いようです。    

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 交通事故業務をする行政書士は減少の一途と思います。まして、後遺障害を追う事務所は珍しい部類になったと思います。それでも、後遺障害が最も重要な損害立証の場面であり、弊所も病院同行を通じて日々追っています。

 損害賠償金のおよそ70%を占めるお金こそ、後遺障害の慰謝料と逸失利益です。その等級認定は決して軽視できません。等級の取りこぼしは、何十、いえ何百、時には何千万円を失うことになります。もう、こんなことを言う弁護士はいなくなったと思いますが、「診断書は医師が書くもので、それにしたがって審査されるのみです」(だから)「診断書の記載を待っています」・・・これではダメなのです。実は、医師のすべてが障害の有無、程度を完璧に記載するわけではないのです。

 臨床上の医学的判断と、賠償上の後遺障害認定は微妙に食い違いが生じます。例えば、鎖骨骨折後の変形ですが、多少、仮骨形成(癒合の過程で、癒合部が骨が太くなる)から骨折部が盛り上がっていたとしても、医師は後遺症とは考えません。確かに日常生活に重大な支障はないと思います。しかし、後遺障害では、その変形が裸体で確認できれば、体幹骨の変形「12級5号」の評価になります。その自賠責保険金は224万円です。そのような場合、被害者さんに同行し、医師面談にて主治医に説明、記載を促しています。

 たいていの医師はご理解下さり、協力していただけます。まれに、へそ曲がりのお医者さんは頑として認めないこともありますが・・。だからこそ、私達が診察に立ち会った方が、間違いのない後遺障害診断書の記載と、後遺障害の立証が果たせるのです。もし、医師任せ、患者さん任せにしたら・・変形の記載が漏れると200万円以上を失うのです。任せた弁護士も、見逃すことがあります。すべての弁護士先生に後遺障害の知識が備わっているとは限らないからです。。

 やはり、病院同行と診断書記載への監視は譲れない作業です。秋葉事務所にたどり着かず、今日も多くの被害者さんが数百万円を失っているかもしれません。

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 診断書を依頼して、その場で記載する医師もおりますが、平均的には2週間で記載の印象です。日々の診察や治療で激務を強いられる医師にとって、診断書の記載ほど面倒なことはないと思います。患者側としては、頭が下がる思いです。

 どんなに多忙であっても、常識的には2カ月後が限度と思います。また、依頼時に「現在、診断書が溜まっていて、3カ月かかります」と言ってくれる医師は、まだ誠意があると思います。それ位であれば、じっと待っていますが、中には何度催促していても、なしのつぶて、数カ月待たす医師が存在します。単にルーズでだらしない医師と言えますが、まるで、依頼側が諦めるのを待っているかのような悪意を感じることもあります。以下、秋葉事務所での「長期間・診断書待ち」の順位です。   【第1位】14カ月 (脊椎・神経科)

 数えきれないほどの催促電話(医事課に対してですが)、催促の手紙2通、そして催促の面談2回・・・医師は毎回、「わかりました」と応じてくれますが、書きません。しかも、自身の病欠で入院の期間2カ月ほど挟むことに。その後、仕上がった診断書他、意見書ですが、それは精密に細かい字がびっしり、ほとんど虫眼鏡でしか読めませんでした。これを書くのは大変だったと思います。   【第2位】8カ月 (リハビリ科)

 最初の依頼の段階で、「診断書のフォームは?それがないと書けない」などと、敬遠ムード。こちらとしては、奥ゆかしく、まず主治医の記載許可を経て、文章課に診断書一式を揃えて提出のつもりでした。もちろん、翌日には診断書・受付窓口に記載要領をまとめて提出しました。

 その後、何度も電話しても、一向に診断書を書く気配がありません。毎度、催促電話を受ける医事課の担当者も、「先生に伝えます」とは言ってくれますが、明らかにお困りの様子でした。おそらく、このまま、”書かないで済まそう”としているとしか思えません。半年後になって、代理人名でお手紙を投函しましたが、反応なし。そこで最終手段です。できればこんなことはしたくないのですが、その病院の理事長と院長先生宛に、それぞれ簡易書留でお手紙を投函しました。そのお手紙の内容は、「〇〇先生はもはや記載する意志がないと思いますので、別の医師の診断を仰ぎたい」です。この最終手段の後、2週間で診断書が届きました。    【第3位】6カ月~ (脳神経外科)

