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本日の業務日誌

人身傷害の約款改悪シリーズ 人身傷害保険の支払限度は結局、人傷基準 ②

 昨日の約款条項を、損保ジャパン日本興亜さん(平成30年1月版)から確認してみましょう。


第6条(損害額の決定)

(3)(1)および(2)の規定にかかわらず、賠償義務者があり、かつ、賠償義務者が負担すべき法律上の損害賠償責任の額を決定するにあたって、判決または裁判上の和解において(1)および(2)の規定により決定される損害額を超える損害額が認められた場合に限り、賠償義務者が負担すべき法律上の損害賠償責任の額を決定するにあたって認められた損害額をこの人身損害条項における損害額とみなします。
ただし、その損害額が社会通念上妥当であると認められる場合に限ります。

※ 緑字は弊社が定める損害算定基準に従い算定された金額=人傷基準 を指しています。
 
 普通なら、ここで、「あぁ、ついに裁判基準を認めてくれたのだな」と思ってしまいます。
 
 ところが、以下の8条で、「ただし、限度額があります。それも人身傷害の基準額です」と・・
 
第8条 (支払保険金の計算)

(3)(1)および(2)の規定にかかわらず、第6条(損害額の決定)(3)の規定(つまり、↑の条項)を適用する場合は、1回の事故につき当会社の支払う保険金の額は、被保険者1名につき、次のいずれか低い金額を限度とします。

(2)に定める限度額

② 第6条(1)および(2)の規定により決定される損害額および前条の費用の合計額
 
※ 青字は人傷基準で計算された損害額を指しています。
 
 6条の(3)で、最初に裁判基準を認めていながら、後(8条の(3))で人傷基準に戻しているのです。
 
 なんで、こんな手の込んだことをするでしょうか(呆)
 
 これが、人身傷害の正体なのかもしれません。人身傷害は”つぐないの保険”ではなく、あくまで保険会社が支払金額を決める”定額保険”であると。

保険定食?

 
 無保険車傷害保険の支払基準も現在、ほとんどの会社で人身傷害の約款に準じています。ここに何故こだわるかと言うと、以前、無保険車傷害保険に関しては、裁判基準を認めていたのです。

 前日、「無保険車傷害保険は対人賠償のカウンター」と書きました。無保険車傷害保険は、そもそも、マイカーに、他人にケガをさせた場合の補償のために、対人賠償(任意保険)をかけているドライバーが、歩行中、無保険の自動車から死亡や後遺障害を伴う大ケガを受けた場合、相手から補償されないのでは気の毒である ・・という思想から、対人賠償に自動担保されたものです。

 それが、人身傷害が発売されて以降、補償がかぶることになりました。そこで、無保険車傷害保険を対人賠償の約款から引っこ抜いて、人身傷害に混ぜてしまったのです。混ぜ方は各社違いがありますが、概ね人身傷害の支払基準に統一され、結果として、保険会社の支払基準に慣らし込んだことになります。無保険車傷害保険は本来、その誕生の意図から、”つぐない”の為の対人賠償に同じく、裁判基準での支払余地があったのです。

 
 上記の約款では、相手からの賠償金が期待出来ない場合、人傷基準での補償で我慢することが決定的です。
 
 だからこそ、この静かな約款改悪に、大変な問題意識を持っているのです。
 
 つづく
 

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