この仕事におけるマーフィーの法則ですが、何故か同じ傷病名の相談・受任が、一定期間に重なります。

 首の骨の2番目軸椎の突起部を歯突起と呼びます。折れやすい所ではありますが、それなりに珍しい骨折部位です。同時期にこの骨折の相談が相次ぎました。  本件、完全な癒合をみなかったところから、穏当に脊柱の変形に収めました。一歩間違えば命に係わる部位の骨折です。11級で済んで不幸中の幸いかもしれません。   尺骨茎状突起、歯突起、載距突起・・・突起部の骨折が多い年でした  

11級7号:軸椎歯突起骨折(80代男性・埼玉県)

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 外傷性散瞳(がいしょうせいさんどう)    想定される障害 ⇒ 羞明(しゅうめい)・・・ 普通の人がまぶしいと感じない光をまぶしいと感じる状態をいいます。

 

(1)病態

 先に、虹彩について、カメラの絞りに相当するもので、自律神経が瞳孔の散大筋、括約筋をコントロールし、明暗により眼に入る光の量を自動的に調節していると解説しています。

 交通事故で、眼に鈍的打撲を受けると、ときとして、瞳の大きさを調節する筋肉が機械的な損傷を受け、ることがあります。散大筋、もしくは括約筋の損傷により、瞳の大きさを調節することができず、瞳が大きくなったままの状態を外傷性散瞳といいます。

 時間の経過で、徐々に回復することも報告されていますが、筋肉の損傷では、現実的には、治療の方法がありません。   (2)症状

 明るいところに出ても、瞳を小さく調節することができず、まぶしさや像のぼやけの症状が出現し、散瞳が大きければ、この症状は強くなります。まぶしさから逃れるには、虹彩付きのコンタクトレンズを装用することになります。

 散瞳および虹彩根部の損傷によって外傷性の続発性緑内障を発症することも予想されます。逆に、瞳が小さくなる、外傷性縮瞳となることもあります。   (3)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 外傷性虹彩炎(がいしょうせいこうさいえん)     (1)病態

 前房は、虹彩と透明な角膜の間の部分をいい、虹彩は、前房を含む目の前側部分を言います。外傷性虹彩炎とは、打撲による茶目の部分=虹彩の炎症であると覚えてください。   (2)症状

 交通事故によるまぶた部分の鈍的外傷で、虹彩に炎症が生じると、前房出血を伴い、羞明や、流涙、強い目の痛み、充血、視力低下などの症状が現れます。虹彩炎の合併症には、白内障や緑内障、そして虹彩以外の部分への炎症の波及なども予想され、これらの合併症は視力の低下、ときには、失明に至るので神経質に対応しなければなりません。   続きを読む »

   外傷性斜視(がいしょうせいしゃし)  

  左から内斜視・外斜視・上斜視・下斜視

  (1)病態

 斜視には、内斜視、外斜視、上斜視、下斜視の4種類があります。    片目が正常な位置にあるときに、   ① 内斜視とは、もう片方の目が、内側に向いている、   ② 外斜視とは、もう片方の目が、外側に向いている、   ③ 上斜視とは、もう片方の目が、上側に向いている、   ④ 下斜視とは、もう片方の目が、下側に向いている状態のことです。    自動車や自転車、歩行中の交通事故などで、頭部、眼部に対する強い打撃により斜視となることがあり、外傷性斜視といわれています。

 眼窩底ふきぬけ骨折は、斜視を伴う代表的な傷病名です。頭部外傷、外傷性くも膜下出血では、外転神経などの視神経が影響を受け、眼球運動に障害が起こることもあります。

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 滑車神経麻痺(かっしゃしんけいまひ) ⇒ 複視     (1)病態

 眼球を内側に向け、引き続き下に向けるとき、つまり自分の鼻を睨むときに働く筋肉が上斜筋です。眼球を動かす神経の1つ、滑車神経=第4脳神経が上斜筋を支配しており、上斜筋の麻痺は、すなわち滑車神経麻痺となるのです。