 現在進行中です。常に診断書が遅い医師であったので、覚悟をしていていましたが、あまりの遅さに提出を待っている保険会社もキレ気味です。再度、面談してお願いしようと思います。    医師には診断権という権利があり、医師法上、記載の判断は、”記載すべきではない理由がない限り”記載する義務があります。義務とは言っても、書かない理由などなんとでも付けられます。つまり、医師次第なのです。  ほとんどの医師は忙しくても、なんとかご記載下さいます。しかし、だらしないを通り越して、↑ 2位の医師も存在します。知人の医師は、「患者を治すことが仕事で、診断書を書くために医師になったのではない!」と言い切りました。診断書など書きたくない、これが本音なのかもしれません。医師も人間なので、すべてが誠実とは言えず、残念ながら人間性に問題がある医師も存在します。そのような医師にあたってしまった患者、被害者さん達は大変なのです。もちろん、秋葉事務所の青筋も立ちっぱなしです。  

 

 

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 整形外科ではおなじみです。むち打ちはじめ打撲捻挫で受診すると、高い確率で処方されます。内科や皮膚科でもこの3セットの処方がみられます。    痛み止めの万能薬 ロキソニン     胃潰瘍の薬 ムコスタ(リパミビド)・・・ロキソニンが胃壁に悪影響を及ぼすので、セットで処方されます。    神経に栄養を メチコバール =ビタミンB12、市販薬(メコバラミンなど)としても手に入ります。どんな病気だろうと、ついでに処方されている印象です。      ロキソニンとムコスタは常備しておきたいお薬です。  

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大谷選手、50-50達成祈願!

 連日、日本人MLB選手(特に大谷翔平選手の活躍はすさまじい)が大活躍していますね。その中で、ダルビッシュ有選手や前田健太選手、大谷翔平選手など数々の名投手が受けたとされるトミージョン手術について記載してみたいと思います。おそらく交通事故でこの術式を受ける方はいらっしゃらないと思いますが(笑)

 トミージョン手術とは、損傷した腱や靭帯を一旦切除し、健側や患側の長掌筋腱や膝蓋腱、下腿・臀部から正常な腱の一部を採取し、移植することで新たに靭帯を作るというものです。移植という言葉が合っているのかは分かりませんが、上腕骨と尺骨に穴をあけ、その穴に介して両端に圧をかけた状態で固定することによって、損傷した靭帯等の代わりになるようします。しかし、定着するまで、ある程度の時間がかかることから、長期的なリハビリをしなければなりません。

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 私の周囲に、そのような人はいなかったと思います。ギャンブルの高揚感と喪失感、その両方が脳内物質に影響し、正常な判断を困難にするそうです。察するに、勝つことの興奮が忘れられない=アドレナリン噴出が原因と思っていましたが、実はそれよりも、負けた時の焦燥感や取り戻そうとする執念こそ、脳を狂わせるそうです。

 治療という観点ですと、やはり、脳内物質のコントロールになります。専門外来もあるそうです。脳内麻薬?を抑制する投薬が必要なのでしょうか。カウンセリングやグループミーティングなども実施されると思います。

 病気であれば、周囲が適切な治療にいざなう働きかけが必要です。間違っても、お金を貸さない事です。中毒者はあらゆるウソをついても、家族や友人を裏切ってまでもお金を工面しようとします。結局、そのお金は借金返済に充てられることはなく、「よし、もう一勝負!」に消えるのです。     現在、野球界はそのニュースでもちきりです。病気は病気、罪は罪、適切な対処を進め、選手の皆さんは競技に集中してもらいたと思います。  

 

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 医師はじめ、医療従事者が不正に治療費・施術料を請求している問題ですが、10~5年前に摘発が相次ぎ、その後、鎮静したかに思えました。しかし、コロナ明けの昨年は2件、今年に入ってすでに1件、ご依頼者さんからその情報が聞こえてきました。    病院の不正を目にしたのは、損保時代を含め、この30年間で1件だけでした。しかし、接骨院・整骨院など柔道整復師による不正請求に出くわすのは毎年数件です。その手口は相変わらずで、施術をしていないのに、架空の施術分を健康保険や、交通事故の場合は任意保険や自賠責保険に請求します。最もひどい手口は、その院に柔整師やスタッフが就職する際に、本人と家族全員の健康保険証の提出を求められます。その健康保険証から、あたかも院に通った形に書類を作り、家族順番に架空の施術料の請求をします。これは、柔道整復師の方から聞いた話です。その方は、良心の呵責から辞めたそうです。

