【事案】
自転車で横断歩道を横断中、自動車にはねられる。
【問題点】
肩関節の可動域制限と受傷箇所の因果関係をどう結び付けるか?10級は1/2制限なので、ハードルは高い。 【立証ポイント】
鎖骨の骨折、肩甲骨の骨折、それに伴う筋委縮等、主治医が怒りだすまでしつこく記述を求める。実際、怒らせた。医師と険悪なムードのなか、冷や冷やしながらも正確な測定に導く。
※ 併合のため分離しています
(平成25年2月)
【事案】
自転車で横断歩道を横断中、自動車にはねられる。
【問題点】
肩関節の可動域制限と受傷箇所の因果関係をどう結び付けるか?10級は1/2制限なので、ハードルは高い。 【立証ポイント】
鎖骨の骨折、肩甲骨の骨折、それに伴う筋委縮等、主治医が怒りだすまでしつこく記述を求める。実際、怒らせた。医師と険悪なムードのなか、冷や冷やしながらも正確な測定に導く。
※ 併合のため分離しています
(平成25年2月)
【事案】
スクーターで走行中に、自動車の左折巻き込みで受傷、上腕骨の骨頭部を骨折したもの。 【問題点】 初回申請では14級が認定されていた。右肩の可動域は12級相当であったが、後遺障害診断書に『可動域は症状固定間際で制限が現れた』と記載されていた。
またカルテをとりつけたところ、確かに事故後一貫して12級に満たない可動域が記載され続けていた。異議申立をするにあたっては、骨癒合と肩関節可動域制限との関係について、改めて医師の所見が必要であった。
【立証のポイント】
カルテを分析した結果、可動域で12級を求めるのは不可能であると判断。神経症状での12級認定を目指す方針にする。懇意にさせていただいているスポーツ外来で右肩について徹底的に精査受診を依頼した結果、右肩に腱板断裂があることを発見。関節造影を行い画像所見を獲得し、さらに医師に肩の痛みについて、器質的損傷に伴うものであるという所見をいただいた。
可動域制限には一切触れない内容で異議申立書を作成し、あくまでも12級13号の認定を求めて異議申立を行った。無事に12級13号が認定される。
(平成25年1月)
【事案】
自動車走行中、対向車がセンターラインをオーバーし正面衝突、肩鎖関節(鎖骨と肩の間の関節)が亜脱臼する。その後、肩の固定、理学療法を続けるが肩部に鎖骨の外端がわずかにポコッと出っ張ったまま。さらに激痛が数か月もやまない。
【問題点】
完全脱臼した場合は手術が必要だが、亜脱臼も鎖骨の変形が残りやすい。変形は裸体で確認すれば足りるが、本件の最大の問題は、被害者がひどい痛みを受傷半年後も訴えて続けていることです。医師は痛み止め注射の処方を続けるが、痛み自体が後遺障害として評価されるのは困難。「痛み」は「変形」から派生するものとして12級5号の変形に含めてしまうからである。12級を超える障害を立証するのは厳しいと、被害者には過度の期待をもたないよう諌めることからスタートする。
【立証ポイント】
長く続く痛みの原因を探る。3.0テスラMRI検査により、肩に炎症、液体貯留が続いていることを確認する。これにより激しい痛みが半年後も残る外傷性・肩鎖関節炎を立証する。この炎症の継続が肩鎖関節の不接合に加え、肩関節可動域制限の原因と説明する。最後に可動域計測の立合い、外転2分の1以下の制限を確認。続いてMRI検査所見の詳細な記述を医師にお願いする。とどめに自覚症状も別紙で詳細に記述する。こうして障害を徹底的に説明し尽くす。
総合的に症状の重篤度を評価いただき、可動域制限10級10号、鎖骨の変形12級5号、併合9級の認定を得る。
24年は鎖骨の骨折・脱臼絡みの立証が多かった。成功例も重なり、もはや「鎖骨の王様」か。
(平成24年12月)
【事案】
横断歩道を横断中、自動車に撥ねられ転倒、右鎖骨骨幹部を骨折する。
【問題点】
某市立病院に搬送されるも、打撲の対応。レントゲンも翌日に撮影、鎖骨がぽっきり折れているのに発見が遅れ、治療も後手に。その後も骨の癒合が進まず、腕も挙がらなくなってしまった。リハビリも「家で肩を動かして」、検査も「うちではやらない」「紹介状も書かない」・・・初期の誤診を責められるのを危惧してか、まったく協力的ではない公務員医師たち・・・。被害者は暗澹たる気持ちで相談先を探す。