 交通事故では、バイクの運転者の頭部外傷、側頭骨骨折、眼窩壁骨折を原因として発症しています。   (2)症状

 麻痺した側の眼は、内側と下側に動かないので、片方の像がもう片方の像より少しだけ上と横にずれて見える複視が出現し、階段を下りるのが困難になります。階段を下りるには、内側と下側を見る必要があるからです。しかし、麻痺が生じている筋肉と反対方向に頭を傾ければ、複視を打ち消すことができます。この姿勢をでは、麻痺していない筋肉により、両眼の焦点を合わせることができるからです。   (3)治療

 CT、あるいはMRI検査で確定診断が行われています。治療としては、上下のズレにつき、プリズムレンズの眼鏡による補正が行われていますが、これでは、傾きの補正できないのが難点です。眼の体操でやや改善が得られることもありますが、複視の根治には、上直筋の下方で、この筋肉を縫い縮める手術が実施されています。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 先週、仲本工事(享年81)さんのショッキングなニュースが入ってきました。全盛期のザ・ドリフターズについて、あまりよく知らない私でもお名前と顔が分かるほどの昭和の大スターですよね。ドリフのメンバーがまた一人いなくなってしまったのは寂しい限りです。仲本工事さん、ご冥福をお祈りいたします。

 まだ、亡くなってから日が浅いので、不謹慎と思われる方もいらっしゃると思いますが、近年、交通弱者の過失が大きくなるような事案のご相談も多く受けておりますので、仲本工事さんのケースも調べてみたいと思います。    仲本工事さんの事故現場については、ニュース等でも取り上げられており、「横浜市西区浅間町5丁目の交差点を横断中に車と接触、頭を強く打って意識不明の重体のまま運ばれて翌19日、急性硬膜下血腫でお亡くなりになった」との事です。現場をグーグルマップで確認すると、信号のない交差点で20mほど進めば、洪福寺交差点で横断歩道があるようなところでした。    【33】の場合、基本の過失割合は「歩行者30:自動車70」ですが、下記の修正要素を考慮して過失を決めていきます。

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 歳をとると朝の目覚めが良くなると聞いていました。本当かなぁ・・いつ何時でも眠れる私にとって、にわかに信じがたい説でした。

 ところが、最近は5時のアラームが鳴る15分前に目が覚めてしまいます。あと15分間、2度寝するのもどうかと思い、鳴る前のアラームを切ってテレビをつけます。マイ「朝の情報番組」は、新井 恵理那さんの笑顔を目当てにテレビ朝日にしています。ところが、その時間帯は「グッドモーニング」の放送前、おはよう時代劇「暴れん坊将軍」の終盤で、まさにマツケンが暴れまわっている場面です。恵理那さんは15分お預け、バッサバッサと悪人を切り捨てる暴れん坊将軍と、続くサブちゃんのエンディングテーマから1日が始まってしまうのです。つまり、お爺ちゃんの朝です。      さて、昨日は徳川家ゆかりの駿府城、その城内に位置する会場で静岡市でセミナー、テーマは「人身傷害保険・約款の近時改定」でした。そろそろ来年の約款も出揃ってきましたので、来年からの改定にも目を通す必要があります。約款を追う仕事は大変なのです。

 先日、初冠雪となった富士山ですが、まだ雪の帽子までは至っていません。   続きを読む »

 今までの研修会・セミナーですが、講師を拝命、あるいは自ら主催も含めると、実に74回を数えます。あるベテラン講師さんは「100回やると上手になるよ」と言っておりました。今年、徐々に再開したセミナーですが、先日は行政書士会向けでした。    今までの研修対象は、一に保険代理店さん・保険マンなど保険会社関連です。次いで弁護士先生、これも相当数ありあました。また、社労士先生向けも3回ほどありました。ところが、同じ行政書士さん向けの講師はたった一回もありませんでした。一度、打診がありましたが、会の趣旨から謝絶させて頂きました。

 いつも貧乏暇なしの事務所ですから、営業に直結しないものは敬遠しがちです。また、同業者に講釈たれる自負もなく、後進の為の研修は気が乗らないものです。今回に限っては、九州の知己となる先生からの推薦もあり、業際問題への理解が一致することから、福岡行政書士会の業務研修(web研修)を拝命しました。また、九州の他県からも注目があり、ほぼ全域に配信されたようです。それでもニッチな業務なので、せいぜい50人位?と思った接続が105人とは・・多いのか少ないのかわかりません。