 不正を行う先生方の認識は、「皆、やっているよ」「バレなきゃ大丈夫」のようなノリで、総じて罪の意識が希薄に感じました。ただし、これはれっきとした保険金詐欺です。しかも、健保や労災相手だと、公金に対するもので、警察がすぐに動きます。したがって、バレないように少しづつ、できれば患者とグルで、それなりの工夫をしているようです。

 どの業界にも悪党はおります。それは弁護士、行政書士も同じです。ただし、医療従事者の不正は、得てして各方面に、何より患者さんに害が波及します。例えば昨年の実例ですが、弊所と弁護士によって、とっくに解決した交通事故の被害者さんに警察から連絡が入りました。事故当時に通っていた接骨院で、「実際に施術をしたのか?」、「その日付は?」などの聴取を受けたそうです。まるで「グルか?」の疑いです。その被害者さんにとって、まったく身に覚えのない嫌疑がかかったのです。これは、不正が見つかった院について余罪がないか、過去に遡って警察が調べているからです。もうこれだけで、大変な迷惑です。    当時の記事 👉 接骨院・整骨院の不正請求    また、交通事故の被害者さんが、通院中の院にそのような不正が発覚、ないし疑いが生じた場合、直ちに保険会社の治療費支払いが止まります。後の後遺障害申請においても、そのような治療経緯はマイナスでしかありません。治療状況や症状の一貫性等を重んじる、14級9号の認定などは致命的かもしれません。    今年に入って、早くも疑い濃厚な院に出くわしました。繰り返しますが、施術料の不正請求は、刑法上の罪はもちろん、実害が非常に大きいと思います。そのような院に対し、その不正を告発することは簡単ですが、それは私達の業務ではありませんし、何と言ってもキリがありません。柔整師の先生の道徳心に頼るのは限界がある位、とにかく不正が多過ぎて、現場では嘆くばかりなのです。柔道整復師の業界をあげて、徹底的に不正撲滅に動くべきと思います。このままでは、業界全体の信用失墜です。不正を行うような院で、施術を受けたい患者さんなどいないと思います。    かつて、スタッフだった柔整師からも色々と業界の醜聞を聞いたものです。    

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 昭和の昔と違い、セカンドオピニオンに難色を示す医師はいなくなったと思います。昔の頑固先生の中には、「俺の治療が気に食わないのかっ#」との反応があったのです。しかし、患者さんの治療の為に、広く他の医師の見解を聞くべきとの考え方が普通になっています。今までも、主治医の先生のご理解に助けられ、紹介状を持って他院で診てもらうことは度々でした。

 ただし、患者さんの中には、「治す」ことに偏執的になり、とにかく方々の病院に行きまくる、いわゆるドクターショッピングに陥る方も存在します。その多くは精神的なもので、治療効果など顧みず、あっちこっちの病院へ紹介状の記載を乞うものですから、主治医の先生にとって大変な迷惑になります。紹介状を書く以上、変な患者さんを紹介するわけにいきません。紹介先の医師は紹介元に返事を書くことが通例ですから、両者にとって本当に迷惑なのです。

 では、紹介状なしに飛び込みで病院に行った場合ですが・・・(傷病の種類にもよりますが)医師はこれまでの治療経過を知りませんし、問合せもできません。何より、「問題のある患者さんでは?」と思います。したがって、適当にあしらわれることが多いのです。

 そのような病的にドクターショッピングを繰り返す患者さんは別として、複数の医師の見解を聞きたい、または、わずかでも改善すべく根気よく治療を続けたい・・重傷者さんにとっては当然の心情だと思います。要は、主治医との信頼関係次第と思います。その点、交通事故患者さんは、治療費を支払う保険会社との賠償問題が絡み、およそ面倒な患者と思われがちです。交通事故被害者さんこそ、医師と良好な関係を築いていく必要があるのです。      紹介状一つお願いすることすら難易度が上がりますので、秋葉事務所でも、紹介状をお願いする為の病院同行が少なくありません。昨年暮れの病院同行でも、2度目の紹介状依頼に医師が難色を示され、何とか拝み倒して記載頂きました。主治医の先生には感謝しかありません。交通事故被害者さんは、治療一つをとっても面倒とされる立場、実に大変なのです。

 ちなみに紹介状の回数制限ですが、病院の内規にあるかどうか定かではありませんが、明文化されたルールはみたことがありません。医師の判断によるもの(ひょっとして気分次第)なのです。  

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 脳損傷、靭帯損傷など、軟部組織の障害立証にMRIは欠かせません。事故による骨折と、陳旧性(元々あった)骨折の区別にも有用です。したがって、治療先にMRI検査をお願いすることは、秋葉事務所の日常です。