弁護士に相談する内容も賠償問題より、まずは医療のことになる。相談先の弁護士の回答は「12級は取れるかなぁ・・」と。ちょうどその時、その事務所との連携を模索中の私に本件の相談が入った。私は肩関節の可動域制限に注目、その場で計測し「単なる鎖骨骨折、それも骨幹部骨折では可動域制限の理由にならない」と力説する。それを受けて弁護士が病院に検査等、働きかけたがまったく埒があかなかった。諦めかけた頃、待ってましたとばかりに私が初期受任し、立証作業に入った。
【立証ポイント】
これはメディカルコーディネーターの実力を見せる機会。まず信頼できる病院に転院させ、リハビリで回復を試みる。そして肩が動かない原因を鎖骨ではなく、肩腱板損傷と推測、MRI検査を実施して病原を突き止める。最後に肩関節の計測に立ち合い、医師に間違いのない診断書を仕上げて頂く。
結果、肩関節の著しい障害10級10号、鎖骨の変形12級5号、併合9級といった、望みうる最高の等級を得る。
これぞメディカルコーディネーターの仕事。被害者から万感の評価を頂いた。しかし残念ながらその弁護士事務所との連携はならなかった。若手弁護士が「立証も弁護士自らやる」とのこと。この案件を参考に頑張ってほしいと思います。
(平成24年11月)
【事案】
自転車走行中バイクに衝突され、肩鎖関節脱臼。 【問題点】
12級レベルの可動域制限残存も、画像上の根拠が弱く、万が一の非該当を考えると変形障害の認定は外せない。
【立証ポイント】
可動域の計測で最も大切なことは被害者本人が正しい計測方法を理解していること(実は担当MCや弁護士が理解していても診察室での行動は制限されるため意味が無い)。事前に練習を重ね、本番では代償を防ぎながら正しく関節を可動させ12級レベルの数値が記載された(ただし6号は認められなかった)。
保険として追いかけた変形障害は、角度を変えて何枚も写真を撮影し、一目で骨変形があるとわかる資料を作成。最終的に12級5号確定で弁護士に案件を引き継いだ。
(平成24年11月)
【事案】
バイクを運転中、路線を変更してきた自動車と接触し転倒、負傷したもの
【問題点】
主治医の診断では、骨癒合は良好であるとの診断であった。また、相談会時に画像をお見せいただくも、骨癒合は良好であるように思われたため、肩の可動域制限の具体的な理由・原因が相談会の時点では不明であった。
【立証のポイント】
肩の専門医をご紹介し、肩の機能障害についての原因を診察していただいた。健側の画像と比較し、専門医はあっさりと原因が上腕骨骨頭の内反変性骨癒合のためであることを診断。 その診断内容を記載した診断書の作成をお願いし、新たな画像もとりつけ、それらを添付して申請を行い、無事に10級10号が認定された。
(平成24年10月)
【事案】
横断歩道を歩行中、カーレースの如く交差点に進入した対向右折車に撥ね飛ばされ、右肩甲骨骨折、肩関節に異常を感じるも通院先の主治医は年のせいと取り合わない。
【問題点】
初診時から打撲の診断も、可動域回復せず、医師の診断自体が不透明の状態が続く。詐病を疑われているのかと思い悩み、苦しんだ末に当事務所に相談。
【立証ポイント】
まともなリハビリを受けられていない状況のため、即転院。3テスラMRIを備える北関東の画像診断専門病院を訪ね、鳥口突起後方にT2線状高信号域確認⇒棘上筋腱付着部断裂を発見。最も重要な器質的損傷を押さえることに成功。その後リハビリを継続し、正しい可動域計測を受け、スムーズに12級6号認定。弁護士に委任して最終決着。
(平成24年9月)
【事案】
歩行中、後方から来た自動車に跳ねられる。
【問題点】
肩関節脱臼の既往症あり。医療照会を予想、習慣性脱臼(脱臼ぐせ)ではないことを事前に確認しておいた。可動域も3/4以下制限の12級狙いであればそれほど神経質にならなくても大丈夫と判断した。
【立証ポイント】
刑事記録を添付し、受傷起点、つまり事故の状況と骨折の関係性を緻密に表現する。具体的には自動車に後方から跳ねられ、ボンネットに乗り上げ後頭部~頚部をフロントガラスに強打、そして路面に肩部から転倒・・・「これだけの衝撃でこのように骨折した」・・・これが伝われば、既往症を凌駕する重症であることが容易に推察できる。
刑事記録(実況見分調書)は事故状況の資料として、過失相殺の判定、事故の責任割合の判定に有用であるが、受傷機転を説明し、ケガの詳細を伝える・・・このような使い方もある。