 注:再生をクリックしても動画はでません(一般公開不可なので)。    ZOOMを利用した本格的なweb研修は初めてです。色々と初めてづくしでしたが、今後のセミナー展開に向けて良い経験になりました。聴講された九州全域の書士の皆様、福岡県行政書士会の皆さまに御礼申し上げる次第です。  

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 外転神経麻痺(がいてんしんけいまひ) ⇒ 複視の障害     (1)病態

 外転神経は、外側直筋を収縮させ、眼球を外側に向かって水平に動かします。眼球の運動に関わる神経は、ほかに動眼神経、滑車神経がありますが、正常な視機能を成立させるには、脳の命令にしたがって眼球を的確に動かすことが必要となります。例えば、両眼を連動させ、常に同じ視野を捉えていなければ、モノが2つに重なって見えることになり、正しい立体感も得ることができなくなります。   (2)症状

 交通事故による頭部外傷で、外転神経が麻痺すると、眼球は外転ができなくなり、正常よりも内側を向く内斜視となります。側頭骨々折、眼窩壁骨折などにより、外側直筋を断裂したときも、同じ症状となります。そうなると、両眼の視線が見たい物の場所で交わらなくなり、複視の症状が現れます。複視とは、モノが2つにダブって見えることです。

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 眼瞼下垂(がんけんかすい)と瞳孔(どうこう)の収縮          (1)病態・症状

 ホルネル症候群では、①片側のまぶたが垂れ下がり、②瞳孔が収縮して、③発汗が減少します。交通事故では、眼と脳を結ぶ神経線維が分断されることが原因で発症しています。

 眼と脳をつなぐ神経線維のいくつかは環状になっており、それらの神経線維は脳から脊髄に沿って下行、脊髄を下ったあと、胸部から出て、頚動脈のそばを通って上へ戻り、頭蓋を通って、眼に到達しているのですが、神経線維がこの経路のどこかで分断されると、ホルネル症候群が起こります。

 ホルネル症候群は、交通事故外傷による頭、脳、頚部、または脊髄の疾患、大動脈や頚動脈の解離、などが原因で発症すると報告されています。この部分は覚える必要はありません。   (2)治療

 医師は、症状が出ている側の眼に、コカインを少量含む点眼薬をさし、30分を経過しても瞳孔が広がらなければ、ホルネル症候群と診断します。その後、他の点眼薬による検査が実施され、それらの点眼薬に瞳孔がどのように反応するかを見ることで、神経損傷のおよその位置がわかります。脳、脊髄、胸部、頚部などのCT、MRI検査も必要となります。原因が特定されれば、その治療が開始されますが、ホルネル症候群そのものに対する具体的な治療法はなく、改善は、風まかせです。   (3)後遺障害のポイント   1、眼瞼下垂

 後遺障害の、まぶたに著しい運動障害を残すものとは、まぶたを閉じたときに、角膜を完全に覆えないもので、兎眼、まぶたを開いたときに、瞳孔を覆うもので、これは、眼瞼下垂と呼ばれています。

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「フットブレーキに頼った運転で起きたのでは?」

   すでにご存じと思いますが、先週の観光バス横転事故、その原因の可能性に「フェード現象」の可能性が、専門家より指摘されています。事故調査はまだこれからで、断定はできませんが、以下、日テレニュース様より引用します。

 

 静岡・小山町で観光ツアー中の大型観光バスが横転した事故で、警察が可能性の1つとして捜査を進めているのが「フェード現象」です。交通事故に詳しい専門家は「フットブレーキに頼った運転」によりこの現象が起きたのではないかと推測しています。さらに、現場となった道路の“ある特徴”に対する指摘も…。    事前の安全点検に問題はなかったといいますが、野口容疑者は「ブレーキがかからなくなった」と供述しているということです。ブレーキは、なぜかからなかったというのか…。警察が可能性の1つとして捜査を進めているのが、「フェード現象」です。   ※ フェード現象は、今回の事故現場ような長い下り坂などで起こりやすい現象です。そもそもブレーキは、摩擦でタイヤの回転を止める仕組みになっています。しかし、これを何度も繰り返すと熱が発生し、ブレーキが利きにくくなるといいます。