 ところが、MRI検査ができない場合もあります。それは、骨折後、骨折部を金属で固定したケースです。MRIの高い磁力によって、金属がハレーション(光る)を起し、患部が見えなくなってしまします。病院側も、骨折の癒合を優先しますから、靭帯や半月板などの損傷は後回し、「MRIは抜釘後(金属を取ってから)にしましょう」となるのです。

 また、それ以外の事情として、「入れ墨」があります。入れ墨の染料ですが、昔は朱色に水銀の成分があり、他にも色によって鉄、亜鉛、銅があるそうです。これらが、MRIの高磁力の照射で発熱、火傷の危険となるのです。実際、熱傷の事例報告が存在します。近年のインクには、金属アレルギーを考慮して、金属が使用されていないものが多いようで、各インクの成分表も公開されています。それでも、病院の検査前の問診で、入れ墨の有無が問われ、それで検査不能と判断します。あるいは、覚悟した患者さんに対しては、熱を感じた時に速やかに検査を停止するなどしているようです。病院によっては、重症度次第でもありますが、火傷のリスクよりもMRI診断の有用性の方が高い場合は検査の強硬もあるそうです。

 それより何より、その筋の患者さんの場合は、低温火傷にでもなったら、「因縁」が最大の問題となります。病院側としては、できれば検査したくないのです。

 

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 入所以来、秋葉から話は聞いておりましたが、実際に体験したのは初めてでした。先日、弁護士から「旧依頼者が通っていた接骨院が水増し請求をしていたらしく、今まで通っていた患者についても捜査していると警察から連絡があった。」との連絡が入りました。旧依頼者はそのような不整に加担するタイプではないため、共犯ではないと思われますが、確かにほぼ毎日通院しているとおっしゃっていました。

 本件は、ご相談を受けた際、保険会社から接骨院の一括対応打切りを迫られているとの事だったので、接骨院への通院を終了させ、整形外科に週2~3回通院するよう指導し、切り替えさせました。結局、半年を待たずに症状が改善したことから後遺障害申請はせず、弁護士が示談交渉し、解決に至りました。    既に解決から3ヶ月以上経ってからの連絡に戸惑いましたが、まだ不正請求を行っている業者がいるのか…と呆れてしまいました。一部?の悪徳接骨院・整骨院のせいで、真面目に営業している院に影響が出てしまうのは由々しき問題です。

 なお、皆様にも知っていただきたい知識としては、接骨院や整骨院の治療費については、賠償上認められない傾向にあるということです。これは、裁判や紛争処理センターにおいてということですが、弁護士が介入して示談交渉をする際、接骨院・整骨院の治療費がかさんだ場合、「相手方との示談交渉しか選択肢がない」ということを意味します。紛争処理センターや裁判で賠償金を引き上げたとしても、治療費を返還しなければならなくなってしまえば、最終的な手取りが減ってしまう可能性があるのです。

 もちろん地域や勤務時間によっては、整形外科への通院ができず、接骨院・整骨院しか行けない方もいらっしゃると思いますし、接骨院・整骨院の施術が気に入っている方もいらっしゃると思います。一律に整形外科へ行きなさい!と申し上げている訳ではなく、賠償交渉時にそのようなリスクがあるということを承知した上で治療を受けていただきたいということです。    どこの世界でも、262の法則(上位2割、中位6割、下位2割)はあると思いますので、治療先についてぜひとも下位2割を引かないよう、慎重に選んでいただければと思います。

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人体の不思議?

 あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、今回は幻肢痛についてまとめてみたいと思います。幻肢とは、手腕や足の切断後に失ったはずの手足が、まるで存在するかのように感じられることを指し、その部分に痛みを感じるのが幻肢痛です。幻肢痛には通常の鎮痛薬だけでは消えないので、苦しんでいる方がたくさんいらっしゃると思われます。

 幻肢痛は切断後だけではなく、神経損傷や脊髄損傷などによって手足の感覚と運動が麻痺した場合にも現れることがあるようです。幻肢痛が発症するメカニズムとして、脳に存在する身体(手足)の地図が書き換わってしまうこと、つまり手や足を失った事に対して、脳が正しく適応できなかったために生じることが報告されているようですが、その要因については明らかになっておらず、治療法も十分ではありません。実に不思議な幻想ですね。

