【事案】

トラックに同乗し、信号待ちで停止中、後続の自動車に追突されて負傷。その後、腰部痛に加え、右下肢の痺れ等の強烈な神経症状に悩まされる。
 
【問題点】

ご依頼の連絡があったときには、既に事故から2年以上経過しており、事前認定で非該当という結果であった。受傷から2ヶ月後に緊急手術(後方摘出術)を受けているにもかかわらず、非該当という結果が出たということは、何か他に理由があるのかもしれない。実際、調査中にボロボロでてきた。
 
【立証ポイント】

資料の収集先として、手術を受けた総合病院とリハビリ通院していた個人整形外科があり、後遺障害診断書は手術を受けた総合病院で作成されていたことが分かった。そのため、治療経緯に沿って、数珠つなぎで資料を取り付け、申請する方針とした。

まずは、関係が良好だという個人整形外科を受診し、初診から終診時までの推移が分かる資料を依頼した。患者に寄り添いつつも誇張のない資料が完成したため、その資料を持って総合病院を受診した。執刀医は既に転院しており、経過を診ていた担当医に事情を説明、個人整形外科で作成された資料を軸に、それらに沿った記載内容に担当医も快諾して下さり、先の個人院ではできなかった神経学検査等も実施していただいた。

また、日常生活での困窮点をご本人から詳細に聞き取り、分かりやすい文章に仕上げた。自賠責窓口でのゴタゴタはあったものの、審査が始まれば約1ヶ月で前認定が覆り、見事14級9号が認定された。

異議申立手続きを進めていくうちに、受傷機転が軽微であったことや救急搬送されておらず、物件事故扱いになっていたこと、後日に症状が重くなった事、相手方保険会社の担当者から良く思われていないことなど、ネガティブな要素は枚挙にいとまがない。穴の開いたポイで大物出目金を狙うかのような申請だった。

 厳しい作業に反して、認定の報告を聞いたときにはガッツポーズが飛び出た。依頼者がこの結果を非常に喜んでくださったので、諦めなくてよかったと心から思う案件であった。
 
(令和5年10月)