 <中略>   事故は富士山5合目からの長い下り坂の途中で起こりましたが、実際にこの道路を走った車の車載映像には「ブレーキの過熱に注意」と呼びかける看板が映っていました。

交通事故に詳しい交通事故鑑定人の中島博史さんは、事故現場の写真を見ながら、「急なカーブになっていますが、このカーブを曲がりきれないようなスピードでこのカーブに入ってしまったために、恐らくこの辺りでのり面に乗り上げてしまったので、車の左側が持ち上げられ、最終的には横転するような形になった事故だと思います」と分析しました。

さらに指摘したのは、“道路の色の違い”です。事故現場の写真では、真新しいように見える道路と古く見える道路との間に、はっきりとした“切れ目”がありました。

交通事故鑑定人・中島博史氏:「手前側の方が新しくて、非常によく整備されている状態です。切れ目のところから先は少し古そうで、ある程度、摩耗したり劣化したりしているところが見えます。カーブの途中で摩擦力が変わることはあり得る」

古い道路の方が摩擦力は低下するため、ブレーキの利きが悪くなった可能性があるといいます。

交通事故鑑定人・中島博史氏:「フットブレーキに頼った運転をしていてフェード現象が起きてしまって、カーブの手前で減速したかったが、ブレーキが利かず、はみ出してしまったというのが事故の原因だと思います」    また、最新の報道によると、乗客の証言では、事故の1~2分前から「ブレーキが効かない」との運転手の声や、乗務員より「シートベルトの着用を」との指示があり、スピードもかなり出ていて、カーブの際に左右に振られて乗客が悲鳴を上げていたようです。事故を回避する為に、運転手がわざと左斜面に車両を接触させて停止、あるいは減速を計った可能性も想像できます。メカニックのトラブルか、運転ミスか・・いずれにしても、今週中に事故原因の調査、第一報が入ると思います。    

   

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(3)後遺障害のポイント   ① 眼球の運動障害

 眼球の運動は、上下・内外・上下斜めの3対の外眼筋の一定の緊張で維持されています。動眼神経麻痺により、外眼筋の一部が麻痺すると、緊張状態が壊れ、反対の方向に偏位します。

 ゴールドマン視野計で注視野を測定し、注視野の広さが2分の1以下に制限されていれば、著しい運動障害として、単眼で12級1号、両眼で11級1号が認定されています。  

ゴールドマン視野計

  1、注視野

 頭部を固定した状態で、眼球の運動のみで見える範囲のことで、単眼視では各方向50°両眼視では45°となります。

 単眼、両眼の注視野の範囲は、以下の通りです。続きを読む »

 動眼神経麻痺(どうがんしんけいまひ)

 ⇒ 複視・眼球の運動障害・眼瞼下垂・瞳孔散大

 

(1)病態

 動眼神経麻痺は、眼本体の外傷ではなく、頭部外傷、脳幹部損傷や脳圧の亢進により、第3脳神経が圧迫を受け、これが引き伸ばされたときに発症するものです。

  (2)症状

 動眼神経が麻痺すると、真っ直ぐ正面を見ているときでも、麻痺が生じた眼は外側を向いており、モノが二重に重なって見える=複視を発症します。

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非該当、か・・。  

Case2 頚椎捻挫・腰椎捻挫(60代男性・静岡県) 

【事案】

自動車の助手席に同乗中、後続車に追突され負傷。直後から全身の痛み、神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から4ヶ月経過した時点でご相談を受けたが、通院実績が整形外科<接骨院であった。   【経緯】

ご相談を受けた時点から、整形外科中心の治療に切り替えるよう促し、症状固定日までに通院実績を逆転させることに成功する。頚椎・腰椎のMRI検査も実施し、通常通り申請することとなった。   【結果】

本件は当初から耳鼻科にも通院していたため、目眩についても後遺障害診断書を作成。しかし、その分野で医療照会が入り、審査に約3ヶ月を要したが、非該当となった。頚椎捻挫・腰椎捻挫については特に理由もなく、目眩については医療照会で得た診療録の内容を根拠に非該当を突き付けてきた。   【結論】