 治療法としては、薬物療法や鏡療法等があります。薬物療法としては、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬光痙攣薬、プレガバリンなどの抗てんかん薬が使われることがありますが、もっと強いものだとコデインやモルヒネなどのオピオイド系の薬があります。その場合には、医師の指示のもと、適切な量をコントロールしてもらう必要があります。

 鏡療法とは、鏡に健常な手足を写し、幻肢が実在するかのように錯覚させることで、幻肢に関連した脳活動を強める訓練があります。しかし、鏡療法は全ての患者さんに有効なわけではなく、効果も一時的であることが多く、幻肢痛に対する確立した治療法とはなっていません。また、近年の研究からは、幻肢に関連した脳活動が強まるほど痛みが強くなることが示され、鏡療法のメカニズムについても疑問が生じていました。その他にも鍼灸治療や反復経頭蓋磁気刺激があるようですが、どれも効果は定かではありません。   ※ 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)とは、repetitive Transcranial Magnetic Stimulationの略です。  rTMS療法は、頭に密着させた専用の器具から磁場を発生させ、特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、うつ病による症状を改善させる治療法です。頭に密着させる専用の器具にはコイルが内蔵されており、そのコイルに瞬間的に電流を流すとパルス磁場が生まれます(ファラデーの電磁誘導)。この磁場の変化が脳内の局所に渦電流を誘導し、特定の神経細胞群が電気的に刺激されて活性化します。つまりTMS装置では電気エネルギーを専用コイルで磁気エネルギーに変換し、さらに脳内で電気エネルギーに再変換されて神経細胞に伝わります。これを繰り返すことにより、脳内の神経細胞の活動性が変化し、うつ病による症状を和らげていくことが期待できます。(NTT東日本伊豆病院より)  

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 めまい感、メニエール病、メニエール症候群、眩暈症にお馴染みのお薬です。    交通事故外傷でも、むち打ちや頭部外傷後にめまいを訴える患者さんは多いものです。まずは、この薬が処方されます。

 この薬が効かない患者さんは、紹介状を得て大学病院で検査をするべきです。治療上の理由だけではなく、後の後遺障害認定に向けて、しっかり準備する必要があります。 ① 主成分 ベタヒスチンメシル酸塩(Betahistine mesilate)

 この成分によって、内耳の血流を促し、むくみなどを改善、主に回転性のめまい、難聴を抑制します。

※ メリスロンとはエーザイ㈱の名称です。ジェネリック薬品では、日本ジェネリック㈱、東和薬品㈱、日医工㈱などが「ベタヒスチンメシル酸塩錠」と、そのままの名称で発売しています。   ② 副作用

 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要です。   1,消化器:(0.1〜5%未満)悪心・嘔吐。 2,過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。   3,合併症・既往歴等のある患者さん

・消化性潰瘍の既往歴のある患者及び活動性消化性潰瘍のある患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H2受容体を介して胃酸分泌亢進を引きおこすおそれがあります。

・気管支喘息の患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H1受容体を介して気道の収縮を引きおこすおそれがあります。

・褐色細胞腫のある患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、アドレナリンの過剰分泌により血圧上昇を引きおこすおそれがあります。

・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ、投与します。

・小児等を対象とした臨床試験は実施していないそうです。

・高齢者は減量するなど注意(一般に生理機能が低下しているため)。  

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 比較したことはありませんが、秋葉事務所は日本で一番、病院同行している行政書士事務所ではないかと自負するところです。もちろん、保険会社側の医療調査員の足元には及びません。他業界を含めれば、お薬の営業=MRさんが圧倒的に一番でしょう。    病院窓口では、診断書や検査結果、画像の請求、カルテ開示など、諸々の手続きを行いますが、それら医療情報の開示請求は、治療費を払っている患者側の希望・権利より、病院側の許可・権利が重きを成します。患者側が自らの医療情報を求めても、病院がダメと言えばダメで、つまり、病院側に決定権があるかのようです。医師法では「理由がない限り、診断書を拒めない」としていますが、拒む理由など、医師が「治療上の理由」と言えば済みます。また、カルテは患者のものではなく、病院側の記録=病院のものですから、患者と言えども病院の許可が無ければ見ることさえできません。

 このように、治療者側は特殊な立場です。お金を払った患者さんはお客様とは一線を画すもので、患者は自らお金を支払った書類ですら自由にならないのです。そのような弱い立場側に私達は立っていると思います。医師に対してはもちろん、窓口の医療事務員に対しても低頭平身、まるで媚びを売るように手続きをしているのです。