※ 併合の為、分離しています。
(平成24年7月)
【事案】
50CCバイクで走行中、交差点で自動車と出会い頭衝突。
【問題点】
わずかに鎖骨の転位(曲がってくっついた)あり。主治医は変形癒合との評価をしなかったが、肩関節に重度の可動域制限を残す。
【立証ポイント】
反対側の健側(ケガをしていない方の肩)は事故とは関係のない関節炎があるため、受傷した肩は「日本整形外科学会の標準値と比較する」旨の記述を主治医に加えていただく。
※ 併合の為分離しています。
(平成24年5月)
【事案】
バイク直進中、対向乗用車が直前でUターンしたため、避けきれずに衝突したもの。
【問題点】
変形癒合での疼痛と可動域制限をどのように主張し、後遺障害診断書に落とし込むか。 【立証のポイント】
裸体での画像を添付し、変形部位の変形を主張。
肩関節の疼痛を訴え、可動域制限の測定を行い、間違いのない測定結果が得られた。
日常生活及び仕事上での不都合を申述書にて診断書と整合性を主張。
結果:変形治癒12級5号+可動域制限12級6号により、併合11級を獲得。
(平成24年5月)
【事案】
バイクで直進中、急な進路変更の自動車と衝突・転倒し距骨骨折。その他全身を痛める。足首と肩に可動域制限を残す。
【問題点】
初診時から打撲の診断も、可動域回復せず、専門医の診断にて診断名が二転三転する。さらに腱板損傷が言及されるも、受傷部分がはっきりしない。医師の診断自体が不透明の状態が続く。
【立証ポイント】
医師面談を辛抱強く継続し、後遺障害診断書へ落とし込む診断名を確定させる。
「左肩関節打撲」→「左上腕二頭筋腱損傷」→「左肩甲下筋断裂」このように出世魚のように診断名が変った経過から、一連の治療経過、症状を整理した申述書にて整合性のある説明を加える。
さらに関節可動域測定に立ち会い、計測値を監視する。
結果、一本の糸に収束するように足首10級、肩12級、頚部14級の併合9級に。立証の努力が報われた。
※ 併合の為分離しています
(平成24年4月)
【事案】
自動車運転中に、Uターンしようとした他車に進路を塞がれるかたちで衝突し、受傷したもの
【問題点】
診断書では、腱板損傷の疑い、となっており、確定的な所見・診断が得られていない状態であった。できるだけ早期に腱板損傷の確定的な診断を得る必要があった。 【立証のポイント】
専門医をご紹介して、精査受診をお願いする。肩関節造影によって右肩腱板損傷の確定診断を得る。その後はその診断結果をもとに主治医のもとで治療を続け、症状固定。
腱板損傷の立証に必要なポイントを網羅した後遺障害診断書案を医師に提示。医師が非常に協力的であったこともあり、理想的な後遺障害診断書が完成。問題なく10級10号が認定された。
(平成24年1月)
【事案】
歩行中、自動車に轢かれ、足関節と鎖骨を骨折したもの。
【問題点】
足関節で12級以上が認定される可能性が非常に高いため、併合を意識すると鎖骨変形12級5号を取り逃がすことは出来ない。骨変形が外形で確認出来る事実を、いかにしてありのまま調査事務所に伝えるか。
【立証ポイント】
角度を変えて何枚も写真を撮影し、一目で骨変形があるとわかる資料を作成。12級5号が認定された。足関節10級11号との併合で9級が確定。弁護士に案件を引き継いだ。
※ 併合9級の事案であるため分解して掲載しています
(平成23年12月)
【事案】
原付運転中に車に撥ね飛ばされ、右鎖骨を脱臼したもの。
【問題点】
相談の段階で神経症状12級13号は認定されていたが、鎖骨脱臼による骨変形は非該当であった。「系列」の考え方からすると自賠責において併合11級を目指せるかは微妙なところではあるものの、神経症状と骨変形では逸失利益の喪失年数に違いがあるため、12級5号の認定を目指して正式受任。
【立証ポイント】
角度を変えて何枚も写真を撮影し、一目で骨変形があるとわかる資料を作成。自賠・労災ともに12級5号が認定された。「系列」の考え方が存在しない労災では併合11級であったが、自賠責はやはり併合ならず。しかし喪失年数の点で被害者に有益となったことは間違いなく、弁護士に引継ぎを行って行政書士対応は終了した。
(平成23年4月)