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 いつも後遺障害認定された実績を載せていますが、今回は「非該当」になってしまった例について、反省も込めていくつか紹介してみます。

 おそらくほとんどのHPが、こんな認定を受けました!という内容ばかりで、非該当になったことなど書かれていないと思います。需要があるかは分かりませんが、交通事故被害者にとっては目新しい記事かもしれませんので、今後も載せてみたいと思います。

認めたくないものだな・・  

Case1 頚椎捻挫(50代女性・神奈川県)

【事案】

自転車で走行していたところ、駐車場から出てきた車に衝突され負傷。直後から全身の痛み、神経症状に悩まされる。   【問題点】

今回の事故以前に頚椎・腰椎で後遺障害認定を受けていた。(1回目が14年前、2回目が10年前)   【経緯】

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 他社でも追加された、行方不明=死亡の推定条項です。生保ではおなじみのルールですが、自動車事故で行方不明とは想定しずらいので、今まで明記していなかったようです。

 しかし、交通乗用具への補償では、飛行機や船舶などが含まれますから、遭難、死体が見つからないなど、様々なケースが想定されます。しっかり書いておく必要に駆られたと思います。6条で、行方不明30日で死亡と推定するルールとしました。

 7条では、事故報告しなかった場合のペナルティが定められました。何を想定しているのか?ですが、これは保険金詐欺対策で、生きているのに死んだことにして・・例えば海難事故に便乗、「実は、あの沈没した船に乗っていました」等、保険金を請求する詐欺でしょうか。    一年間の行方不明者ですが、令和元年は届け出だけで86,933人です。安定した社会の日本でさえ、ここ10年は8万人台で横ばいです。<警察庁生活安全局生活安全企画課の統計発表>     第6条(死亡の推定)

⑴ 当会社は、被保険者が搭乗している航空機または船舶が行方不明となった場合または遭難した場合において、その航空機または船舶が行方不明となった日または遭難した日からその日を含めて30日を経過してもなお被保険者が発見されないときは、その航空機または船舶が行方不明となった日または遭難した日に、被保険者が死亡したものと推定します。

⑵ ⑴の場合、当会社に対する保険金の請求権は、被保険者が搭乗している航空機または船舶が行方不明となった日または遭難した日からその日を含めて30日を経過した時から発生し、これを行使することができるものとします。   第7条(事故通知の特則)

⑴ 被保険者が搭乗している航空機または船舶が行方不明となった場合または遭難した場合は、保険契約者または保険金を受け取るべき者は、遅滞なく行方不明または遭難発生の状況を書面等をもって当会社に通知しなければなりません。

⑵ 次のいずれかに該当する場合は、当会社は、それによって当会社が被った損害の額を差し引いて保険金を支払います。

① 保険契約者または保険金を受け取るべき者が、正当な理由がなく⑴の規定に違反した場合

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 自転車など交通乗用具での自爆事故、あて逃げ(加害者不明)の場合は、慰謝料と休業損害はでない。    今年、令和4年1月1日約款改定より、交通乗用具が復活して \(◎o◎)/! でしたが・・・   👉 人身傷害・今年の約款改定 ① ~ 損保ジャパン、交通乗用具・復活の日    どうやら、先行販売した人身傷害付の傷害保険UGOKUに同じく、制限があることに気付きました。   👉 画期的な傷害保険 UGOKU    これは、先日の茨城県・水戸セミナーで、代理店のMさまから教えて頂きました(ありがとうございます)。補償範囲拡大で喜んでいましたが、新たに増えた補償の支払い項目に一部削減がありました。

 あいおいさんも近時の改定より、同じように一部制限をかけました。両社の意図は、おそらく多くのケースで、自転車単独事故は警察の届け出などしない・・・つまり、交通事故以外でケガをしても「自転車でこけちゃって」と偽り、人身傷害保険を請求してくる・・虚偽請求を予想してのことかと思います。また、ひき逃げでも相手が判明しない限り、交通事故かどうかわかりませんので同じことになります。    このように、人身傷害の”交通乗用具への補償”はざる保険なので、東京海上日動さんはじめ、多くの会社が廃止した歴史があります。維持してきた会社(三井住友、あいおい他)、復活させた会社(損J)、いずれも自動車が絡む事故の補償は不変ですが、自転車はじめその他の交通乗用具に対して補償を制限する改定がありました。ちゃんと損保も考えているのですね。   続きを読む »