 少し大げさに思えるかもしれませんが、それ位でちょうど良いのです。また、手続きを円滑進めるコツなども、数千件の経験から身に付いてくるものです。それを一つご披露しましょう。それは、笑いをとることです。それは、医師に限らず、医事課の職員や窓口の事務員に対して、ジョークを言います。それに対する反応をみて、ここは融通の利く病院か否かがわかります。経験上、ウケるまでに至らずとも、少しでも笑顔になれば、その後のやり取りはスムーズにいく傾向です。逆に、鉄仮面の反応ですと、何を言っても「病院のきまりですので」と、剣もほろほろの対応に終始されます。    先日は、神奈川県の病院同行でした。弊所に情報の無い初の病院で、窓口にて依頼者さんと画像や診断書の申請手続で、何枚もそれら申請書を書き込む手間に辟易しておりました。「何度もすみません」と言う窓口の事務員さんに対して、「これで手が腱鞘炎になったら、診察お願いします」と返しました。事務員さんは、にこっと「はい、その際は予約して下さい」と。・・・これで、以後の面倒な手続きや折衝は驚くほど軽快に進むことになります。逆に、まったく事務員さんの表情が変わらない場合、その病院はルールでがんじがらめ、あらゆる手続きに苦戦必至なのです。医師から職員まで、冗談一つ許さない雰囲気・・およそ、院長からして冷たい病院であることが多いようです。    初の病院、その対応・体制は如何に? まず、軽口やジョークで計っています。     

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 現在、画像専門のクリニックでのMRIは3.0テスラが主流です。総合病院では1.5テスラも多く残っております。オープン型のMRIはまず1.5テスラです。古い病院では0.5テスラも目にしたことがあります。このテスラと言う単位、どうやらMRIの解像度に影響を与えるようです。少し調べてみました。     テスラとは、電磁気の国際単位で,単位面積当たりの磁束密度(磁力線の束)のことです。テスラ(記号T)は,発明家のニコラ・テスラにちなんだ命名で、MRI(磁気共鳴コンピューター断層撮影装置)でお馴染みです。診療報酬点数表でも、このテスラで点数が変わります。高磁場の1.5テスラ以上で医療点数は高く、医療費が上がります。   ニコラス・テスラ <Wikipedia他より引用>

 1856年7月10日生まれ 1943年1月7日没。19世紀中期から20世紀中期の電気技師で発明家。交流電気方式、無線操縦、蛍光灯などといった現在も使われている技術も多く発明した。また「世界システム」なる全地球的送電システムなどの壮大な構想も提唱したが、これは実用化にならなかったそうです。電気や電磁波を用いるテクノロジーの歴史を語る上で重要な人物であり、磁束密度の単位「テスラ」にもその名を残しており、LIFE誌が1999年に選んだ「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれている。テスラが遺した技術開発にまつわる資料類はユネスコの記憶遺産にも登録されている。

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【3】適応

 一般的には末期腎不全や急性腎障害により、腎機能が高度に低下した場合に透析を開始します。腎機能は血清クレアチニンと呼ばれる検査値で評価し、健康な人の10%を透析開始の目安とします。ただし腎機能の程度がこれより高い場合でも、症状や治療の経過によっては透析を開始した方がよいこともあり、症状や腎機能のほか、日常生活への影響や年齢、原因疾患などから総合的に判断します。

 血液透析と腹膜透析の基本的な導入基準は同じですが、どちらを選択するかは両方の治療のメリットとデメリットを踏まえながら決定します。   【4】治療の経過

① 透析開始までの流れ

 透析を開始する場合は、体の急激な変化に対応するため入院が必要です。また、入院時に内服薬の調整や食事の指導を行い、腹膜透析の場合はバック交換の手技や緊急時の対応を練習します。

 透析開始前に血液透析ではシャント作成、腹膜透析ではカテーテル留置が必要になります。シャントやカテーテルが使えるようになるまでには一定期間を開ける必要がありますので、時間に余裕があるうちに準備する段階的導入を行うことがその後の合併症予防や体調維持につながります。

 透析開始時の入院期間は、シャントやカテーテルの準備が済んでいる人で、1~2週間程度です。シャントまたはカテーテルの設置と透析開始を同時に行った場合、さらに1~2週間入院します。   ② 透析開始後の流れ

 透析導入入院から退院した後は、血液透析では週3回透析施設に通い、4~5時間の透析治療を受けます。腹膜透析では自分でバックの交換を行い、月1~2回程度通院します。

 透析治療中は合併症に注意しながら、食事や水分量に注意する必要があります。血液透析か腹膜透析かによって食事や管理について、注意すべきポイントが異なるため、透析導入時に十分な指導を受けます。    【5】費用の目安

