佐藤イラストsj佐藤も困った

 先日、いつものように病院同行し、院長先生と面談をさせていただきました。しっかりとお話しを聞いてくださり、患者想いの先生だなと感じておりましたが、一度退席を求められ患者と一対一に。退席し、外で待っていたのですが、「こういう業者は必要ないから解任しなさい。お金がもったいないよ。MRI検査も必要ないからね。なんでこんな業者にお願いしたの?」と患者を説得するかのように熱弁をふるっていました。依頼者さんも院長になぜここまで言われなくてはならないのかと思ったそうです。また、大抵このような医師の書く診断書こそ穴だらけで、精査・修正が必要なのです。その後入室し、医師から今後の説明を受け、その日は無事に終了しました。
demisshi2  また後日、同行したのですが、その日はあいにく院長先生が休診だったため、副院長先生の診察を受けることになりました。副院長先生は院長先生のご子息で、診断書等も全て副院長先生が記載しているとのことでした。面談のために入室しましたところ、「後遺障害申請にこのような業者を入れるのは間違っている。」と私を無視して依頼者の説得を始めたのです。「診断書は本人から受け取るから、記載が終わったら保険会社に提出すればいいんだよ。こういう業者は書類を横流ししているだけで、仕事は一切しないよ。そのためにお金を払うのは馬鹿馬鹿しいでしょ?」というように10分間お話は止まりませんでした。親子二代、偏見とは言い過ぎかもしれませんが、極端な主義者です。
 
 地域性なのかこの病院だけなのか分かりませんが、これほどまでに業者を嫌う医師も珍しいです。過去に行政書士との間になにかあったのでしょうか。きっとなにかあったのでしょう。確かに、この医師の説明のような行政書士も存在しますので・・。
 
 交通事故では、加害者側の保険会社が医療調査を行い、打切りや症状の重さについて医療調査を行うことが一般的です。後遺障害の評価も自賠責保険が行います。しかし、本来、その作業が望まれるのは被害者側なのです。被害者はケガの苦しみに耐え、解決までの事務をたった一人で戦っています。もちろん、ずべての被害者さんに病院同行や立証作業が必要とは言いません。しかし、一定数は適切なフォローが必要であり、残念ながら本件の医師が言うように、医師任せ・保険会社任せで、常に、自動的に、間違いのない障害認定が下るわけではありません。
 
 被害者側の病院同行、医師面談、医療調査という作業が一般的に及ぶのは、まだまだ先になりそうです。被害者側からの医療調査の重要性を、これからも地道に広めていければと思っております。