【2】まぶたの運動障害

 まぶたの運動障害は、顔面や側頭部の強打で、視神経や外眼筋が損傷されたときに発症します。ホルネル症候群、動眼神経麻痺、眼瞼外傷による上眼瞼挙筋損傷、外転神経麻痺が代表的な傷病名となります。    まぶたには、 まぶたを閉じる=眼瞼閉鎖、

        まぶたを開ける=眼瞼挙上、

        瞬き=瞬目運動    以上の3つの運動があり、後遺障害である、まぶたに著しい運動障害を残すものとは、瞼を閉じたときに、角膜を完全に覆えないもので、兎眼と呼ばれています。同じく、まぶたを開いたときに、瞳孔を覆うもので、これは、眼瞼下垂と呼ばれています。

 単眼で12級2号、両眼で11級2号が認定されますが、男女とも、相当に深刻です。 実務上では、顔面の醜状障害として上位等級の9級16号も視野に入れます。   続きを読む »

【事案】

自動車の後部座席に搭乗中、右折してきた対向車と衝突して負傷、頬骨(きょうこつ:ほほの骨)を骨折した。直後から顔面の痛み、神経症状に悩まされる。   【問題点】

診察の度に医師が変わるため、長期的な話をすることができなかった。最終診察時の医師が後遺障害に無理解であり、何が何でも「完治」とする姿勢であった。

  【立証ポイント】

本件は頬骨骨折といっても陥没骨折であり、吸収性の人工プレート・スクリューを入れて、頬肉が落ちないよう支えを作り、骨癒合を促す手術が行われた。執刀医によると、「陥没した骨が元の位置に戻ることはない。」という説明から、後遺障害診断時にはそのような記載を依頼しようと思っていた。

ところが、最終診察では執刀医ではなく、統括する医師の診察であった。頬骨陥没を伝えても、「骨癒合は得られており、完治している。」との一点張りで、後遺障害など残存していないという姿勢であった。このまま引き下がるわけにもいかないので、粘り強く説明をした結果、渋々書類を記載して下さることとなった。

ご本人から聞き取った資料等を添付し、なんとか勝負できる後遺障害診断書を受け取り、陥没箇所を指摘した資料と共に後遺障害申請したところ、14級9号の回答・・。

本件は陥没箇所が元に戻っていないという理由から異議申立手続きも実施したが、医療照会を経た結果、認定は覆らなかった。自覚症状が比較的軽度とはいえ、医療照会の書面だけを踏襲して陥没をスルー。「骨癒合が得ら れており・・・。」との理由で12級を否定されたことは残念であり、悔しさが残る案件となった。

(令和4年6月)  

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 外傷性眼瞼下垂(がいしょうせいがんけんかすい)

 ⇒ まぶたの欠損・運動障害  

(1)病態

 眼瞼挙筋は、まぶたや眼球の運動に関わる動眼神経が支配しており、自分の意志でまぶたを開けたり閉じたりすることができる筋肉です。ミュラー筋は自律神経が支配しており、自分の意志で動かすことはできません。また、額の筋肉の前頭筋も眉毛を上げる作用があります。眼瞼下垂などで、まぶたが開けにくい状態では、前頭筋を使ってまぶたを上げることが癖となり、額のしわが深くなります。

 外傷性の眼瞼下垂は、腱膜性眼瞼下垂と呼ばれるものと動眼神経麻痺の2つに分類されます。腱膜性眼瞼下垂は、挙筋腱膜の断裂や瞼板との付着部分が分離するなどにより、瞼板を正しく持ち上げることができず、まぶたが開きづらくなっている状態です。上まぶたが下垂し、まぶたが開きにくくなることで、物が見えにくい状態を眼瞼下垂と呼び、先に説明の、まぶたの切創=裂傷で、眼瞼挙筋や挙筋腱膜を損傷することでも発症します。   (2)後遺障害のポイント

【1】まぶたの欠損

 交通事故によるまぶたの切創=裂傷では、縫合や形成術を行っても、著しい欠損を残すことが予想されるのです。

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