 治療を受ける病院や治療内容によっても異なりますが、血液透析では導入時の入院で20万円程度、腹膜透析では35~40万円程度かかります。ただし、透析を受ける患者さんは長期高額疾病の高額療養費制度を受けることができるため、自己負担はこれよりも少なくなります。

 導入完了後の自己負担は、上記の制度を利用することで1か月あたり1~2万円程度になります。    腎不全の患者さんは少なくありません。透析で毎週3回通うのは本当に大変ですね。   <メディカルノートさまより引用>      

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 ご依頼者の持病で、少なからず腎不全を持つ方がおります。重度の患者さんは、腎臓機能を保つために透析が必要です。基本知識だけでも少し勉強したいと思います。お馴染みメディカルノート様から参照、引用しました。  

【1】腎臓の働きと透析

 透析とは、“透析療法”のことで、腎臓の機能が低下した場合に、その機能を人工的に置き換える治療のことです。血液透析と腹膜透析の2つの治療法があります。

 腎臓は体内の水分やナトリウム、カリウムなどのミネラルの量を調節して体液の量や濃度を一定に保つはたらきや、老廃物を体の外に排泄するはたらきを持っています。腎機能が低下した状態を腎不全と呼びますが、腎不全が進行すると尿毒症と呼ばれる状態を引き起こし、放置すると命に関わる事態となります。現代の医学では、腎移植を行わない限り一度失われた腎機能を回復させることはできません。透析は低下した腎機能を代替する療法で、腎不全患者さんにとってなくてはならない治療であるといえます。

 2019年の調査では、日本の透析患者数は約34万人であり、366人に1人が透析を受けているといわれています。

 透析の目的は、腎臓の機能のほとんどが消失した末期腎不全や急性腎障害などの腎疾患に対して、腎臓の機能を代替することを目的とした治療です。腎臓の機能を回復させるための治療ではないため、病気の治癒を期待するものではありません。    【2】透析の種類

 透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。   ① 血液透析

 血液を体外に循環させ、ダイアライザーと呼ばれる透析膜を介して余分な水や老廃物を除去する方法です。ダイアライザーには透析液と、水分と小さな物質のみを通す膜(半透膜)が設置されており、余分な水や老廃物を除去して、必要な電解質などを補充することができます。通常、透析が受けられる医療機関に週3回通院し、1回4~5時間の治療を受けます。また、通院治療のほかに自宅に透析装置を設置する在宅血液透析もあります。

 腎臓の機能を代行する腎代替療法の中ではもっとも普及した治療法で、日本では透析患者の96.5%が血液透析を受けているともいわれています(2015年末時点)。    ② 腹膜透析

 自分の体の腹膜を透析の装置として用いる方法です。腹膜は胃や腸などを覆う膜状の組織で、お腹の中に透析液を入れておくことで腹膜を通して過剰な水分や不要な老廃物などを透析液に移動させることができます。透析液が入ったバックを1日に3~4回交換する方法(CAPD:continuous ambulatory peritoneal dialysis:持続携行式腹膜透析)と寝ている間に機械を使って自動的に腹膜透析を行う方法(APD:automated peritoneal dialysis:自動腹膜透析)があります。基本的には自宅で治療を続け、月1、2回程度通院します。

 腹膜透析を長く続けることで被嚢性腹膜硬化症と呼ばれる合併症のリスクが高くなるため、一般的には腹膜透析を始めてから8年程度で血液透析や腎移植を検討します。しかし、血液透析に比べて通院が少なくて済むことや、腎臓の機能を長く残すことができるメリットがあり、若年で透析治療が必要になったときには、学業や就労などへの影響が少ない治療法です。

 また、週3回の通院が困難であったり、心血管系合併症のため血液透析が選択しづらかったりする患者さんは、自宅で緩徐に行う腹膜透析が合っている場合があります。高齢で食事量が少ない患者さんは、腹膜から吸収されるブドウ糖がカロリー補充というメリットになることもあります。

 そのほか、血液透析の長期化や加齢に伴う血管系の合併症やシャントの血管不足などで血液透析での透析が困難になったり、週3回の通院が困難になったりするなど、血液透析療法を続けることが患者さんや家族の生活の質(QOL)の低下につながることがあります。透析医療の人生の最終段階における医療(終末期医療)*の1つの手段として、柔軟性が高く身体的負担の少ない腹膜透析を選択する場合もあります。

