【事案】

通勤中、交差点で信号待ち停車のところ後続車に追突された。直後から上肢のしびれのがひどく、元々の脊柱管狭窄症の影響もあったが、MRI画像で顕著な圧迫所見が確認された。その後、紹介先の病院で椎弓拡大形成術を施行。しかし、しびれの改善は進まなかった。
c_byo_k_10注:これは腰椎ですが、こんなイメージ
【問題点】

相手保険会社の立場として、脊柱管狭窄症の改善のための椎弓拡大形成術を事故のせいにされてはたまらない。既往症の影響と断定し、手術費用を否定、その後の治療費も健保を使うよう要請してきた。そこで、某大手法律事務所に依頼するも、所属弁護士は何ら手を打たず、症状固定を待つ姿勢。不安に感じた被害者さんは知人に相談し、秋葉事務所が紹介された。

【立証ポイント】

ここが事故解決の一番の局所である。まず、治療費の確保から着手した。

本件の場合は相手保険会社の提案する健保ではなく、労災が対象である。当然、労災には特別給付などのメリットがある。早速、手術費が支払われていない病院に同行、治療費は労災から支給させることで医師の信頼を得た。これで治療の継続を果たし、症状固定時にしかるべき後遺障害診断書を提出した。しかし、初期の病院で「画像所見なし」などのおかしな診断や、危惧していた事故との因果関係を否定するような手術の経緯から「非該当」の結果に。

そこで、改めて追加診断書を作成、術後もしびれが継続していることを主訴に2度目の申請をした。特に、画像所見は病変部の打ち出しとレポートを作成し、手術・治療の経過を丹念に説明した。一番の問題は毎度、医師の診断書の記載が数ヶ月待たされることである。

4ヶ月の審査の結果、ようやく14級が認められた。本ケースのような被害者の救済は容易ではない。