*平成27年3月に厚生労働省 検討会において終末期医療から名称変更

 つづく  

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健康保険税が高いんです!    令和4年4月1日に実施された22年度の診療報酬改定によって、「大病院への紹介状なしでの受診」に関する特別料金の増額が決定し、令和4年10月1日から変更となることとなりました。そもそも、「なぜ、紹介状なしで大病院を受診してはいけないのか」ということですが、大病院では高度な医療が必要な患者が多いため、専門的な医療や対応を大病院が担い、日常的な病気やケガについては個人病院やクリニックが担うという分業体制になっているのです。まずは町の医師に診てもらい、大病院での検査や診察が必要と判断された場合に、紹介状を作成し、受診するという流れになるわけですね。また、大病院側としても、紹介状があるということは、一定の担保がある(町の医師が検査等を必要としている、背景事情等に不可解なことがない)ため、安心して診ることができるのです。    さて、この特別料金ですが、現在の金額と改定された金額を比べてみましょう。      ここで勘違いをしないでいただきたいこととしては、この改定によって病院側が儲かるといった仕組みではないということです。患者負担になった金額というのは、元々保険適用となっていた項目が適用外になっただけなので、病院に支払われる金額に変わりはありませんが、健康保険が負担する金額が圧縮されるということです。あえて紹介状をもらわずに大病院を受診する患者に対して、健康保険がそこまで手厚いサポートをする必要があるのか?ということだと思います。現在は高齢化社会が進み、健康保険の負担が国と若年層に重くのしかかっています。(現に私は1年間に1回も病院に行かないにもかかわらず、高額な健康保険料を毎月収めていますので・・・。)

 そもそも、ほとんどの方は払ったことがないと思いますし、今後も払うことがないと思いますので、そこまで心配する必要はありません。しかし、私たちの知らないところで、日々色んなことが変化しているということは知っていても損はないと思います。  

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 本日の病院同行は、朝・夕のダブルヘッダー、一日に2院は久々です。埼玉と神奈川で、それ程遠方ではなく、難なくこなしました。東京の中心に事務所を置いたメリットを活かしています。

 とくに午後の整形外科は、今まで私が同行した数百軒に及ぶ整形外科の中でも高評価でした。まず、交通事故治療に慣れていらっしゃるよう、患者へ治療はもちろん、的確な対応をしてきたようです。そして、症状固定の診察でも、神経学的所見をしっかりとって、的確に診断書に落とし込んでいます。

 一方、多くの医師は、自賠責の後遺障害の認定基準が知らされていないことから、独自の診断になりがちです。それは、臨床上の判断ですから間違いではありませんが、賠償上の見地とは微妙にズレます。つまり、必要な所見が漏れる、無駄な記述、的外れな観察などです。そして、スカスカな記載はまだましな方で、余計なことを延々と書き込む傾向です。

 何故、私共が病院同行を行い、診断書の記載に立ち会い、医師と折衝するのか・・・それは、不正確、不完全、不明瞭な診断書を排する努力の一環なのです。的確な診断書こそ、審査側が欲する情報と思います。無駄なく正確が一番、そこに、誇張や患者が有利になる誘導などの余地はありません。

 診断書は交通事故被害者の運命を左右する、最初の証明書なのです。だからこそ、積極的に介入する必要があるのです。それを保険会社任せにすれば、右から左へ、何ら内容を精査することなく、事務的に審査に回されます。これが、後に再請求(実態より低い等級が認定されて、異議申立)が必要となる理由の一位です。

 また、弁護士や業者に任せても、その経験や力量の差がもろに出ます。知識や経験が乏しければ、何級を想定して、どの検査を追加し、どのような記載が望まれるか、これらが分からないと思います。多くは書かれてから内容を精査しているようですが、一旦書かれた内容を医師に修正させることはかなりの難行です。できれば、書かれる前に手を打つべきです。しかし、病院同行・医師面談は簡単ではありません。知識と実践の積み重ねにより身に付ける特殊技術です。そのような技術の研鑽が、つい数年前から交通事故に取り掛かった弁護士・行政書士にあるか疑問です。    業者選びの問題はさて置き、まずは、医師の交通事故外傷への理解と知見が問われます。今回の医師は★★★でした。実は、秋葉事務所では、首都圏を中心に全国の個人開業医・整形外科、数千軒の情報・評価リストを、12年以上記録し続けています。このデータは、新たな被害者さんの病院選びに大きく寄与しています。これこそ、他者に抜きんでる実力と自負しています。

   

 

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